断酒10日目
昨日の22時に起きてからベッドの中で「中国 歴史偽造帝国」を読んでいたら、途中で眠くなって、寝たり起きたりを何度も繰り返す。当初、1日で読み終えると思っていた本なのだが、なかなか進まない。歴史学者が書いた歴史の本じゃなくて、単に中国をディスりたい人が訳した本なので、ちょっと退屈なのだ。元になった「A 60-POINT COMMENTARY on the Chinese Government Publication – A Collection of Historical Archives of Tibet」を原文で読める英語力があったら違ったかもしれないが・・・断酒10日目。
7時に起きてラブ・アンド・ロケッツの「ラブ・アンド・ロケッツ」を聴く。ラブ・アンド・ロケッツは、ベースのデヴィッドJ、ギターのダニエル・アッシュ、ドラムのケヴィン・ハスキンスという英国の暗闇の天使バウハウスのフロントマンであるピーター・マーフィーを除いたメンバーで構成されている。リード・ボーカルはデヴィッドとダニエルが分け合っており、サウンド面では、ロックン・ロールなデヴィッドJと、サイケデリックなダニエル・アッシュの二人が拮抗している。バウハウスが米国でのヒットとは全く無縁だったのに対して、このアルバムからのシングル「ソー・アライブ」を全米3位にチャートインさせている。しかし、どうしてもバウハウスと比較してしまう。地味といえば地味なロック。AORと評している人もいるほどだとか。
引き続き、元バウハウスのピーター・マーフィーのソロアルバム「Love Hysteria」と「Holy Smoke」を聴く。もう声を聞いただけでバウハウスを連想してしまう。Googleでピーター・マーフィーを検索していたら、「元バウハウスのピーター・マーフィーが心臓発作で入院」というニュースが。去年の8月13日に心臓発作を起こし、呼吸困難のためニューヨークの病院に救急搬送されたらしい。心筋梗塞と診断されており、右冠動脈に2本のステントを挿入する手術を受け、治療が開始されていて、経過を観察中だったらしいが、8月27日にインスタグラムで「ピーターからの個人的な発表」と題されたメッセージとして、ニューヨークのレノックス・ヒル病院で集中治療を受けた結果、完全に回復した旨と、担当の医師団や看護師、ツアー・マネージャーやアシスタント、友人やファン、そしてバウハウスのバンド仲間に対する感謝が述べられている。2018年、マーフィーは、元バウハウスのバンド仲間だったベーシストのデヴィッド・Jと再結集し、バウハウスの結成40周年を記念する北米ツアー「The Ruby Tour: 40 Years of Bauhaus」を行っているが、2020年にもピーター・マーフィー、ダニエル・アッシュ、ケヴィン・ハスキンス、デヴィッド・Jの4人が、4月8日にロンドンのアレクサンドラ・パレスで、4月26日にはニューヨークのラジオ・シティ・ミュージック・ホールで計2公演を行なうそうだ。このニュースを追いかけていたら株式会社シンコーミュージック・エンタテイメントのMUSIC LIFE CLUBという60年代から80年代に活躍した洋楽アーティストのファンサイトに行き着いて、思わず会員登録してしまった。
このサイトで気になったのは、「モーターヘッド極悪列伝」という本が発売になったらしい。これは、コージー・ファニ・トゥッティの「アート・セックス・ミュージック」という自伝に次いで欲しい本である。ジャンルを超えてインパクトを与えた豪快暴走サウンドで、ロック・シーンの権化として君臨したモーターヘッドだが、2015年にバンドの象徴であるレミー・キルミスターが死去し、活動を停止した後も、その威光は消えることなく輝き続けている。謳い文句は、「負け犬として生まれ、勝つために生きる。ロック・シーン40年の荒波を乗り越え真のロックンロールを貫き続けた我が道を往く漢たちの闘争記」だ。
一方の、コージー・ファニ・トゥッティは、ストリップやモデルの仕事とともに1969年よりジェネシス・P・オリッジと共に血液や体液を使用した性魔術的パフォーマンスをクーム・トランスミッションで展開し、スロッビング・グリッスル~クリス& コージーで活躍したインダストリアル界の女神である。そのコージー・ファニ・トゥッティが35年ぶりとなるソロアルバムを出すそうだ。これはタワーレコードの情報。元々は自身の自伝的映画「HARMONIC COUMACTION」のサウンドトラックとして制作された8つのサウンド・スケープから構成されており、コージー・ファニ・トゥッティの人生、音楽、芸術の全てが詰まったオーディオ・セルフポートレイト作品。2017年2月にライヴ演奏、その後ロンドンのギャラリーで行われた個展にてオーディオ・ビジュアル・インスタレーション作品として発表された。今回のアルバムには新たにレコーディングされたトラックも収録されているらしい。
「アート・セックス・ミュージック」で検索するとコージー・ファニ・トゥッティ記事が載っていたので思わず読んでしまった。スロッビング・グリッスルとは何者だったのか。「ノイズ/インダストリアルの始祖は、60年代のサイケデリック出身者だった」とサイモン・レイノルズは指摘しているが、そんなサイケな連中が、70年代半ばには、残忍なノイズにまみれながら妊婦の腹を切り裂き赤子の頭を掴み出すような、つまりハンパなく胸くそ悪い曲をやることになるのか。ロンドンのど真ん中の美術館で、ヌード写真と使用済みのタンポンの展覧会をやることになるのか。マトモスのドリュー・ダニエルは「近年では現実のほうがスロッビング・グリッスルである。なにせ日本では、サラリーマンが女子高生の使用済みの下着を買っているのだから」とも述べている。コージー・ファニ・トゥッティの「トゥッティ」を買う前にイアン・F・マーティンによるレビューを読んでしまった。
「トゥッティ」のなかに一貫して存在している、不吉で、ゾッとするような、何かを引きずって滑っていくような感覚──いいかえるなら、すぐ側にまで迫りくる湿り気のある暗さが生む、閉所恐怖症的な強度。オープニング曲「トゥッティ」の単調なベースラインと機械的でガタガタと騒々しいパーカッションのなかにはそうしたものがあり、そしてそれはそのままずっと、クロージング曲「オレンダ」のもつ、近づきがたいような重い足どりのリズムのなかにも存在しつづけている。最初から最後までこのアルバムは、息苦しいほどの霧に、隙間なく包まれている。ゾッとするような暗さをもつものであるにもかかわらず、そうした落ちつきのなさと節度の組みあわせのなかで、「トゥッティ」はまた、これ以上ないほどに力強い希望の道を描きだしてもいる。というのも、このアルバムが強力で完成されたものであればあるほど、そこらからさらに多くのものがもたらされるのだという兆しが高まっていくからだ。(訳:五井健太郎)
アマゾンで見てみると、「アート・セックス・ミュージック」も「トゥッティ」も中古があったので早速カートに入れるが、すぐには買えない。年末年始に本とCDを買いまくってもうお金がない。一応、あとで買うリストに入れておく。アマゾンではWhitehouseの「Birthdeath Experience」を買ったばっかりなのだから。その上、ヤフオクでスロッビング・グリッスルの「Grief」も落札してしまった。日本の非常階段を含め、最近、ノイズ インダストリアルのCDを買いまくっている気がする。それに、以前ほどハウスミュージックを聴かなくなった。あま、日本ってもうクラブカルチャーなんてない国だから。
昼間に起きているのがちょっと精神的に辛いので睡眠薬を飲んで寝ていた。起きたのは17時半である。イザベル・アンテナのCDを聴きながら夕食を食べて、今はアルケミーレコードのコンピレーションを聴いている。ヤフオクで1000円で落札したやつだ。このCDが欲しかったのは、ハナタラシ、THE原爆オナニーズ、SOB階段が収録されているから。ハナタラシは現ボアダムスの山塚アイを中心に1983年に結成された日本のハードコア・ノイズユニットで、メンバーは流動的であったが、事実上、山塚アイのソロユニットと捉えられている。サイキックTVのライブの前座で出演予定だったのが、爆弾を持ち込んだので出演中止になったのは知っている人の間では有名な話である。また、ライブの時に観客からいかなる事態になっても主催者は一切の責任を負いませんという誓約書を書かせていたのも有名な話。