どうなる?2024年度調剤報酬改定〜ぺんぎん薬剤師がR6.1.12 中医協の資料を読んで妄想してみた。
タイトルに「妄想」って入っていますが、自分は中医協委員や厚労省の方々と親しいわけではないので何か事実を知っているわけではありません。
ただ、常に中医協の議論や業界のニュースを追っている者として、今ある情報の中から診療報酬改定がどうなるかを「妄想」しています。
こうなるんじゃないかなぁに加えて、こうなったらいいなぁも入ってしまっています。
とは言っても「妄想」の根拠は集めているので、皆さんなりの解釈を考えていただくきっかけにしていただければ幸いです。
改定はただ点数が変化するものではなく、これからの薬剤師(医療)が進む道を示すものです。
今ある道をただ歩むだけでなく、その先を見据えて未来を目指すためには、改定に込められたメッセージを読み取る必要があります。
そんなきっかけになれば嬉しいなと思って書きました。
はじめに
令和6年度診療報酬改定の議論もいよいよ大詰め。
2024年1月12日の中医協で公開された資料(これまでの議論の整理(案)について)では短冊の原案となっています。
今後、さらに議論が進められ、1月の終わりに点数や施設基準に関する数字が●(黒丸)の短冊(個別改定項目(その1)について)が公開され、2月の上旬に答申という流れになっています。
ということで、慌てなくても2週間もすれば令和6年度診療報酬改定の全貌が見えてくるのですが、今わかっている資料をもとにあれこれ気を揉むのも診療報酬改定の醍醐味だと思います。
「そんなのお前だけだ!」という声が聞こえてきそうですが、資料を目にするたびに、改定後の薬局、国が求める薬局・薬剤師の姿を想像しておくのは、決して無駄なことではないと思います。
調剤報酬改定は誰のためのもの?
診療報酬改定の議論が進むにつれ、「国は何もわかっていない!」、「一度現場を見てみろ!」なんて声を見かけることがありますが、本当にそうでしょうか?
自分は全くそうは思いません。
財務省からの限られた予算、医師会、歯科医師会、さらには支払側(保険者)との駆け引きの中、薬局に対する予算を勝ち取るために、専門家や厚労省技官の方々が考えぬいて作り出したもの。
自分は調剤報酬改定の内容をそういうものと思っています。
もちろん、立場によっては意にそぐわないこともあると思いますし、経営を持続することが困難になるほどのダメージを受けることもあると思うので、そういう立場の方を否定するものではありません。
ですが、基本的には、調剤報酬は国が薬局に向けて出したパスだと思います。
それをどう受け取り、どう活用するか?
国民や他の医療職種、国からの評価に繋げることができるかどうかは、薬局、薬剤師にかかっています。
新設された点数の算定要件が、患者さんの理解を得られるものではないと感じるのであれば、算定要件を満たした上で患者さんに納得してもらうためには、どう行動すればいいか?どのような薬剤師であればいいかを考えるべきです。
なので自分は、調剤報酬改定は「薬剤師のため」のものだと思っています。
薬剤師がどう変わっていくべきか、そのために何を行っていくべきなのか、そこを明確に示してくれるのが調剤報酬改定です。
国からの、厚労省からのパスをしっかり受け取り、シュートに繋げて、得点を取れるかどうかは薬剤師次第です。
令和6年度診療報酬改定の背景
資料を読む前に、令和6年度診療報酬改定における背景を簡単に整理しておきたいと思います。
ポスト2025年を見据えた最後の改定(地域包括ケアにおける薬局の姿が描かれる)
介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定と合わせたトリプル改定(6年に1度)
診療報酬改定DX(医療DX)が盛り込まれる初の改定
オンライン資格確認が義務化されて初めての改定
診療報酬改定の後ろ倒しが実施され、改定は6月に実施される(薬価改定は従来通り4月)
第8次医療計画と同時に実施される改定(病院薬剤師の確保や薬局における新興感染症対策が盛り込まれる可能性が高い)
ざっとこんなところでしょうか?
これとは別に(別ではないかも)医師のタスクシフトシェアも大きなテーマになっている気がします。
令和6年度診療報酬改定の改定率
改定率については2023年12月20日に開催された中央社会保険医療協議会 総会(第574回)の中ですでに公開されています。
○令和6年度診療報酬改定の改定率等について
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001180717.pdf
診療報酬改定本体の改定率は「+0.88%」で国費800億円程度が該当します。
本体改定率だけを見ると過去10年で最大の改定率になります!
ただ、手放しで喜ぶわけにもいきません。
というのも、0.88%の中には以下の内容が含まれているからです。
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