煙草の亡霊
禁煙生活39日目。
煙草をやめてから一ヶ月と一週間を超え、家では煙草がなくても穏やかに過ごせるようになってきた。思い返すと、禁煙初期、離脱症状からの情緒不安定さはヤバかったな……。
明日からまた出勤することになってまして。生活リズムが変わると、また煙草を吸いたくなりそうなのが最大の不安要素。休み時間は必ず喫煙所に行って、吸って、トイレ行って、職場へ戻る。このルーティンを思い起こされるはず。考えるだけで怖いなあ……と思いながら、対策用のガムを忍ばせて向かおうと思います。耐えられるかしら。
ニコチンの離脱症状には既に打ち勝っている、とはいえ、習慣、そして煙草との良い思い出、感傷的なお気持ちとお別れするのは中々キツいものがあります。
ここ数日、煙草の夢を見るようになりました。
今朝見た夢は、巨大なショッピングモールの近くにいて、その日は同世代の友人たちとコンパがあるらしく。雨が雪に変わりそうな冬の夜に、コートを羽織って、会場のバーに向かっている最中、ばったり友人と出会いました。
今まですっかり忘れていたような中学時代の友人で、華奢で色白で背が低くて、言っちゃ悪いけど少し地味目な、病弱そうな女の子。
私も行くんだ。じゃあ一緒にいこ。って言いながら、話を繋ぐために、彼女に「私、禁煙したんだよね。飲んでも吸わずにいられるかな」と言ってみる。すると、「すごいね、私やめらんないよ」と言われて、驚きました。「えっ!〇〇さん、煙草吸うんだ?」って返すと、困ったような苦笑いで返されて、その顔を見ていたら、なぜか唐突にめちゃくちゃ吸いたくなって。
ごめん、先行ってて。と言い、その足で罪悪感と葛藤でいっぱいになりながら煙草を買って、箱とライターを握り締めたまま歩き出す。「私はこんなとこで吸って良いのか?いや一本だけ。しかし喫煙所がないな…」と夜の小雨が降るショッピングモールの周りで、喫煙所をひたすら探し回るも、いくら探してもどこにも見当たらない、という夢を見ました。
夢の中でも吸ってないのは理性でしょうか。
ていうか、あの子が煙草吸ってるわけないやん、と朝起きて思いましたが、もう10年以上も経ってるんだ、はたから見ると暗くて大人しいタイプだった私が喫煙者だった(だった、と過去形で書いてることにもなんか感動する)んだから、吸ってたっておかしくないよなあ、なんて思いました。
この夢はなんとなくリアルだった。なんか、夜の雨のねっとりした湿気とか。匂いまで。リアルすぎて煙草吸いたくなったもんね、ほんと。
こんな夢すら見なくなって、煙草を意識しなくなった時。禁煙成功と言えるのかな。