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ぐっさん
2024年7月27日 17:30
発走温かい春の木漏れ日、絶好の花見日和な土曜の昼下がり、それでも福岡県WINS天神の大型ビジョンの前には大勢の人だかりが出来ている。今日のメインレース、中山競馬場・ニュージーランドトロフィーがいよいよ始まろうとしていた。この日一人の男、ピロは人生最大の転機が訪れている。この中山メインに己の全て?を懸けた一世一代の大勝負に打って出た。時刻は15時40分を刻んだ。発走の時が迫る。各馬が誘導
2024年7月21日 18:19
組織画面は『ニュージーランドT 中山芝1,600m』のパドックが始まっていた。『ボス、お電話です』新聞に目をやりながら横目で画面に睨みを利かす一人の男が電話を手に取った。『おうチヒロ、なんだ?ああ、ようやくお前も俺の仕事を手伝う気になったってえのか?』チヒロ、それは大山チヒロのことだった。ここの事務所は春だっていうのに窓が無く陽の光を受けつけない雑居ビルの1室。男はチヒロと電話越
2024年6月14日 08:51
深海地上から200メートル以下の海中はそう呼ばれるらしい。『深海』そこは一面漆黒の闇。表層の生物からは想像できないほど特異な形態・生態を持つものも存在する。水温は氷点下を行ったり来たりするような、冷たい海底。なにせ太陽の光が届かない。まさに出口の見えない暗闇の迷路、光が指すことは無いそんな深い海底にピロは沈んでいた。この日、ピロは掛け値なしの大勝負に、そして引き返すことは出来ない大航