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【偏見強感想】 「花束みたいな恋をした」

奇跡的な出会い、突然の豪雨、偶然過ぎる一致・・

映画的予定調和が多かったようにも思えるけど、それでも流石の脚本力だと関心させられる。どんなサブカルクソ野郎が書いてるんだと思って調べたが、意外と本人はそうでもないらしく、作中に登場する大量の固有名詞は知人などから聞いたものらしい。
仮にサブカルチャー好きが書いていて、これだけの評価を得ていたならそれはもう、とんでもない愉悦だったと思う。

※以下、ネタバレ含みます※

麦と絹、見世物としての側面を担保するために、美男美女が演じているから尊いものに見えるけど、実際結構エグい拗らせ方をしていると思った。
セカオワで盛り上がるカラオケを抜けだしたり、押井守知らない人を笑ったり…特に「ワンオク聴けます」という発言にはゾッとしちゃったな~
絹にとっては特に「大衆文化とはある程度距離を取った場所に居たい」という気持ちを共有できる恋人の存在は、とても救いになっていたと思う。だからこそ、麦が本屋で前田裕二の『人生の勝算』を手に取っていた時の失望は計り知れない。有村架純の柔らかい雰囲気で胡麻化されているけど、絹は所謂NewsPicks系のビジネス本をかなり軽蔑しているんじゃないかな。あと全く関係ないけど、絹がお気に入りの本を見つけて小刻みにステップしてたの、カナ~リ可愛かったな

ここからは僕の偏見が強くなってしまうので要注意。
付き合ったその日の「白いデニムを履く人は苦手です。恋人が履いてたら少し嫌いになります」という絹の発言、キツくない?
別に僕が白デニム好きなわけじゃないけど、容姿に制限をかけるスピードが早すぎるし、「似合わないから」とかでなく白デニム自体を否定しているのがちょっとな…
あと、絶対白デニムだけじゃない。素足で履くデッキシューズも、ギラギラしたデカい腕時計も、半透明の青いサングラスも、多分反吐が出るほど嫌いだと思う。麦が変わってからもそこそこ長く付き合っていたけど、絹としては絵を描いていた頃の麦の記憶が拭えなかっただけで、とっくに冷めていたんじゃないかな。だから、小説版に社長と浮気はしていないと書かかれていたらしいけど、それ以外で浮気をしていた可能性は全然あるなと思う。

とまあ、色々と書いたけど、Twitterで感想を見ると純粋な恋愛映画として楽しんでいる人も多くて驚く。でも、僕も高校生の時に見てたら全く違う感想を持ってただろうな~
色々な意味で忘れられない作品となった。


では最後に。
映画を観た後「花恋ごっこ」を楽しんでいる恋人たちへ

ウラヤマシーッ!

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ゴカク ケイ
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