バオ #7 新たな仲間
バオ#6の続きです!
しばらく歩いていると…
「おい、君」
と、声をかけられた。
(誰だろう?全然知らないけど)
そのおばけは、男の子で、僕よりちょっと年上っぽい。
旅に行く用の服を着ていて、その服には僕の学校の紋章がついていた。
(この子、同じ学校の子か)
別に同じ学校なら、敬語は使わなくていいだろうと、普通に声をかけた。
「誰?」
僕が聞いた質問に答えずに、相手は興奮しながら話した。
「あれ、凄かhdgったじゃなhdうsfsいか!あのdhぢs毒グモhdふsおを倒しhsづsたjでゅやつ!」
興奮しすぎて、言葉がよく聞き取りにくい。
でも、多分、
「あれ、凄かったじゃないか!あの毒グモを倒したやつ!」
と言っているんだろう。
「それほどでもないよ。あの時は運よくそこらへんに『ムシコログサ』が生えていただけだから」
「でもあんな大きくて気持ち悪いクモ、倒せただけでも凄いよ!」
すぐに興奮がおさまったのか、もうちゃんと喋れてる。
「ちょっと、話聞かせて!お茶もお菓子もあるからさ!」
「う、うん」
お菓子という甘い言葉にふらついた僕は、その子について行った。
「では、」
お茶をすすりながら、その子は言った。
「まずは自己紹介!俺はケント。クモとか虫が嫌い。多分お前より年上だ。で、お前の名前は?」
「バオ。僕は怖がりで、お菓子が好き!」
「へえ、バオ って言うんだよろしくな!」
「うん!よろしく!ケント!」
「じゃあさ、じゃあさ、」
ケントが身を乗り出す。
「あの、クモの時の話、もっと詳しく教えろよ!」
「わ、わかったよ」
…
「おおおおおおおおおおおお!凄すぎる!!」
「へへ、ありがとう」
僕は、地図を出し、ケントに尋ねた。
「ねえ、僕、この道で冒険してるんだけど、なんかモンスターが出てくるとか知らない?」
「ん〜、俺は知らないけど、ムト爺さんなら知ってるかも」
「ムト爺さん?」
「おん。なんか、学校の先生に聞いたんだけど、ムト爺さんならこの森のこと知ってるって。地図のここら辺に住んでるらしいよ」
そこは森を半分くらい行ったところだった。僕は今森を4分の1位行ったところにいる。もうちょっとしたら会えるかもしれない。
「ありがとう、ケント!ムト爺さんに会いに行ってみるよ!」
「おう!頑張れよ!」
僕はムト爺さんの元に向かうための最初の一歩を踏み出した。
続く
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