一人ハッカソンをして見えてきたこと


 新型コロナウイルスのせいで、休みの日であっても一日中家にいることが多いこの3月、先日のの3連休も我が家は自粛ムードの中、迎えようとしていました。フラストレーションは溜まる一方、いくら広めの家にいても、少なからず、お袋との些細なケンカは生じてしまう。気持ちがだらけているわけではないが、今月に入り、仕事がない日は腑抜けの日々を送っていた。普段なら近くのスタバに行きコーヒーと共に本を読み、適当に本屋をぶらつくことで、運動不足を解消していたのに今はそれさえもできない。仕方が無いとは言え、一日本国民としてできることは、自分の行動を自粛することで新型コロナウイルスの蔓延を防ぐことだと思っていた。

 そんな時に、code for Japanと言う団体が、東京との新型コロナウイルスの蔓延を防ぐために、皆でサイトを立ち上げたことをニュースで目にすることになりました。「code for」とは自分が持っているプログラミングの技術を地域社会や人のために役立てようという考え方である。実際、この東京版の新型コロナウイルスサイトは、各地域の新型コロナウイルスの立ち上げに大きく派生していき、面識のあったエンジニアが各地区で立ち上げたことをSNSで知ることになりました。正直、脱帽しかなかったです。

 こうした流れを見ていた自分は、自分も家にいることだけが社会のためになるのだろうかと考えるようになりました。大きく言えば自分もcode forをしたい、けど、自分の地区は既に新型コロナウイルスのサイトが作られている、そんな時にふとこうした疑問が浮かびました。
「新型コロナウイルスの情報って漢字だらけだけど、命に関わる情報って、識字や理解の限界のある人にちゃんと伝える必要があるのではないのか」
私は、前職と前々職で、知的や精神障害の方と共に作業をしてきました。その時に強く感じたことは、表現を分かりやすく伝えること、また漢字は振り仮名を用いるなら一生懸命に読もうとすることを見てきました。そこで、自分にできるcode forが思いつきました。
「新型コロナウイルスの情報を振り仮名付きで提供するWebページを作ろう」
これが思いつき、先日の3連休を用いて1人ハッカソンをすることになりました。
(後で知ることになりますが、code forで作ったサイトでも、「やさしいにほんご」として、漢字にルビを振られているページもあります)

 早速、どんなページにするのはページのフレームを作りました。漢字に振り仮名、ルビとも言いますが振る技術は難しくないことも分かりました、しかし、問題は載せる情報です。公共性の高い情報を載せたいと思い、厚労省の新型コロナウイルスの情報のWebページを読んでみました。表現が難しい。私は実は中学から一般の受験科目を勉強し、高校も一般の通信制の高校に通ったので、厚労省のページを読んでもある程度分かります。しかし、先に書いた経験からこのページの文章をコピペして振り仮名振っても、伝えたい当人に伝わらないのではないかと思いました。それで、私の過去の経験を活かしてより分かりやすい表現に打ち替えて、その文章に振り仮名を振ってwebページにしました。

実際に作ったページはこちらです

http://pen.boy.jp/covid19/

 先の3連休を使ってたった一枚のwebページを作ることにより、見えてきたものがあります。まず、命に関わる情報をどうして公共性の高いどこのサイトもすべての人に伝えようとしないのか、疑問に持ちました。もちろん、日本であれば大多数が識字ができて一般の用語を理解できるでしょう。では、少数派に伝える努力を怠ってもいいわけではありません。皆命は1人1つです。誰かがサポートすればいい問題ではなく、当人が一人でも生きていける社会を作り出すことが公共という役目ではないでしょうか。加えて自分も新型コロナウイルスについてじっくり勉強する機会にもなりました。なぜ今自粛をするのか、どうすればより予防できるのか、文章を編集することによって学ぶことができました。

 新型コロナウイルスとの戦いは、しばらく続くことでしょう。こうした逆境の時であれ、前を向いて、このマイナスの経験が何かのマイナスの経験と掛け合わさったときにプラスになれるように過ごしていきたいです。

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