映画制作を通した、地域とのコミュニケーションを語る④島を知る編
前置 この記事では私が以前体験した、地域での映画制作を通したコミュニケーションの取り方をまとめていこうと思います。知り合いがほぼゼロの状態から地域に住みつつ、1ヶ月間かけて、ゼロから映画を制作した記録のまとめです。少し、旅日誌、制作日誌的な要素もありますので、地域交流に興味ある方、映画制作をしてみたい方、旅好きな方、制作の裏側を見たい方など、いろんな方にみていただければと思います。
まずは挨拶回りから
天気の良い日は目の前の焼火神社へお参りに。9月、気持ちが澄みわたる。
さて、島に着いて2日目の朝。
まず何をしたかと言うと、作戦会議です。
知り合いが宮司さん一人の状態から、どうやって映画制作まで持っていくか、スタッフで話し合いました。40畳くらいある広い和室で女子3名+宮司さんで抹茶を飲みながら。
まず1つ出たのは、挨拶まわりをしよう、ということ。
私たちは部外者であるからして、1ヶ月お世話になるこの島の方々に挨拶をして回ることにしました。宮司さんにそのことを話すと、観光協会や役場、集落の地区長への挨拶を勧められました。
西ノ島には多くの集落があります。山のすぐ下は波止地区、運河の流れる船越地区、レトロな雰囲気の珍崎地区など、10数カ所(数は忘れちゃった)の個性の違う集落が存在します。その全てに区長がおり、その方々全員にまずご挨拶に行くことになりました。
ちなみに西ノ島は車なら半日くらいで島を1周できるほどの小さな島。
10数カ所は大変だけど、行けなくはないし楽しそうなのでやってみることにしました。
カーナビは効かない
翌日には、各集落の区長さんを書いたメモを片手に、車で向かいました。
海沿いのドライブは気持ちいい。しかも交通渋滞もないから走りやすいのなんの。島での生活で一番楽しかったのはドライブ中かもしれません。
ただしかし、唯一の難点は、カーナビが効かないことでした。宮司さんにカーナビ意味ないからね、と言われてたんですが、実際走ってみて意味がわかりました。住所入れても出てこない。ホテルの名前入れても、山道ルートを案内される。
衛星仕事しろ。
しかたないのでアナログで行きました。
通行島人のおばあさんに、「ここってどこですか」と訪ねまくり、島猫と戯れ、迷って迷って珍崎に到着。
区長のお宅に向かってごめんくださーい、と話しかけても応答せず。
釣りへでかけたそうな・・・。こんな感じで、1日で全員挨拶できるのだろうか・・・不安を覚えつつ、次の集落へ。
区長さん、いらっしゃいました。
「東京から映画制作にきました、チームKISOJIといいます。これから色々とご迷惑おかけするかもしれませんので、ご挨拶に参りました」
との突然の謎の自己紹介をしっかり聞いていただきました。
少し困った様子でしたが(当たり前)、「俺よりもいい人紹介するよ」とのお返事をするやいなや、車で先導していただき、町役場まで連れてきてくださいました。
役場の方も本当に良い方で、キャストやロケ場所の紹介などご協力いただけることに。
しかも、この時点でキャスト2名、役場の方に決まりました。
ありがたやありがたや。。
結局そこで1日終わってしまいましたが、かなり出会いの多い1日でした。
精霊船(シャーラぶね)
西ノ島の盆には、精霊船(シャーラぶね)と呼ばれる船が出てきます。
藁でできた10数メートルの大きな手作りの船。これは実際に各集落の住民たちが協力して作り上げる精霊(シャーラ)を送るための船です。
宮司さんにお話すると、実際に8月に使った船の残骸を見せてくれるとのこと。潮の流れで、いつもある場所まで流れ着いているそうで、船に乗せてもらい見に行くことになりました。
小雨降ってましたが、風が気持ちいい〜〜!
しかも船を探しにいくとか、インディージョーンズ並に探検してるみたいでテンションあがる!
これが実際のシャーラ船。
でかいいいいい!!!
そして、かっこいい。かなりしっかりできてるんですよ。
普通に人が数名乗って浮くそうです。
ちなみに、この船の廃棄を毎年どうするかは、少し問題になっているそうです。精霊の乗った船だもん、そう簡単に廃棄って難しいよね。。
しかし、こんな大きな船、映画の美術として私たちに作ることってできるのかしら・・・。
「先月(8月)に来たら、実際の船撮れたのに」と宮司さん。
確かに・・・。
余談
朝起きてまずすることは、社務所の裏庭の井戸から湧き水を組むことです。
煮沸して、ペットボトルに保管。飲み水や料理に使います。
湧き水が全部無くなっても、10分後には元通り湧いてくるそうです!
まじジブリ。(楽しい)
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