お酒で何もかもなかったことにできるなら
お酒は、基本としては好きだ。カクテルが大好きで、よくガバガバ飲んでいた。社会人になって、お酒好きの友人ができた時は、ビール中ジョッキ5杯を飲み、次にカクテル3杯、日本酒少々とちゃんぽん飲みしていた。
それだけ飲んでも、絶対吐くという醜態はなく、酔っ払いと化して、誰かにまとわりついたということはない。主人と付き合っていた時も、飲みまくりで主人を驚かせたぐらいだ。
結婚後、まもなくして妊娠したので、お酒はもちろん禁止。産後も「完母にするならお酒は控えて欲しい」とストップがかかった。
結局は、完母はやめて完ミになったけれど、その後ある病気を発症した。お薬との相性の問題と、アルコールがもたらす脳への影響で、お酒は禁止になった。
◇
かなり寝込むこともあり、育児にも影響は出て、実家近くに引っ越しをしたけれど、我が子が成長すると、イライラは増すばかり。
「お酒を飲んだら、現実逃避できるのかな?」「もう飲んだくれて、何もかも忘れたい」と考えるようになり、禁止されているのに、家にあった料理酒を飲んだ。
我が家は、調味用料理酒ではなく、普通に飲めるお酒を調味料に使っている。(これ消費税増税で考えないといけないんだけどね)
日本酒を飲んでいると、何かふわふわして気持ちいいなという感覚になったが、知らないうちに寝てしまった。気がつけば夜だった。
起きた時には、主人が保育園に預けていた娘がいた。保育園がなかなかお迎えに誰もこないので、緊急連絡先の主人の勤め先に連絡を入れて、連れて帰ってくれた。
「何があったの?薬飲んでるのに、お酒はあかんやろ?」
主人に言われた瞬間、大粒の涙がこぼれた。薬を飲んでも、イライラは止まらないし、病状がよくなるわけではなく、何もかも忘れたかった。会社員として働いていた時は、「お酒」というイライラをぶっ飛ばす「薬」があった。
でも、飲めないというのが、またストレスになってしまっていた。
◇
翌日、主人同伴で診察を受けることにして、お酒との付き合い方と、薬をどうにかできないかという相談になった。
この時点では、薬を変えることはできないので、お酒は禁止だということだった。つい最近になって、薬の減薬が進んだので、缶ビール1杯なら飲んでもいいという許可は出た。
許可が出て嬉しいはずなのに、その後は悲惨なものだ。
早速試しで、日曜の夕飯に缶ビールを買ってきたのを飲むと、頭痛が激しくて、お腹が緩くなってしまう。
アルコール類は少量しか受け付けない体質になってしまっていた。
回転寿司で、ビールを頼むとしても、一番小さいグラスサイズしか頼めないし、その日によっては、かなり頭痛が出てくる。
「お酒で日頃のうさをはらす!」ということができなくなったということだ。寂しい反面、健康的なことで日頃のイライラや不満を解決するしかないということになった。
◇
たまには、ビールは飲むけれど、増税でもう簡単に飲め飲み物ではなくなるだろうし、自分の体質が変わったから、治療の妨げとなるものは消えた。
だけれども、お酒の力を借りて「自分のストレスを解消すること」は、できなくなった。
要するに、神様が「お酒に頼るのはやめなよ」ということなんだろう。
お酒を飲んでも、一時的には楽しいけれど、私にはもうそれはしてはいけないという暗示かな?
お酒は楽にはなるけど、毒にもなる。気をつけなければいけないことだね。