ピープルフライドストーリー (58) 「顔のなくした女」をちょっと読む&感想  (エッセイ)     【作者コメント:  関係ないけど、10月と11月に気になる選挙がある。11月は参加出来ない選挙が米国にある。さてトランプは……。実に今回のエッセイとも関係ないのであるのだが……】

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(エッセイ)

   「顔のなくした女」をちょっと
      読む&感想 

           by  三毛乱

 最近、高平健「顔をなくした女」を読む。精神科医と患者との言葉のやり取り、医師の現場での考察・現場の後での考察などが書かれたエッセイ本である。幾つかの症例が書かれているが、最初の「顔をなくした女」と最後の「偽患者の経歴」だけを読んだ状態なので、その感想という事になる。
 これが、なかなかに出来の良い短編推理小説を読んでる気分にさせられた。優秀な探偵が事件を解決して行く。まさに心の中の秘密の道を探り当てて行くような様子を堪能出来た。この探偵でもある医師は慢心する気配もなく自制的で基本的に心が優しいのが分かる。そして、医師と患者のやり取りで客観的に思わず笑ってしまう箇所もあったりして、とても好印象な本となっている。
 なので、この本はお薦めである。この本の良さを今頃知ったのかよと思う人も大勢いるのでしょうが、とりあえず、まだ読んでいない人にお薦めしておきたい。
 個人的には、高平氏の本を読む事は、推理小説を読む時に何らかの犯人心理を探るのに助けになるのでは……と思ったりしたりしているが、まぁともかく、読んでいない人には診療心理サスペンスとも言うべきこの本を読んだら面白いよ~と言って置きたい。
 でも、これから読んでみて、あんまり面白なかった人もいるかも知れないが……、その時は過大にこの本を誉めすぎている(そのつもりはないが……)と思って貰っても構わない。
 でも、個人的には、虚構の推理小説に飽きる時があったりしたら、高平健氏の作り物ではない心理推理本を読むという選択肢が増えているのがとても嬉しい、という事は間違いないのである。
 そして兎にも角にも、この高平健氏のような優秀な精神科医が患者といる事に心嬉しく思う人が大勢いるのも間違いないだろう。
 否、だろうじゃなくて、間違いないと断言して今回のエッセイを終えたいと思う。

                終
 

   

           

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