LINEの生活#40 反乱
「どう言うことだ?それは------」
バコン!
部屋の扉が、大きな音をたてて、真っ二つに割れた。
「『ボス』!来ましたよ!!」
そこには、「東」とその他、東と和樹のスマホにいる文字たちが、銃を構えて立っていた。
「家来たちは?」
「全員制圧しました!あとはここにいる奴らだけです!」
「わかった。『東』、君は東の手当てを!他の文字は、ここにいる文字を制圧!わかったかい?」
「「ハイ!!」」
一体何が起きているのかわからない...というように立ち尽くす家来たちの背後にまわりこみ、文字たちは、家来を制圧した。
「ぐっ!」
「老」が、立ち上がって家来を押さえ込んでいる文字を制圧しようとした。だが、「東」が「老」のこめかみのあたりに銃を撃った。
「...抵抗しても無駄だぞ」
「東」が手当てに戻った頃、テンヌキがカーソルを押さえ込んでいる文字たちを引き剥がした。
「もうあんたの仲間はいない」
「っ...」
「老」はテンヌキに向かって銃を構えたが、「東」がまた米神の辺りに銃を撃った。
「抵抗をやめろ。もうお前は終わりなんだ!」
「ぐっ...」
「老」は自分の椅子に座った。
「......あの、いまいち状況が飲み込めないんですが...」
カーソルがおずおずと言った。
それに、「東」が答えた。
「...あなたの知らないところで、僕らが活躍していたんです!」
「『東』、ちょっと頼みたいんだけど...」
テンヌキが「ボス」の部屋に来る直前に、全て起こっていたのだ。東が考えた、この状況をクルッと七百二十度ひっくり返せる作戦が...
「なんですか?」
「君は公園にいる文字たちに、今から僕の話す作戦を伝えてほしい。
作戦はこうだ。
今更バレるもどうもないから、屋敷からできるだけ近い絵文字工場へ行き、武器を作って『反乱』を起こす。絵文字工場の職員をどうするかは、任せよう。まずは屋敷に潜入する。絵文字工場で武器を作った奴がいるとなったら、騒ぎが起きると思うから、それに紛れて屋敷の通常口から潜入してくれ。もし家来に見つかってしまったら、その文字を制圧。その後、『ボス』の部屋に来てくれ。
...分かったかい?」
「...分かりました!『ボス』、任せてください」
「じゃあ、頼んだよ!」
「東」は階段を二段飛ばしで駆け下りていった。家来に何度か見つかったが、「東」は足が速かったので、なんとか逃げ切ることができた。そして、文字たちの集まる公園に来た。
「え...なんか...増えてる...!!」
公園にいる文字は、最初集めた文字よりも、明らかに増えていた。
「俺たちを毎日こき使っている『ボス』に、鬱憤晴らしてやるう!!」
「おう!!」
「...まさか...増えてる文字って...」
「ここのスマホの住民ジャイ!」
「やっぱり...!!」
「東」は感激した。こんなにも協力してくれる文字がいるなんて...!
「お、おい!あそこ!」
集まっている文字の誰かが、「東」の後ろを指さした。そこには、家来たちが...
「いくぞお前ら‼︎反乱だあーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「「「「「「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」」」」
文字たちが、家来の方へ走っていく。いつの間にか武器を持っていた。
自分たちと文字の意見が一致した!
なら俺も...しっかりしなきゃ!
「東」は文字たちに続き、走っていった。
「...っていう感じで」
「そ、そんなことが...」
テンヌキは、自分を押さえ込んでいた文字を振り払い、逆に自分が家来を押さえ込んだ。
「これで最後の一人だね」
「くっ...」
「老」は降参したように、両手をあげた。
「全員!ついに、『ボス』の頂点に、勝ったぞ!!!」
忘れている人のために復習↓
「『ボス』は、この世界の『ボス』の頂点なんだ。実質、コイツが全てを牛耳ってると言っても過言ではない」
#34 判断 より カーソルのセリフ
つまり「老」は、「ボス」の中の頂点なんです。
わああああ!!
テンヌキの声に応えるように、歓声が上がった。
「...東にも、聞かせてやりたかったなあ...」
カーソルは小さな声で呟いた。
「ボス」の頂点を倒して喜んでいられるのは今だけだった...
「東」が顔を青くしてテンヌキに駆け寄る。
「どうした?『東』」
「大変です...東さんの呼吸が......!!」
次回、最終話-----。
長く続いた「LINEの生活」が、来週、ついに完結します!
次回、最終話「The Life Of LINE」をお楽しみに!
お知らせ
LINEの生活の裏話を語り尽くす「LINEの生活ファン広場」を、最終話を配信した次の週に配信予定!
こちらもお楽しみに!
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