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まさかの展開! どんでん返しがえぐすぎる小説5選

はじめに

突然ですが、僕が小説大好きなのはいうまでもありません。
その中でも大好きなのが、「どんでん返し」がすごい小説です。
やっぱりあの「騙された!」「してやられた!」という快感。そしてそんな小説を書かれた作者さんたちへの憧れ、リスペクト。たまりません!
どんでん返しがすごい小説はやっぱり素敵な読書体験をもたらせてくれます。
今回はそんな、素晴らしい小説を五冊紹介します(Adoさんの向日葵を聴きながら執筆中)。

1.ルビンの壺が割れた

新潮社 宿野かほる

こちら、一冊目です。
かなり話題になった作品で、発売したくらいから結構気になっていたんですが、なかなか買えずにいました。
結局去年の11月かな?くらいに文庫を買って戦慄しました…

あらすじ
物語は、ある男性が、昔の恋人に送った、Facebookのメッセージから始まります。
しばらく反応がなかったものの、かなり時間が経ってから(初めてメッセージを送ってから3回目の春がきた頃)返事が返ってきます。
そこから二人は、大学の演劇部や恋人だった頃の思い出話に花を咲かせます。
そんなぎこちなかったやりとりは、物語が進むにつれ、徐々に変貌していき…

この作品は僕が読んだ中では異質な雰囲気を纏った作品でした。何より、本文が全てFacebookのメッセージで進んでいくのです。
どうやら、同じように地の文がなく、手紙などのやり取りだけで進んでいく「書簡体小説」というジャンルがあるそうですが、なんにせよこの小説は僕が読んだ中でもなかなかないタイプの小説でした。
ページ数も170ページほどしかなく(文庫)かなり読みやすかったです。
まあこれは終盤にかけての畳み掛けがすごかった。
だんだんメッセージは不穏な空気を見せていくのですが、そこから一切読者を飽きさせることなく展開が目まぐるしく変わります。解説(文庫)にも書いてあるのですが、まさに終盤は万華鏡のような小説です。
特にラストの一文で、ぞくっと鳥肌が立った記憶があります。
ルビンの壺。ある人には壺が描かれた絵に見え、ある人には二人の人の横顔が描かれた絵に見える。この小説はそんな風に、人によって受け取り方が変わるような小説です。
さて、あなたはこの小説を「どんな物語」だと受け取りますか?

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備考 定価539円(税込、文庫版)
しっかり本屋で売ってます。
作者が2作目に書いた「はるか」も気になりますね…
お手頃な価格なので是非!

2.アヒルと鴨のコインロッカー

東京創元社 伊坂幸太郎

二冊目は映画化もされた伊坂幸太郎さんの名作です。

あらすじ
物語は、二人の語り手「によって交互に語られます。
一人目は大学生の「椎名」。彼は引っ越してきたアパートの隣人・河崎に、本屋を襲って、広辞苑を盗まないかと誘われます。断りきれず計画に乗った椎名ですが、この計画の裏には、河崎の過去が深く関係していました。
二人目の語り手はペットショップの店員「琴美」。琴美パートでは、椎名パートの2年前の話が描かれます。琴美の街では、ペットが無残に殺される事件が多発していました。その事件の犯人たちに、琴美と琴美の友人(同居人?)のドルシは目をつけられてしまいます。琴美は彼らを捕まえようとしますが、待ち受けていたのは残酷な運命でした。
この二つの物語が、徐々に一つの物語へと収束していきます。

この作品はやっぱり伏線がすごい。
ネタバレにならない程度に言うと俗に言う「叙述トリックもの」なんですが(例えば主人公をさも女の人のように書きながらラストで実は男の人だったと明かすような小説など)、見事に騙されました。
いやこれはすごい。その、なんて言うんでしょう。騙される快感?してやられたと言う感じ?伊坂さんすげえってなりました。
ラストは切なくも希望も残すようなラストで、グッときました。
伊坂さんの他の作品はちょっと過激(いい意味で)で胸糞悪い(ちょっとだけ)話が多いのですが、「アヒルと鴨のコインロッカー」は、そんな作品とは一線を画すような作品と言えます。キャッチフレーズをつけるなら、「伊坂幸太郎史上、最も優しい物語」ですかね。
気になった方は是非読んでみてください!

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備考 定価712円(税込)
ジュンク堂などの大型書店には売っているはず!
伊坂幸太郎さんはどの作品もハズレなしと言っていいほどには面白いので、是非他の作品も読んでみてください!おすすめは「ゴールデンスランバー」です。僕はこの「ゴールデンスランバー」のせいで睡眠時間削られた過去(といっても最近)があります。

3.ある閉ざされた雪の山荘


講談社 東野圭吾

三冊目はミステリーと言ったらこの人!東野圭吾さんの小説です!

あらすじ…
と言ってもこの小説は正直何言ってもネタバレになっちゃうんですよね…
正直前情報なしで読んで欲しいんですけど、めちゃめちゃめちゃめちゃめちゃめちゃ簡単にあらすじを説明します。
とある目的でペンション「四季」に集められた七人の男女。彼らはその「目的」のため、四日間、ペンションで生活しなくてはなりません。
そんな中、一人、また一人と仲間が消えていきます。果たしてこれは殺人事件なのか?
その裏には、まさかの真相が隠されていました。

さすがミステリーの名手!これもまんまと騙されました。
こちらも叙述トリックものです。
この小説は、小説が好きな人なら、言葉にできない違和感を感じると思います。こう、なんか何か引っかかると言うか。もやもやしたものを胸に抱えることになると思います。それでいい。そのままページをめくってください。
終盤、まさかの”漢字一文字”で物語は720°ひっくり返ります。
胸の中に抱えたもやもやが、すっかり消えて無くなることでしょう。
ミステリーの名手が紡ぐ「物語」。是非読んでみてください!

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備考 定価693円(税込)
ブックオフだと100〜300円くらい?
画像と表紙が違いますが中身は一緒なので気にしないでください(^^;)

4.イニシエーション・ラブ


文藝春秋社 乾くるみ

今回の小説紹介では目玉の小説が二冊あるのですが、これはその中の一冊です。そんくらいすごいし面白い。

あらすじ
鈴木がマユに出会ったのは、友人の代打で呼ばれた合コンの席でした。
その時はあまり会話できなかったものの、合コンのメンバーで何度か遊ぶにつれ、二人の距離は徐々に縮まっていきます。
やがて二人は恋人同士の関係になっていきます。
これは、1980年代後半---バブル世代を舞台にした、二人の甘くもほろ苦い、青春恋愛物語……

な訳あるかい!

ラスト2行(先に読むの厳禁!)でまさかの真実が発覚します。その2行を読んだ時、きっとあなたはもう一回読みたくなる。

これは絶対騙されますよ。断言できる。それぐらい伏線が巧妙に隠されている。
青春でも恋愛でもない。これは正真正銘のミステリーです!
まあ、恋愛の要素もかなり強い(早速矛盾)作品なので、恋愛小説が好きな人でも十分楽しめると思います。
僕は文庫で持っているのですが、文庫版に載っている解説も必読です。
正直一回読んだだけじゃ理解できない部分も結構あるので…
二回目は解説も一緒に読むことを強くお勧めします。
ていうかもう読んで!ほんとにもう、読んで!!

備考 定価715円
大型書店なら売ってるはずですが…
ブックオフなら100円、古本市場なら80円で売ってます。

え?映画化されたってマジすか?無理じゃねえのこれを映画って…w
なめくさって観てみます。

5.向日葵の咲かない夏

新潮社 道尾秀介

道尾秀介さんはかなり有名な作家で僕も好きな作家さんの一人です。

あらすじ
夏休みを迎える終業式。主人公のミチオは先生に頼まれて、クラスメイトのS君の家を訪れ、プリントを届けることに。家に来たはいいものの、きい、きい、と奇妙な音が。中を覗いてみると、S君は首をつって死んでいました。と思いきやいつの間にか死体は忽然とどこかに消え……
一週間後、S君は「あるもの」に姿を変えてミチオの前に現れます(まさかそんな姿で…!)彼は「僕は殺されたんだ」と訴えます。ミチオは妹のミカと、S君の死の真相を追っていきます。

この作品は「ある閉ざされた〜」とは違い、読んでいるとはっきりとした違和感が大量に出てきます。「なんで?」「なんで?」「なんで?」その「なんで」が積み重なった頃、この物語は衝撃の真相をあなたに伝えることでしょう。
そしてこの物語はそれだけじゃありません。クライマックスでまさかの真実が明かされます。
もう何度も言います。まんまと騙された!
これはかなり重たい話です。主人公のミチオの境遇もかなり過酷(?)です。結構気持ち悪いシーンもあったりします。
なので読む人は選ぶかと思いますが、少しでも気になったら読んでみてください!
きっとあなたは騙されるはずです。
そろそろ夏休み。夏休みはこの小説で過ごしてみてはいかがでしょうか?
是非読んでみてください!

備考 定価825円(税込)
大型書店ならあるはず。
作者の道尾秀介さんの「カラスの親指」も名作です!

おわりに

いかがでしたでしょうか?
今回紹介した小説はどれも、あなたを驚かせてくれるもの、満足感を与えるものだと思います。
一つでも気になった小説があれば是非読んでみてください!
来週は小説最新話、再来週は真梨幸子さんの「殺人鬼フジコの衝動」という小説を紹介しようと思います。
これからは小説投稿頻度を上げていきたいと思っています。
では、さようなら!


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