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#4 新規が来なくても奮闘している話【後】(テーマ:Kozmo)

遊戯王を愛する皆様、こんにちは。
デッキが多すぎて回し方忘れがち、『ぱすてる』でございます。

このnoteは「Kozmo」回後編です。
前編はこちらから↓

※ 当記事には個人の見解が含まれます。また、 文章の推敲は努めて行っておりますが、誤字脱字等がある可能性もございます。ご容赦ください。



前編のおさらい

前編では「Kozmo」というテーマの来歴とその特徴、強みや弱みについて紹介した。いま一度おさらいしていく。

「EXTRA PACK2016」にて登場した本テーマ。9期に登場して以来、カテゴリー内新規が1枚も増えていないのが悩みである。

下級サイキック族「Kozmo」には自身を除外して高レベルの「Kozmo」を特殊召喚する共通効果、上級機械族「Kozmo」には破壊時自身を除外して低レベル「Kozmo」をリクルートする共通効果があり、場持ちと継戦能力に長ける特徴を持つ。
固有効果にターン1の制限がないものも多く、複数回の発動を狙ってもよいだろう。

しかし弱点として初動の不安定さやテーマ内での展開力の弱さ、無効妨害効果とテーマ性の噛み合いの悪さが足を引っ張っている印象を受けている。

そこで、以下3点に注目してデッキ構築を進めたいと考えたのだった。

・他カード・テーマを借りて安定した展開ルートを作る
 →初動の概念が薄い「Kozmo」では盤面構築力に欠ける


・「Kozmo」らしさを残した展開・出力方法を考える
 →除外を起点とする効果、ターン1のない効果をどう生かすか


・召喚権に頼らない展開を考える
 →「Kozmo」と他カードで召喚権を喰い合わさせない

#3 新規が来なくても奮闘している話【前】(テーマ:Kozmo)|ぺんてる

「Kozmo」のうま味とは


前編でも何度か触れているとおり、「Kozmo」はターン1の制約がない効果を持つカードが多い。
なかでも機械族「Kozmo」が持つリクルート効果は、起動させられれば展開の起点をデッキから新たに用意できる。
『機械族「Kozmo」を何度も爆破してデッキを掘り進める』という動きによってデッキから「Kozmo」を出力できれば、盤面を「Kozmo」で埋め尽くして多様な展開を生むことができるだろう。


爆破して自身の効果で除外された「Kozmo」モンスターは、デッキから《Kozmo―フォルミート》をリクルートすることで再利用が可能だ。

C-3POっぽいやつ

効果無効で帰還する効果であるが、爆破して墓地に送ってしまえばリクルート効果は問題なく発動ができる。
名称指定ターン1ではないので、爆破する度このカードを呼び出せば盤面に機械族「Kozmo」を何度でも帰還させることができる。

ということで、「Kozmo」活躍の軸として、自身のカードを爆破してアドバンテージを稼ぐ『セルフブレイク効果』を持つカードの採用を検討してみよう。



条件にあったカードを探してみる

1.「メタルフォーゼ」

セルフブレイク効果と言われて、筆者が真っ先に思いついたのは「メタルフォーゼ」である。

カード名は金属の名前から来てるよ

2016年発売「THE DARK ILLUSION」で登場した炎属性・サイキック族Pテーマ。ほとんどのメインモンスターが通常モンスター・Pモンスターであるため両面の強みを生かしながら強力な融合モンスターを出力できる。
Pスケールは1と8で統一され、デメリット効果もないため他Pテーマとも合わせて採用することが可能だ。
pモンスターの共通効果で、自分の場の表側カードを破壊して「メタルフォーゼ」魔法&罠をセットできるので、テーマの融合魔法などに気軽にアクセスできる。

最強制限カード《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の実家でもある。

メリットとして、レベル2~7の「Kozmo」モンスターを同時に展開可能にため、モンスターの多数展開が苦手な「Kozmo」の弱点をカバーできている

当然デメリット部分もあり、Pテーマ特有の『モンスターの多数採用が必要』という点と、P召喚ゆえの『下級「Kozmo」の効果を生かす場面がかなり減る』という点、『テーマのゴールの方向性の違い』などから今回は採用を見送ることにする。残念。


2.「ネフティス」

2018年発売「デッキビルドパック―ヒドゥン・サモナーズ」にてカテゴリ化された儀式テーマ。風属性・魔法使い族で統一された下級には手札を破壊してアドバンテージを得る効果が搭載されており、カテゴリ内の多くのモンスターが効果で破壊された次の自分スタンバイフェイズに発動できる効果を有している。

破壊して発動する効果と被破壊時効果があるよ

テーマ内最新カードである儀式モンスター《ネフティスの繋ぎ手》は、儀式召喚時デッキから「ネフティス」儀式モンスターを儀式召喚扱いでリクルートでき、《ネフティスの祀り手》をリクルートすれば追加でもう1体「ネフティス」モンスターを呼び出すことができる。

1枚が3枚に!!爆アドォ!!

先述した「メタルフォーゼ」とは違う利点としては、手札のカードを破壊して発動する効果なので手札に握った機械族「Kozmo」を場に出さずとも爆破できるのが良いだろう。
EXデッキにあまり依存しないデッキなので、「Kozmo」とともにランク2やランク8のX召喚を狙うことも可能だ。

ただ、「ネフティス」も採用に対して難がある。
儀式テーマ共通の大きな悩みである、「儀式モンスター」「儀式魔法」「儀式召喚の素材」の3枚をすべて揃えなければならないことだ。
無論、その解決策として《儀式の下準備》はじめ様々なサポートカードが存在しているのだが、「Kozmo」の起点づくりの難易度に加えて儀式周りまで考えるのは大変なので、一旦保留としておこう。

極めて本質的な部分ではございますが、今回は時間の都合上研究を行っておりませんので、次回以降の課題とさせてください。

論文発表風

3.「破械」

自分カードを破壊して展開し、メインデッキのカードのほとんどが被破壊時にデッキから「破械」モンスターをリクルートする効果を持っている。
とりわけ《雙極の破械神》は特殊召喚が容易なうえ妨害の一手にもなりうるだろう。


PCが処理落ちするのでここからスマホ版画像

ただ、基本的に場のカードを破壊するので「Kozmo」を場に置かなければならない手間があるのと、一部モンスターに悪魔族の特殊召喚縛りがあるため、折角破壊した「Kozmo」モンスターの効果を使えないという状況が起きかねない。
採用には一工夫がいるだろう。

4.《ドラゴニックD》

つよつよ

《灰流うらら》を生み出した9期最凶パック「MAXIMUM CRISIS」で登場したフィールド魔法。
そのお手軽出張性能と強さから、紙では2017年に禁止カードに指定されるも2024年1月改訂にて完全解放された

破壊範囲も広く、サーチ先の「真竜」モンスターにも強力なカードが多いのだが、レベル9の「真竜皇(凰)」モンスターは4属性(地・水・炎・風)に関わる効果のため光・闇を主体とする「Kozmo」では活用しにくい。
また、他の「真竜」カードもアドバンス召喚を主体とした運用が主に想定されているため、「Kozmo」と召喚権を喰い合うため相性が良くない。ので不採用。

5.《炎王の孤島》

結構強い

近頃環境に顔を出すテーマの中で、セルフブレイクを主体として動くテーマに「炎王」が存在する。

このカードも手札を破壊出来るという意味で「Kozmo」を場に出力しなくてよい利点はあるが、《炎王の孤島》以外の「炎王」カードのほとんどが炎属性を指定した破壊・被破壊効果であるので「Kozmo」と混ぜることに大した利点はない。よって「真竜皇(凰)」と同様の理由で不採用。



選ばれたのは・・・


ここまでセルフブレイク効果を持つテーマ・カードに注目したが、どれもメリット・デメリットを抱えたテーマだったと思う。

悩んだ筆者。ここであるテーマの存在を思い出した。
それは…



「ヴァレット」である。


「ヴァレット」は、アニメ「遊戯王VRAINS」にて主人公のライバルである「リボルバー」が使用したドラゴン族テーマである。
メインモンスターは主にリンクモンスターの効果の対象になると自壊して妨害する効果、破壊されたターンのエンドフェイズに別「ヴァレット」をリクルートする効果を持っている。

ドラゴン族・闇属性リンクモンスターが「ヴァレット」モンスターに関連する効果を持ち、展開補助やリンク値を稼ぐ役割を務めている。
大型エースである「ヴァレル」モンスターは儀式・融合・S・X・リンクと多岐に存在し、制圧効果や戦闘を有利にする効果などを備えている。
また、リンクモンスターはモンスターを対象に取る効果を有しているので、先述したメインモンスターの効果を誘発させることができる。

イラストイメージは弾丸と思われ、銃をイメージしたリンクモンスターによって射出され、エンドフェイズに次弾を装填するといったデザインである。

さて、そんな「ヴァレット」「ヴァレル」モンスターの中で特に相性が良いと感じたカードが《ヴァレルロード・R・ドラゴン》《ヴァレット・トレーサー》である。

儀式されてるとこみたことない
ドラゴンリンク御用達

儀式モンスターでありながら、墓地で効果を発揮する《ヴァレルロード・R・ドラゴン》によって、簡単に手札の「Kozmo」モンスターを破壊できる。墓地には《おろかな埋葬》や《竜の霊廟》で簡単に送ることができる。
《ヴァレット・トレーサー》に関しては《Kozmo―エメラルドポリス》を破壊して「Kozmo」のサーチも追加してできる上、効果がフリーチェーンのため、「Kozmo」と相性の良い《緊急テレポート》等の速攻魔法を爆破する使い方もできる。

次に「Kozmo」を爆破するカードとして評価したのが《ストライカー・ドラゴン》《ソーンヴァレル・ドラゴン》である。

なんかの中継地点にされがち
ストラクの産物

《ストライカー・ドラゴン》はL召喚条件が容易なうえ、モンスターの破壊も簡単なので、《Kozmo―フォルミート》で帰還させた「Kozmo」を再度爆破するのに相性がいい。
回収した「ヴァレット」は①の効果でサーチした《リボルブート・セクター》ですぐ特殊召喚できる。

《ソーンヴァレル・ドラゴン》は手札コストが必要で一見他より運用が難しそうだが、手札にある《ヴァレルロード・R・ドラゴン》を墓地に送る手段として活用できる。
自身の効果で「Kozmo」を破壊して回収したはいいもの、手札に戻って使い道に困ったこのカードを再び墓地へ叩き落せる。

また、《ソーンヴァレル》自身を破壊すれば「ヴァレット」を2体まで出力できるのでリンク値を伸ばしたり、チューナーの「ヴァレット」を展開で利用した場合は《ヴァレルロード・S・ドラゴン》をS召喚して妨害を用意することもできる。というか本来はこの使い方が多そう。

というわけで、破壊する手段を豊富に取りそろえた「ヴァレット」を混ぜた「Kozmo」展開を作ってみた。




てるぺん、秋の『「Kozmo」爆破祭り』


『「Kozmo」爆破祭り』に際して、最良の展開を実践するために必要な手札の条件は以下の通りである

  • 機械族「Kozmo」モンスター

  • 《ヴァレット・トレーサー》またはこれを場に出せるカード

  • 《ヴァレルロード・R・ドラゴン》を墓地に送れるカード

これらをすべて用いた展開が以下、映像の通りである。

3000LPを犠牲にするが、結構展開出来ているのではないだろうか。

動画の展開を終えた後もモンスターが盤面にかなり残るので、それらを用いて更なる展開や出力が可能だ。

例として2つ挙げておこう。

1つは、《カオス・アンヘル―混沌の双翼―》のS召喚だ。

脱法シンクロだーー!!!

闇属性(・機械族)「Kozmo」と光属性「Kozmo」を用いることで、チューナー不要で完全耐性持ちを出力することができる。光・闇テーマである「Kozmo」とは非常に噛み合っているといえるだろう。

なお、展開例動画では《Kozmo―ダークシミター》を用いていたが、盤面に残るサイキック族「Kozmo」や《ヴァレット・トレーサー》でデッキから特殊召喚するカードを工夫すればどのレベルの機械族「Kozmo」で展開を始めても《カオス・アンヘル―混沌の双翼—》をS召喚できる

もう1つは、《ギガンティック・スプライト》による展開だ。

脱法エクシーズだーー!!!

爆破が決まっていくとおのずとレベル2が盤面を埋めていくので、X召喚の素材にしてしまおうということだ。もし爆破に必要なカードが集まっていなくても、最低限《ヴァレット・トレーサー》で機械族「Kozmo」を爆破できれば《シェルヴァレット・ドラゴン》と《Kozmo―フォルミート》は場に並ぶので、比較的短い展開でもX召喚ができる。

レベル・ランク2の縛りがつくのであまり大きな展開は出来ないが、先述した「ネフティス」をデッキから特殊召喚して儀式関連カードを回収しつつ再度爆破に繋げても良いし、「スプライト」モンスターを特殊召喚すれば簡単に無効妨害を用意することもできる。


と、ここまで理想に満ち溢れたコンボを紹介したわけだが、最良展開の要求札は3枚と、結構難しいものである。

そこで、要求札がない手札の状態から最良展開にできるだけ近似できる条件もいくつか紹介しておこう。

Q.《ヴァレルロード・R・ドラゴン》を墓地に送れない場合は?
→A.最良手札2種+サイキック族「Kozmo」または《緊急テレポート》で動く

『爆破祭り』を始めるためには《ヴァレット・トレーサー》と機械族「Kozmo」を場に出す必要があり、《ヴァレルロード・R・ドラゴン》は最小限の干渉で機械族「Kozmo」を用意する手段なので、ない場合は「Kozmo」本来の『除外して上級を出す』がクリアできる手札であればそこまで問題はない。
爆破回数が1回減るので、《Kozmo―シーミウズ》を特殊召喚できない分ボードアドバンテージがやや減る程度。

Q.《ヴァレット・トレーサー》を場に出せない場合は?
→A.「Kozmo」として動くか《カオス・アンヘル―混沌の双翼―》を出す

《ヴァレット・トレーサー》から爆破効果持ちのドラゴンリンクを複数出すのが要なので、絶対に手札に欲しいところ。
《竜の霊廟》があるなら《アブソルーター・ドラゴン》を墓地に送ってサーチ効果を発動すべし。

Q.「Kozmo」を引いてない場合は?
Q.最良手札の条件のうち1枚しか引けてない場合は?

→A.爆破できないので純「Kozmo」展開かドラゴンリンクしてください

『爆破祭り』に入れない手札であれば大人しくするしかない。

コンボ条件がやや高いので、少しでも手札に入る確率をあげるために《闇の誘惑》《トレード・イン》《スクイブ・ドロー》などでデッキの回転率を上げる策をとっても良いだろう。
特に、《闇の誘惑》であれば機械族「Kozmo」を除外することで、通常召喚した《Kozmo-フェルブラン》によって帰還させて『爆破祭り』に持ち込める可能性がある。

このあたりは『爆破祭り』後のボードアドバンテージをどう生かすかによって採用枚数を調整したいところだ。


デッキレシピ


今回のデッキレシピは以下の通り。

デッキコード:5h66avh

ほとんどのカードの採用理由は解説したが、いくつか触れていないカードがあるので解説。

《ヴァレット・キャリバー》

実はチューナー

特殊召喚が容易で、効果で闇属性・機械族「Kozmo」を特殊召喚できるため、手札に集まりすぎた「Kozmo」を射出するのに便利。

《大電脳兵廠(サイコ・アーセナル)》

https://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/card_search.action?ope=2&cid=19827&request_locale=ja

noteサボってたら発売されていた新規。(現時点でMD未実装)
サイキック「Kozmo」で出す機械族「Kozmo」を簡単に用意できるため、純「Kozmo」として非常にありがたい。

《神隠し鬼火丸》

OCGじゃノーマルなのに…

平均最大打点が3000前後なこのデッキで倒しにくい高打点や耐性持ちを一時除外して戦うことができる
出す頻度は決して多くないがいると助かりそうな一枚。



おわりに

長年テーマ新規が来ないというのは、とても辛いことである。
それが「忘れ去られたから」なのか「強化新規を作れないから」なのか、その真相はいちプレーヤーである私には分からない。

それでも、ただ強化のくるその日まで、広がり続けるカードプールに飛び込み、自分なりの構築を見つけていく。

それが私の遊戯王の楽しみ方なのだ。



読んでいただきありがとうございました。


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