実家から出てきた反物
昨日は子供が部活で出かけたので、夫からの提案で映画を観に行った。しかし、私は言えなかった。
「ごめん、3回目やねん」
今話題の映画を、夫は観たことがなかった。夫婦二人きりだしと、チケットも確保してくれていたので、せっかくだからと観に行った。
映画館を出てから、実家から電話があって「ぺんちゃん、タンスの整理してたらね、反物出てきたんやけどどうする?」と。
ぎくり!独身時代に和裁を習っていたので、その時に買った反物が2反残っていたという記憶があった。
まずは実家へ寄って、実物を見ることにした。
私の記憶にあった反物2反は、私が和裁教室で縫う予定だったものだった。ひとつは、紋入り色無地なので呉服屋さんで仕立ててもらってもいい品物だった。(すでに色無地は一枚持っているので、ミシン仕立てでもよい)
もう1反は、鮫小紋でこれも呉服屋さんに仕立てをお願いしてもいいものだった。
問題は、亡き義姉がこちらの実家に預けていたウールの反物3反だった。
義姉のおばあちゃんが呉服屋さんをしていたけれど、高齢で店を閉める際に、義姉に渡したものらしく、仕立てることなく義姉はこの世を去った。
そして、私のところにやってきた。
「ぺんちゃん、単衣ならまだ覚えているよね?ウールだしね。前から普段着で着物を着たいって言ってたやん」
確かにね、最近着物熱が上がってきて、普段着に着てみたいって思ってたし、着付けの講師免許は取ってるけど、和裁は忘れてるよ、お母さん!
でも、ウールの着物は冬向けで、これからの季節は大活躍する。私が気になるのは、縫えるかというより、真っ赤な色の着物を今私が着てもいいのだろうかという気恥ずかしさだ。
しかし、ふとしたことから亡き義姉が残した反物なので、仕立ての本を見ながら思い出して縫うかな?
時間はかかりそうだけれど、縫ってみようか。さて、道具があるか探そうっと。
残された反物を仕立てることで、亡き義姉も喜ぶだろうね。いつ完成かはお楽しみに!