ネット通販のレコメンデーションは人を幸せにするのか
小学校の頃、休日の昼すぎにテレビショッピングで見るホットサンドメーカーが欲しくてたまらなくかった。
小学生の私にはホットサンドメーカーなんてものは無くても
親が食事を用意してくれるから必要ない。
テレビの無い世界ではそんな情報に触れることすら無かっただろう。
でもそんな情報に触れて、自分がワッフルを作る姿を想像し、ワクワクしたのだ。
俗にいう"セレンビピティ"なるものであると思う。
一方最近はネットで商品を買う機会が増えた。
データサイエンティストなる人たちが顧客が満足するような仕組みを構築し
消費者の目の前には過去の購買履歴を元に欲しいか、欲しくないかで言うと欲しいという商品が並べられる。
ホットサンドメーカーのように自身の生活でふれることがないのに
唐突に欲しくなってしまうものには出会えていない。
物を買わせる側からすればこんな便利な仕組みは使う他ないのだが
消費者としてはなんとも面白さに欠ける仕組みである。
だが、それが当たり前になりつつある。
情報で溢れる社会と言うが、自分から積極的に動かない限り
結局は自分の興味という狭い範囲での行動をすることになる。
そんな仕組みはワクワクの機会を奪う虚しいものと感じてしまう。
そんな世の中で、私は図書館や本屋という空間が好きだ。
ひと目に入ってくる情報量が多くセレンビピティに出会えるからである。
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