朝夢の話/ぺの・ぺのん
こんな夢を見た。
実家の2階の部屋で寝ていると、母が起こしに上がってきた。どうやら隣の布団で寝ていた兄に、何か荷物が届いたことを知らせに来たらしかった。
「お前も、もう起きなさい。」
と言われ、兄と一緒に階段を降りた。降りる途中、私は母が数週間前に亡くなったことを思い出した。さっき起こしに来たのは母ではなく姉だったのかと問うと、兄はそれには答えなかった。代わりに、
「母さんはちょくちょく出てくるよ。家の中をよく見てごらんよ。手を振っているのが見えるから。」
と言った。
1階の台所に入ると、テーブルには数人の子供が座っていて、傍に姉が立っていた。私は誰も座っていない椅子に手をかけたまま、さっき起こしに来たのは姉さんだったのか、と聞いてみた。姉はそれに答えず、私の方を指差して
「その椅子には〇〇○が座るんだから、手をどけなさい。」
と言った。
言われて下を見ると、10歳位の少年が屈託のない笑顔を私に向けていた。
「ごめんね、座れなかったね。」
と、私はその少年に謝りつつ椅子から手をどかせた。私はその少年をとてもよく知っているらしかったが、家族にこんな幼い少年はいなかった。
この少年と、それからこのテーブルについている子どもたちは一体誰なんだろう。
そう考え始めた途端、目が覚めた。
私は、自宅の部屋で、一人きりである。