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一方、こんな日本人採用は今後増える
皆さまこんにちは。ピープリーのヒロコです。ジャカルタは雨季真っ最中。いつも燃えるような朝日からエネルギー補給しているのに、もやっとした朝が続いていて気分もすっきりしません。太陽の力ってすごいなぁ~って改めて感じる今日この頃です。
さてさて、今日は前回の記事「日本人採用が減っていく?!」の続き、ではないのですが、関連トピックでお話したいと思います。
日本人求人の母数は減少が予測されますが、一方で「過去こんなポジションはほぼなかったのに増えてきます」というポジションがあるんです!
<「現地化」と言われて30年・・>
今は人事異動の時期。「帰任するんです」「異動するんです」という寂しいお知らせを耳にするようになりました。任期がある駐在員の宿命ではありますが、せっかくご縁をいただけたのになぁと寂しさを感じる瞬間ではあります。でも同時に「後任を2月にお繋ぎしますね」などと新たな出会いの季節でもあり、「一期一会」を意識する季節ですね。
ところが、「後任は来ないんです・・」と仰る会社様がここ1カ月立て続けに存在しており、「駐在員を送るのではなく現地で長い方を後任に・・」とご相談いただくことが増えました。(中には「インドネシア人を社長として採用します」という会社様もあります)
「現地のことは現地の人たちに任せよう!」という30年位前から言われていた「現地化」がやっと進んできたのか、と聞かれると、事情はそうでもありません。
<日本は駐在員不足>
ただでさえ人手不足の日本。駐在員も例外ではありません。新卒入社時には「御社は海外事業を展開されていて将来海外赴任したい!」と希望して入社したのに、いざ辞令が出ると「結婚したてで・・」「子供が生まれたてで・・」「家を買ったばかりで・・」と残念ながら諸事情で海外赴任を断る社員もいると聞きます。派遣するタイミングとライフイベントのタイミングが重なってしまっていて、昔は「会社の辞令は絶対」だったかも知れないけど今はそんな時代ではないので、会社側も20代で派遣する等制度を見直さないといけないですよね。
駐在員が足りないから中途採用、という動きは私が海外採用に関わり始めた5年前から存在しました。その動きはもちろん引き続き存在していますが、今後は「現地経験のある方を現地採用で」という動きの方が増えてくるかと予測しています。
<コスト面と経営面のメリットがある経験者の現地採用>
一般的によく言われている「現地採用は駐在員よりもコストが抑えられる」という理由が真っ先に浮かびますが、今後主な理由となってくると予測しているのが「現地ビジネスを加速できるのは現地採用だ」という採用背景です。
過去と比較し日系企業の海外事業の難易度は上がる一方です。良いものを作ったら売れていた時代は存在しません。中韓ローカル企業と闘わないといけないし、対日系のビジネスだけだと生き残っていけません。
そこで頼りになるのが「インドネシア経験●年でマーケット拡大もできるし組織のマネジメントもしてました」という方々。経験・実績面ではもちろん、彼らは自分の強みを活かして「ずっとこちらでいたい」という方がほとんど。3-5年で入れ替わる駐在員の中には「どうせ数年で帰るんだからそんな頑張らなくてもいいや」とぶら下がる方もいらっしゃいますが、ずっとこっちにいる方々はずっとこっちで成果を出し続けないとキャリアを継続することができません。中長期でじっくりとインドネシア事業にコミットしていただけます。
<今後の海外キャリアは二極化>
インドネシアを始めとした新興マーケットでは、一定数の若手層ニーズは変わらず発生し続けると思います。と同時に、専門性を持ったシニア・エグゼクティブ層マーケットも少しずつ拡大するのでは、と期待しています。
海外でずっと生きていきたい方に必要なのは、①その業界・職種での専門性と実績、そして②現地の人たちの力を借りて組織として成果を出すスキルです。こんな方たちを上手く日系企業が活用できるようになれば、競争力も上がっていくのでは、と個人的に期待しています。
本日は以上になります。
今週も素晴らしい一週間になりますように!