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#2 偏屈なテーマほど愛したくなる話 【後】(テーマ:ホーリーナイツ)

はじめに


こんにちは、「ぱすてる」です

この記事は後編です。
前編をまだ見ていない方はそちらを先にご覧ください。


前編記事にて、「ホーリーナイツ」というテーマの特徴と、その強み・弱みについて語ってきた。

ここからは、「ホーリーナイツ」と相性の良いカードを探っていこう。
なお、前回記事に引き続き、「ドラゴン族・光属性・レベル7」ステータスのモンスターを「竜」と呼称させていただく。(文字数節約のため)

「相性の良さ」を探る

カードの相性というものは概ね、以下の要素から考えることができる。

  • 種族、属性、レベル、ステータスが一致している

  • 効果の系統が似ている

  • テーマ内外で有用なギミックを共有できる

  • 各カードが「制約」にかからない、もしくは共通した「制約」を持っている

では、「ホーリーナイツ」にはどのような要素があるか考えてみよう。

  • 「ドラゴン族・光属性・レベル7」を出力する

  • 「天使族・光属性・レベル4」を展開する

  • 下級の攻守合計が2500である

  • 『自分モンスターを手札に戻す』ギミックを用いる

  • 主要なカードが「制約」となるデメリット効果を持たない

大体こんなところだろうか。
「制約」を持たないことについては、採用するカード達を「ホーリーナイツ」カードの展開後に使用すれば一切関係ないため、「ホーリーナイツ」カードが手札にない時などを除けばわざわざ考える必要ないだろう。

ということで、上記要素のうち3点について詳しく考えていくことにする。

テーマの「味」⇒デッキコンセプト

テーマの持つ要素というものは、往々にして被ることがある。
例えば、「暗黒界」と「魔轟神」はどちらも『手札から捨てる・捨てられる』ことに注目したテーマである。しかし、「暗黒界」であれば『効果で捨てられる必要がある』『相手によって捨てられると追加効果がある』という要素があり、「魔轟神」であれば『捨てられた時であれば何時でも発動する』『シンクロ召喚ギミックがある』という要素がある。

同じ要素を持つテーマであっても、その些細な違いや特徴=テーマがもつ「味」というものを存分に考えてデッキを組んでいきたい。

誤解の無いように言っておくが、筆者はテーマの混在を否定しているわけではない。事実共通要素を持った「暗黒界」と「魔轟神」は「未開域」と手を組んで天下を取ったし、私自身混ぜ物デッキを多数組んでいる。

大事なのは、そのデッキがどういう軸(=自分が注目したテーマ・カードの「味」)のもと作られているかである。
注目する軸が変われば採用カードが変わり、戦略が変わる。
いちカードゲーマーとして、よくよく考えたいところだ。

『軸にする「味」が変われば材料も結果も変わるよね』っていう雑絵


「相性の良いカード」を探る

さて、ここまでで「相性の良さ」という概念とテーマの「味」という概念について考えてきた。
ここからは「ホーリーナイツ」にとって相性の良いカードを探っていこう。

「ホーリーナイツ」というテーマが持つ主な要素は先述した5種である。
これを踏まえて、遊戯王OCGの公式データベースから各種要素と相性の良いカードを探っていくことにする。

カード検索を掛けてみる

検索を掛けた分野は以下の通り。

  1. 「ドラゴン族」モンスター及び関連効果を持つカード→約900件

  2. 「天使族」モンスター及び関連効果を持つカードカード→約600件

  3. 「光属性」モンスター及び関連効果を持つカード→2000件以上

  4. 「レベル4」「レベル7」モンスター及び関連効果カード→2000件以上

  5. 攻守合計に着目するステータスを持つカード→僅少

  6. 『手札に戻す』ギミックと相性の良いカード→約500件

テキスト検索に関してはデメリット効果の部分やテーマ内の特定のカードを参照するための文面に語句が登場する場合もあるので、実際の数はもう少しばかり減る。

単純計算、約5000件のカード。筆者は、これらをすべて流し見していった。
正直ドラゴン族関連で1000件近いカードを眺めた時点で辞めたかったが。

カードの採用基準

カードを眺める中、採用基準として重要視していた点がある。それが以下2点である。

  • 採用するカード自身にアクセス容易性があること

  • 「ホーリーナイツ」の動きを阻害しない、かつ「ホーリーナイツ」の存在意義を消さないカードであること

前者は、ドロー系カード(いわゆる「壺」カードなど)や単体もしくは少数投入で強力なカード(「深淵の獣」など)よりは、カード自身にアクセスしやすいもの他カードへ展開を伸ばせるもの、そしてテーマに対しカードパワーが強すぎないものの方が私にとっての採用価値が高い、という話である。

何となくご理解いただいていると思うが、私は友人とわちゃわちゃしながら楽しんで対戦するためのデッキを日頃考えている。そのため、テーマで出力できる、あるいはそのデッキが目的としている動き以上の過剰な妨害や手札誘発などを極力採用したくないのだ。
無論、大会用やガチ対戦用の妨害多数採用デッキを否定する意図はないが。

例として《暗黒竜コラプサーペント》《輝白竜ワイバースター》は相互サーチが可能なレベル4であり、《ストライカー・ドラゴン》を経由することでリンク2の《天球の聖刻印》に繋げることができる。

《天球の聖刻印》
ドラゴン族 光属性 リンク2 マーカー:左下・右下 攻撃力0
ドラゴン族モンスター2体

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:相手ターンに1度、このカードがEXモンスターゾーンに存在する場合、自分の手札・フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。フィールドの表側表示カード1枚を手札に戻す。
②:このカードがリリースされた場合に発動する。手札・デッキからドラゴン族モンスター1体を、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する。

天球の聖刻印 | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

①の妨害は勿論、②の効果は「ホーリーナイツ」の初動ができたものの「竜」が手札・場に存在しない時に引っ張ってこれるので大変便利である。

後者の理由についてだが、私は「ホーリーナイツ」デッキを組みたいと思って様々思考を巡らせている。
正直な話、天使族を展開するなら「代行者」ギミックを使えば楽だし、ドラゴン族の出力なら数多の上位テーマが存在する。しかし、『特定のカードを出すためのデッキ構築』ではなく『テーマ(の味)を生かすためのデッキ構築』を求めてPCとにらめっこしている筆者にとっては、他テーマにおんぶにだっこは好ましくないのだ。

誰も味噌汁が薄味だからって顆粒コンソメを入れないよね、って話である。


採用しやすいカードたち

カード採用基準とデッキ構築論を偉そうに語ってしまった訳だが、閑話休題、筆者が気になった採用しやすいカードたちを見ていこう。

ざっとご紹介

《A・ジェネクス・バードマン》
機械族 闇属性 チューナー レベル3 攻撃力1400 守備力400

①:自分フィールドの表側表示モンスター1体を手札に戻して発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果を発動するために風属性モンスターを手札に戻した場合、このカードの攻撃力は500アップする。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

A・ジェネクス・バードマン | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

言わずと知れたセルフバウンスカードの1枚。
場の「竜」を手札に戻して出すのが一番お得。場のモンスターのレベルは大方4か7なので、レベル7か10のシンクロが狙える。
耐性持ちの《カオス・アンヘル―混沌の双翼―》を出しても面白いかも。

《幸魂》
天使族 光属性 スピリット レベル4 攻撃力400 守備力900

このカードは特殊召喚できない。
このカード名の①③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札のこのカードを相手に見せて発動できる。手札のスピリットモンスター1体の召喚を行う。
②:このカードが召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに発動する。このカードを手札に戻す。
③:このカードがリリースされた場合、自分の墓地のスピリットモンスター1体を対象として発動する。そのモンスターを手札に加える。

幸魂 | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

「CYBERSTORM ACCESS」で登場したスピリットモンスター。召喚権を自分で用意できるうえ、③の回収効果は《ホーリーナイツ・オルビタエル》の効果でリリースしても反応するため非常に相性が良い。
また、ランク4Xモンスターの素材としても優秀で、《荒魂》と一緒に「エクソシスター」デッキに採用されている印象も強いだろう。

《輝光竜セイファート》
ドラゴン族 光属性 レベル4 攻撃力1800 守備力0

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分の手札・フィールド(表側表示)からドラゴン族モンスターを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。墓地へ送ったモンスターの元々のレベルの合計と同じレベルを持つドラゴン族モンスター1体をデッキから手札に加える。
②:墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の光・闇属性のドラゴン族・レベル8モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

輝光竜セイファート | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

「CHAOS IMPACT」で登場したドラゴン。①の効果で先述した《暗黒竜コラプサーペント》を自身をコストにしてサーチでき、そのまま自身を除外させて《天球の聖刻印》まで直結する。勿論コストの合計レベルを7にすれば「竜」もサーチできる。
また、コストにするドラゴンとサーチするドラゴンは同名でも良いので「竜」を捨てて同じ「竜」をサーチ、なんてことも一応できる。
②の効果は使わない。

《守護天霊ロガエス》
天使族 光属性 レベル7 攻撃力2400 守備力2100

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドの天使族モンスターの効果が発動した場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:相手フィールドの表側表示カード1枚と自分フィールドの攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。その相手のカードを除外し、その自分のモンスターを守備表示にする。
③:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。このターン、そのモンスターは戦闘では破壊されない。

守護天霊ロガエス | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

「DAWN OF MAJESTY」で登場の上級天使。緩い特殊召喚条件は「ホーリーナイツ」であれば簡単に達成でき、②の効果は通常召喚してしまった「ホーリーナイツ」を守備表示にしながら相手に干渉できる。
また、出力した「竜」とともにランク7を組むことも可能である。

《歌氷麗月》
装備魔法

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:手札からレベル4以下の天使族・魔法使い族・鳥獣族・獣戦士族モンスター1体を特殊召喚し、このカードを装備する。その後、フィールドのドラゴン族モンスターを全て持ち主の手札に戻す事ができる。②:魔法&罠ゾーンの表側表示のこのカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから「融合」魔法カードまたは「フュージョン」魔法カード1枚または「パラサイト・フュージョナー」1体を手札に加える。

歌氷麗月 | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

「HISTORY ARCHIVE COLLECTION」収録の装備魔法。①の効果が優秀で、横並び展開に乏しい「ホーリーナイツ」を出しながら使い終わった「竜」を手札に回収でき、《ホーリーナイツ・オルビタエル》の効果を誘発できる。
②の効果は「ホーリーナイツ」には無縁だが、融合系ギミックとの面白い組み合わせ方が思いつけば適宜採用したいところ。

《天翔ける騎士(スターリング・ナイト)》
天使族 光属性 ランク4 攻撃力1900 守備力1000
レベル4モンスター×2

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。手札から光属性モンスター1体を特殊召喚する。②:このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの天使族・光属性・レベル4モンスター1体を対象として発動できる。このカードを特殊召喚し、対象のモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

天翔ける騎士 | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

「遊戯王OCGストラクチャーズ」第4巻の付録で、光属性を出力する汎用サポートとして優秀である。加えて、墓地から素材を補充しながら蘇生できるので一度出せば2度以上おいしい可能性を秘めたモンスターである。
「ホーリーナイツ」を出すも良し、「竜」を直出しするも良し。

《黒熔龍騎ヴォルニゲシュ》
ドラゴン族 闇属性 ランク7 攻撃力2500 守備力2100
レベル7モンスター×2

①:1ターンに1度、このカードのX素材を2つ取り除き、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。この効果でモンスターを破壊した場合、自分フィールドの表側表示モンスター1体を選び、その攻撃力を次のターンの終了時まで、破壊したモンスターの元々のレベル・ランクの数値×300アップできる。この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。このカードがドラゴン族モンスターをX素材としている場合、この効果は相手ターンでも発動できる。

黒熔龍騎ヴォルニゲシュ | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

「DAWN OF MAJESTY」で登場したXモンスター。先述した同期の《守護天霊ロガエス》と「竜」を使ってX召喚することが専ら。素材にドラゴン族が自然と入るため効果が相手ターンでも打てるようになるのは地味ポイント。

・「カオス」モンスター(個別の紹介は割愛)

「PHOTON HYPERNOVA」で強化された、特殊召喚効果持ちの光・闇属性のモンスター群。この弾ではS召喚に焦点が当てられていたため、そちらを軸にする場合は採用を検討してもいいだろう。
ただし、EXデッキにS召喚の「制約」がつく点と、墓地リソースを消費する点には注意。前者はまだいいが、後者は「ホーリーナイツ」にとって若干の枷となる

・「ライゼオル」カード(個別の紹介は割愛)

「デッキビルドパック―クロスオーバー・ブレイカーズ―」で登場したランク4テーマ。登場して早々環境に顔を見せたのは記憶に新しい。
全員が緩い条件での特殊召喚テキストを持ち、横並びからランク4を多数出力できるテーマである。「ホーリーナイツ」では《天翔ける騎士》などに繋げれば展開にも絡めやすい。
ただ、「ライゼオル」自体のパワーが強すぎて「ホーリーナイツ」とのバランスが悪い点とEXデッキにランク4の「制約」がかかる。

筆者は登場後少しだけ「ライゼオル+ホーリーナイツ」の構築を模索・使用していたが「ライゼオル」が強すぎたので解雇した。


相性の良いテーマって…??

さてさて、ここまで相性の良いカードをいくつか見てきたが、言ってしまえば単発のカードたち。EXデッキはさておき素引きしなければ活用するのは難しい。

何か、テーマ単位ぐらいで纏まって使い勝手の良いカードはないだろうか…

更に言えば、「ホーリーナイツ」の味である『「竜」を手札と場でサイクルさせる』が噛み合うとよいのだが、そんなカードあるだろうか…












あ      っ      た

相性抜群のお爺さん、発見


選ばれたのは「○○」でした

「粛声」は「PHANTOM NIGHTMARE」にて登場した、古のモンスター《ローガーディアン》およびドラゴン族・光属性儀式モンスター2種を含めカテゴリー化し、新たなる戦術へと昇華させたテーマである。
その強さから環境へも顔を見せ、強テーマたちと渡り合っている。らしい。
(筆者は全くCSなどに出ないのでSNSを見ての肌感である)

《粛声の竜賢聖サウラヴィス》
ドラゴン族 光属性 レベル7 攻撃力2600 守備力2800

このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードは自分の手札・墓地から儀式魔法カードを含む魔法カード2枚をデッキに戻し、手札から特殊召喚できる。
②:相手がカードの効果を発動した時、フィールドのこのカードを手札に戻して発動できる。手札・デッキから戦士族・ドラゴン族で光属性の儀式モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは次のターンのエンドフェイズにデッキに戻る。

粛声の竜賢聖サウラヴィス | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

「竜」ステータスでありながら、自ら手札に戻りつつ後続となる儀式モンスターを呼び出せる「粛声」のお爺さん。
①の効果はさておき、あまりにも「ホーリーナイツ」と組み合わせるのに好条件と言わざるを得ないステータスと効果を持ち合わせている。

さらに、後続として呼び出せる儀式モンスターは主に「粛声」モンスターが該当するが、注目したいのは《古聖戴サウラヴィス》だ。

《古聖戴サウラヴィス》
ドラゴン族 光属性 レベル7 攻撃力2600 守備力2800
「精霊の祝福」により降臨

①:自分フィールドのモンスターを対象とする魔法・罠・モンスターの効果を相手が発動した時、このカードを手札から捨てて発動できる。その発動を無効にする。
②:相手がモンスターを特殊召喚する際に、フィールドのこのカードを手札に戻して発動できる。その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを除外する。

古聖戴サウラヴィス | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

こちらも「竜」ステータスでありながら自ら手札に戻る無効妨害と、手札から捨てて使える無効妨害を持っている。
《聖夜に煌めく竜》をはじめとする効果モンスターと違い「ホーリーナイツ」カードでサポートできない儀式モンスターの出力だが、このカードは場に出ずとも役割を作れるカードとしてとても優秀なのである。


さて、聡明な読者諸君の中には「結局環境カードに頼ってんじゃん」「強いカード入れたくないとか言っといてこれかよ」と思っている人もいるだろう。

しかし、この2枚をよく見てほしい。この2枚は

「粛声」カードとしての固有機能を持たず、「ホーリーナイツ」カードでサポートすることができるカード

なのである。

「粛声」の登場前から存在し、元々テーマカードではなかった《古聖戴サウラヴィス》は勿論、《粛声の竜賢聖サウラヴィス》も必ずしも「粛声」カードでのサポート・展開を必要としていないのだ。

これによって、「竜」以外の「粛声」カードは採用を控えめにしながら「ホーリーナイツ」テーマの「味」を活かせるのではないだろうか。

デッキレシピ紹介

最後に、筆者が現在使用しているデッキ「粛聖」の紹介である。

デッキコード:9a0zvhw

内訳は以下の通り。

  • 「ホーリーナイツ」関連カード:19枚

  • 「粛声」カード:14枚

  • その他採用カード:12枚

  • EXデッキ必須枠:10~11枚

  • 自由枠:EXデッキ4~5枚

《粛声なる守護者ローガーディアン》は採用を見送ったり《粛声の祈り手ロー》の採用枚数を1枚、あるいは強気の0枚採用にしたりしても良いだろう。
個人の選好による部分なのだが、《粛声の祈り手ロー》は正規召喚する際のコストとして優秀である点、《粛声なる守護者ローガーディアン》はすべての「粛声」カードにアクセスできる点を評価して採用している。

その分「粛声」ギミックが潤滑でないと効果を使いにくい《粛声なる竜神サフィラ》やサーチと妨害を兼ね備えた《粛声なる威光》は採用していない。

既紹介カードの採用枚数とその理由

・《煌めく聖夜》(フィールド魔法)と《聖なる降誕》(永続魔法)

《煌めく聖夜》の追加召喚権を代替できるカードはないが、《聖なる降誕》は①のサーチ効果を《聖なる篝火》《粛声なる結界》で、②の特殊召喚効果を《聖なる降臨》《粛声の竜賢聖サウラヴィス》で代替できるため、枚数をそれぞれ調整している。

・《粛声なる祈り》《粛声の竜賢姫サフィラ》

儀式魔法は基本使わないので、《粛声の竜賢聖サウラヴィス》の①の効果を起動するためだけに採用。《粛声の竜賢姫サフィラ》は儀式魔法を繰り返し墓地に叩き落とすためと、手札から捨てた《古聖戴サウラヴィス》を墓地から拾って再利用するため、序盤で《粛声なる守護者ローガーディアン》を儀式召喚するために2枚採用。

・《暗黒竜コラプサーペント》《輝白竜ワイバースター》

いわゆる「ワイコラ」「コラプワイバー」とよばれるセットは、デッキのモンスターがほぼ光属性である点、《天球の聖刻印》ギミックは1回しか使用しない想定である点、デッキ枚数の兼ね合いから「コラプ3、ワイバー1」の採用としている。《輝光竜セイファート》も含め採用枚数の増減は個人の選好。

・《守護天霊ロガエス》《花氷麗月》

ピン差しだと採用する意味が薄いし、かといって引きすぎも困るし…で各2枚採用。正直これも好み。

・《幸魂》《A・ジェネクス・バードマン》

デッキの方向性が「粛声」儀式側に固まり、デッキスロットの余裕がなくなったので不採用に。
また、《幸魂》は棒立ちが目立つこと、《A・ジェネクス・バードマン》はS召喚に伴う盤面の要求値の高さがそれぞれ不採用を後押しした。


未紹介のカードたち

「ホーリーナイツ」「粛声」どちらの展開にも直接は絡まないが、デッキパワーの底上げやサポートのため採用したカードたちである。

《輝光子パラディオス》
戦士族 光属性 ランク4 攻撃力2000 守備力1000
光属性レベル4モンスター×2

①:1ターンに1度、このカードのX素材を2つ取り除き、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を0にし、その効果を無効にする。②:フィールドのこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。

輝光子パラディオス | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

便利なランク4X枠。「ホーリーナイツ」では処理しきれない高打点モンスターを処理できる。
素材を2つ一気に取り除くため、「ホーリーナイツ」の墓地効果をすぐ発揮できる点と、後述する「アーマード・エクシーズ」カード群と相性が良いため採用。

《FA—ダーク・ナイト・ランサー》
水族 水属性 ランク7 攻撃力2800 守備力1500
レベル7モンスター×3

「FA-ダーク・ナイト・ランサー」は1ターンに1度、自分フィールドのランク5・6のXモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
①:このカードの攻撃力は、このカードのX素材と装備カードの数×300アップする。
②:1ターンに1度、自分の墓地の「エクシーズ」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
③:1ターンに1度、自分フィールドのモンスターに装備カードが装備された場合に発動できる。相手フィールドのモンスター1体をこのカードのX素材とする。

FA-ダーク・ナイト・ランサー | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

《FA―クリスタル・ゼロ・ランサー》
戦士族 水属性 ランク6 攻撃力2200 守備力1600
水属性レベル6モンスター×3

このカードは自分フィールドのランク5の水属性Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
①:このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×500アップする。
②:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールドの全ての表側表示モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
③:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードのX素材を1つ取り除く事ができる。

FA-クリスタル・ゼロ・ランサー | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

《エクシーズ・アーマー・フォートレス》
機械族 水属性 ランク5 攻撃力2500 守備力1800
レベル5モンスター×2

「エクシーズ・アーマー・フォートレス」は1ターンに1度、自分フィールドのランク3・4のXモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
X素材を持っているこのカードはX召喚の素材にできない。
①:1ターンに1度、このカードのX素材を2つまで取り除いて発動できる。取り除いた数だけデッキから「アーマード・エクシーズ」カードを手札に加える(同名カードは1枚まで)。
②:このカードを装備したモンスターがモンスターとの戦闘で相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

エクシーズ・アーマー・フォートレス | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

「アーマード・エクシーズ」系Xモンスター群。

《FA—ダーク・ナイト・ランサー》はランク4Xから重ねて出す裏エース。自身の効果で打点が基本3000以上になり戦闘に強いことに加え、対象を取らない相手モンスター除去はこのデッキでは「ホーリーナイツ」「粛声」どちらにもできない点である。
《エクシーズ・アーマー・フォートレス》はサーチ効果、《FA―クリスタル・ゼロ・ランサー》は無効妨害と、経由するXモンスターたちも強力な効果を持っている。


《リンカーネイト・アンヴェイル・メイル》
装備魔法

このカード名はルール上「アーマード・エクシーズ」カードとしても扱う。
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:このカードを装備したXモンスターは以下の効果を得る。
●このカードは戦闘では破壊されない。
●このカードが戦闘を行った自分・相手ターンに1度、発動できる。このカードの装備カード1枚を手札に戻す。その後、水属性Xモンスター1体のX召喚を行う。
②:このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。このカードを自分フィールドのXモンスター1体に装備する。

リンカーネイト・アンヴェイル・メイル | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

《フル・アーマード・エクシーズ》
通常罠

①:フィールドにXモンスターが存在する場合に発動できる。Xモンスター1体のX召喚を行う。
②:墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのXモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスター以外の、自分のフィールド(表側表示)・墓地のXモンスター1体を以下の効果を持つ装備魔法カード扱いで対象のモンスターに装備する。
●装備モンスターの攻撃力は、このカードの攻撃力分アップする。
●装備モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。

フル・アーマード・エクシーズ | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

《エクシーズ・アーマー・フォートレス》のX素材を剥ぐために採用。
元々汎用ランク4の《クロノダイバー・リダン》を想定して採用していたため取り除く素材は効果で増やす(相手デッキトップから奪う)1枚のみだったが、効果の博打性と場を離れる不安定さから別のランク4を使う機会が増えた。
その分X素材の残った状態で《エクシーズ・アーマーフォートレス》をX召喚することになるため採用種類を増やして対応した。

《リンクリボー》
サイバース族 闇属性 リンク1 マーカー:下 攻撃力300
レベル1モンスター1体

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをリリースして発動できる。その相手モンスターの攻撃力はターン終了時まで0になる。
②:自分・相手ターンに、このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル1モンスター1体をリリースして発動できる。このカードを特殊召喚する。

リンクリボー | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

場で残ってしまった《粛声の祈り手ロー》の変換用。
0採用なら自由枠でいい。

《ハイパースター》
天使族 光属性 リンク2 マーカー:左下・右下 攻撃力1400
光属性モンスター2体

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドの光属性モンスターの攻撃力・守備力は500アップし、闇属性モンスターの攻撃力・守備力は400ダウンする。②:このカードが戦闘・効果で破壊された場合、自分の墓地の光属性モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

ハイパースター | カード詳細 | 遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベース (yugioh-card.com)

リンク黎明期の属性サポートリンク。
棒立ちの《粛声の祈り手ロー》や「ホーリーナイツ」を変換する。
打点上昇効果は地味ながらありがたい。
②の回収効果も、《暗黒竜コラプサーペント》以外の全てのメインモンスターが回収可能である。

自由枠

ここに関しては現状、私が好きで突っ込んでいるだけ。
デッキを真似する際は個人の選好にお任せします枠。

《天霆號(ネガロギア)アーゼウス》《厄災の星(ロギアステラ)ティ・フォン》

Xモンスター使うしとりあえず突っ込んどけ的採用。
《厄災の星ティ・フォン》については《フル・アーマード・エクシーズ》の①効果で相手ターンに妨害として出すことを想定している

《No.76 諧調光師グラディエール》

《黒熔龍騎ヴォルニゲシュ》と同じ枠の採用。
使ったことはあまりない。でもかっこいいから許す。

《深淵に潜む者》

汎用ランク4。以上。

《S:Pリトルナイト》

便利なリンク2兼ランク4Xの棒立ちを防ぐ用。箱買ったら出たので採用。




さいごに


ここまで前後編合わせて約25,000字、お付き合いいただきましてありがとうございました。
不定期ではありますが、今後も自身の気になるカードや組んでいるデッキ、考えたコンボなどをご紹介できればと思います。

今後とも何卒宜しくお願い致します。

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