【シリーズA編】前澤ファンドと二人三脚で、いざ「大学生活のDX」実現へ。ペンマーク横山が語る、資金調達の裏側と事業戦略のレシピ
今回は、代表・横山が、株式会社ペンマークの今後のビジョンについてお話します。ペンマークについて知りたい方は、先にこちらの記事を読んでいただけると嬉しいです😊
※本記事は、2021年1月8日に弊社HPにて公開された内容をアップデートしたものです。
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2021年1月1日、ペンマークは前澤ファンドからの資金調達を発表しました。
新型コロナウイルスの影響で全国の大学生が従来のような大学生活を送ることが難しくなっている中、一刻も早い「大学生活のDX」実現を目指してプロモーションや組織体制を強化していく予定です。
今回、資金調達に至るまでのカンパニーヒストリーや事業展開ビジョン、そしてこれまで公にしてこなかったマネタイズ戦略の一端についてお話します。
創業メンバーとの別れ、コロナの大打撃、キャッシュアウト寸前の危機
2017年12月にペンマークはもともと学生団体としてスタートしました。最初は慶應生向けの情報メディア「Penmark News」の運営を行っていました。
自分が大学生活を送る中で感じていた課題は「学生間の情報格差」でした。どのようなサークルやコミュニティに属するかによって、履修情報などの大学生活で必要な情報に対するアクセスのしやすさが異なっているという現状でした。
そして2018年秋からはPenmark Newsに加えて、履修管理アプリ「Penmark」の前身となる慶應生向け時間割アプリ「Penmark」の開発を開始しました。エンジニアインターン生を中心に開発を行い、順調に開発プロジェクトを進行させることができていました。
そして、2019年4月に慶應生のみが利用できる初期の「Penmark」アプリをリリースします。リリースしてすぐTwitterでバズり、大学が始まるとハーゲンダッツ配布キャンペーンを仕掛けました。その結果、1ヶ月で慶應生約1万人が使うサービスへと成長し、幸先の良い実績を作ることに成功します。
リリース直後での成功体験を得て、会社としてさらなる成長を目指すべくシードラウンドの調達活動を開始しました。実績のおかげで調達活動は順調に進み、10人の投資家とお話して9人に投資していただくことができました。
しかし、調達が完了してまさにこれからという段階で、同期の中心メンバーやエンジニアが就職活動などを理由に続々とチームを離れることになってしまったんです。その結果、資金はあるが人的リソースが皆無という厳しい状況となってしまいました。
このままではマズいと思い、個人的なつながりを辿ってコアメンバーの採用に奔走し始め、現在へと繋がる組織体制を整えることができました。その勢いのまま2020年春はPenmarkアプリの対応大学数を全国100大学まで一気に広げ、非連続な事業スケールを実現する予定でした。
しかし、再び予期せぬ事態に襲われてしまいます。新型コロナウイルスの影響で、2020年春のユーザー獲得は大失敗に終わりました。2019年春は効果的だったハーゲンダッツ配布などのオフラインプロモーションは当然中止となりました。また、新入生同士のリアルな繋がりが失われたことで口コミによるバイラルマーケティングも失敗。予定通り実施できたのは、SNSを通じたオンラインプロモーションのみという壊滅的な状況でした。結果的にユーザー数を1万人から3.5万人までしか伸長させることができず、当初目標である20万ユーザー獲得を大幅に下回る結果となりました。
ユーザー獲得で失敗したことが響いて、広告でのマネタイズも予定通り行きませんでした。預金残高は減り続け、キャッシュアウトの危機も何度か経験しましたね。セールスメンバーを中心にとにかく売上を作ることに必死で、一時的に受託開発を行うなど、生き残るための方法を模索する日々が続きました。
前澤ファンドと出会い、磨き上げた「魅せ方」
ペンマークに残された道は、年内で資金調達を完了してを防ぎ、2021年のユーザー獲得を大成功させること。ただそれだけを目指し、2020年秋からシリーズAラウンドでの資金調達に向けた活動を開始しました。
大学生の履修管理機能がメイン機能となるPenmarkのサービス特性上、ユーザー獲得最大のヤマは1年間の履修を決定する4月です。ユーザー獲得に失敗し、トラクションの伸びが想定を大幅に下回った状態のまま、百戦錬磨のVC相手に事業の成長性を語らなければいけない、本当に苦しい状況でした。
通常の資金調達が難航する一方、前澤ファンドの審査は順調に通過していたんです。
もともと10人の起業家に10億円ずつ出資するという発表があったので、審査にエントリーした当時はもし通過できたら大型調達できる可能性も感じましたし、たとえ出資まで至らなくても「前澤さんからフィードバックがもらえるならやってみるか」くらいの気持ちで、審査資料を提出していました。
その後1次、2次審査と順調に通過し、3次審査以降で実際に前澤さんとお会いしてから、急速に前澤ファンドからの出資が現実味を帯びて来たのを覚えています。
最終的に投資契約を締結するまでに前澤さんご本人とは合計4回ほどお会いしましたが、そのたびに、難易度の高い宿題が出されます。面談ごとに宿題が出されてはフィードバックを受けるというやりとりを繰り返していました。今思うと、このプロセス自体がとても貴重な経験でした。前澤ファンドの方々と議論を重ねていくうちに、事業ポテンシャルの魅せ方・表現、そして具体的なマネタイズ戦略が、より高い解像度で言語化できるようになっていきました。
例えば、「大学生活のDXを推進する」というフレーズはここ1ヶ月くらいで言い始めたばかりなのですが、まさにペンマークが実現したいことを端的に、わかりやすく伝えることができる表現だと思っています。以前は「履修管理SNS」と自社の事業を定義していましたが、それではペンマークの事業ポテンシャルの大きさが伝わりにくいですし、ビジネスモデルも想像以上に伝わりにくかったんです。
大学生活の4年間をアプリ内で実現する「大学生活のDX」
大学生活のDXを実現するために、Penmarkアプリを今後どのように進化させていくのか。目指すのは、4年間の大学生活における全ての活動をアプリ上で再現できる仮想キャンパスのようなサービスです。
Penmarkアプリではこれまで、ノート作成、出欠管理、課題管理など、学習活動の一部を履修管理アプリという形でサポートしてきました。また、授業内トークはアプリ上で教室での会話を再現できるので、大学の「教室」という機能をDXしたと言うことができます。
そして今後は、履修管理だけでなく、大学生活全般にDXの領域を広げようと思っています。
これまでオフライン中心で行われていた活動を、テクノロジーの力でオンライン完結へと移行させていく。新型コロナウイルスの収束が見えずキャンパスが今もなお閉鎖されている中、少しでも早くこの「大学生活のDX」を実現させなければいけません。
会社全体の力でプロダクトを磨き上げていくことで、我々はコロナ禍の大学生活をより豊かなものにできると信じています。
「大学生協のDX」で2,000億円市場のリプレイスを狙う
短中期でのマネタイズ戦略では、「大学生協のDX」がテーマです。大学生協の売上は年間約2,000億円ほどの規模となっていますが、現在キャンパスが閉鎖されているため売上は減少しています。そこで、大学生が必ず利用するようなサービスを提供する事業者と提携し、それらのサービス群をPenmarkに集約して学生に提供することでリプレイスを狙う計画です。具体的にはPenmark内で教科書購入、司法試験や公認会計士などの資格や免許合宿の申し込み、就活活動やバイト探し、家探しなどのサービスをワンストップで利用できるようになるというイメージです。
大学生がターゲットの事業と聞いて「ユーザーの購買力が低く、その上サービスのライフタイムが4年に限定されるので利益が出づらいのではないか?」と感じる方も多いと思います。しかし多様なマネタイズモデルを組み合わせることができれば、大学生向けマーケットでも高い収益性が得られると確信しています。
また、大学生が入学のタイミングで必ずインストールするアプリ」となった上で、学生が卒業後に利用するようなサービス(転職、金融など)まで展開していくことができれば、Penmarkが狙える市場規模は一気に広がりLTVを飛躍的に向上させることができると思います。この辺りの事業ポテンシャルは、前澤さんにもしっかりと評価いただけたと思います。
高校生の頃からブログ記事を書いてアドセンス収入を得たり、大学生の頃はSNSを運用するなどしてネットビジネスを行ってきました。
その経験から、事業アイデアを形にしていくとき「まずユーザーを集める、そこからビジネスを展開していく」という思考が染み付いています。
ユーザーを集めた後のマネタイズは、今後ペンマークの成長性を左右する重要テーマです。個人的にも大きな挑戦となりますが、成功にコミットしていきたいと思っています。
大学生活のDXから「人生設計のサポート」へ
当面は「大学生活のDX」をテーマに掲げ、挑戦していきます。
ただ、40代・50代まで長く挑戦するようなテーマとは思っていません。この先数年で大学生活のDX化を実現した暁には、大学生活という枠組みすら飛び越え、学生1人1人の人生設計に関わるような選択のサポートまでサービスを拡張していきたいと思っています。
履修管理という大学生活の根幹となる領域でトップクラスのシェアを獲得できているからこそ、キャリア教育など周辺領域へのサービス拡張には無限の可能性があるという考えです。
ミッションを実現する「組織づくり」が喫緊の課題
現状、ミッション実現に向けてやるべきことは山積みなのですが、単純にメンバーが少ないというのが組織課題です。
そのため、採用活動は直近の最注力テーマです。ミッション達成に向けて共に挑戦してくれる優秀なメンバーこそ、事業をドライブさせるために欠かせない存在だと思っています。
現在ペンマークは、平均年齢が20代前半という非常に若い組織です。そのため、30代以降の経験豊富なメンバーには、ぜひジョインいただきたいと思っています。COO候補や管理部長など重要なポジションを用意しています。
ただ、組織を構成する大多数のメンバーは、いわゆる第二新卒前後の年齢層になると思っています。「大学生と近い年齢でありながらも、社会人を経験していて即戦力になり得る存在」だと思っています。
経験・スキルはもちろん大事ですが、「バイタリティを持っているか」、「アンラーンしながら、正解のない課題に根気強く向き合えるか」などの志向性を重視した採用を行っていきたいと思っています。
ペンマークへの応募を検討している方へ
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今後もペンマークは「大学生活のDXを推進し、学生が必要とする人・情報・サービスにアクセスできる環境を創る」ため、採用を強化していきます!
次回からは、社員インタビュー企画が始まりますのでお楽しみに💐
この記事を読んで「実際に話を聞いてみたい!」と思ってくださった方は、こちらへ。ご連絡お待ちしています🌸