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読み終わった三体

去年2024年の6月から読み始めた三体。年を越えて2月初めに読み終わりました。1ヵ月に1冊のペースで年内に読了できたらと思っていましたが、さらに上をいくのんびりさで読んでしまいました。
一気に読み耽るのも良い読書ですが、長く付き合って読み続けるのもまた良い読書体験でした。

※大きくネタバレをしています。未読で気にする方はご注意ください。

・三体3下を読んでの感想


三巻下は急ピッチで話が広がり、途中からはもう口を開けて読んでいるようなものでした。
最初は三体が攻めてくるぞ!大変だ!といった地球人類が初めて体験する地球外知的生命体とどう渡り合って対処するかが命題でしたが、そんな三体の世界も恒星ごと吹き飛ばされてしまい跡形もない状態に。
それで地球は平和を取り戻したことはなく、地球側の恒星である太陽も吹き飛ばされる未来が近いので、三体が攻めてくる以上に危機の状況です。

色々と作戦を考えた結果、木星の裏側に隠れて難を逃れよう作戦が選ばれるわけですが、この穴のないと思われた作戦も想定外の方法で無為なものになってしまいます。
作中のどこかで「文明レベルが段違いで異なる相手には、どんな策を講じても意味がない」といったセリフが出てきたと思いますが、ここでもそのセリフは覿面でした。

この想定外の方法が、2次元の紙切れを太陽系に送り込むでしたが、この辺で頭の中で想像できるレベルも超えてきました。もうドラマ化した時に、どう描かれるかを楽しみに待つのみです。

なんだかんだとあって2次元に飲み込まれる太陽系から脱出した程心とAAの二人。個人的には羅輯も脱出してほしいところでした。
この時点で、おそらくは程心と雲天明が出会って、アダムとイブ的な存在になって綺麗に終わるんだろうと考えましたが、そう予想通りには収まりませんでした。

太陽系を飛び出てからは、予想外というか想像外の出来事が続き、これがどう着地して終わるのかが分からなくなってきました。
この辺を読んでいると、普段の日常で起きている出来事が非常に小さいサイズのものだと感じることがありました。時間が過ぎるのも、移動する距離も、一生味わうことが不可能なことが立て続けに書かれているので、何かそう感じさせるものがあったのでしょう。


・次元の話


SFモノで宇宙や時間をテーマや軸として書かれているものは読んだり観たりすることは記憶にありますが、三体ではプラスして次元も軸に。4次元や2次元を3次元とくっつけた形で登場してきたのは初めてのSFでした。

最近よく聞く世界線という言葉があります。これは別の時間軸では、また別の世界があるといったもので、ある意味次元をネタにしていって言いと思いますが、あくまで転換点として次元を使用していて、次元自体に触れるものではない。三体では、次元を目にするもの、触れるものとして登場させてきたのが、個人的には目新しく映りました。

実際、そういったことは可能なのか、ありうることなのかは、もっと調べたり学んだりしていかなければ何も言えませんが、想像の膨らみ方がひとつ増えたようで面白いと感じています。
また、三体の中では、現在の状態は10次元の世界が段階的に摩耗し、数字が減ってきて三次元の世界になっている、いずれは2次元になり、1次元になるんじゃないかと予想されていました。時間は昔から今、更に未来に向かって進んでいることは当たり前のことですが、次元も過去や未来の状態があると考えるのは、全く考えたこともなく、これもまた新しい面白さでした。


・SFはぶっとびたい


SFはぶっとんだ展開であればあるほど、読者は驚きと共にワクワクを感じれるのが面白い。ですが、SFのジャンルが出来てもう何十年。どれだけぶっとんだ設定を作ってきても、なかなか読者を驚かせるのは難しいものです。
本だけじゃなく、映画やゲームもあります。どこかしらで見た設定や展開だと感じれば、ぶっとぶのは難しい。

三体も最初は、異星人が攻めてくる展開をどうやって地球側が回避していくのかを現代の延長にあるサイエンス視点から描いていくのを楽しんで読んでいました。そんな展開も2巻が終わる頃に落ち着いたので、この先なにを描くんだ?と3巻を読み始めました。
読んでみたらまさかのぶっとんだ展開。
最高でした。


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