EUREKA 見る前にPlayBack
劇場三部作ハイ・エボリューションの最後を見る前に、アニメ本編を含めざっくり思い出しておこう!とあれこれ見たら、設定の差異などで逆に死にかけたので、文字にしてまとめておこうというnoteです。私個人の脳内整理のための文章なのでアニメ本編中心ですが、ハイエボ2作目のANEMONEまでのネタバレがあり、解釈の誤りなんかもあるかと思います。似たような状況の人の一助にでもなれば。最終的には「ねだるな、勝ち取れ。さすれば与えられん」ってやつですね。
物語の舞台の話
全編通して「ここは地球」である。概ねサンゴな生命体「スカブ・コーラル」が飛来した世界。ガンダム00のELSやファフナーのフェストゥムよろしく、自分以外と分かり合う手段が「とりあえず物理的に融合する」タイプ。際限なく地球上の生命と融合して超増殖した結果、地表はまるごと全部スカブ・コーラルに覆われ、地球がひと回り膨れたような状態になっている。ゆえに、スカブ・コーラルの層をぶち抜いた下には丸々、元の地球がある。人類は一度星から離脱、数千年後に帰還して今に至る。スカブ・コーラル的には元から敵意などなく、人類の離脱の後「全部融合したらマジでぼっちになったのが非常に寂しかった」ので、この帰還は大歓迎だった。スカブ・コーラルが融合を伴わない対話を目指した、その熱烈なラブコール物語が「交響詩篇エウレカセブン」である。
コーラリアンの話
スカブ・コーラルは概ねサンゴなので、増えたり生えたりはするが、2足で歩いたりはしない。しかしこれは情報生命体「コーラリアン」のひとつの形態でしかなく、アニメ本編中でも色々出てくる。スカブ・コーラルと言った場合はサンゴを、コーラリアンと言った場合は動的なものの総称であることが多い。
スカブ・コーラル:冒頭から登場しているが、地球を覆っている外殻がこれ。何かしらの兵器で大穴を開けても、強烈な自己修復能力ですぐさま穴が塞がってしまう。とんでもない厚みがあるので、再生が終わるまでに旧地球に到達するのはほぼほぼ不可能。
抗体コーラリアン:スカブ・コーラルが物理的に大きなダメージを受けた際に自己防衛のため大量放出される、やけにカラフルで原始の魚類っぽい空飛ぶ何か。人体で言うところの白血球。ダメージを受けた辺りで驚異になりそうなものをとりあえず全部殺す。これは融合ではないので、普通に殺す。人類以外の敵役はもっぱらこれ。活動できるのは1246秒(CM等を抜いたアニメの放送時間らしい)それを過ぎると自然崩壊する。
クテ級コーラリアン:存在自体が超常現象といった趣の球体というか雲というか龍の巣みたいになってるコーラリアン。単体でも出現するが、抗体コーラリアンとセットで出現する場面が多い。空母的な役割もしてる?付近では物理法則がおかしくなるので、ビームとか曲がるしミサイルがちゃんと飛ばない。突入するとゾーンと呼ばれる区画を経て、スカブ・コーラルの層の下の旧地球に到達できる模様。ワームホールの親戚か。
司令クラスタ:スカブ・コーラルの司令塔、人間で言う脳に近い。旧地球側に本体があり、同化した他の生命体の意識もここに格納されているらしく、ひどく穏やかな精神世界を形成している。物語最終盤で破壊されるが、どうも意識はクラウドデータベースよろしくスカブ・コーラル全体で分散して保持されているらしく、意外と平気そうだった。
アーキタイプ:看板機体ニルヴァーシュを含む、すべてのLFO(人型機体。軍用のものはKLF)は、地下(つまりスカブ・コーラルの外殻内部)から発掘された巨大な人型の何かを元に作られている。これが原型(アーキタイプ)であり、コーラリアンが人類との対話のために生み出した装置。多分、直接対話でゾーンを突破する際の防護装置に近い。LFOは電気信号で動かしているが、別に死んでないし、死ぬと電気を流しても動かなくなる。1つの生命体なので、形状変化というか成長もするし、状況によっては自律駆動もする。何なら「今行かないならいつ行くんだ?」と人の恋路を目で応援もする。
エウレカ:我らが最強ヒロインにして、コーラリアンがほぼ完全に人類を模して生み出した対話装置の末端で、人型コーラリアンと呼称される。普通にしてても美少女なのだが、照れたりデレたりスネたりすると視聴者の銀河が崩壊する規模のエネルギーを生み出す。中盤以降は毎話その勢いで「男の子ってこういうのが好きなんでしょう?」をかなり的確に突いてきている辺り、コーラリアンの顧客リサーチ能力の高さが伺える。アニメ本編だけで髪型変化が3回?と、コーラリアン化?などで、とにかくよく見た目が変わる。はじめてのお化粧回は圧巻。末端自体は他にもいるのだが、アニメ本編にはほぼ出てこない。
コーラリアンによる影響の話
トラパー:スカブ・コーラルの代謝物。エネルギー源として利用でき、地球帰還後の人類が頼ってきたもの。人類の目では常に見えはしないが、確かに存在はしており、いい感じに「乗る」ことで空も飛べる。やたらサーフボードっぽいデザインが多様されているのはこれが理由。「乗る」ことがリフ、そのために使うのがリフボード、乗る人はリフボーダーという。あまり高濃度になると人類には有害。
絶望病:高濃度のトラパーに晒されるなどした人類が植物人間状態になる病。精神だけがスカブ・コーラル側に取り込まれている状態で、ちゃんとそっち側で個として意識を持っている。物理的に融合して体がなくなってしまった人も、精神自体は同じように向こうに居る。ゾーン突入時に戻ってこれなかった場合も、同様の状態になりそうな描写がほんのりある。
クダンの限界:「知的生命体がある一定以上同時に存在していると、物理宇宙が崩壊する」というSF理論、その限界値。人類+増殖に増殖を重ねたスカブ・コーラルにより、この限界値を豪快に通り越してしまっている。今平気なのは、司令クラスタが全スカブ・コーラルに対して「休眠することで、知的生命体数を擬似的に下げて、世界を騙そう」という指示を送り続けているから。最終的にはスカブ・コーラルの半数+同化している人類が別宇宙に移動することで、物語の中心だった宇宙は守られた。
グレートウォール:隕石が地球(の、スカブ・コーラルの地表)に直撃し、休眠していたスカブ・コーラルがうっかり起床してしまいクダンの限界が起きかけた際にできた、物理法則が崩壊したエリアのこと。この時は未遂だった。本質的にはクテ級コーラリアンと同一?レントンとエウレカはここのゾーンを突破し、旧地球に到達して司令クラスタと邂逅、直接対話に成功した。ゾーンの突破には、アーキタイプに加えてレントンとエウレカのように分かり合えているペアが必要らしい。
人類の話
アドロック・サーストン:軍のスカブ・コーラル研究者。最初に発見されたアーキタイプであるニルヴァーシュ、セットで発見されたエウレカを研究していた。姿形は人類に似ていてもその実真っ更状態だったエウレカに、人らしさをある程度教えたのはこの人。ニルヴァーシュにエウレカと同乗して「ニルヴァーシュの真の力を引き出す(と言っていいと思う)」実験で制御不能に陥り、それによって最終的に引き起こされる終末(クダンの限界)を無理やり抑え込むために無茶なことをして消滅した。精神は司令クラスタ側で元気にしている。すげージブリにいそうなルックス。
レントン・サーストン:主人公。アドロックが「未曾有の危機から人類を救った英雄」として祭り上げられているため、何かと生き辛い。機械工の祖父に手伝わされて機械に強かったりはするが、基本的にはただのクソガキである。鬱屈した生活の中、リフることだけが楽しみ。やることなすこと空回りしがちで周囲にも当たるし凹むし逃げる、要するにちょっと行動力のあるエヴァのシンジ君ポジ。しかし1話で一目惚れしたあと50話で話が終わるまで「エウレカ好き」の一念だけで駆け抜けた偉人でもある。コーラリアンだろうが過去に何があろうが、この「エウレカ好き」がブレなかったことが、結果的にコーラリアンとの対話、そしてクダンの限界の回避にまで繋がった。
ダイアン・サーストン:レントンの姉。アドロック亡き後コーラリアンの研究をしていたが、父を追うようにして姿を消した。何らかの方法でコーラリアン側に取り込まれたらしく、司令クラスタ内で元気にしている。初期の頃、クテ級コーラリアンのゾーンで発狂しかけたレントンが助けを求めた際に反応した節がある。最終盤にも、司令クラスタ内でレントンに状況説明の担当として登場する。
ノルブ:コーラリアンを信奉してる感じの仏教っぽい宗教の生臭坊主…のようでいて生身でスカブ・コーラルと対話してみせるおっさん。多分世界の真理に一番近い。レントン/エウレカペアの、先代に当たるペアの人類側。相手はサクヤと言い、エウレカに負けず劣らずえらい可愛い。2人もばっちり相思相愛だったが、生身のままゾーンに突入したため?突破には失敗してしまった。恐らく、この失敗を経たコーラリアンがアーキタイプをエウレカとセットで生成したと思われる。色々説法みたいなことも言うが、失敗から数十年を「サクヤ好き」で貫き通してきた、もう1人の偉人である。しかもちゃんとお迎えに上がった。
ホランド・ノヴァク:元軍人でエウレカと共に特殊部隊SOFに所属していた。とある作戦でノルブと出会い、コーラリアンとエウレカ、世界についての諸々と、ついでにサクヤとの惚気話を聞かされかけた。その後に軍艦「月光号」を奪取して軍から離反、反政府組織「ゲッコーステイト」を立ち上げる。生粋のリフボーダーであり、レントンの憧れでもあったが、怒りっぽく暴力的なので幻滅されたりも。失踪前のダイアンと付き合っていたため、失踪を防げなかったことを悔やんでいる。彼女がゾーンの向こう側にいるらしいことを知ると笑みをこぼしていた。多分唯一、本編中に機体の乗り換えイベントがある。
ゲッコーステイトの面々:ホランドの現彼女タルホなど、一部はホランドと同じく元軍人でエウレカや世界について知識が多少あるが、過半はノリと勢いで生きている愉快な反社民間人の集まりである。大体がリフボーダー。このアニメを「ただのロボアニメではない何か」にしている象徴的な顔ぶれである。
デューイ・ノヴァク:ホランドの兄で上官だったが、弟の離反時に幽閉された。元々ノヴァク家は支配者階級であり、デューイの蛮行の後に没落した経緯がある。それでも軍の上層に至る辺り相当有能である。アドロックの研究に詳しく、星の成り立ちやコーラリアン等についてもかなりの所までいっている。コーラリアンに支配された地球の奪還を目指し、さもなくばすべて吹き飛べばよいという危険思想一直線のラスボス。
アゲハ隊:物語後半で登場するデューイの私兵。全員が見目麗しい男の娘。人同士の戦災地域で望まれず生まれたタイプの子どもたちらしく、出自も相まってデューイが変態扱いされるネタ元になっている。デューイ自身、親から愛されていないと感じていたのが蛮行の一因でもあった節がある点だけは、書き添えておいてあげよう。
アネモネ:我らが暴力系ツンデレヒロインにして「コーラリアンがほぼ完全に人類を模して生み出した対話装置の末端」を模すため、種々の処置を施された元絶望病(だったはず)の人間。黙ってさえいれば美少女なのだが、無茶な改造や薬の影響などもあって、暴れまわっている描写が多い。「コーラリアン殲滅のための道具」という自身の立場を正確に理解しており、生き延びるためにデューイに恭順している。終盤は本音がダダ漏れになりだし、ついには自身の乗機の後押しを受けて想い人の元に飛び出していった。もちろん、視聴者の銀河は爆発した。
ドミニク:当初はデューイを尊敬していた部下で、アネモネのお世話係。地味に戦災孤児。序盤はスカした若年士官風であったり、理性的に振る舞うことを是としているのだが、割とすぐに素が出る。荒れ狂うアネモネに手を焼かされているが、薬の過剰投与を厭ったり、何よりもアネモネを優先しようとする姿勢は終始一貫しており、レントンと対になる存在として描かれている。もちろん、視聴者銀河の爆発に一役買った。
ガリバー:アネモネのペット。げっ歯類になったペンギンのようなモチモチの何かだが、超重量で大の大人が抱えきれないほど。なのだが、なぜかアネモネは軽々持ち上げる。重量が可変なのだろうか…。
チャールズ・ビームス/レイ・ビームス:ホランド同様、元SOFであり現役の軍人夫妻。アドロックとも交流があり、レントンのことも知っていた。アドロックが消滅した事件の余波でレイが不妊になった?らしい。月光号から家出したレントンをたまたま拾い、しばらく共に過ごす内に「養子にならないか」と言うまでに。月光号の攻撃作戦に参加することになり、泣く泣くレントンを見送り、敵対。特にレイの方は、直接の原因ではないにしろエウレカのせいで不妊、加えてレントンまで奪われた格好になり、かなり憎悪の乗った顔が怖かった。いずれも、ホランドに討たれた。
人類のやらかしの話
セブンスウェル現象:ニルヴァーシュの真の力…が、暴走に近い状態の時はこう呼ぶ。トラパーが大噴出したりスカブ・コーラルの大地が抉れたりと周囲は何かもうめちゃくちゃになってしまうが、ニルヴァーシュ自身は物理法則を無視した強烈な戦闘力を得る。アドロックはこれの制御に失敗。恐らく周辺のスカブ・コーラルを起こしてしまったことでクダンの限界が発生しかけた。アドロックの犠牲で何とか回避はされたが、それでも世界中に甚大な被害が出ている。抗体コーラリアンと同じく1246秒しか保たないが、何せアニメ放映時間ぴったりなので時間切れで窮地に…というシーンはないし、そもそも発動するとすべての敵を秒殺してしまう。ニルヴァーシュ自身の成長に加え、レントン/エウレカが相思相愛になるにつれて現象自体が安定し、恐ろしく都合のよい大技を繰り出すようになる。イメージ的にはユニコーンガンダムの最終形態、いわゆる「神コーン」が近い。コーラリアンの本領発揮である。
サマーオブラブ:セブンスウェル現象のうち、盛大に被害を出してアドロックが消滅した際のものをこう呼ぶ。デューイはこれの「セカンド」を起こすことを最終手段として考えている。なおデューイの思惑通りに進んでいた場合は、司令クラスタの破壊→人型コーラリアンが代替の司令クラスタとなる→その代替から自死命令を発する→コーラリアンはすべて自死して一掃される…という感じだった模様。回り回って、結局はレントン/エウレカの親類まで列席した結婚式場のセッティングみたいなものになってしまった。
ハートのある月:セカンド・サマーオブラブを収束させる際、月に地球から肉眼で確認できるサイズのハートと、レントン/エウレカの名前が刻まれたもの。2人と、推し2人のイチャイチャを間近で受けてテンションが最高潮に達したニルヴァーシュの3者が勢いでやってしまった。恐らく、ロボットアニメ史上最も恥ずかしい形でラブラブっぷりを宇宙規模で焼き付けた事象である。正当続編のエウレカセブンAOの方で、息子アオにそれを見られたエウレカが照れている。というか惚気ている。
~ここから先は劇場版の話~
劇場版「ポケットが虹でいっぱい」の話
舞台は、アニメ本編最終話で半分が飛んでいった先の世界。人間関係も何もかも根本から設定が(特にデューイの扱いは変態性にトドメを刺すレベルで)異なり、結局人類と戦争になってしまっている。というか、全体がスカブ・コーラル改めイマージュが作り出した「人類との共生模索プロジェクト」のようなものである?ようで、アニメ本編におけるレントン/エウレカの救世伝説が神話として伝えられている。全体的に「夢」がキーワードになっており、進化のためにはそれが必要だとも。最終的には、無数の痛みを抱えながらもギリギリ自分たちの神話を作っていくことを決意するような形で終わり。劇場版で冒頭から登場していたエウレカは、最終的にはレントンを救うため犠牲となった。そのレントンの銃創が消え、エウレカが裸で半端なく髪が伸びていることから、それぞれエウレカの夢→レントンの夢で再生された状態なのではないかと思う。レントン、もしかしてお前ロングの方が好きなのか?
※見るべき点がないとかではなく、心情的に色々辛い部分が多く見返したくない。最後にへらと笑ってるエウレカが可愛かったなという記憶だけ焼き付けて後は忘れたい。
ハイ・エボリューション1の話
大きな流れとしてはアニメ本編を踏襲している。冒頭30分の新規部分を除き、総集編っぽくならないように仕立て直したかった総集編で「ハイエボはこういう設定でいくよ」という理解を求めるための映像。ただあまりにもビームス夫妻とレントンの関係にフォーカスし過ぎたせいで、冒頭以外ほぼエウレカが画面に映らない。嘘でしょ…。ただ、冒頭は初めからクライマックスなので見応えがすごい。
ネクロシス作戦:アドロックが立案したスカブ・コーラルの”自死”殲滅作戦。無数のKLF、戦艦が大破・轟沈していく絶望的な総力戦。「これを通せば勝てる」という切り札を信じて開始された作戦だが、直前になって誤りに気付いたアドロックが、それによって引き起こされる終末を防ごうとエウレカと共にニルヴァーシュに乗り込み奔走する。
決戦弾頭シルバーボックス:ネクロシス作戦の根幹。スカブ・コーラルの司令クラスタに打ち込んだ後に起動し、ノリノリのダンスミュージックを流す。ふざけているわけではなく、この音楽自体が「スカブ・コーラルの指揮系統に同期し、自死を促す司令として作用する」音波パターン?となっている。「Aサウンド(アシッド音?)」が同期しなくなり、大暴走。トラパー爆発(トラパーの大噴出)を引き起こし、通常の機体では近づくことすらできなくなる(乱気流のような状態と思われる)
TB-303:この世界ではアドロックの弟子(何の?リフの?)となっているデューイ、ホランドの乗機。アニメ本編などではホランドが銀のTB-303に乗っていたが、今回は金。兄の方が銀に乗っている。リフボーダーの2人はトラパー荒れ狂う状況下でも、文字通り乗り切りシルバーボックスに接近できた。余談だがTB-303というのは実在するシンセサイザーの型番で、通称「シルバーボックス」と言うらしい。
マルチプライズ:司令クラスタが光る球形の何かを無数に噴出し、触れたそばから何もかも原子分解するという迷惑極まりない現象。地表の半分ほど飲み込むところまでいった。セブンスウェル現象に相当する、でも別の何か。シルバーボックスの暴走によるものか、その基部から大量の赤い金属質のウネウネが吹き出したあと、司令クラスタが浮上して発動させたそれをアドロックがマルチプライズと呼んだ。アドロックとニルヴァーシュ(戦闘中にどんどん形態変化している)が司令クラスタごと別宇宙に飛び、事態は収束する。エウレカは直前に強制ベイルアウトさせられ、ホランドに救出されている。
ビームス夫妻とレントン:ネクロシス作戦にもビームス夫妻は参加していたのだが、その時の怪我でレイの方はやっぱり内臓がイカれている。そしてレントンを養子に迎えており、本当に家族となっている。レントンとエウレカの出会い、ゲッコーステイトへの参加、そこからの家出まで同一のルートを辿るため、映画中では描かれないが最終的にはやはり…という不穏さがある。
ANEMONE:ハイ・エボリューション2の話
ハイエボ1でアドロックが飛んでいった先の宇宙と思しき世界が舞台だが、我々からしたら近未来程度の時間軸。全体的に相当エヴァに寄っている。ハイエボ1の後、レントンとエウレカはアニメ本編に近似した旅を歩んだようなので、復習がてらそちらをチラ見しておくとよいかも知れない。サッカー回とか。
エウレカセブン:ハイエボ2の地球に出現したスカブ・コーラルの群体をエウレカ、その七番目をこう呼ぶ。日本にある。既存の兵器が一切通用しないし、ある程度周期的にマリオネット人形のような防衛機構(ニルヴァーシュと呼ばれている。人型になる前に数段階あるらしい)を生成し、1246秒だけ活動させる。エヴァの使徒よろしく何も攻撃は通らず、悠々と戦闘機や軍艦を殲滅していく様はちょっと怖い。
ハイエボ2のエウレカ:ハイエボ1の方の宇宙で(詳細は不明だが紆余曲折を経て)シルバーボックスに接触した際、コーラリアンとしての力の暴走でレントンを殺してしまったと思っている。今回のスカブ、エウレカ、そしてシルバーボックスが揃うと世界を作り直せるらしく、エウレカはレントンの生存を目指してやり直し続けていた。ポケ虹の「夢」に近いか。このやり直しの度に、スカブ・コーラルの群体が地球のどこかに出現してしまっているようだ。ただ何度やっても成功せず、繰り返しレントンの死を直視していることもあり、メンタルはボロボロである。シルバーボックスも稼働限界にきており、もうやり直せないらしい。濁りに濁って情緒不安定になっているエウレカもまた可愛い。ただ、本当に、無茶苦茶、怖い。
石井賢:アネモネの父。奥さんは外国人でピンク髪。7年前にエウレカへの一大反攻作戦を立案し、コア部分?に発信機を打ち込むところまでは成功するが、マルチプライズで作戦指揮所を丸ごと原子分解されて消えた。先の先の先まで読み尽くしていたかのように、彼が遺したものはアネモネも含めて劇中で大活躍する。ちなみに、アニメ本編でグレートウォールに突入するニルヴァーシュを追ったアネモネが見た光景の中に、黒髪の男性とピンク髪の女性がいた。
ハイエボ2のアネモネ:記憶もない頃に母を、幼い頃に父を亡くし、自身はその父が所属していた部隊にいる。フルネームは「石井 風花 アネモネ」軍属であるとは言えあくまで普通の女の子であり、過去シリーズとは雰囲気が全く違う。改造もなし、当然薬もキメておらず、トゲもなく快活でいい子、ごめんなさいも言えるが、キレたら手は出る。ある意味「本来のアネモネ」である。最終的にはダークサイドに堕ちているエウレカをスカブの中から引っ張り出すことに成功した。アニメ本編ではついに描かれることがなかった、外見上は同世代の2人が友達のようにしている様はかなり尊いものがある。
ACCID:アネモネの所属する国連軍の1部隊。過去、エウレカ攻略に初めて戦果を上げた部隊ではあるが、同時に甚大な被害も出ている。
ダイブ:ACCIDが戦果を上げた、エウレカ攻略の要。何をどうしているかは不明だが、意識だけをエウレカ内に転送し、そこでネットゲームのアバターのようにハイエボ1(の再現)世界で活動して内側から破壊する。アネモネもこれで次々戦果を上げていくが、それはつまり「レントン生存ルートを丁寧に潰して回る作業」であり、エウレカのガチギレを引き起こした。繰り返しになるが、マジで怖い。
スーパーシックス:過去にダイブで戦果を上げた少年兵(全部女の子)たち。最終的には全員エウレカ側に取り込まれたらしい。最終盤で防衛機構の方のニルヴァーシュの中から吐き出されていた。
ハイエボ2のドミニク:まずもって人ではなくスマホアプリのコンシェルジュとして登場したため、不安で倒れそうになったファンもいたのでは。ダイブした際には見慣れた姿でアネモネをサポートするが、これは石井賢が遺したAI爆弾(?)であり、コンシェルジュの方とは別物。マルチプライズがなければ、彼がエウレカを吹き飛ばしていたのだろう。アニメ本編とは逆にアネモネをかなり強引に引っ張る役回りで、アネモネの方が叫んでいるシーンが多い。終盤、シルバーボックスの力なのか、現実世界に受肉する。
ハイエボ2のデューイ:中途半端に宇宙を渡った状態なのか、幽霊みたく足先がない状態で収監されている。ハイエボ1の方でシルバーボックスの「大量の赤い金属質のウネウネ」に巻き込まれた後に卵の殻のようなものに包まれた状態で生存、損壊したはずの機体は直り、怪我をしていた自身も無傷という体験をしていたが、アドロックを師匠と呼ぶため恐らく同一個体。とにかく言い回しがくどく、うさんくさい預言者となっている。最終盤であっちの宇宙とこっちの宇宙が同期したのか上書きされたのか、とにかく完全に受肉し二足歩行になる。ついでにフォースみたいな謎パワーも身につけている。
ハイエボ2のガリバー:アネモネお気に入りのマスコットキャラクターでしかなかったのだが、ドミニクが受肉したタイミングで乗機ガリバー・ジエンドとして受肉というか生成された。ガメラとペンギンを混ぜたような外見をしている。もうここまで来たら何でもありなので勢いに任せて笑いながら見るしかない。エウレカの方もゴジラのビオランテみたいなルックスになっているので、さながら怪獣大決戦である。
宇宙の同期?:アネモネのエウレカ救出?と時を同じくして、世界各地のスカブが崩れ、中からあっちの宇宙の面々が現れた。少なくともホランドを含むゲッコーステイト、ビームス夫妻はいる。さらに卵状の構造物からやや見慣れた形状に近いニルヴァーシュが出現した。ただし腕がえらい伸びる。
ハイエボ2のレントン:どの宇宙なのかも分からないが、死んだのではなく「飛ばされた」状態の模様。雰囲気的にはアニメ本編の最後に殴り込みをかけた司令クラスタ化したエウレカ内部の心象風景に似ていた。まぁ、とにかく生きている。ならばよし。
その他の話
マンガ版とかをまるっと省いてしまっていますが、ニューオーダーについては設定が若干拾われてる感もあるので追記するやも。
AOについては見た時リアルに具合が悪くなったので回避しようかなと思います。