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LINEの生活#19 おじいさん

二つの文字は、なんとか寝床を見つけようと、街をうろついていた。
「今日は野宿かあ...」
「お金もないから食べ物も買えない...」
この世界では、工場の他に、人間の世界と同じように、コンビニやスーパーがある。
「『絵文字工場』にも行けないし...」
「最悪これで...」
東は銃を構えて、テンヌキの方に向けた。
「あ、東?何するつもり...!?」
「お前を食べよう」
「怖っ...」
すると後ろから、バアン!と言う音と共に、東の頬に弾が飛んできた!!
「うおお!!」
なんとか避けたので、かすり傷ですんだ。
二つの文字が後ろを向くと、家来たちが大勢、銃を構えて走ってきていた...
「ヤバあああ!!」
「追ってきてないんじゃなかったのか!?テンヌキ」
「わからない...。僕たちを油断させるためだろうけど...とにかく逃げるよ!!」
東は後ろに向かって、何発か銃を撃った後、全速力で走った。だが、交差点に入ったところで、家来たちが出てきて、一気に囲まれてしまった。
「うわっ!」
「くそ!!」
ジャッ!二つの文字は銃を構える。家来たちも銃を構える。
「...」
「...」
しばらく睨めっこが続き、家来の一人が、
「撃てえ!!」
と叫んだ。すると、一斉に弾が飛んできた!
「うわ!!」
弾は足元に飛んでくる。なぜか殺す気はないらしい。東がこの世界に必要だから...
(なんで俺が必要なんだよ!!?)
足元ばかりに飛んでくる弾。それを避けようとする二つの文字は、ダンスのステップを踏むような動きになっていった。
「おお!これならなんか楽しいかも!」
その言葉に反応したのか、家来たちは銃をお腹に向けてきた。
「やべっ!」
二つの文字はなんとか逃げ道を探すが、囲まれているので、逃げ道はない。家来の上でも飛び越えない限りは---。
ピュン!東とテンヌキの頭上に、老文字の「老」の文字が飛び込んで来た。
行くぞ、若いの
東とテンヌキは全く状況を理解できていない。それに気づかず、「老」の文字(以下「老」)は、老文字とは思えないほどの身のこなしで、家来たちの頭を次々に蹴り倒して行く。
「ぐあっ!」
家来たちが全員伸びてしまった頃、「老」は、東とテンヌキの手を取って、走り出した。

「噂は知っとる。わしが匿ってやろう」
「老」に連れられて着いたのは、少し寂れた、文字の工場だった。全体的に黒く汚れていて、所々ペンキが剥がれた跡がある。周りにはゴミが捨てられている。つまり、とても汚い場所だ。
「あの、おじいさん、ここ、どこですか?」
「わしの家じゃ」
「え!?こんな汚いところが!?」
「東!失礼だよ」
だが、「老」はそんなことも気にせず、
「事情は中に入ってから話す。とりあえず入れ、湊太」
「老」は、いかにも臭そうなドアをいとも臭そうなそぶりをせず、開けた。
うわあ!
すげえ!
外見はとても汚く見えた工場だったが、中身はゴージャスとしか言いようがない。東が見たこともないような、高級感が溢れるソファやベッド、お菓子。さらに、人間の世界でいう4Kテレビが置いてあったり...
「若いの、まずは座りなさい」
「老」に勧められて、二つの文字は、フカフカのソファに座った。
「あの...あなたは一体...」
「わしは...この世界の反逆者だ。反逆者を集めて人間の世界に行きたいのだが、それは出来ない
「なんでですか!?」
「...お前さんら、まずは自己紹介をしてくれんかの?お前さんらも反逆者なら、仲間に入れたい」
そして二つの文字は、全てを話した。
「あの、俺がここに連れてこられた理由って知ってますか?
ああ。知っとる
「!!本当ですか!?」
「ああ、この世界の歴史を知れば、全て分かる」
そして「老」は、話し始めた。このLINEの世界の真実を...。

続く...

ついにこの世界の秘密が語られます!
...実はこの#19に、伏線を隠しています...!!
わかったら、コメントで教えてください!!!(まあ、答えは言いませんよ😏)

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