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真剣に海外へ飛び出したいと思った年

私が初めて海外へ出たのは、高校1年生の海外研修実習。

1ヶ月半にわたり、カナダのバンクーバーで英語の勉強をして、残り1週間は、バンフなどの観光地へ行った。

初めての海外で、最初は不安だったけれど、何もかもが新鮮で楽しくてたまらなかった。
反面、同じグループに困った子がいて、トラベラーズチェックを全額を紛失して、先生や添乗員さんを困らせた思い出もある。

若い人にはわからないかもしれないけれど、当時はトラベラーズチェックという小切手的なものがあり、現金化はできるし、お店で支払いをする時にも
サインをすれば通過として使えた。

その後「大人になったら、お金を貯めて海外に移住するんだ!」と思うようになった。

当時の文部科学省から「交換留学生」の話があり、先生からの勧めはあったけれど、当時の私には一人で海外に飛び出す勇気はなかった。

あの時に海外へ1年でもいいから出ていれば、考え方は変わっていたと思う。


その後、就職をしてから海外へ行くチャンスは出てきた。

海外旅行として実現はしたけれど、それは兄夫婦がアメリカ・ロサンゼルスに駐在員として赴任したからだ。

私はお金を貯めて、会社の夏休みを利用して、兄夫婦の家に泊めてもらい、アメリカを堪能した。

治安のいいところに住んでいたので、トコトコと歩いて買い物に行ったし、二人が留守になったときに、配達員さんから荷物を受け取るミッションをこなした。

兄達のアメリカ生活はどうだったかを聞くと「そんなに楽しいことはないで。いつ強盗があってもおかしくないぞ」というし、義姉が車で映画に連れて行ってくれたけれど、絶対に屋内の駐車場には車を停めず前から入れる。

屋内に女性一人(いやあの時は二人)が車を停めるのは、強盗や変なやつに襲われてもいいのと同義。

兄達が赴任中、ニューヨークやオーランドにも行ったけれど、あの時は日本は安全だと思った。


今年になって、物価は上昇するし何か暮らしにくいなぁと感じることが増えた。

私自身、持病を抱えているし、両親のこともあって悩む日が出てきた。

体調を崩して、寝込む日が増えた。

若い時にはなかった体調の不調がどんどん出てくる。


そうだ!海外へ行こう!もう日本なんていやだ!

私一人でこんな安直な考えが出てきた。

日本はもういや!何も報われない!しんどい!助けて!

本気で思った。

しかし、よく考えれば我が家には不可能だと気付かされた。

夫には仕事があり、ある程度の役職を持っているから無理。そして英語は読めるけれど、喋るのが苦手。

娘は大学生。留学という手はあるけれど、お金はかかる。

第一に考えることは、どこの国に移住するのかだ!


私の知り合いで、カナダに移住チャレンジをかけた人がいて、今は日本に住んでいる。

移住に関する話を聞くと、永住権を得るのに2年はかかるし、何回かカナダまで行かなければいけないし、なにか現地で起業しなければいけないという。

移住にかかるお金も半端ないし、我が家まず不可能。

憧れのオーストラリアのことも調べたけれど、まず難しい。

一番の問題は私で、病気を持っているのに、現地で適切な治療を受けられるのか?

日本のような皆保険制度ではないはずだから、もう日本から脱出なんて無理。

海外移住を諦めるしかない、そうだ諦めるしかない。


最近、近所で強盗未遂事件はあったし、日本に「安全」という言葉がなくなりかけている。

毎日をどう過ごせばいいか悩んでる。

「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!」

某アニメの主人公のように呟いているけれど、今はこの日本でなんとか生きていくしかない。

腹立つことはあるけれど、つらいことはあるけれど、日本からはもう逃げられない。

今この地で、精一杯生き抜いてやろう!

今年は昔から考えていた「海外移住」を実行しようと本気で考えたけれど、もう難しいだろうし、この日本で精一杯生き抜いてみる!

これ以上、日本が悪くならないことを祈りながら、毎日を生きよう。


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