本番力をMAXにする! アラフォーR5司法試験体験記
みなさん、こんにちは。アラフォー司法受験生のボーダーです。
今は2023年の8月。論文合格発表を待っている状態です。
5日間にも及ぶ司法試験では、心・技・体を一定水準で備える必要がありますね。
技=基礎知識
体=体調、健康
心=耐える力、ポジティブ力 です。
技の基礎知識について、私が何か言えることはありません。
上位のロー生でもないですし、ローでも30人中20位の成績です。中の下です。非法学部だし、予備も受けたことありません。学習期間も3年ちょっと、7,000時間です。他の受験生より少ないと思います。
また、「体」の体調、健康も、今回の試験期間中はも色々とやらかしました。反省ばかりです。
しかし、「心」=耐える力、ポジティブ力、言い換えれば本番力は圧倒的なパフォーマンスを発揮しました。
これだけは、かなり自信あります。
よく先生は、「本番はいつもの力の60-70%発揮できれば十分です」みたいに言いますね。
私は正直120%発揮できた感覚があります。こう言えるだけでポジティブですね。
私の純粋な基礎知識力はおそらく1800-2000位くらいかなーと思っていました。
でも、「心」「本番力」で、1,300位にすべり込めると思っていました。
勉強時間や暗記力、体力では学生の人たちには勝ち目はありません。
でも、伊達にアラフォーではありません。
色々な修羅場をくぐってきています。
耐える力は自信がありました。
そして、5日間の試験を受け終わりました。
知識面はやらかし放題です。
ミスしまくりです。
寝不足でフラフラにもなりました。
でも、本番力はほぼパーフェクトに発揮できました。
今回はそんな「心」「本番力」について、私なりの考えを共有したいと思います。
私はこの本番力は、基礎知識と同じくらい重要だと思っています。
いや、むしろ本番力=合格力とも思えます。
試験本番で120%の力を発揮したい人はぜひお読みください。必見です。
お読みいただきたいターゲット
本記事は、あくまで合格させすれば、別にギリギリでもなんでもいい、と思っている受験生向けです。
500位以内での合格を目指すような上位層を想定していません。
自分の力が2,000位~1,000位くらい。
受かるチャンスは十分あるけど、合格できるか不安。。。。そんなボーダー層向けです。
超上位合格を目指す人向けではありません。
1.Aを狙わない。DEを回避する。相対評価を意識する。
精神を一定に保ち、本番力を発揮するには、「心の落ち込み」「ミスったとの後悔、引きずり」を徹底的に排除する必要があります。
なぜ、落ち込んでしまうのか。
なぜ、終わった科目のミスを引きずってしまうのか。
それは、漫然とAを目標としてしまうからです。
当然ながら普段の勉強ではAを目指します。しっかり勉強します。
でも本番のふるまいとしては、Cを確保し、その延長線上でB、Aを狙うべきです。
Cを目標とすれば、たとえ大きなミスをしても、「ミスったなー、でも想定内。Cは守れたから合格には近づいてる」とポジティブに考えられます。
まして、B程度の手応えであれば、「よし。小さいミスあったけど、B取れた。これはアドバンテージだぞ」とポジティブに考えられます。
一方でAを目標とすると、減点主義となり、ミスを後悔し、次の科目、次の日に響きます。
これは本当に最悪です。Cを取るということは、合格に近づいています。Cを取ってしまったではないです。1科目Dを回避できた。です。
この点は私が司法試験において、もっとも重要であると思っています。相対評価、ボーダーラインを知る方法については下記記事にも書いてます。お読みください。
2. 科目ごとの具体的なC確保の目標をつくる
科目ごとにDを回避できる=C確保するための目標を作っておきましょう。
例えば私は個人的には下記のような目標がありました。
≪憲法≫
D以下となるリスクは30%ある。危険。
とにかく「守ることに徹する」。
掟① 条文選択を間違えない。絶対に。
掟② 合憲性判断枠組みを設定する。問題の事実を使って。
・法令違憲であれば、可能なら判例の射程を使う。無理なら目的手段でOK.
・適用違憲(文言)の場合は、行政法的に解けばOK
・処分違憲:比例原則で書く。もしくは、裁量逸脱でもよい。
・その他:最悪は、裸の利益衡量でもOK。得られる公益と失われる利益の比較衡量でいく。
掟③ 時間絶対厳守!私見をフルで厚く書く。原告などはあっさりでOK
掟④ 問が新形式の場合には、分からなければ、主張反論私見的に書けばよい。守る。
この4つを守れば、大枠は大外れすることなく、必ずC以上になるとの確信がありました。あとの事実評価は自由演技って感じです。
≪行政法の目標≫
掟① 本案の時間切れを回避する。
訴訟要件を書き過ぎない。8割でよい。絶対に。絶対に。本案に時間を残せ。
掟② 会議録や問題文、個別法の日本語が理解できなくてもOK。
日本語が分からなくても気にしない。
6,7割理解できればOK。
分からなければ誘導文は無視してよい。
設問に答えよう。
掟③ 捨てる勇気。
行政法はもっとも時間が足りない。
途中答案リスクが極めて高い。
設問や会議録が分からなければ、捨てる勇気。
イメージとして素点で35点を拾えればよい。
このように、自分なりに具体的にCのラインを設定していました。
あなたは、各科目ごとに自分の試験戦略、振る舞い方を自分の言葉で説明できますか。
もし、戦略を説明できないということは、不測の失敗リスクが高まります。
自分なりの合否ライン及び戦略を説明できるようにしましょう。
3.情報を遮断。クラスメイトと合わない。
試験期間中に、クラスメイトや受験仲間と試験について話をする。。。。。。
最悪です。何一ついいことはありません。
「憲法、14条書いた?」
「辰巳の模試当たったねー」
「刑法簡単すぎて時間余ったよー」
「刑訴の伝聞過去問と全く同じだった」
邪魔です。
遮断すべきです。
話すのはもちろん、視界に入ることさえ邪魔です。
でも、試験場で会って、無視するわけにもいかないし、、、、、
だったら、知り合いのいない試験会場に行ってください。
都心の人なら仙台や広島、札幌、福岡に行ってください。
私は東京在住ですが、仙台に行きました。
知り合いのいない試験会場とするメリット
<仙台試験場のケース>
① クラスメイト、友人と会わない
② 教室に知ってる顔がいない。
③ 当然、試験については誰とも話をしない。
また、受験生が200人もいないので、いい意味で試験感がないです。
また、200人程度だと、50人×4教室です。
TKPの2フロアだけです。
別のフロアにいけば、ガラガラのトイレがあります。
トイレストレスがゼロです。これは大きいです。
試験情報が入ったら不合格になると思え
私は今回の試験で数多くのやらかしをしています。
でも、試験期間中は、やらかしていることに気付いていません。
そもそもミスしたことも気付かないし、答えられなかった問題が模試やら過去問で的中していることも知りません。
私はただ、「なんだこの問題。いいや。どうせ他の受験生もできてないし。埋没だ。」。そう思うことができ、一切次に引きずりませんでした。
例えば、初日であれば行政法の原告適格25点分の全てを渡しは落としました。しかし、この問題はR4の予備試験と同じでした。
もし、そんな情報を試験中に知ったら、、、、、私も動揺し不安になったと思います。
だから、試験は絶対に遠隔地で受けてください。
4.知らないふり作戦。知識は絞れ。
私は勉強が計画通りに進まず、結局過去問も公法系以外は解けませんでした。
結局試験に持っていけたのはインプット教材としての①LEC矢島先生のスピチェと論文問題集としての②伊藤塾の問題研究だけでした。
それ以外は知りません。
私の引き出しにありません。
だから、この二つに記載のない問題は、私にとっては初見です。知りません。
初見の問題は、解けなくても後に引きずりません。
なぜなら、初見の問題は他の受験生も解けないはずであり、C確保の観点からは埋没だからです。
例えば、今回であれば、行政法の名宛人に準ずる地位やら商法の瑕疵の連鎖やら、民訴の違法収集証拠やら刑訴の領置やらは、私の引き出しにありません。
だから、できなくとも、試験期間中は全く気に留めませんでした。
過去問や答練、模試の復習をする時間がないのであれば、変に手を広げない方がいいです。
「あー。模試と同じだ。。。。。。復習してないよ。。。。復習してればよかったのに。。。。。」これが最悪です。
こんなことがあるなら、そもそも知らない方がいいです。
まとめ
1.Aを狙うな。C経由のBからA
減点方式(A目標)ではなく、加点方式(C目標)で挑もう。
2.科目ごとの具体的なC確保の目標をつくる
3.仙台へ行け!
クラスメイトと会わない、話さない。
SNSなんてもってのほか。
試験情報が入ったら不合格になると思え
4.知らないふり作戦、やることは絞れ
復習できない答練、模試はやるな。
中途半端に手を広げると、ミスを認識し、後悔が生まれ、不安になり、本番力が発揮されなくなる。最悪。
おわりに
今回は「心」「本番力」についてお話しました。
一見、抽象的に思えるかもしれません。
しかし、試験の本質はここにあると確信しています。
ぜひ、本番力について考えてみてください。