ペンギンの赤い血 最終回! #9 〜犯人は誰だ?〜編 すべてが終わった
「待ってペナンさん!僕も行きます!」
ペンギン人はペナンに頼んだ。ペン川ペナンは少し考えて言った。
「分かった」
「では、後もう一つ…」
取り調べ担当の刑事が、ペンギン太郎に質問する直前…
「その取り調べ、ちょっと待ったあああ!!!!!!!!!!」
ペンギン人が大きな声で叫び、ペナンが取調室の扉を蹴り飛ばした。
ばあん!と、爆音が響いた。取調室の外にいた警察たちが、「なんだなんだ?」と近づいてくる。
「な、なんですかペナンさん…結婚式みたいなセリフ言って、悪ふざけも懲り懲りにしてくださいよ…」
「この事件の主犯はペンギン太郎ではありません」
「何っ!?」
あたりがざわざわとざわめいた。ペンギン人も少し驚く。
(ど、どういうこと!?犯人は『あの人』だって分かってるけど…主犯ではないって!?)
「犯人は………ペンギン父さん!あなただ!!!!!!!!!!」
ペナンが怒鳴った!
「…ペナンさん、それは間違いです。私は、昨日の真夜中、犯人に攻撃したって…」
「真夜中で犯人が見えたんですか?」
「はい。月明かりでね…」
「…ペンギン父さん…昨日は、新月だったんですよ!!!!!!!!!!!!!」
「!!!!!」
どん!と、ペナンの言葉が、ペンギン父に突き刺さる。
「そして…」
ペナンはパソコンを取り出し、映像を再生する。
その映像には、ペンギン父のような影が一つ、後、他のペンギンの影が一つ。ペンギン父が、他のペンギンを攻撃している。
「多分これは、共犯の、あなた。ペンギン太郎さんでしょう」
「っ…証拠は!?」
「なぜあなたは、新月の日に、月明かりが見えたと、嘘をついたんですか?」
「…」
ペンギン父が黙りこける。
(お父さん…)
「ペンギン父さん、答えてください。あなたがやったんでしょう?そしてペンギン太郎さん…あなたは共犯ですね?」
「…」
「…」
(そんな…信じられない…まさか…お父さんが……)
ペナンが、宥めるように言った。
「…子供に、そんなかっこ悪いところを見せてもいいんですか」
「…はい。私がやりました…」
「私は…共犯です」
(…)
「動機は?」
「嫁の…あいつの、浮気です…。…まず、あいつを殺して、それから、茶羅の野郎も殺そうと思って…」
「それで私が手伝ったのです」
「そうですか…では、裁判にかけましょう」
裁判が終わった。お父さんは、懲役10年。ペンギン太郎さんは懲役7年の罪になった。
お父さんが刑務所に入れられた後、僕は親戚の家に引き取られた。
親戚からは、「事件のことは一切口に出すな」と言われている。まあ、お父さんのお兄ちゃんに引き取られたのだから、仕方ないだろう。
お父さんが帰ってきた。僕はもう大人になっている。
ずっと待ち望んでいたので、「おかえり!!」と言った。けど、お父さんは何も言わない。きっと、後悔しているのだろう。浮気で殺人を働くぐらいだから、とても愛していたんだろう。
きっと、殺した時は、怒りが溜まって、冷静になれなかったのだろう…
赤く色づいた秋の葉っぱが、ふわりと地面に舞い降りていった。
END
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