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令和6年11月5日の昼飯


本日、食したカップラーメンはこちら!

エースコック
スーパーカップ1.5倍
「熟成味噌ラーメン 」
量も旨さもスーパー級!

だぁぁぁぁぁぁ!


早速! いただきます。

寒くなりました。
マジで寒くなりました。
もう、寝床についた時点から布団をかぶらないといけない状態に。
ああ……
こたつが欲しい……
こたつが……
でも、妻の許しが出ないのよ……
敷きっぱなしでほこりがたまって汚らしい……だそうだ……

でも!ホコリで人は死にません!
いや……確かにハウスダストもあるので、あながち安全という訳ではないが……
少なくとも! 僕は死にましぇ~ん!
武田鉄矢のように声を張り上げてみたのだが、
「いや! そこじゃなくて!掃除してね!」
「へ?」
「毎日、布団をあげて掃除してね!!」
「へ?」
「へ?じゃねーよ(怒)! 掃除をしろヨっていってるの!」
だが……俺は最低限の掃除をむねとしている!
生きていくうえで最低限の掃除さえできていればいいと思っているのだ。
コレは理屈ではない!
そう! いうなれば俺の誇り! プライドなのだ!
なので!当然!
「僕は……掃除をしましぇーーーーーーん!」
「ハイ! 却下!」
今年もこたつ無しが無事確定しました。

ということで、今日は「僕は死にましぇ~ん」つながりのお話を。

 幼女たちの歌が終わるやいなや、タカトは早々に荷馬車を動かそうとしていた。
 って、そんなに退屈だったんですか! アナタ!

 だって、仕方ないよね。
 いくら歌が上手いとはいえ、歌っているのは巨乳のアイナちゃんではなくて、無乳の幼女たちである。
 その無乳さ加減といったらビン子とどっこいどっこい。
 いくら女性のストライクゾーンが広いタカトであっても、無乳は無理!
 美乳とまではいわないまでも、せめて微乳ぐらいあってくれれば……

 ゴトリと荷馬車の車輪が回りかけたその時である。
 先ほどまで幼女たちが歌っていた土手下から勢いよく駆け上ってくる影があるではないか。

「ビン子さ~ん!」
 その影は大きな声を上げるとともに、いつしか流行ったトレンディードラマさながらの勢いでいきなり荷馬車の前に飛び出して、大きく手を広げたではないか。
 僕は死にましぇ~ん!

 だが、タカトは気にせずに荷馬車を進めた。
 ゴツン!
「イテッ! タカト! そこは普通、止めるところだろ!」

 馬のおでこと正面衝突したこの男。名前をコウスケ=ボーケティエールと言った。
 コウスケは、第8の門の騎士セレスティーノの神民である。
 一見、どこにでもいそうな普通のおかっぱ頭のボンボンであるが、いかんせん融通が利かないのである。
 というか、人に言われたことを愚直に受け入れてしまう困った性格なのだ。

 コウスケはセレスティーノからかけられた「素敵なレディが側にいてこそ、立派な男になりうる」という言葉をかたくなに信じていた。
 おそらくセレスティーノは女をアクセサリーのように考え、イイ女を側に置くことで自分が引き立つと言いたかったのであろうが、愚直なコウスケは、しっかりした伴侶がいてこそ男は志を大きくすることができるなどと都合のいいように解釈していたのだ。
 その志のためなのか、はたまた、本当に一目ぼれなのかは知らないが、とにかく、コウスケは、ビン子にご執心であったのだ。

 仕方なしにタカトは手綱を引き、馬の足を止めた。

「また、お前か……毎日毎日飽きもせずに、よくやるよな」
 タカトは、あきれたような声をだした。
 そう毎朝コウスケは、この川の土手下でビン子とタカトがやってくるのを待ち伏せしていたのである。

 このストーカーまがいの行為、一見、煩わしそうに見えるが、タカトにとってそこまで嫌というものではなかった。
 というのも、タカトには同じ年頃の友達と呼べる者がいなかったのだ。
 町に行けば、その小汚い風貌から女の子たちには笑われる。
 近づく男子は、ベッツのように次々と面白がって小突いてくるのだ。
 そんなタカトにとって心を許せる相手は、唯一ビン子ぐらいであった。

 しかし、コウスケだけは少し違っていた。
 一応、これでもコウスケは神民学校高等部の学生である。
 ちなみにこの神民学校、通うことができるのは神民やその子供、または選りすぐられた優秀な一般国民だけなのだ。
 すなわち、コウスケはエリートなのである。
 そんなエリートのはずのコウスケが、一般街にすら住むこができない超貧乏人のタカトに声をかけるのだ。
 しかも、偉そうに見下すこともなく……

「タカト! 今日こそお前を打ち負かし。悪の手からビン子さんを救い出す!」
 おでこにできたタンコブを押さえつつ、コウスケはまるでヒーローかのようにタカトをしっかりと指さした。
 そして、次の瞬間、両腕をゆっくり大きくと回しだしたのだ。

「へ~ん~し~ん! とう!」
 言い終わるやいなや背中に背負ったバックをすぐさま降ろし、中からいそいそとコスチュームを取り出しはじめた。
 しかも、こともあろうか道の真ん中でズボンまで抜いで着替え始めたではないか。
 きゃっ!
 咄嗟にビン子は顔を手で覆うと、パンツ姿のコウスケから目を背けた。

 だが、タカトはそれをぼーっと見つめる。
 いや……タカトもまたゆっくりと肩を回しはじめていたのだ。
 それはまるでこれから始まる激しいバトルのためのウォーミングアップかのようでもあった。

 ふっ! 悪?
 コイツは……俺を悪と呼ぶのか……

 今度は肩をおさえてゆっくりと首を回しだす。
 もしかして、コイツ……たんに肩がこっていただけとかwww

 愚かものめ……
 俺はタダの悪ではない!
 そう! 俺はアフォ! A.F.Oオール フォー ワン

「俺はこの世の究極悪にしてエロエロ大王になる男やぁぁぁぁぁ!」
 勝手に大王にまでレベルアップしたタカトは御者台に立ち上がると、身を乗り出すようにコウスケを見下していた。

「何! エロエロ大王だとぉぉぉぉぉ!」
 コウスケも、どうやらちょうど着替え終わったところのようで、先ほどまで身に着けていた神民学校の制服を丁寧にたたみバックの中にしまっているところだった。

 ばち! ばち! ばち!
 そんな二人、エロエロ大王タカトとおかっぱヒーローコウスケとの間に激しい火花が散っていた。

 ――どうでもいいけど……値札のタグ付いているわよ……
 しらけ顔のビン子は、コウスケのコスチュームの襟首にコンビニのタグがついているのを目ざとく見つけたようである。
 どうやらコウスケはココに来る直前に、タカトたちが食料品を買い込むコンビニに立ち寄りわざわざヒーローのコスプレ衣装を買ってきたようなのだ。
 しかし、どうして女の子って、こういうのを見つけるのが早いんですかね……本当に……
 って、コンビニでそんなもん売っとんかいな! 売っとんです!
 そんなビン子は、先ほどからつまらなそうに御者台に頬杖をついてその二人の様子を眺めていた。

 だが、座るビン子の前にコウスケがさっと膝まづいたのだ。
 そして、まるで姫を迎え入れる従者のように深々と頭を下げたのである。
「さぁ、ビン子さん、そのような小汚いエロエロ大王から離れ、私のもとへお越しください」

 えっ⁉
 その突然のコウスケの行動にビン子の乙女心がときめいた。
 ――おかっぱ頭の王子様?
 正直に言うと、ビン子は今の今までこんなお姫様のような扱いを一度も受けたことがなかったのである。
 横にいるとうへんぼく野郎は、腹が減った時にだけすり寄ってくる猫のように勝手気まま。
 どちらかというと自分の事しか考えないかまってちゃんなのである!
 ゴロにゃぁ~♪
 恋愛小説とまでは言わないが、せめて少しぐらいは乙女心を理解してほしい……

 ――この際、おかっぱ頭はどうでもいいわ!
 ビン子はすぐさま背筋をピンと伸ばすと、体をソワソワと揺すりながら前髪をそれとなく整えるのだ。
 
 「ハ……」
 そんなビン子が、承諾の返事を発しようとした時である。
 心をときめかせる乙女の肩が、いきなりギュッと掴まれたのだ。
 それは、まるで行くなと引き止めるかのような強い力。

 とっさにビン子が見上げた先には、コウスケを睨み付けるタカトの姿。
 そんなタカトがビン子の肩を力強く握り、その言葉を制していたのである。
 
 ドキっ!
 ビン子はこんなタカトのりりしい横顔を見たことが無かった。
 確かに道具作りに熱中するタカトの横顔もいいが、この横顔もいい!
 そう、その顔はまるで姫を守るナイトのようなのだ!
 (注意:ビン子ビジョンによるため誰しもが必ずそのように見える訳ではございません)

 きたぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁ!
 ――これよ! これ! これこそ恋愛小説で出てくるシチュエーション!
 意味の分からぬアドレナリンがドバドバとあふれ出すビン子の脳内。
 ――あぁ、二人の男が私を巡って争うのね……
 ビン子は、御者台の上で一人勝手に身もだえていた。

 それをしらけた様子で見るタカトとコウスケ。
 ――コイツ……大丈夫か?
 ――ビン子さんって……もしかして危ない人?

 第36話 いってきま~す(5) より


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