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バランス
文字を書く時のバランスを考える際、一文字ごとのバランス、複数の文字を書くときのバランス、行全体のバランスはそれぞれ異なるポイントがあります。それぞれを以下に分けて記述します。
1. 一文字ごとのバランス
一文字単体を美しく整えるためには、文字の内部構造や各部分の配置に注意する必要があります。
ポイント:
中心線を意識
縦線と横線の中心を想像し、文字がその中心に対して左右対称、上下均等になるよう意識します。例えば「田」の場合、中心の十字が正確に交わることで安定感が生まれます。
偏(へん)と旁(つくり)のバランス
偏や旁のように左右に分かれる文字(例:「休」や「明」)では、偏を少し小さめに、旁を少し大きめに書くと、文字全体が整います。その際の文字の中心は偏と旁の中間ではなく、シーソーの両端に違う重さのものがある時のバランスをとる時のように考え、軽い方を中心から遠い位置にすると釣り合います。
上下のバランス
上下に分かれる文字(例:「盟」「雲」「最」など)では、上を大きく下を小さくする文字や逆のパターン、上下同等のものがあります。書こうとする文字がどのパターンなのか把握してから書きましょう。空間を均等に
文字の中の空間(例:「口」「日」の内部など)を均一にすることが大切です。
2. 複数の文字を書くときのバランス
複数の文字を並べる際は、文字間の配置や大きさを統一することで全体的に整った印象を与えることができます。
ポイント:
文字間の間隔を均等にする
各文字の間隔を一定に保つことで、行全体がきれいに整います。特に文字が小さい場合、間隔が狭くなりすぎないように注意します。文字の大きさを揃える
一文字ごとの大きさがバラバラだと見た目に違和感が出ます。特に漢字と平仮名、片仮名を混ぜて書く際は、それぞれの文字の大きさのバランスを考慮しましょう。(ひらがなは漢字よりも小さく、ひらがなの中でも【こ】、【と】、【め】、【る】のように他のひらがなよりも小さく書くものがあります)水平を保つ
文字が上下にズレないよう、罫線を頼りにして文字を並べると良いでしょう。薄い罫線やガイド線を引いたり、競書課題などの場合は下敷きを作り、それを重ねて書くとより正確に書けます。文字の特徴を考慮する
文字によって幅や形が異なるため、その文字の特徴を考えて書きましょう。例えば、画数が多い字は自然と大きくなるので、意識して小さめに書き、他の字とのバランスが取れるようにします。
3. 行全体のバランス
文章全体や行全体を書くときには、均一性や全体的な配置を意識することで読みやすさや美しさが向上します。
ポイント:
全体の配置を考える
用紙や画面の中で、文字が偏らないように均等に配置することを意識します。例えば、上半分だけに集中して文字を書くと、空白部分が目立ち、アンバランスな印象になります。行間を均等に
各行の間隔を一定に保つことで、整った印象を与えます。罫線や目安となるガイドを使うと良いです。文字数を工夫する
行末や改行部分で文字が詰まりすぎたり、逆に空白が多くなりすぎないよう、適切な位置で改行することで、読みやすさと美しさを両立できます。
実践のための練習方法:
一文字ごとの練習
方眼紙や漢字練習帳、国語ノートなどを使い、一マスごとに文字を描く練習をします。特に漢字は中心を意識して書きましょう。文章練習
罫線のあるノートや原稿用紙を使い、複数行の文章を書く練習を行います。模写練習
美しい文字を手本にして模写することで、自然とバランス感覚が身につきます。
※思い通りの線、文字が書けるようにするためには指先の細かいコントロールができるようになることが大切です。頭では分かっていてもその通りの線が書けないと
上手くいかないからです。上記の方法を参考にたくさん書いてコントロールする力を養っていきましょう。
(週に数回まとまった時間、練習するよりも、10分でも20分でも毎日書いた方が効果的です)