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ひまわりちゃんについてのひとりごと

きりんのひまわりちゃんが亡くなり2ヶ月が経ちました。
可愛い顔と美しいヒップラインをもった女の子。

出会った時に「私、走りたくてウズウズしてるの!」って言ってるみたいに感じたから「狭い柵の中じゃなくてもう少し広い場所で走らせてあげたいなぁ。」そう思いました。
そのひまわりちゃんが一度も広い場所を駆け回る事無く、狭い狭い檻の中で息絶えてしまいました。

そろそろ元気に帰ってきてくるんじゃないかとか思ってしまいます。
でもそれは無理ですね。

あの日以来、毎日のようにひまわりちゃんの事を考えてしまい、岩手サファリパークのtwitterをチェックしていました。
1ヶ月以上経っても、詳しい事はわからずじまい。
岩手からは詳細がわかり次第公表すると伺っていたので、それを信じて待つことにしましたが、
ようやくその内容が6月8日にHPに公表されていました。

4月15日のコメントのように
「「ひまわり」の体格に的確なものだったと考えられる。」
とされていた自己擁護をする内容では無いことに一筋の良心を感じ、
先ずは公表をされたことに感謝いたします。

しかし、その内容を読んでいると胸が潰れそうな思いになります。

特に「輸送作業の改善」の項目を読むと

●今後の動物の輸送については、園館同士で十分な協議の上、安全を最優先とし実行する
→これは翻って
園館同士での協議が行なわれていなかった、安全が最優先ではなかったということを意味するのですね

●動物の輸送において使用する車両の選別は、走行距離、時間、経路を吟味し、動物への負荷軽減を最優先とする
→動物への負荷軽減より他が優先されたのですね

●輸送箱については動物の状態のためカメラや温度計等を設置する
→やはり無かったのですね。暑かったかどうかを知る術もありません。
ドライバーが休憩時間に檻を開けたときにムッとしていたかどうかという記憶だけでしょう。

●当園所有の車両、輸送箱等での動物の輸送が困難と判断した場合は、迷わず専門輸送業者へんぼ相談、依頼をする
→輸送が難しいと、ある程度予測がつきながらあの箱を調達したということなのでしょうか

何より、動物の移送に関し最優先されていると思っていた事項が全て、後回しになっていたという事実に驚愕しました。
原因ははやり費用なのでしょうか。それとも専門性の低い職員が関わってしまったのでしょうか。
さすがにそこまでの公表は難しいかもしれませんが、根本的な原因がどこにあるのかというのは再発防止を検討する上で、一番大切なことではないでしょうか。

敢えて厳しい言葉を使わせていただくと「亡くなった」ではなく「やはり殺されてしまったんだ」というのが率直な感想です。
動物が天寿を全うしても、病気で亡くなっても、知っている動物では特に哀しみの気持ちがとても大きくなりますが、今回はそういった類いのものではありません。

でも誰かを責めてもひまわりちゃんは戻ってきません。
ごめんなさいと悼むことしかできません。

そして、郡司芽久先生のnoteだけが自分の救いとなりました。


これは全くの妄想ですが、
王子の飼育員の方や獣医の方も、「この檻ではあかんの違う?」と思われたのでは無いでしょうか。
事故を知ったとき、そう思いながら送り出してしまったことを激しく後悔されたのでは無いでしょうか。
「やっぱり止めればよかった」と。

生家に戻ったひまわりちゃんの尻尾の毛はどこに埋葬されたのでしょう。
飼育された方が一番納得できる場所であればいいなと思います。
きっと、ひまわりとマリンの事を考えた上で決めてくれるでしょうから。


深掘りしてもひまわりは戻ってこないのですが、
血統のために「あそこに移動」と言われたら、それに従うしかないのが日本の動物園のシステムなのでしょうか。そのあたりは血統管理をしているという多摩か、JAZAに説明を聞いてみたいものです。

岩手には優しいお婿さん候補がいたということなので、いいお話だと王子側も思われたのかもしれませんが、輸送檻の違和感を感じても何も言えない、そういうものなのでしょうか。

それとも園の体質なのでしょうか。

先日の多摩のキリンの移動を見ると、あまりのレベルの違いに動物移送の仕組み自体を個々の園任せにするのではなく、JAZAが指揮をとり再検討いただく必要があるのではないかと痛切に感じます。いろいろクリアしないといけない課題も多いでしょうが、現場や園の運営をしている方々ならいろんな案もきっとお持ちでしょう。

私は送り出した王子動物園側はこの事故をどう考えているのだろうと思い、王子動物園へメールで問い合せをしたことがあります。
「ひまわりの事故について、園として、今後岩手の結果を待って何らかの対応策などを公表していただけるのですか?」と。

返信はありませんでした。
メールが届いていないのかな?と思い、時間が経ってから再度問い合わせましたがやはり音沙汰無しです。

今、王子動物園は大学誘致の問題で揺れています。
少しでも動物が快適に暮らせるようになればいいと「王子公園、王子動物園のこれから」に関する署名のサイトで署名をしました。
しかしひまわりの事故以来、安静が必要な旦旦以外は先ずは動物を他園に譲渡して、神戸は動物の飼育を廃止した方が動物のためではないか、とすら思うようになってしまいました。(←これは全くの主観的な感想ですが)

前には興興の事故、アシカ池の事故などがあったにも関わらず、改善策を検討するどころか、動物の専門家ではない人を園長に置き、動物園に立体駐車場を建てるとか、今より狭くするとか、命を更に後回しにする素案を堂々と出してくる都市です。
動物はヒトの娯楽道具ではない筈です。もっと真摯に命に向き合う気持ちの無い街に、動物園は無い方がいいような気がするのです。

大好きながっちゃんやブンタ、ズゼやマック。マリンやヒメイチ、あらし、カイトやスミレ、コナツ、みゆきちゃん、ジャズやガイアや野花ちゃん、シャイニー、ムムちゃん、そして心配な旦旦。。。
会いたい子はたくさんいるけれど、足が神戸へ向かいません。

スポーツ観戦をする方で「自分が応援すると負ける」と仰る方がおられますが、
ひまわりちゃんに限らずヨギ、新右衛門やあおいちゃんなど、
自分が健やかな成長を願うと死んでしまう気がして、離れた場所からせめてみんなが元気にしてくれているようにと願うだけです。

そして、ひまわりちゃんの冥福を祈ります。日本の動物園水族館が真に動物の命を優先できる施設になるようにと願います。

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