国境廃止 前日譚「ひとつの手記」 前編
Prologue「α地点」。はじまりの地。
とある集落。その集落は、隣同士の集落と、長い争いを続けていた。争い、は、戦争レベルにものぼっていた。「α地点」のほとんどの人間は、銃なんて普通に持っていたし、大砲まで持っている者までいた。
昔からの伝統、とでも言おうか。伝統なんて生やさしいものではないが…。
「α地点」と呼ばれる島では、国境がなくなる前から戦争が続いていた。
理由はわからない。ただなんとなく、昔からやっていたから。そんな理由で、戦争が起こる。それがこの「α地点」。