Vol.90:津波古の「梁山泊」
私の暮らす南城市佐敷の津波古地区に、山一つを使い、大人の遊び場を作ってコミュニティを形成してる「梁山泊」という謎の組織の噂を聞いた。
「仙人リチャード」と出会い、私が津波古に住んでいると知るや、「梁山泊」のボスにはもう会った?という。いえ、噂は聞くんだけどね、というと、その拠点の場所を教えてくれて、リチャードから聞いたといえば大丈夫だから遊びに行って、と誘われた。
その帰り道、拠点の場所だけでも立ち寄ってみようと、何度か迷いながらそれらしき場所に行くと、なんと、30人程の人たちが屋外で大宴会の真っ最中であった。
門番のような方がすぐに近寄ってきて、車をそこに泊めて、こっちへ来いと言う。謎の国に迷い込んだような気がした。
リチャードさんから聞いたんですけど、津波古の1班に住むしんちゃんです。と大勢の注目の中で告げると、なんだおまえは、スピーチしにきたのか、はよ、ここに座って飲め!とすぐに引き込まれてしまったのだ。
そして、ボスに挨拶する。70代くらいだろうか。
この山はボスの所有の山で、若い頃から、この山を拠点に、遊び場を作り始め、今ではいくつもの違法建築っぽい小屋がたちならび、よくいえばリゾートというか、山賊の拠点のようになっていた。
その日はメンバーの映画監督が沖縄ロケをおえての打ち上げだったらしく、いつもより多めの参加人数だったらしい。ここには、芸能人も数多く遊びにきているという。
政治家、企業経営者、まずまずの大物達がメンバーであり、南城市の政治はここで決まるなどと噂されているらしい。
ほぼ毎晩誰かが集まっているらしく、私の家からも車で5分。ちょいちょい顔を出すようになった。
「青神馬マキコ」もつれていくと、美人が来たと大人気。
一瞬で、宴の後、ボスを自宅まで送り届けるまでの中になった。
この山を面白くするために自由に使っていいぞ、と言ってくれている。
ここの最年少メンバーとされる「審神者マーシー」は「尚真王ユウイチ」と交流があるらしく、また、点と点が繋がったのだった。
令和の時代に、「梁山泊」などという名称を維持しながら、楽しく遊びながらも政治に影響を与えるやんちゃな古老達が蠢いている。実に面白い。
恒例のカラオケ大会にも参戦し、津波古の山に私の美声も響かせたのだった。
続く。