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【マスター1】罠型蟲惑魔【season37】
マスターデュエルのランクマッチにおいて、2025年1月期(season37)にマスターランクtier1に到達した蟲惑魔デッキについて紹介します
デッキ紹介の記事を書くのは初めてなので拙い文章ですがご容赦ください
気になることがあれば本記事のコメントやTwitterで遠慮なく質問していただければと思います
罠型構築のメリット
今回紹介するのは罠カードを21枚採用した罠型蟲惑魔デッキです
デッキレシピを見る前に、なぜ展開型ではなく罠型なのか?というところを説明します
罠型のメリットには主に以下のものがあります
サーチや特殊召喚を多用しないため汎用手札誘発に強い
展開ロック系のメタカードに強い
引いた罠がそのまま単体で妨害になるので展開札の兼ね合いによる手札事故のリスクが低い
モンスターの妨害より罠の妨害の方が質が高い
これらのメリットのうち、特に重要な「罠の方が妨害の質が高い」という部分についてより詳しく説明します
純構築の蟲惑魔で作れる制圧盤面というのは、フレシアの蟲惑魔やクロノダイバー・リダンのようなランク4エクシーズが平均2体くらいと、バックに落とし穴を添える形になります
この中で「相手の効果を無効にして破壊」という無効と除去がセットになった妨害はせいぜい蟲惑の落とし穴くらいしかなく、その蟲惑も条件が限定的です
残りの妨害の多くは「無効」か「除去」のどちらか片方しか行えないものばかりで、あまり妨害としての質が高いとは言えません
それよりも、最大で1:6交換まで狙える激流葬や相手の展開プランをまるごとひとつ潰せる次元障壁など、強力な汎用罠を使う方が妨害としての質ははるかに高いと考えました
また、セラの蟲惑魔のリクルート効果や、それによって呼び出されるトリオンの蟲惑魔及びプティカの蟲惑魔の特殊召喚時の効果は、相手ターンに受け身で動くことを想定してデザインされています
ホールティアの蟲惑魔の登場によって能動的に動く手段を手に入れたとはいえ、自分の先行ターンにセラを起点としたギミックのみで動くには展開力に限界があり、テーマとしてのコンセプトが受け身であること自体はホールティアの登場前から変わっていません
であれば、本来想定されたデザインに逆らって無理に自分ターンで展開するよりも、相手ターンにセラのリクルート効果を適切なタイミングで発動させやすくするためにフリーチェーンで発動できる通常罠を大量に積み込む方が、テーマとしての強みを最大限に引き出せると判断しました
全体の採用枚数の割合について
こちらがデッキレシピになります
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次元障壁をはじめ積極的に引き込みたいカードが多いため、メインデッキの枚数はあまり増やせません
内訳としては、
モンスター(蟲惑魔):13枚
モンスター(蟲惑魔以外):5枚
魔法:1枚
罠:21枚
で合計40枚となります
私は実際にデッキを回してみながら感じた直観に従ってカードの採用枚数を調整しているので、数学的なデータを用いてデッキを構築しているわけではないですが、説明のためにできる限り数字を使って具体的に言語化してみます
まず蟲惑魔の枚数ですが、13枚というのは手札5枚のうち平均1.625枚が蟲惑魔になる計算であり、私がこれまで蟲惑魔を回してきた中で最も信頼できると感じた採用枚数です
当然ながら蟲惑魔が1枚も引けなかった場合はセラのリンク素材が確保できないため手札事故となります
蟲惑魔を引ける期待値が1枚だったとしてもほんの少し下振れれば0になるので、余裕を持って期待値は少し高めに設定する必要があります
その上で、トリオンの蟲惑魔やランカの蟲惑魔のように召喚権を食い合う蟲惑魔を合わせて2枚引いてしまった場合でも手札で腐るカードが1枚までならある程度の妨害数が確保できるため許容でき、プティカの蟲惑魔やキノの蟲惑魔のように他の蟲惑魔と召喚権を食い合わない蟲惑魔を合わせて2枚引けた場合は妨害数が上振れます
3枚以上引いてしまった場合、引いた蟲惑魔の種類にもよりますが複数のカードが手札で腐ることになる可能性が高く、基本的に手札事故となります
蟲惑魔を1枚も引けない事故よりも引きすぎてしまう事故の方が罠による妨害を構えられる数が少ないため、次のターンまでの生存率が低く、これは何よりも避けたいところです
結論として、手札5枚のうち蟲惑魔の枚数はやや2枚に寄った1~2枚が理想となります
続いて罠の枚数ですが、基本的に引いた罠の数+0~1くらいが盤面に構えられる妨害の数となり、罠の採用枚数は妨害数にそのまま直結するためデッキの半数以上を罠で占める必要があります
そうなると蟲惑魔13枚に罠21枚で合わせて34枚となり、残り6枚のうち1枚は蟲惑の園が入るため、余った5枚の枠が手札誘発モンスターになります
最終的な手札誘発の枚数はモンスターと無限泡影で合わせて8枚です
現代遊戯王としてはかなり少なく、これで後攻で勝てるのかと疑問に思う方が多いと思いますが、後攻で誘発を複数引くということはそれだけ蟲惑魔や罠を引けないということであり、相手の先行展開を誘発で止めたとしても返しの自分ターンにできることがなくなってしまえば本末転倒です
なので後攻を取った場合でも手札誘発の枚数は1~2枚以内にとどまっていることが理想であり、3枚以上引き込んだとしても勝ちに繋がりにくいです
さらに天盃龍が先行を譲ってくることや、誘発貫通力の高いデッキが多くいる現代環境においてデッキの枠を無理に空けてまで採用するほど誘発に信頼を置けない(誘発で止めるより罠やEXモンスターで捲るほうが強い)ことから、採用できる枚数は少なくてもそこまで問題ないと思います
そもそもランクマッチで目指さなければならないのは全体勝率を上げることであり、負けないことではありません
勝てない試合を割り切ることで勝てる試合の数を増やすというのは環境外のデッキで戦う上で重要なマインドであり、後攻で勝てなかった試合に執着して誘発を積み込むことはあまり良い選択だと思えませんでした
採用カード紹介
ここからは各種採用カードについて1枚ずつ見ていきます
《トリオンの蟲惑魔》
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セラの蟲惑魔のリンク素材になりつつ、召喚時効果でセラの効果を起動させるための落とし穴を持ってこれるので、セラ+罠の基本形を1枚で完成させられる初動カードです
特殊召喚時の効果では盃満ちる燦幻荘をはじめとした相手の魔法・罠カードに対処できます
この効果は強制効果であるため相手の場に魔法・罠がない場合でも発動し、確実にセラの効果のトリガーになることができます
どちらの効果も強力で、リソースとしても繰り返し使いたいカードであるため3枚採用しています
なお、スタンドアップ・センチュリオン!は条件によってはトリオンでは破壊できないので気をつけてください
《ランカの蟲惑魔》
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召喚時効果でキノの蟲惑魔をサーチすることができ、自身がセラになりつつキノを特殊召喚することでセラの効果で落とし穴を持ってこれます
トリオンと同様に1枚から基本形を完成させることができる初動であり、天盃龍がライトニング・ストームなどのバック除去カードを撃ってくる現環境において、バック保護を持つキノをサーチできることは非常に優秀です
召喚時効果には名称ターン1の制限がないので、蟲惑の園がある場合はランカを召喚してランカをサーチし、再びランカを召喚してキノをサーチ…といった動きで蟲惑魔を横展開できます
《キノの蟲惑魔》
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条件と制約はあるものの、ノーコストで召喚権を使わずに出てこれる唯一の蟲惑魔であり、バックにセットされたカードをそれぞれ1度まで破壊から保護してくれます
他の蟲惑魔と合わせて引いた場合に手札で腐るリスクがなく、バック保護のために積極的に引き込みたいカードであるため3枚採用しています
天盃龍環境において特に重要な役割を持つ蟲惑魔ですが、表側のカードは保護できないので蟲惑の園や魔封じの芳香は破壊されてしまいます
《プティカの蟲惑魔》
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召喚時効果で蟲惑の園をサーチできるので、キノと同様に他の蟲惑魔と合わせて引いても腐るリスクのないカードですが、トリオンやランカとは異なり単体でセラ+罠の基本形を作ることはできず、初動としての強さは他の手札との兼ね合いで変化します
積極的に初手に引き込みたいというほどではなく、どちらかと言えばリーサルを狙いにいくターンでシトリスの蟲惑魔からサーチして横展開に活かしたいたいカードです
セラの効果でリクルートして相手モンスターを除外する役割もあり、妨害要員とリーサル要員でリソースとして2枚以上必要になります
《ティオの蟲惑魔》
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主な仕事は召喚時より特殊召喚時の効果の方で、ホールティアの蟲惑魔のコストとして墓地へ送った落とし穴を回収することで妨害数を確保する役割があります
召喚時効果は墓地に蟲惑魔がいなければ使えないので初動としては機能せず、セラでリクルートして1度使えれば足りるカードでなので1枚のみの採用になります
ちなみに、墓地からセットした落とし穴は放置していると除外されてしまいますが、ランカの効果で手札に戻してセットし直すことによって情報を上書きし除外を回避できます
《ジーナの蟲惑魔》
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召喚権を使わずに出てこれる数少ない蟲惑魔ですが、罠1枚というコストがやや重く、先行展開では使いづらいです
相手にターンを返さないのであれば妨害用の罠を消費しても問題ないので、リーサルターンで横展開を伸ばすために1枚採用しています
《灰流うらら》
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相手のサーチやリクルートを止める効果は強力ですが、最近ではこのカードに対する貫通力が高いテーマが増えてきており、適切なタイミングで使いこなす難易度が以前より上がってきているカードだな、と感じています
罠型構築は増殖するGやマルチャミーを撃たれた場合でも罠を伏せるだけで止まれるので、わざわざうららに食べさせる必要性が薄く展開型と比べるとこのカードの価値はやや下がります
名称ターン1も付いており、重複して引いてしまう手札事故を許容できないので2枚までの採用で抑えています
《増殖するG》
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このカードの効果でどれだけ大量にドローしたとしても、蟲惑魔は1体しか召喚できず、罠は5枚までしか伏せられないので、ドローしたカードの多くは無駄になり、それほど手数を増やすことはできません
また、デッキ内の手札誘発の枚数自体が少ないため、ドローで他の誘発を引き込むことで相手の展開を止められる可能性も低いです
よって3枚フル採用するほど恩恵のあるカードではなく、やはり名称ターン1によって重複して引いてしまう事故も許容できないので、こちらも2枚までの採用で抑えています
《幽鬼うさぎ》
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破壊するのみで効果を無効にはできず、うららほど有効に活用できる場面は多くありませんが、状況次第では有効な一打になることもあります
名称ターン1の付いている手札誘発はできる限り種類をバラけさせたいということもあり、うららの3枚目よりもこちらを1枚採用しています
《蟲惑の園》
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蟲惑魔の召喚権を増やす効果は先行展開の最大値を引き上げる上で重要ですが、今回の罠型構築では先行で大きく展開しないぶん次の自分ターンでしっかり展開しないとリーサルに届かなくなってしまうので、このカードが真価を発揮するのは先行1ターン目ではなくその次ターンからになります
場のモンスターを除外して墓地の蟲惑魔を蘇生する効果は使い勝手がよく、セラをレベル4に変えてランク4エクシーズに繋げたり、原始生命態二ビルを撃たれた場合に原始生命態トークンをコストにセラを復帰させたりできます
ただし蟲惑魔のメインギミックにおいて必須のカードではなく、あくまでより小回りが効きやすくなるようにするための便利カードという印象です
アクセスできなくてもそこまで困るものではなく、既に発動している状態で2枚目を引いても使い道がないので1枚のみ採用しています
《次元障壁》
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現環境において最も有効なメタとなる通常罠です
天盃龍やセンチュリオンならシンクロ、ギミックパペットはエクシーズ、烙印やティアラメンツは融合、粛声なら儀式と、環境で見かけるほとんどのテーマが特定の召喚法に依存しており、場合によってはこのカード1枚で相手を詰みの状態まで追い込むことができます
特定の召喚法に依存しない相手でも、任意のタイミングでセラの効果を起動させトリオンやプティカを呼び出すという大事な役割があるため無駄にはなりません
メインの展開プランを潰された相手はS:Pリトルナイトでお茶を濁そうとしてきます
障壁発動後に相手の場にリンク素材が2体並んだ場合は落とし穴やプティカの除外効果でとどめを刺します
ちなみに、エクシーズ素材を持つ蟲惑魔エクシーズモンスターは罠の効果を受けないため次元障壁影響下でも効果を使えます
《激流葬》
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昔からあるシンプルな効果のカードですが、発動タイミングの見極めが難しく、意外と上級者向けのカードです
天盃龍は個別に落とし穴で除去しようとしてもシンクロ効果をチェーンされて逃げられてしまうので、こちらの発動にチェーンして出てきたシンクロ体もまとめて破壊できるこのカードが有効になります
また、EXの蟲惑魔モンスターは条件によっては罠の効果を受けないので、このカードの破壊効果に巻き込まれず相手のモンスターだけを一方的に破壊できます
フルール・ド・バロネスのような無効妨害を持つモンスターを出されてしまう前に発動する必要がありますが、次元障壁と合わせて伏せている場合は相手の無効妨害モンスターを先に着地させてから激流葬を発動し、相手が無効妨害をチェーンしてくるのに対してさらに次元障壁をチェーンすることで、より多くの展開リソースを搾り取ることもできます
後攻での捲り札としても強力なカードですが、粛声の盤面をこのカードで崩した場合は他の妨害と併用することで相手の墓地にある粛声なる祈りのリカバリー効果のケアまで考える必要があります
《無限泡影》
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蟲惑魔に無理なく積み込める手札誘発として重宝するカードであり、罠を引けない手札事故を避けるために他の手札誘発よりも優先して採用されます
三戦の才をケアできることや名称ターン1の制限がないこと、フリーチェーンで発動できることなど強みも多く、単純に誘発としての質も高く優秀なカードです
《トラップトリック》
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次元障壁や激流葬にアクセスするためのカードです
これら3種9枚のカードのうち1枚を初手に引き込めるかどうかで勝率は大きく変わってきます
発動後に罠を1枚しか使えなくなる制約はそれなりに厳しく、本来は次元障壁や激流葬でまず相手のメインの展開プランを潰し、最後にサブプランを落とし穴で潰して詰めきる、という順番で動くのが最も強力で理想的なのですが、トラップトリックから次元障壁等にアクセスするととどめの落とし穴が撃てなくなってしまいます
その場合は落とし穴に代わってプティカの除外効果がとどめの役割を果たすことになるので、プティカを呼び出すタイミングを適切に見極めることが求められます
《ホールティアの蟲惑魔》
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セラがいる状態で発動するとセラのリクルート効果で呼び出した蟲惑魔と合わせてレベル4が2体並ぶので、ランク4エクシーズに繋がります
先行で出すエクシーズはキノをサーチするためにシトリスの蟲惑魔が最優先で、次点で超融合をケアするためにクロノダイバー・リダンを優先します
キノへのアクセス率を上げるために3枚採用していますが、増Gやマルチャミーを撃たれた場合は大人しく止まってプティカやトリオンを呼び出すためのトリガーとして活用できます
場に伏せたホールティアが相手によって破壊されそうになった場合、チェーンして発動することで破壊から逃れることもできますが、あえて破壊されることで墓地効果を使うこともできるので、状況に応じてうまく使い分けることが重要です
《墓穴ホール》
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セラのリクルート効果を阻止されないようにうららを打ち返すことが最も重要な役割ですが、多くのデッキが手札か墓地でモンスター効果を使うため、有効範囲は非常に広く他にも様々な場面で活躍します
相手の展開を止める手段としては天盃龍チュンドラが手札から出てくるのを止めるかティアラメンツの墓地融合を止めるのに使うことが多いです
枠が足りないため1枚のみの採用ですが、1ターンに2度撃ちたいと思う場面も多く、通常罠を増やすとしたらこのカードの2枚目になるかと思います
《蟲惑の落とし穴》
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落とし穴の中でも数少ない「無効」と「除去」を兼ね備えた妨害であり、私が1番信頼している落とし穴です
落とし穴は単純に現環境で有効範囲が広いカードのトップ3をそれぞれ1枚ずつ採用しています
リソースをスムーズに循環させるために落とし穴は一定以上の枚数は必要になりますが、妨害としての質はそれほど高くないのでそれぞれ1枚ずつでいいかと思います
《底なし落とし穴》
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一昔前まではその有効範囲の広さから多くの蟲惑魔使いに愛用され使用率トップを誇った落とし穴ですが、最近は環境のインフレが進みこのカードを簡単に乗り越えてくるテーマも増え、徐々に使用率も落ちてきた気がします
相手モンスターを墓地に送らないことがメリットで、墓地効果や破壊をトリガーに発動する効果を使わせずに無力化できます
《断絶の落とし穴》
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裏側で除外という遊戯王において最も強力な除去性能を持つ落とし穴です
攻撃力1500以下というラインは意外と条件が緩く、ユベル関連のモンスターや白き森モンスターをはじめ、宣告者の神巫に粛声の祈り手ロー、斬機サーキュラー、スプラッシュ・メイジ、スプライトの初動となるレベル2モンスターなど、環境で見かける様々なモンスターが該当します
《魔封じの芳香》
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テーマ内に蟲惑の園以外の魔法カードがなく、その蟲惑の園も必須カードではないので自分が使えなくなることがそこまで痛手でないことや、相手が伏せた魔法をトリオンで割っていけることから非常に相性の良いカードです
また、環境外の話にはなりますが蟲惑魔にとって最も不利対面となるのは閃刀姫や純神碑(メタビ型を除く)のようにモンスターをほとんど採用せず魔法カードでリソースを回復し続ける継戦能力の高いテーマであり、これらの天敵テーマをこのカード1枚で完封できます
まさに蟲惑魔のためにあるカードと言っても過言ではないほど強力すぎるシナジーを持つカードです
後攻では役に立たないことや2枚目を引いても腐ることから1枚のみ採用していましたが、ホールティアあたりの枚数を削って2枚採用しても良かったかなと思っています
《神の宣告》
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言わずと知れたなんでも止められる最強妨害カードであり、キノや魔封じにアクセスできなかった場合の保険としてバック除去対策のために採用しています
通常罠ではないためセラのトリガーにはなれず、通常罠の代わりにこれが複数枚手札に来ると次のリソースが確保できなくなり苦しい状況になります
さらにセラの攻撃力は800と低いためライフコストを払いすぎると一撃で仕留められる危険性もあります
よって2枚以上の採用はリスクが高く、1枚のみ採用しています
《フレシアの蟲惑魔》
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先行ではシトリスやリダンを優先して立てるため、現環境ではあまり出番がありません
モンスターばかりが手札に来て罠がほとんど引けなかった場合はエクシーズ体で妨害を用意しなければならず、罠が少なすぎる状況でシトリスからキノをサーチしてバック保護を構えてもあまり意味がないため、そのような手札事故を起こした場合の保険として妨害要員になることがあります
特に、キノを特殊召喚すると制約によってリダンが出せなくなるので代わりにフレシアを出すことになります
超融合や禁じられた一滴で処理されてしまうのであまり心強い妨害とは言い難いです
現環境でフレシアが最も有用なのはリーサルを狙いに行くターンで、相手の手札から飛んでくる原始生命態二ビルやスピリット・オブ・ユベルをフレシアでコピーした墓穴ホールで打ち返すことによって確実に攻撃を通しにいきます
《アロメルスの蟲惑魔》
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トリオンやプティカを蘇生することでその特殊召喚時効果を起動させるのに使います
特に、トリオンの特殊召喚時効果は名称ターン1の制限がなく、セラでリクルートしたトリオンを素材にアロメルスをエクシーズ召喚し、素材のトリオンを墓地に落としてそのまま蘇生することでトリオンを繰り返し使いまわすことができます
エクシーズ素材の数には上限がないので4素材や6素材の天霆號アーゼウスに繋げることも可能で、セラがいる状態でホールティアを発動してレベル4を2体並べ、園でセラを除外して墓地からレベル4を蘇生すれば、レベル4の素材3体でアロメルスを立てることができ、そのままアーゼウスを重ねて素材4枚にできます
《シトリスの蟲惑魔》
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先行ではキノをサーチしてバック除去に備え、リーサルを狙いにいく時は状況に応じてプティカやランカ、ジーナをサーチして横展開を伸ばします
プティカで相手モンスターを除外した次のターンに相手は除外されている自身のモンスターを特殊召喚できますが、プティカで除外したモンスターの他に除外されているモンスターがいない場合は、それをシトリスのエクシーズ素材として吸収することで特殊召喚されるデメリットを踏み倒せます
また、ティアラメンツ対面では墓地に落ちたティアラメンツの融合効果にチェーンしてそれを吸収することで、融合素材がいなくなり融合は不発になります
《クロノダイバー・リダン》
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ホールティアを素材にエクシーズ召喚することで、相手の表側カードをデッキバウンスする効果が使えるようになり妨害要員として機能します
先行ではシトリスを優先して立てるためあまり出番はありませんが、初手に展開札が上振れた場合は2体目のエクシーズ体としてこのカードを立てることがごく稀にあります
もちろん、後手捲りの際に相手の厄介な制圧カードを除去するのにも使えます
既に場に出ている相手モンスターを後から対象に取らずに除去する手段は蟲惑魔では限られており、またスタンドアップ・センチュリオン!のようにトリオンでは対処できない魔法・罠カードも除去できることから、除去としての性能は高く状況次第では相手の盤面を崩すのにリダン以外に適切な回答がないこともありえます
《No.41 泥睡魔獣バグースカ》
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激流葬などの罠によって相手の先行盤面を崩す時に、一旦このカードで無効妨害を持つ相手のカードをすべて無力化し、確実に罠の効果を通しにいきます
バグースカは自分のモンスターの効果まで無力化してしまいますが、モンスターの効果ではなく罠によって除去や妨害を行う罠型構築との相性が良く、さらにリンクモンスターのセラは守備表示にならずバグースカの影響を受けないので二重に相性が良いです
《天霆號アーゼウス》
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エクシーズ召喚を多用するデッキであれば簡単に出せる後手捲り要員です
アロメルスを経由すれば素材を4枚以上揃えることも狙えますが、素材2枚でもじゅうぶん活用できます
自分のカードも墓地へ送ってしまいますが、バックに伏せてある罠はランカの効果で手札に避難させておくことができます
《厄災の星ティ・フォン》
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このカードの役割は超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズのような厄介な大型モンスターの除去…だけではなく、最も重要な仕事はS:Pリトルナイトを戦闘破壊することです
こちらのモンスターをすべて除去された上でリトルナイトを構えられた場合、罠の発動をトリガーにセラの効果を発動しようとしても、罠にチェーンしてリトルナイトを使われてしまうため効果を発動できないままセラが除外されてしまいます
また、蟲惑魔には効果の発動を介さずにモンスターを横展開する手段が存在せず、EX召喚の素材を2体揃えるためにはどうしても何かしらの効果を発動しなくてはなりません
そのためリトルナイトに対処するにはモンスターを横展開せずに戦闘破壊する必要がありますが、通常召喚で出せるリトルナイトの攻撃力を上回るモンスターはティオ1枚のみです
となると効果の発動を介さずにEXデッキから素材1体で出せる攻撃力の高いモンスターが必要になり、その条件に合う最も使いやすいモンスターがティ・フォンということになります
ティ・フォンを出した後はモンスターを展開できませんが、セラの効果をいつまでも使えないままリトルナイトに弄ばれ続けるよりは、これを戦闘で処理した上で罠を伏せて凌ぐことができるだけでも逆転の可能性を見い出せます
《セラの蟲惑魔》
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蟲惑魔のギミックにおいて最も重要なカード、もといギミックそのものです
仮に罠1枚を使って相手モンスターを1体除去したとしても、それは単なる1:1交換にすぎません
しかしこのカードが場にいる状況で罠を使った場合、リクルート効果が誘発し蟲惑魔モンスター1体を場に出して1アド、リクルートされた蟲惑魔の特殊召喚時効果によって相手の場のカードを除去したり墓地の落とし穴を回収したりして1アド、さらにデッキから落とし穴をセットする効果が誘発して1アドとなり、罠1枚から1連の動きを連鎖させることによって、1:1交換を実質1:4交換分のアドバンテージに昇華させることができます
蟲惑魔はこのカードが前線に立っていなければ何もできず、このカードが無力化された上で後続の新たなセラも用意できない場合は詰みになります
そのため除去されても何度でも立て直せるように3枚フル採用しています
2枚の採用にとどめていた場合、クシャトリラ・ユニコーンによって1体をEXデッキから除外、1体を戦闘破壊され、蘇生手段もないという最悪な状況に陥ることがあります
《アティプスの蟲惑魔》
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相手の盤面を無力化した上で安全に攻撃を通すフィニッシャーです
攻撃力を上昇させる効果が適用されていれば、アティプス2800+シトリス3500+アロメルス3200=9500でリーサルに届く計算になり、3000ラインを超える攻撃力のモンスターを蟲惑魔だけで2体並べられます
墓地から通常罠を除外すれば相手の場のカードを「効果を無効にして」破壊できるため、破壊耐性を持つカードも破壊できます
またこの効果には名称ターン1の制限がなく、リンク素材などにして1度墓地へ送って園やホールティアで蘇生すれば、繰り返し効果を使用し複数のカードを破壊できます
複数のカードを破壊したい場合、既に効果が無効になっているカードは対象に取れず、1度目に効果を使う時に相手のすべてのカードを無効化してしまうと2度目の効果を使えなくなってしまうので気をつける必要があります
《I:Pマスカレーナ》
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相手ターンにS:Pリトルナイトや閉ザサレシ世界ノ冥神をリンク召喚するために採用しています
先行で出すことはほとんどありませんが、長期戦において素材を払いきって役割を失ったエクシーズモンスターをリンク素材として再利用し妨害を構えることができます
《S:Pリトルナイト》
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マスカレーナと同じく、役割を失ったエクシーズモンスターをリンク素材として活用できます
リンクマーカーが左右を向いているため、このカードをEXモンスターゾーンに出すとセラを出せなくなってしまい盤面を整えられなくなるので注意してください
《閉ザサレシ天ノ月》
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世界ノ冥神に繋げるためのカードですが、今期は1度も使用する機会がなかったので入れ替えの候補になります
やはり世界ノ冥神はチェーンを挟まずに相手のモンスターを除去できる奇襲生の高さが魅力であり、このカードを経由することでその目論見がバレると対処されてしまうため、なかなか使いづらかったです
《閉ザサレシ世界ノ冥神》
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チェーンを挟まずに素材として吸収するという確実性の高い除去によって、高打点かつ耐性持ちの厄介なモンスターにも対処できます
世間では蟲惑魔にこのカードが採用されているイメージがあまりないのか、リンク素材が場に揃ってもあまり警戒される様子がなく、そのおかげで逆転勝ちできた試合はかなり多かったです
相手の場のモンスターの効果を無効にする効果や、墓地からの蘇生を封じる効果、対象に取らない効果を受けない場持ちの良さなど、出した後も制圧モンスターとしてかなり心強く、(相手モンスターを除いて)リンク4つ分の素材を払って出すだけの価値がある非常に優秀なカードでした
最後に
書きたいことが多すぎて長くなってしまいました
蟲惑魔は何百何千時間回しても未だに新しい発見で溢れており、考えても考えても永遠にすべてを理解することは叶わない、まさに落とし穴のように底の見えないテーマです
布教や情報共有というよりは個人的な思考のアウトプットのために書いた記事ではありますが、この記事をきっかけに蟲惑魔に興味を持ったり以前より蟲惑魔で勝てるようになった、という人が一人でも現れてくれれば嬉しいです