LINEの生活#14 潜入②マンホール
東や「お」のリュックには、テンヌキを殺すための武器がたっぷり入っている。だから、テンヌキに見られてはならない。
「テンヌキを殺す。それは、『ボス』たち『政府(と称しておく)』側にとって、大きなダメージになる。『ボス』を殺すことができたら、『政府』側を支える柱を崩すことができる。『ボス』がいなくなった世界は、家来のどんなやつも、治めることはできないだろう。実際、『ボス』はほぼ一人で政治を進めていて、家来たちには、会議でアドバイスをいうくらいしかできないらしい。これは全部、ニュースで見たんだ。そうなると、パニックになった状態の世界を、どさくさに紛れて抜け出すことができる。家来たちは、政治をやっていないからと言って、民たちの暴走を治めないといけないだろう。その隙に逃げ出す、っていうのが、俺たちの作戦。......まあ、実際テンヌキは殺さない。俺たちの表の作戦にもある、マンホールの中にでも、一時的に監禁し、殺したように見せるんだ。テンヌキが死んでなかったとしても、いなくなれば、パニックを起こすことぐらいはできる。もしもの時になったら...やるしかないがな......。東、覚悟はできてるか?」
「相変わらず話がなげえな...。分かってる...俺はやる、この世界から、なんとしてでも抜け出す!覚悟はできてる。...やろうぜ!!」
がちゃっ、と、玄関の方から、ドアの開く音がして、テンヌキが帰ってきた。
「よし、テンヌキ、準備はできた!!明日にでもやるぞ!!」
テンヌキは、東たちの声に反応しながらも、東たちの見ていないところで、全てを悟ったかのように、静かに微笑んだ。
「ボス」はテンヌキだ----。
次の日、東たちの作戦が始まった。
「よし!行くぞ!!」
「お」の提案に、東は驚いた顔で尋ねた。
「ちょ、ちょっと待って、抜け出すなら、夜の方が目立ちにくいんじゃないの!?」
「んあ?」
「お」はわざとらしくとぼけた顔で言った。
「その裏をかくんだろう?誰だって、夜の方が目立ちにくいと思うだろう。その裏をかいて、昼に行くっていうのが、いいんだろうが!!てかもう行くぞ」
「お」は、東とテンヌキの持ち物を、二つの文字に無理やり背負わせ、東とテンヌキの手を掴み、玄関まで引っ張っていった。
(こいつもう何言っても聞かねえな...)
東は、苦笑いして、「お」に体を任せた。
テンヌキが引っ張りながらもなんとかマンホールまでたどり着いた一同。
「じゃあ、開けるぞ」
東は、マンホールの蓋を開ける。意外にマンホールはすぐ開いた。だが...
「うげえっ!」
東は声をあげた。
「きたねっ!」
マンホールの中には、ドブ川が広がっている。ごぼごぼごぼ...という音をたてて、どす黒い液体が、マンホールの全てを黒に染めている...。それと同時に、謎の異臭が鼻を貫く......
「これを...何メートル?」
「ひ、100メートル...」
「はあ!?」
あれだけやる気満々だった「お」も、
「う、があ、...ぇぇ?」
と、ここまでの変わりようだ。
果たして、こんな状態で、テンヌキを捕まえて、この世界から抜け出すことなんて、できるのだろうか...
続く
さあ、結構やばい展開になってきました...!!
実はこれは、まず、ノートにプロットを書いてから連載版を書いているのですが、ちょっとした私のミスで、こうせざる負えない展開に...!!
私の頭の中はもうパンパンです......
ですが、私も頑張りますので、続きもどうぞ、読んでください!!
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