No.1 はじまり
「この子は霊力が強い。将来、ユタになる素質がある」
と、小さい頃、何度も言われました。
『ユタ』とは沖縄に琉球時代から続く風習のようなもので、民間の霊能者を指します。占いをしたり、除霊をしたり、神への祈祷をしたり、シャーマンや巫女のような役割も持ちます。
その数は少なくなったものの、沖縄では今でも『ユタ』にみてもらうことは一般的です。
母方の祖母は毎年、新年になると子や孫、全員の運勢をユタにみてもらい、各自に必要なパワーストーンのブレスレットもつくってもらっていました。
祖母は、仏壇を大切にしていました。母方の実家に行くと、必ず祖母と一緒に仏壇への挨拶をしました。
いつも仏壇に語りかけて祈る人でした。私もそんな祖母がとても好きでした。
ユタの素質があると言われ続けたものの、私は全然幽霊も見えないし、霊感らしいものもあまり感じず、そのまま大人になりました。
でもこの数年、特にこの半年は、不思議な体験の密度が濃くなり、点と点が結ばれ始めたように思います。
この旅が何に繋がるのか、書き留めておきたいと思い、ここに残すことにしました。