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LINEの生活最終話 The Life Of LINE

LINEの生活ついに最終話!

本編↓

「ど、どうしたんだ!?」
東さんの呼吸が...浅くなっています!
!?
「い、急いで薬を!...おじいさん、お願いできますか」
「老」は、「東」の声を聞いても、動こうとはしなかった。
「...あんた、」
テンヌキが口を開いた。
あんた、今の状況がわかってるんですか!?あんたの孫が今、死にかけているんですよ!?わかるだろ!?自分の罪を償おうとか、思わないのか!?あんたのせいで東が、死んでしまいますよ!?
「わしには罪を償う資格など...」
はあ!?あんた頭おかしいんですか!?
「わしは...あいつが言うことを聞かなかったからやっただけじゃ...」
「はあ...」
テンヌキは大きなため息をついた。
「あんた、おじいちゃん失格ですね...」
っ...!!
「そんなんで東が喜ぶとでも思ってるんですか。馬鹿らしい」
黙れ!
「老」が椅子をバン!と叩いた。
喜ばれるとは思っていない!!自分が死んで、天国に行けるとも思っていない!!ただ...わしはもう......東にあわせる顔がないのじゃ。自分の罪はもう償えない...。これだけのことをしてしまったのじゃから...どんなことをしても、償うことはできん...
急にカーソルが喋り出した。
東は...最低なやつですよ、自分にとって、都合の悪い奴は見捨てるような奴だ......けど、あんたが自分なりの方法で罪を償ったら、...東が、あいつが怒って、あんたを見捨てると思いますか!?
「...」
それはあんたが一番わかってるはずですよ
「......東っ...」
「老」は目に涙を浮かべた。
「さあ、早く薬を」
...わかった
「老」は部屋を飛び出して、薬を取りに行った。

...あれ...俺は...
俺は目を開いた。ここは...おじいちゃんの屋敷...!「ボス」の部屋か...。
そういえば俺、おじいちゃんに撃たれて...弾が胸に当たって...死んだんじゃなかったのか?
じゃあ天国か...ここは...
あっ!みんな、東が目を開いたぞおおおおお!!
「「「「「「よっしゃあ!」」」」」」
ん...テンヌキの声...
「はっ!!」
「東、大丈夫!?」
「え?あ...一体、ここは...?」
「よかったあ...死んでなかった...!」
「て、テンヌキ、これはどういうことだよ!?」
「...実はね......」
.....................
「そんなことが...」
「でも...生きてて、ほんとによかった...!一事は、死んだかと...」
テンヌキが俺に抱きついてきた。
「すまんかった、湊太...わしは、薬を撮りに行ってやることしかできんかった...」
「いいっていいって!」
「な?怒らなかった」
カーソルがおじいちゃんの肩を叩く。
「...なあ、テンヌキ、この世界のシステムを変えるんだろ?」
「あっ。そうだ!」
テンヌキはおじいちゃんとしっかり向き合った。
「おじいさん、この世界の、『一斉処刑』のシステムをなくし、文字は、文字の寿命が尽きるまで生きていけるというシステムを、導入してもいいですか?」
「...ああ。では、民たちに伝えて来よう」
おじいちゃんは、部屋を出て行った。
するとすぐ、放送が聞こえてきた。
これより、全てのLINEのシステムをなくす...「和樹」のスマホのあの初代「ボス」、「あ」様からの手紙を使い、「法律変更宣言」を行う!...この放送を聞いた者は、今から他のスマホのLINEの世界に行き、この放送の内容を伝えるのだ!!
「あの手紙、まだ使えたんだな」
「制限とかないからね」
「じゃあこれで全部OKだな!」
俺は立ち上がって、帰ってきたおじいちゃんに言った。
じゃあ、俺、帰るわ
「......ああ。元気で」
「おじいちゃんも行くぞ」
俺はおじいちゃんの手を握った。
「...いや、わしはここに残って、『ボス』の使命を全うしたい」
「そんなに生きられんの?文字の寿命って3、4年じゃないの?」
「わしは特別じゃから。なんか寿命の日きても死なんかったし。人間の世界から来た奴は、人間の世界で全うする寿命で生きれるんじゃないのか?」
「そっか。...じゃあ」
俺は、テンヌキとおじいちゃんの手を握った。...あったかい...。
二人とも、『ボス』の仕事、頑張れよ!
「うん!」
「おう」
そして、俺はカーソルの手を握った。
お前も、色々と、頑張れよ
「おう!」
「おじいちゃん、通路、頼む」
「わかった」
おじいちゃんは自分が座っていた、大きな椅子をどかして、床を触った。すると、床が円の形にパカっと開いた。
「よし」
俺はその穴に入った。

「じゃあな、みんな、元気で!」

テンヌキ、カーソル、おじいちゃんが大きく手を振っているのが見えた。

これが、三日間の、「LINEの生活」の思い出だ。


「ふぐっ!」
気がつくと、あっという間に自分のアパートの部屋についていた。
ぐっ!!!このっ!!!!!
何故か、自分の下半身が、思うように動かない。慌てて下を見ると、...なんと、俺の下半身が、スマホのカメラの中に押し込まれていた!
「はっ?」
そうか、「戻れない」って、こういうことだったんだ...
バタン!
ドアが開けられた。
「ちょっとあんた!さっきからガサゴソガサゴソうるさいんだよ!!」
隣のおばちゃんだ。いつもこうやって、俺が少しでも大きな音を出すと、部屋に上がり込んでくる。(たまにちっこい音でも来ることがある。こいつは地獄耳だ)
「...っていうかあんた、何してんだよ...」
「!こ、これ、抜いてください!」
「いい大人が何やってんだい...」
そう言いながらも、おばちゃんは俺を引っこ抜いてくれた。さすが怪力おばちゃん。
「静かにしてくれよ!!」
おばちゃんはドアをバタン!と閉めた。
「お前のたてる音の方がうっさいんだよ...」
バタン!ドアがまた開いた。
「なんか言ったかい!?」
「い、いえ、何も...」
バタン!
地獄耳め...

二千二十一年、一月。俺は普段通りの生活を続けている。毎日毎日、朝、昼、晩、とSNS三昧だ。
...ただ、LINEを使うときは、いつも少しワクワクしている。
今日、急にテンヌキやカーソル、おじいちゃん、...「お」が、スマホから出てきたりしないかな、と、少し期待しながら、スマホの電源を入れた。
ピロン!通知が鳴った。
誰からだろう、と思い、アプリを開いた。

非通知{東、元気してるか? おじいちゃんより 8:15
非通知{人間の世界、楽しい? テンヌキよりぃ 8:16
非通知{このメッセージたち、見えてますか〜?LINE送る方法覚えたyo byカーソル 8:16

俺の目から、何故か涙が溢れた。
俺は、全てのはじまりの、この非通知のLINEに、文字を打ち込み、返信を送った。

LINEの生活 -完-


ご愛読、ありがとうございました!

LINEの生活


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