国境廃止<第一章> 第七話 「α地点 ①」
「う…」
私は目を開けた。目を突き刺すような眩しい光が入ってくる。きつく縛られている。何もない部屋。ここはどこ?
私は記憶を辿る。月を壊した女の子?に会って眠らされた…そうだ。何処かに連れてこられた?じゃあここはどこ?
そんな私の疑問に答えるように、部屋の扉が開いた。現れたのは白衣に身を包み、メガネをかけた男。
「誰…?」
「私は北原宇宙(そら)。世界の父だ」
彼が世界の父だということに驚きを隠せなかった。(ていうか名前…)
「なんで私を捕らえたの?」
「それは君が、この世界