最終章開幕!ということで、恒例になってきた(?)ちょっと長めの LINEの生活#34判断

ついにLINEの生活も最終章かあ...
長かったなあ......
さて、最終章、完結するまであと10話ほど。
それまで、末長く(?)お付き合い下さい!

本編↓

見慣れた光景が広がった。立ち並ぶ数々の工場。なぜかあたりが騒がしい。まるで、電波に不都合が起こって、テンヌキのいたLINEの世界和樹のスマホに戻ってしまったようだ。
東は自分のいる場所を確かめるため、聳え立つ大きなスマホに駆け寄った。
『和樹』と表示が出ている。
クローンの東は、まだ和樹とLINEをしているようだった。
「よし、じゃあ...」
東はクルッと後ろを向いた。屋敷が見える。
「行くぞ...ってうわああ!」
東が走ろうとした時、誰かに頭を掴まれた。
「だ、誰!?」
東は掴まれた頭に顔を向けた。そこには、いわゆる「カーソル|」がいた。
あんた、何しようとしてんの?
カーソルの頭を握る力が、少し強くなったような気がした。
「痛い痛い!頼むから放せ!」
すると、急に握る力が弱くなった。
「うおっ!」
東は尻餅をついてしまった。全身に痛みが走った。
「ってえな...」
「で?」
「は?」
「何しようとしてんだよ」
うるせえ!お前にはかんけえのねえことだ。それよりお前こそ何なんだよ!?普通初対面のやつの頭掴んで、地面に投げるか!?
「投げてはいない」
「でも実際、投げられたみたいになって...。ああ、もう!そんなことより俺は行かなきゃいけないんだ」
東は立ち上がり、走り出そうとした。が、前に二歩足を出した途端、今度は足を引っ掛けられ、前のめりになった東は、派手に転んだ。
ぐおっ!もお、!何なんだよお前!??
東は後ろを向き、カーソルを睨んだ。
「カーソルですが何か?」
「わかってるよそんなこと!ああもう!お前ほんとにメンドくせえやつだな。...お前、仕事しなくていいのか?お前なんて大抵スマホに張り付いてないとやってられんだろ?」
「よく言われる。...今は別の文字がやってくれてる」
東は立ち上がり、カーソルに言った。
「で?何回も引き止めてきたけど、何?何か用?」
『ボス』の屋敷に行くのはやめといた方がいいよ
「は?何でだよ」
カーソルは一瞬言葉をつまらせたが、続けた。
ここの世界は、今日が一斉処刑の日で、警備が堅い
「?...何で?」
だから今日が一斉処刑だから警備が...
「何で今日が処刑なんだ?今日はまだ二日12/2だぞ!?」
「ここの一代目の『ボスヤツ』が決めた。ちなみに『ボス』は、この世界LINEの世界の『ボス』の頂点なんだ。実質、コイツが全てを牛耳ってると言っても過言ではない
!!?じゃあ-----
「処刑は何時にやられるか知ってる?」
東が何かを言いかけたが、カーソルが話を遮った。
「いや...?」
「今日の夜九時。その時は、全ての工場のシステムを切って、LINEのサービスを止める。人間の世界では何とかごまかしてる。あとさ...」
カーソルは東を引っ張っていった。東が連れて行かれたところは、前にいた和樹のスマホでは見たこともないような、広場があった。その広場では...「ボス」の家来であろう「守」の文字の団体と、その他の文字が、武器を持って争っていた...。
「これって...君がきたときに起こったテロ?...っていうのかな?その時、まあついさっきなんだけど、君がここにきて横たわっているのを僕が見つけてすぐ、スマホから、大量の文字が出てきたんだ。それで、あずまー!!とか何とか叫びながら、『そいつだけずるいぞおお!!』って。それで、なぜかそこらへんの家に入って、ナイフとか色々奪って、こんなことになったんだけど...これって、君となんか関係ある?」
東は震えながら答えた。
あるよ...大ありだよ...あずまって、俺だからさ........
「!?じゃあまさか...」
ああ。...俺の......俺のせいだ...
東は頭を抱えて座り込んだ。
「...どういうことなのか聞かせてもら-----」
「俺が人間の世界に行きたいとか言ってたから...」
テロのやっている方を見ると、ついに怒りが頂点に達した「守」の文字たちと、テンヌキのLINEの世界の住民との、殺し合いが始まっていた...
血飛沫が舞い上がっていた...

俺のせいで...テンヌキのスマホのみんなが...全部、俺のせいだ...!!
そこへ、東たちのもとに、テンヌキが走ってきた。
「あ!新しく和樹のスマホの『ボス』になったって...!!」
「うん、そうだよ。それより東!!!
テンヌキはうずくまっている東を揺さぶった。
君は自分で何をしたか理解してるの!!?君は判断を間違えた!寿命が尽きるまで、僕の治めているLINEの世界にいればよかったのに!!!」
テンヌキは大声を上げた。一瞬近くにいた文字が動きを止めたが、すぐにまた動き殺し合いを始めた。
どうするんだよ!!
テンヌキ!!
東が怒鳴った。
俺は確かに判断を間違えた!!けど、今からでも、正しくすることはできる!!判断を間違って、そのまま終わりにはしたくない!!俺が判断を間違えたんだからな、俺が正しくしてやるんだよ!!判断なんて、何回だって間違えてやる!!そのたんびに、俺が何回でも正しくするんだよ!!!!
「東...」
今まで黙っていたカーソルが、口を開いた。
「君はいいことを言っていると、僕はおもう。でも、どうやってこの状態を良くするんだ?何か考えがあるのか?」
ずっと考えてたんだ。...賭けに出る。こうするしかないんだ...これしかない
東は二つの文字に作戦を耳打ちした。
「...それは...」
「うまく行くのかな...」
「俺の判断を正しくするには、これしかないんだよ...!俺は、世界を変える!!」
テンヌキとカーソルは、
「まあ、頑張ってみよう。この世界を変えよう!!」
「「「『ボス』の頂点をぶっとばああす!!」」」
三つの文字は武器を持って、それぞれの持ち場へと歩いていった。

東とカーソルは、屋敷へ侵入する係だ。テンヌキは---いずれ分かる。
東たちは、家来に見つかりにくいルートを調べておき、そのルートを使って、「ボス」の屋敷に侵入することにしたのだ。
「ボス」の屋敷の入り口についた。ここでは家来に見つかった。でも...好都合だった。
行くぞ!!
東とカーソルは、銃を構えて、「守」家来の群れに突っ込んでいった...!!

続く

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