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理不尽のカップケーキ。

 高校の時の調理実習にてカップケーキを作ることになった。6人ほどの班で中に入れる食材を決めることができる。協議の結果チョコレートを入れることになった。僕はただのチョコケーキを作るだけではつまらないと考え、わさびを入れたロシアンケーキを混ぜようと言った。

 班の仲間も同調してくれたが、1人だけ普通のケーキを食べれないのは可哀想ということになり、ケーキを7つ作ることにした。ハズレを含んだ6つと、印をつけ確実にチョコの入ったケーキとわかるものの1つで分けた。こうすれば6人でロシアンゲームをしてハズレを引いた人もちゃんとしたケーキを食べれる。

 ケーキを作り班全員で同時に食べた。幸い僕ではなく仲間の1人がハズレを引いた。本題はここからである。その仲間はそのハズレケーキを最後まで食べず放課後まで残していた。そして出来心で担任にそれを渡してしまった。私は帰宅部であり即家に帰っていたため、預かり知らぬことである。

 翌日学校に行くと昨日の班全員が担任に呼び出された。担任は怒っており、裏切られた気分だと言っていた。そしてわさびを入れようと言い出した奴は誰だと聞いてきた。僕が名乗りをあげると首謀者扱いになってしまった。張本人の仲間が俺が勝手に渡したんですと僕を庇ってくれたが、担任は聞く耳を持たず、僕の内申点は下落した。

 本当のハズレを引いたのは僕だったという話。

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