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選挙って本当に必要?
現在18歳以上のすべての男女が選挙権をもっています。
ちなみに日本人の投票率は減りに減って50%くらいです。
衆議院が解散すれば選挙、参議院議員の任期が終われば選挙、都道府県知事や地方議会議員を決めるときにも選挙……。
当たり前に行われている選挙ですが、本当に選挙は必要でしょうか。
今回は選挙の必要性について疑問を投げかけます。
選挙の欠点①「とにかくお金がかかる」
選挙にかかる費用は、選挙の種類や地域・選挙区の規模などによって大きく異なります。
例えば、一般的な市議会議員選挙の費用は200万円~800万円。
参議院選挙では6,000万円以上とも言われています。
一瞥して捨ててしまうことが多いビラ一枚にも、
気分によってはうるさく感じてしまう選挙カーの運営にも、
多くのお金がかかっているのです。
また、選挙の存在の前提には政党の存在があります。
政党を運営する政党交付金の膨大さ、そしてその財源が税金であること、
現在の財政状況の圧迫を考えれば、こんなにも多くのお金をかける必要性があるのか疑問に思います。
選挙の欠点②「政治戦略として利用」
多くの人が知っているとおり衆議院選挙を行うきっかけは2つあります。
1つ目は「衆議院の解散」です。内閣の助言と承認により天皇の国事行為として行うもの(日本国憲法第7条)と、衆議院で内閣不信任決議案が可決されたとき、10日以内に衆議院を解散するか、内閣総辞職をしなければならない(日本国憲法第69条)きまりで行われるものがあります。
前者は実際のところ内閣総理大臣(与党)が最も都合が良い時期を考えて、戦略的に衆議院の解散を行うことができてしまうものとなっており、『伝家の宝刀』と呼ばれています。
2つ目は「衆議院の任期満了」です。しかし任期満了で選挙が行われたのは昭和51年の時だけです。
「くじ引き民主主義」の可能性
アリストテレスは、選ぶことは民主主義的ではなく、むしろ貴族的だとしました。しかし、議会を無くすと国民の声は政治に反映されなくなります。
そこで提案されるのは「くじ引き民主主義」です。
現在、ドイツをはじめとしたいくつかの国で無作為抽出で議員を決める方法が行われています。
日本も重要な裁判では「裁判員制度」として無作為抽出によって裁判員の選出を行っています。
以下でいくつか論文や著書を紹介します。
岡﨑晴輝「Election and Sortition」
九州大学法学部の岡﨑晴輝教授が提案するのは、参議院のみの抽選制です。
https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/2557147/2557147.pdf
ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック「選挙制を疑う」
選挙制度の問題点や抽選制議会について紹介しています。
卯月盛夫「ドイツの都市計画合意プロセスにおける無作為抽出市民による計画細胞会議」
この研究はまだ途中段階ですがドイツの実例が詳しく紹介されています。
終わりに
今回は選挙の欠点と「くじ引き民主主義」と呼ばれる抽選制議会の可能性について紹介しました。
今の政治システムには、しばしば腐敗が見られます。今のところ改善できるのは私たちの一票しかありません。そして「議員のための政治」にならないためにも私たちは政治的関心を持つべきです。
もっとこうしたらいいのに!とか、これは間違いなんじゃないか?とか。
もしかすると、抽選制議会が開かれるその日には、他の誰でもなくあなたが国会議事堂の席に座っているかもしれません。