第1回 自主映画の作り方〜企画書の書き方〜
ここでは「自主映画を作りたいけど、どう作って良いかわからない」人の為に、自分の自主映画の作り方参考に「自主映画の作り方」を解説していこうと思います。
第一回は「自主映画制作の流れ」&「企画書の書き方」
その前に、一番不安であろう予算について少し触れますと。
今まで私が作った作品数は5本です。(30分〜1時間のもの)
どれもこれも予算は10万超えていない超低予算映画ばかりです。なので、お金はバイトを1ヶ月もすれば捻出できます。安心してください、貧乏でもできます。
では、まず映画制作の流れについて。
簡単に言うと、
・企画書を書く
・脚本を書く(プロットを書く)
・スタッフを集める
・役者を集める
・ロケハン
・撮影スケジュールの調整
・本読み
・撮影
・編集
・上映
いっじょーう!!!
私の場合、1時間くらいの作品の場合、1年単位で以上のスケジュールを立てます。
私は亀のようなペースですが、編集は4ヶ月、脚本は2ヶ月、役者集めも2ヶ月、撮影は1、2ヶ月くらいは欲しいです。(作品の季節設定、時間経過によっては全然変わってきますが…)
学生の場合や短編の場合、もっと短縮できます。(ちなみに私の新作の「西ノ島の盆」は例外的に、脚本&ロケハン1週間、役者集め1週間、撮影2週間でやったところ精神が死にそうになりました)
次に行きましょう。
企画書の書き方。
企画書はなんの為に書くのか。
もし、自分1人で映画を作るのであれば、必要ありません。
でも映画は基本的に1人では作れません。スタッフ、役者、たくさんの協力者。みんなと一つの作品を作るには、自分の考えをみんなと共有しなければなりません。
それを手っ取り早く伝える手段が企画書です。作品の世界観、あらすじ、熱意、あらゆる情報を企画書に練り込んでください。だからといって何十枚も書くと見る人がめんどくさがるので、簡潔に!2〜5枚がベストだと思います。
では具体的に企画書になにを書けば良いのか。
・タイトル
・企画意図(概要)/テーマ
・登場人物
・あらすじ
を最低限書けばいいと思います。
企画意図はドラマ制作や商業作品には必要不可欠ですが、自主映画の場合はそれほど明確に書かなくてもいいかなと。ただこういう年代の、こういう人々に伝えたいっていうターゲット層は意識して作品作りした方が、後々迷わなくて澄みます。
たとえば、細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』は子育てする20代30代女性や主婦層に向けて作られています。そういった目線があった方が、脚本を作る際、明確なメッセージが表現として現れやすいと思います。
数年前に制作した40分の自主映画「西ノ島の盆」の企画書を上げますので参考にご覧ください。(これ書いたときは時間が差し迫っていたので雑ですが(汗)大雑把に書くとこんな感じです)
まず表紙。
映画タイトルは、仮のものでも大丈夫です。(私は編集の時に決定します。)スタッフが決まっていればスタッフ名など、具体性がある方が企画書を見た人が撮影規模など想像しやすいかと思います。あと世界観がわかるように、写真やイラスト、台詞やモノローグなどを少し入れています。
2ページめ。物語設定として、登場人物、あらすじ、テーマなんかを。
作品の全体像がわかるように書いてあればテンプレはさほど気にしないです。
作品の尺や、ジャンルは書いた方が良いと思います。
(こうして見返すと、ターゲットとか明確じゃないし、あんまり参考にならない企画書だなぁ……汗)
3ページ目。
ここでは撮影機材とスケジュールをおおまかに書いてます。
上記は企画書に書かなくてもいいとは思いますが、書いちゃった方がスタッフや役者集めの時に相手に企画書渡すだけで伝わるので便利です。
撮影機材はカメラマンさんと相談で決めていきます。
最終的に作品はコンクール応募と上映会をしたかったので、だいたいいつ頃に完成して発表するかをスケジュール欄に書いてます。
以上、企画書の書き方でした。
企画書なんて伝われば良いんです!!!
大事なのは作品を最後まで作り上げるということなので、そう思うと企画書は作品づくりへの過程の1つ。ここでつまづくのはもったいないのでそれなら適当に大雑把で良いと思います。
そして、最後に大事なこと!!!
書いた企画書は誰かに見せること。
数人に見せて大多数が「おもしろい!」って感想をくれれば、私はよし作ろう、と決心します。もし「うーん」って感じならその企画書は没にするか、1度寝かせてから練り直します。
と、ここまで読んで、
「企画書の書き方はなんとなくわかったけど、その企画の内容が思い浮かばないんだよ〜」
って方がいるかもしれませんので(私が今思ったw)
映画やシナリオの師匠におすすめされて穴があくほど読んだ
参考書籍を2冊ご紹介します。
『多重人格探偵サイコ』などの漫画原作者の大塚英志さん。
この本のおかげで物語において、いかにキャラクターが大事かということを知ったのと基礎的な創作方法を学びました。自分の作品に距離を置いて見れるようになったかな。
他にも「キャラクターの小説の作り方」などもおすすめ。
愛してやまない是枝監督の初期の頃の著書。
自主制作出身の是枝監督の若かりし頃の創作論が詰まってます。
カンヌを撮った理由もわかります。
なので、これを読んでから映画を作り始めることを強くすすめます。映画の上部だけでない、核の部分を知ることができます。
私個人なりの企画の練り方について興味ある方は次回もご覧ください。
なにか質問があればコメントください!