見出し画像

リスコミによる当事者意識の醸成が必要なのです。

リスクコミュニケーション(以下、リスコミ)という言葉がある。

我々の分野では、化学工場等の危険物施設を持つ事業者が、その周辺住民や行政と、その工場が持つリスクなどについて意見交換しながら、リスクについて考えていく営みを意味することが多い。

こうしたリスコミには大きな課題が山積みである。

その1つは、リスコミに参加している1人ひとりが、いかに主体的に、当事者意識を持ってリスコミ臨むことができるか、である。

化学工場が存在することによって、何らかの影響を受ける人々(ステークホルダーという)は、いずれも漏れなくリスコミの当事者である。

しかし、それを実感しにくい場合も大いにある。例えば、工場の周辺住民の多くは、「工場が安全に稼働するのは当たり前で、事故など起こさない」と思って、工場の存在により生まれるリスクについては日常生活の思考の外にあることが多いだろう。

しかし当然ながら、化学工場では一定の危険性のある物質を取り扱っていることが多く、そこにリスク源が存在することには違いない。それを何らかの対策を行いながら、危険な状態にならないように工場を運営しているのであって、その対策がうまく働かなかったときに起こるのが事故だ。

その事故が大規模になり、影響を与える範囲の大きいものになってしまった場合は、当然周辺住民や行政にも関わる事象となる。そして、そういう事故が全く起こる可能性がない、ということはあり得ない。

ここまで理解することによってはじめて、工場の中で起きていることが周辺住民の自分ごとになり、当事者意識が生まれるかもしれない。

しかし、それでも「別に関係ないから関心がない」と言われたり、「そんな完璧な安全が確保されていない危険な工場は運営するな」とか言われてしまいそうだ。

そういうことを乗り越えながらリスコミを地道に実施し、多くのステークホルダーに当事者意識を持ってもらうことが大事にるだろう。

ちょっと応援したいな、と思ってくださったそこのあなた。その気持ちを私に届けてくれませんか。応援メッセージを、コメントかサポートにぜひよろしくお願いします。 これからも、より精神的に豊かで幸福感のある社会の一助になれるように挑戦していきます。