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[ナイトシティで最も速い!!]サイバーパンクRED開封レビュー!

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amazon公式より抜粋
『サイバーパンクRED(レッド)」は、“暗黒の未来(ダークフューチャー)”を舞台にした、
名作テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム(TRPG)の2022年発売の最新版だ。かつての『サイバーパンク2.0.2.0』を前史に、PS4/Xbox One/PC用オープンワールドRPG『サイバーパンク2077』を将来に配して、
巨大都市ナイトシティを共通の舞台とするサイバーパンクRPGのルールブック。
「第四次企業戦争」後の、荒廃しサイバー化も極まった“赤の時代(タイム・オブ・ザ・レッド)” で冒険するために必要な情報が、すべてこの1冊に詰まっている。
ナイトシティやサイバーパンク世界全体の歴史と地理、“赤の時代” のさまざまな物事に関する、深く詳細で大量の情報。
キャラクターとしてプレイ可能な、オリジナリティあふれる10種類のロール(役割):
 カリスマ的なロッカーボーイ
 戦闘の達人ソロ
 素早いハッキングが得意なネットランナー
 独創的な技術者テク
 命を救う(そして奪う)メドテク
 特ダネを狙う報道記者メディア
 職務に忠実な警察官ローマン
 陰謀を企てる企業の幹部エグゼク
 狡猾な闇商人フィクサー
  荒野の旅人ノーマッド
ストリートを制するための多種多様なガジェット。便利な道具、強力な武器、身を守る防具、鈍く輝くサイバーウェアなど。
サイバーパンクのやり方を学べる、スクリームシート・アドベンチャー(短編シナリオ)3本。
無法地区(コンバット・ゾーン)や企業施設内へ配置したり、ナイトシティでの遭遇を盛り上げるために役立つ、敵役キャラクターのゲーム・データ。

こんばんは!TRPG大好き大学生のペネリです。

今回は3月28日に発売されたばかりの新作TRPG「サイバーパンクRED」についてご紹介させていただきます。


良かった点

・タイトル通りあらゆるサイバーパンクジャンルで表現されていたことが体験できるルール

・近未来を舞台にした膨大な世界観資料(全体の半数を占めている)

・フルカラーでイラスト満載な遊び心溢れる書籍構成

・ルールブックとしてはかなりボリューム満点なページ数(全456頁)

・見かけに反して作りやすく自由度の高いキャラ作成

・ベテラン翻訳チームによる丁寧な翻訳

いまいちな点

・書籍として物理的に重すぎる

・サンプルPCが無い

・公式短編シナリオ(すぐ遊べるわけではない)

・TRPGジャンル初心者には良くも悪くも敷居が高い


「サイバーパンク」シリーズとは?

タイトルのサイバーパンクとはジャンル名であり、シリーズ名でもあります。

「サイバーパンク」シリーズは

1988年に米R.タルソリアンゲームズ社に発売されたTRPG「cyberpunk(

2013)」から始まった作品・世界観群のことです。

当時はまだTRPGにおいて華やかでクリーンなファンタジージャンルが一般的だった時代に

荒廃した近未来が舞台かつ非合法で血なまぐさい裏社会を描いたTRPGは珍しかったため大反響を及んだと言います。

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やがて二年後の1990年に第二版となる「cyberpunk2020」が発売されました。これは1993年にイエローサブマリンから日本語版が出版され、日本人の間でもカルト的な人気を誇りました(この時の翻訳スタッフの一人が後に日本のサイバーパンクTRPGの代表格であるトーキョーN◎VAを制作したと言います)

その後、本国では2006年に第三版「cyberpunk v3」が発売され(これは現在では非正史になっているようです)

そして、「サイバーパンク」シリーズは人気を留まる事を知らず、ついには卓上ゲームとして枠を超えて

2020年(第二版のタイトルと同じ!)に「ウィッチャー3」で有名なポーランドのゲーム会社「CDPROJEKTRED」より大作オープンワールド「サイバーパンク2077」としてデジタルゲーム化されました

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このサイバーパンク2077と並行して制作されたのが今回の本家本元「サイバーパンクRED」と言う訳です

元々、原作者のマイケル・ポンスミスさんはゲームとは関係なく「そろそろサイバーパンクの新版を作ろうかなー」と思って原稿を書き始めていたら、たまたまゲーム会社の人が現れて「貴方の作品をわが社でゲーム化させてください」と言い、お互いにタッグを組んで世に生み出されました。

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そのため、本書1頁目のスタッフ一覧のところにちゃんとCD PROJEKT REDの名が

話は戻って、1990年の「サイバーパンク2020」は日本でもサプリメントが何冊か出版されましたが、今ではどれもプレミア化され「知る人ぞ知る幻の名作」でもありました。

そんな中、サイバーパンク2077によって国内のシリーズの認知度が大きく上がり、それによって最新版である本書の翻訳へ踏み切り、今回めでたく日本語版が発売されました

実物レビュー

という訳で僕も今回買ってみました。「サイバーパンクRED」

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どうでしょ?この如何にもザ・サイバーパンクって感じのかっちょいい表紙!殴り書きしたような赤字のタイトルロゴがイカしてます

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サイバーパンクの草分け的な伝説の名作「ニューロマンサー」と一緒に並べてみた

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背面の様子。本書はルールブックとして非常に分厚く、しかも物理的に重い

「サイバーパンクRED」の良い点

何と言っても前述した通り、サイバーパンク作品の登場人物になりきって遊ぶことが出来るところです。

本作の世界観はいくつもの紛争を経て荒廃した近未来都市だ。上空には企業の宣伝船が飛び回り、企業の毒々しいネオンが町全体を照らし出す。通りには胡乱なファッションに身を包んだチンピラやポン引きで溢れかえり、そこから一歩外れた路地裏ではヤクザの抗争や殺人が日常茶飯事。

そんな最悪な未来の中で必死に生きるということを主題にしたゲームです。

本作はD&Dやソードワールドのようにクラス(本作ではロール)制を取っており、ソロ(傭兵)ネットランナー(ハッカー)メドテク(医者)ローマン(警察官)フィクサー(交渉屋、情報屋)といった色んな役割に成ることが出来ます。

またライフパスといってPCの性格付けや今までの経歴が選択肢としてルルブ上に記載され、その中から自由に選択することが出来るシステムもあるのでセッション時にRPする際の指標としてとても助かるでしょう

(しかもデータ上必須なのはPCの出身文化圏ぐらいで、ライフパスをあえて全部決めなくても実際のプレイには支障をきたさない点も良いです)

本書はとても分厚く、ハードカバーでサイズがデカいのでとても重いルールだと第一印象は受けがちですが、

本書のプレイ上のデータが記載されているのは全456ページの内230ページ辺りまででそれ以外は基本的に世界観資料に割かれており、

プレイ中のルールは軽快です(あくまで海外TRPGとしては)

こちら側の[能力値+技能値+1d10] ≧ 相手側の[能力値+技能値+1d10]or難易度 =成功

戦闘も含めたほぼすべての判定は上記統一されており、10面ダイスと6面ダイスさえあればあればOKなのでまったく複雑ではありません。

また、さっき言った通り世界観は非常に緻密かつ膨大な設定によって構成されていることも特徴です

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読んでいるといきなり左ページのような作中企業の架空広告が出てくることもあります

時系列上は前作サイバーパンク2020から25年後、姉妹作サイバーパンク2077から32年前の2045年が舞台で、

そこに至るまでの架空の歴史出来事や作中に出てくる架空の企業、乗り物、武器、飲食、舞台である架空都市「ナイトシティ」にあるビル一つ一つに至るまで事細かく設定されてあります。

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そのため、例えTRPGを遊ぶ予定がない人でも、ゲーム版の設定資料として十分に楽しむことが可能です。

いまいちな点

まず一つ目

とにかくデケェ!!そして重い!!

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上の画像を見てわかる通り、めちゃくちゃデカくて重いです。もう辞書かと思うぐらい。

もしオフセに持っていくとしたら、大き目なリュックの中に入れて必死こいて重さに耐えながら歩くことになるでしょう。

じゃあオンセなら大丈夫、という風には行きません。何しろこのサイズと重量ですから、常に膝の上に抱えている内に足は引きつり、石抱(↓)のような事態になることは避けられません

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「石抱」とは江戸時代の拷問で正座した上に石を置いて肉体的ダメージを与えるやり方

一々、セッション中にルールを確認するにも難儀しそうですがこれには理由があって、

本国では今回発売された「基本ルールブック」の他に初心者用の「ジャンプスターターキット」も発売されており、また電子用PDFも充実しているので、ルールを持ち歩くのはそれほど苦にはならないわけです。

また、サンプルPCが無いことも問題で、例えばコンベンションなどでルルブ未所持の初心者向け卓を開こうとなっても、それが中々難しくなるわけです。

更に公式の宣伝には本書に短編シナリオが掲載されていると言われていますが、この短編シナリオについて初めに断っておきます。

これでそのまま遊べるわけではありません

というのも本書の短編シナリオ3作はスクリームシートと呼ばれる新聞記事を模した作りになっていますが、

記載されているのはあくまでPC向けの背景資料やGM向けのストーリーの流れなどであり、

回すのに必要な敵データやNPCデータ、判定の難易度などはその卓を回すGMがルルブのデータ集と睨みっこして事前に準備しなくちゃいけません。

別にただ準備すればいいだけの話なんですが、もうちょっと便利に回しやすくしても良かったのでは?

最後に

四半世紀の時を超えてついに復活した「サイバーパンク」

サイバーパンクを題材としたTRPGとして非常に自由度が高く、かつ遊びやすい作りになっているシステムであると感じました。

先ほど述べた通り、ゲーム版の設定資料としても満足できそうな上にキャラクター作成も色んなビルドを楽しめそうです。

あと、ちょっとルールを工夫すれば、別にサイバーパンクのみならずGTAや龍が如くみたいな現代の裏社会モノをプレイできそう点も(サタスペをやりゃーいいじゃんは禁句)

定価が8000円近くする上に、ルルブとして非常に大きくてページ数が多いため中々初心者にはハードルが高い本書ですが

もし興味があるのであれば手に取っても損はない作品だとおススメします!



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