ツノがある東館 #毎週ショートショートnote
今日は東館からツノが生えていた。
人だかりをかき分け、部室棟になっている東館へと入る。ツノの根本にある部屋、そこが俺たちオカルト研究会の部室だった。
「来たな研究員!」
俺が部室の扉を開けるや否や、ツノを生やした張本人はこちらのことなどお構いなしに説明を始めた。
「今月のネタは鬼だ! 鬼を呼ぶことにした! 君も見ただろうあの立派なツノを! 今日の授業をすべてすっぽかして作り上げた自信作だ! あれで鬼を呼ぼうというわけだ! 早速だが君も手伝いたまえ!」
……この調子で強引に勧誘され、気づけば俺は研究員になっていたというわけだ。ちなみに先月のネタは宇宙人との交信で、校庭の芝生を刈ってミステリーサークルを作らされた。
「東館の周りに柊が植えてあるだろう? あれをすべて伐採する。柊があっては鬼が入れんからな。」
やると決めたらやる人だ。あきらめて作業に取りかかった。
次の日、部室に鬼がやってきた。鬼の形相の教頭先生が……
おわり (404文字)
お読みいただきありがとうございました!
イリヤの空や涼宮ハルヒの憂鬱が流行っていた頃の、勢いのあるオカルト研究会 (?) をイメージしながら書きました。普通のオカルト研究会は何するんでしょうね、タロットとか?
たらはかにさんの企画に参加しています。
今週のお題は【ツノがある東館】で【一行目で惹きつける】ショートショートです。
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