大人気アニメK入門
🙋♂️Kをまだ見たことがない!!!
🤷♂️アニメ見たけど意味分かんね~~
🤦♂️メディアミックス多すぎて何を読めばいいのか…
そんな人に向けた用語解説と関連書籍のまとめです。
※この記事で触れるK用語はKを知るうえで必要最低限のものになります。
※主な登場人物についてはWikipediaを読んでくれよな!
※記事自体がかなり長くなってしまったため、各章ごとに区切った分割版もご用意いたしました。全部見てらんねーよ!という人はこちらへどうぞ→分割記事一覧へ
◇そもそもKって何?
Kとは圧倒的物語力集団GoRAが織りなす濃密な物語とGohandsが手掛ける圧倒的映像美&豪華声優陣による、異能をめぐる戦いと絆を描いた群像劇。
第1期は2012年10月から12月まで放送され、2014年には待望の劇場版が公開。そして翌年2015年には第2期が放送されました。
さらに2018年7月より『K SEVEN STORIES』と題し、同時上映作品を含めた7作が6ヶ月連続劇場公開となり、2022年には10周年を記念してKの新たな物語をファンに届けようと原作者がnoteを開設。
数々の小説や漫画、ドラマCD、舞台などなどメディアミックスの豊富さでも話題を集めました。
◇知っておきたいKの舞台設定
・世界観
舞台となるのは七人の王権者が存在する、現実とは少し違う歴史を歩んだ現代日本。
王権者はドレスデン石盤(以下、石盤)によって選ばれ、強力な特殊能力を授けられます。このとき王に選ばれた人間に拒否権はありません。
また、自分の意思で王位を他者に譲ることも出来ません。
・王権者について
王になった人間には石盤から主に二つの能力が授けられます。
一つは強力な異能。王権者は『不変』や『暴力』などこの世の理を体現する大いなる存在であり、七人それぞれが個々の属性に見合った固有能力を持っています。
王権者はこの能力を攻撃手段として用いる他、広域に展開することで結界《サンクトゥム》を作ることもできます。
もう一つはコミュニティの形成。自分の意思で退位が出来ない王ですが、代わりに他者へ自分の能力を分け与えることが可能です。
インスタレーションと呼ばれる儀式を経て王から異能を与えられた人間はクランズマン(王の眷属)として覚醒します。しかしその威力は個人の素質によりけり。
例えば暴力を司る赤の王が眷属を増やす場合。好戦的な者には異能が強く、温厚的な者には弱く発現します。なお、クランズマンから他者に能力を分け与えることは出来ません。
また、前述した王の結界《サンクトゥム》には範囲内にいるクランズマンの能力を強化する効果もあります。
・ダモクレスの剣
ダモクレスの剣とは王権者の異能発現量《ヴァイスマン偏差》が一定数を上回ったとき、つまり本来の力を発揮したとき上空に顕現するエネルギー結晶体のことを指します。この巨大な剣こそ王としての象徴であり、王の危険性を目視できる唯一のパラメーター。
強力な異能を授かった王権者といえども無制限にその力が使えるわけではありません。七人それぞれに石盤から引き出せる異能の最大容量があり、力を使い続けるにつれモバイルバッテリーのように容量は劣化(剣の一部が欠けるなど)していきます。消耗したダモクレスの剣を回復させる術はありません。
そして容量がゼロになったとき、まるで王を処刑するかのようにダモクレスの剣は落下します。この現象を王権暴発、またはダモクレスダウンといいます。
もし空から突然巨大な物体が落ちてきたら地上は甚大な被害を受けることでしょう。Kの世界では過去にダモクレスダウンが起きています。
・迦具都事件
本編で幾度と語られる記録史上最大規模の異能災害。
1999年7月、先代赤の王・迦具都玄示が力を暴走させた結果ダモクレスダウンを引き起こし、関東南部を中心とする半径数十㎞の範囲(迦具都クレーター)が壊滅しました。この王権暴発には先代青の王や灰色のクラン、さらに一般市民も巻き込まれており犠牲者の数は70万人以上とされています。
・ストレイン
Kには自然発生的に能力を得た“はぐれ異能者”も存在します。
どのクランにも属さない彼らは通称ストレイン。作中では王のなりそこないとも表現されます。
全人類に影響が及ばぬよう制御されているはずの石盤が何故王以外の人間に力を与えるのか、その理由は未だ分かっていません。
しかし石盤には『人が持つ可能性を偏向的に伸ばす能力を付与する性質(超要約)』があるとされています。そのため強い願望や特出した個性に呼応することが多く、本編やスピンオフに登場するストレインは皆、この世の理にとらわれない変則的な能力(人の心が読める、幻覚を見せるなど)を持っています。
異能者として突然目覚めた彼らが石盤や王権者について知っているはずもなく、大体が急に与えられた能力に戸惑い、力を使いこなせずにいます。中には犯罪行為に走り、そのまま暴力団などの組織に取り込まれてしまうケースも少なくはありません。
こういったストレインの被害を防止するため彼らは通常、青のクランの管理下に置かれます。
……以上が最低限知っておいてほしいKの設定となります。アニメ公式サイトに用語集がある他、ファンの方がまとめた詳細な解説もあるのでそちらも是非覗いてみてくださいね。
ところでK1期視聴者の中には「最初の方の話がよく分からない🤔」と思った人もいるのではないでしょうか。関連書籍まで把握していない人やK未視聴の人に向けて、ここで本編のストーリーについて説明させてください。
◇ネタバレなし! Kのあらすじ
・第1期(1話)
※本編では物語に一切関係のない不自然なパンチラ・乳揺れがあります。びっくりしないでね。
物語の主人公は平和を愛する高校生・伊佐那社(シロ)。彼が学園祭準備のために街へ買い出しに向かうと、突然赤のクランズマンから襲撃を受けます。そこへ助けに入ったのが夜刀神狗朗(クロ)という青年。彼が持つ異能のおかげで追手から逃げ果せることができたシロですが、なんと今度はクロから「悪しき王を討つ」と刀を突き付けられてしまいます。
その理由は街中に拡散される動画にありました。動画の中でシロは自身が無色の王だと名乗り、とある人物を殺害します。ところが本人には全く身に覚えがない。なのでシロは自分が無実だと主張し、クロに身の潔白を証明しようとしますがそんな二人の目の前に謎の少女・ネコが現れて……
……というのが1話中盤から描写されるシロにまつわる物語のあらすじ。
では序盤は一体何をしているのかというと、赤のクランの視点が描かれているんです。
赤の王は制御が特に難しい『暴力』の異能と破壊衝動のせいで代々気性が荒く、王の力が不安定だとされています。当代の周防尊も例外ではありません。
現に周防のダモクレスの剣は1話開始の時点でかなり崩壊が進んでおり、いつダモクレスダウンが起きてもおかしくないギリギリの状態でした。
そんな中、周防のもとに凶報が届きます。それは赤のクランズマンであり、古くからの友人として自身のストッパーでもあった十束多々良が無色の王を名乗る少年に殺されたというものでした。これを聞いた周防はひどく激昂し、必ず自らの手で犯人に復讐すると誓います。
周防が率いる赤のクラン《吠舞羅》はとくに仲間意識が強い集団であるため、当然クランズマンも十束殺しの犯人を憎んでいます。こうした経緯から吠舞羅は無色の王を名乗る少年を探しており、1話の冒頭ではクラン総出で犯人に関係があると思しき組織のアジトに乗り込んでいるわけです。
もし、ただでさえダモクレスの剣が危険な状態である周防が復讐を果たすために王の力を解放してしまったら、きっとダモクレスダウンが起こってしまうでしょう。それを阻止すべく青の王・宗像礼司が束ねる青のクラン《セプター4》も本格的に動き出します。
このようにK1期では十束多々良殺害事件を発端に異能の世界に巻き込まれるシロと復讐に燃える吠舞羅、そして王権暴発を食い止めたいセプター4。それぞれの確執に焦点が当てられています。
・劇場版 K MISSING KINGS(KMK)
🙋♂️世界観は大体わかったから先に劇場版見てもいい?
💁♂️劇場版って2期のあとに見て大丈夫?
絶対ダメーーーーっっ!!!!
本編は必ず第1期→KMK→第2期の順に試聴してください!!!!
何故なら劇場版と1期は繋がっているから……。そしてこの話では1期の事件を経て大切な人を失い、傷ついた彼らが再び立ち上がる様子が描かれているから……。
強大な異能の根源であるドレスデン石盤。別名《王を喚ぶ石》ともいわれるそれは黄金の王・國常路大覚の管理のもと、御柱タワーと呼ばれる超高層ビルの最上階に保管されていました。
この御柱タワーは國常路が統べる黄金のクラン《非時院》の属領である他、下階には非時院と関連がある様々な企業がオフィスを構えています。もともと日本の中枢機関が密集したエリアに聳えていることもあり警備は万全。ところがそんな堅牢たるセキュリティーをかいくぐり、御柱タワーに忍び寄る影がありました。
その正体は、地中へ深く根を張るように裏で暗躍する緑の王の腹心・御芍神紫。彼は謎の忍者(平坂道反)と部下を引き連れて御柱タワー内部に侵入。さらに赤のクランズマンでありながら強い感応能力を持つストレインの少女・櫛名アンナを拉致しようと吠舞羅に近づきます。
一方、行方不明となったシロを探すクロとネコは偶然にも彼女が緑のクランズマンに襲われている現場を目撃。見て見ぬ振りはできないとクロが応戦しますが、圧倒的な強さを誇る御芍神にあと一歩及ばず、アンナは平坂によって攫われてしまうのでした。
はたして捕らわれたアンナの運命は、緑のクランの目的とは一体何なのか。
続く2期ではいよいよ緑の王が動き出します。
・第2期 K RETURN OF KINGS
※本編に一切関係のないパンチラと乳揺れがパワーアップして帰ってきた!(苦手な人は本当にゴメン)
劇場版の騒動から2か月後、巷では緑のクランの活動が活発化していました。異能犯罪者を取り締まる立場にあるセプター4は一連の騒ぎの対処に追われますが、大胆不敵な彼らの犯行にはどうしても後れを取ってしまうのが実情です。
その理由の一つに緑のクラン《jungle》の特異性が挙げられます。緑の王・比水流は自身の授かった改変能力がコンピューター関係と親和性が高いことに目を付け、独自に配信するSNSアプリを介し不特定多数の一般人に異能を与えていました。
このアプリの利用者はjungleの頭文字をとった6つの階級に分けられます。初期ユーザーはEランカーからスタートし、アプリ内で告知されるミッションをクリアすることでポイントを獲得。そしてGランカーへ昇格したとき、はじめて能力が付与される仕組みとなっていました。
このとき与えられる能力はランクがG→N→Uと上位になるにつれ強化されていきますが、ミッションに失敗すれば剥奪されてしまう一時的なものに過ぎません。しかし最高位のJランカーに到達した暁には緑の王から正式なクランズマンとして迎えられ、完全な改変能力を手にすることができます。
こうして潜伏しながら少数精鋭の臣下と膨大な数の下位クランズマンを集める比水の真の目的は、全ての始まりの王である白銀の王・ヴァイスマンとの邂逅を果たすことにありました。
ヴァイスマンは不変の力でもって半世紀以上もの間、飛行船から俗世を俯瞰し続ける天上の監視者。そんな彼を地上へ引き戻すべく比水は他のクランを翻弄し、やがてシロの行方を追うクロとネコまで標的にされてしまいます。
jungleの策略により街が混沌とする中、改めて問われる異能の在り方。白銀に輝く不変。守るために強く猛る炎。曇りなき青の秩序。そして枝葉を伸ばし、人々を惑わす改変。相反する正義を振りかざす王達はそれぞれの想いを胸に石盤のもとへと集います。
1期では異能の世界に巻き込まれる主人公の視点から確執のある王同士の対立を描き、劇場版では衝突の果てに傷ついた彼らの悲しみ、そしてクランズマンが抱く懸念に焦点を当ててきました。
それらの続編となる2期では過去の因縁と思惑が交錯し、より深みを増した人間模様に加えて物語の根幹であるドレスデン石盤と王権者の存在意義について迫ります!
異能によって運命の交わった彼らが迎える結末をその目で見届けてください!
……さて、ここまで読んだ方はもうお分かりでしょうがKは絆の物語です。その繋がりは《王権者とクランズマン》という主従関係だけに限らず、王ゆえの孤独と覚悟。臣下ならではの苦悩や葛藤。お互いが似たもの同士だからこそ芽生えた友情もありますし、信念を突き通すために袂を分つといった様々な出会いと別れがシリーズを通して紡がれてきました。
中でもアニメ本編は銘々が理想を持って己の人生を駆け抜けた“結果”にスポットが当てた物語。
それじゃあ過去は? 一体どのようにして王に選ばれたのか、それぞれにどんな事情があるのか。あの本編へと至った過程は数多くの関連書籍の中で語られているわけです。
◇K関連書籍まとめ 〜小説編〜
原作者全員が小説家ということもあって公式から出ているメディアミックスがほぼ原液であることもKの魅力の一つ。
しかしその量は膨大で新規の人が尻込みしたり、全部に手を付けられない方がいても仕方がないと思います。
というわけでここからは「◯◯について知りたい!」という人が該当する作品にたどり着けるよう公式ノベライズを発売順に紹介していきます。アニメと違って単独で読んでも楽しめるので様々な作品の中から、お気に入りの一本を見つけてくださいね。
・K SIDE:BLUE
青の王・宗像礼司率いる《セプター4》がメインとなった一作。この小説では新米隊員である楠原が先輩にあたる青のクランズマン(通称・青モブ)達と交流したり、ともに剣術の鍛錬に励む様子が描かれています。
そんな楠原に剣を指南するのは庶務課資料室に勤める隻腕の男・善条剛毅。抜刀術の達人で「鬼の善条」とも呼ばれる彼は先代青の王時代からセプター4に所属する古株のクランズマン。2期では宗像の切り札として再び登場する善条ですがその所以とは一体なんなのか。稽古を重ね、類稀なる才能が開花した楠原のその実力とは。宗像をめぐる二人の知られざる物語が明かされます。
・K SIDE:RED
前作が青なら今作は赤! 赤の王・周防尊率いる《吠舞羅》は鎮目町にあるバーを拠点としていました。ある日そこへ周防の高校時代の担任教師が姪を引き連れてやってきます。
青い服に身を包む無表情な少女の名前はアンナ。両親を事故で亡くし心を閉ざしていた彼女は初めて出会った周防をじっと見つめます。アンナは幼いながらにストレインであり、他人の心や未来を見透かす感応能力を持っていました。
一方、黄金のクランズマンでありながら科学者として日々ドレスデン石盤の研究に没頭する男が一人。御槌は人為的に王を選ぶ方法に執心し、石盤と同調する術を模索する中で強力な異能を持つ少女に着目します。
非道な科学者につけ狙われるアンナ。真実を知った周防が、吠舞羅がとった行動とは? 赤のクランに惹かれたなら是非読んで欲しい作品です。
・K SIDE:BLACK&WHITE
伊佐那社(シロ)と夜刀神狗朗(クロ)、そしてネコ。それぞれの境遇が記された作品です。クロの章では彼が支えていた無色の王・三輪一言との出会いや二人が師弟として過ごした平穏な日々の様子が描かれています。
次に取り上げられるのはネコにまつわる話。アニメ本編では文字通り“猫”に姿を変え、シロの目の前に現れる彼女ですが本名はおろか素性は謎のまま。少女は何故“ネコ”になったのか、その秘密に迫ります。
最後に明かされるのはシロの過去について。1期の内容を含むため詳細は省きますが、シロにはかつて共に未来を語り合った優しい姉と頼れる友人がいました。
自分の居場所を見つけ、親しい人との別れを経て巡り逢った三人。1期とあとに読むとよりKを楽しめる一冊です。
・K -Lost Small World-
吠舞羅の切り込み隊長こと八田美咲と、セプター4の中でも指折りの実力を誇る伏見猿比古。アニメ本編では何度も衝突し、赤と青の両クランが対立していることを視聴者に強く印象づけたことでしょう。
今でこそ犬猿の仲であるものの、実は同じ中学に通っていた友達同士。以前は伏見も吠舞羅の一員でしたがある事件をきっかけに離脱し、青のクランズマンとして席を置くことになります。一体仲の良かった二人に何が起こったのか、八田との決別を綿密に描かれています。
中でも伏見の人格形成に影響を与えた強烈な父親の存在は必見です。
・K -R:B-
暴力を司る周防と秩序を制する宗像。性格も何もかも食い違う双王の邂逅を描いた物語。
ストレイン絡みの犯罪を取り締まる役目があると説明した青のクラン《セプター4》には本来、業務遂行のため警察よりも上位の権限が与えられています。しかしそれは王権者がいてこそ罷り通る話。迦具都事件以降王が不在だったセプター4は長らく黄金のクランの下請けのような立場にありました。
その中で頭角を現したのが周防率いる赤のクラン《吠舞羅》です。彼らにとっては縄張りである鎮目町で起きたトラブルを片付けているだけにすぎませんでしたが、犯行に及ぶストレインの大半が裏で暴力団やマフィアとつながっていたため、立ちはだかる周防の名は裏社会にまで知れ渡り、吠舞羅はその勢力を伸ばしつつありました。
ところが新たな青の王に宗像が選ばれたことで状況は一変します。即位後、宗像は速やかにセプター4の再編に動き、続けて秩序回復に乗り出しました。
傍若無人に振る舞う周防の前に現れた慇懃無礼なルーキー。その出会いは必然であり、衝突は言わずもがな。爽快感のあるバトルシーンとにかくカッコいい! 二人の因縁が気になった人にはイチ押しの作品です。
・K 青の事件簿 (上下巻)
宗像を中心に結束を強める青のクラン《セプター4》。日々厳しい訓練と業務に励む多忙な彼らのもとに予想外の挑戦者が現れます。
その人物の名前は河野村。他所のクランズマンでもなければストレインでもない、謂わばただの一般人である男が青のクランに挑む理由……それは、なんと宗像の玉座だったのです。
しかしながらこの作品でメインに取り上げられているのは青のクランズマンの活躍になります。アニメ本編では「抜刀!」という特徴的な掛け声と共に、SIDE:BLUEでも端々に描かれた彼らが河野村の繰り出す罠に対してどう立ち向かうのか。また、下巻では華麗なる反撃の様子をお届けします。
これまでに刊行された5冊とは若干毛色が異なるものの、これもまたKの魅力の一つ。どうぞ肩の力を抜いてお楽しみください。
・K -ALL CHARACTERS-
通称・全員K。2期放送終了の時点でアニメ及びスピンオフ小説に登場した総勢52名のキャラクター達が、あの日どこで何をしていたのかをテーマに原作者がそれぞれのショートストーリーを書き上げた掌編集となっています。主要人物はもちろん、まさかのお掃除ロボットにまでスポットを当てた力作。どの話もさくっと読めるので本編を観終わったあとや、短い時間でKの物語を楽しみたい人にオススメです。
・ザ・アイドルK
もし『K』がアイドルになったら? というパラレルワールドを描いた異色作。
そもそもアイドルKとは、2期放送開始前に突然告知された《抜刀総選挙》と呼ばれるアニメイト連動企画の一つであり、期間内にK関連商品を購入したレシートを好きな候補者に投票するというお祭りから誕生したもの。
最終結果には主要キャラ達が名を連ねていますが、中間順位発表時にはとあるモブキャラが人気キャラを抑えて上位3位に食い込んだりとファンの間で波乱を呼びました。
さて、そんな経緯から発行されたこの冊子。前半には本編の内容をこの世界に置き換えた諸々の設定が詰め込まれており、ドレスデン石盤はアイドルの素質がある者を選定するシステムとして、王権者は究極のカリスマ的存在・アイドルキングとして活動していることなど。用語説明や主要キャラの立ち位置について書き記されています。
後半には若手アイドル・クロを主人公とした短編小説を掲載。各大手芸能事務所(=クラン)に所属する個性豊かなアイドル達が歌って踊って日本を導いていく壮大なストーリーが幕を上げます。
ぶっ飛んだパロディ作品と侮るなかれ。この世界ではシリーズ中に命を落とすキャラクターも元気にアイドルや芸能関連の仕事をしている、謂わば誰も死なないKなのです。
…………ちなみに2期のサウンドトラックには抜刀総選挙上位3名のオリジナルメッセージソングが収録されています。(視聴はこちらから)
・K 赤の王国
赤のクラン《吠舞羅》誕生のエピソードに迫る渾身の一作。
高校生だった周防は喧嘩じゃ負けなしの強さを誇り、周囲から恐れられている存在でした。そんな猛獣はひょんなことから先輩にあたる草薙と後輩の十束とつるむようになり、共に遊んで、ときに悪さをして。三人でかけがえのない青春を過ごしていました。
しかし、とある野望を持った青年の急襲により平穏な日々は終わりを告げます。闇山と名乗る男もまたストリートじゃ名の知れた不良の一人。一度は周防に敗れたものの、再び姿を現した闇山は炎を操るストレインとして彼らに襲い掛かります。
この作品の醍醐味はなんといっても石盤の存在すら知らなかった周防達が異能の世界にジワジワと追い詰められていく緊張感にあると思います。危険から逃れる最中、草薙が耳にする赤の王の都市伝説。異能者相手に拳一つで立ち向かう周防のアクションシーンを鮮烈に描き、一方で同じ石盤に選ばれていながら王権者となりそこないの間にある格差――青のクランが行うストレイン保護の実態――が明かされます。
仲間を守るため、夢を叶えるため。両者ともに譲れない周防と闇山が対峙するとき空に顕現する巨大な剣。Kがおくる青春活劇をどうぞご堪能ください。
・K SIDE:GREEN
この作品では緑のクランの刺客として2期から姿を現す少年・スクナを中心に物語が展開します。名家の一人息子として生まれながら支配的な両親に嫌気がさして家を飛び出した彼は、SNSアプリ《jungle》を活用しつつ、自分を連れ戻そうとする実家から逃れる日々を送っていました。与えられた仮初の異能を使いこなし、圧倒的なスピードでUランカーに昇格した家出少年に興味を持った比水は彼に接触を試みます。
比水はスクナに直接会いたいと話しますが、王に会う権利は最高位のJランカーまで上り詰めなければ得ることはできません。そしてスクナがそこへ到達するためには既に緑のクランズマンとして名を馳せていた御芍神を倒す必要がありました。
戦闘力差もあり、失敗すれば降格どころかアカウントそのものを失ってしまいかねない。そんな無謀な昇格戦に挑むスクナの様子を描く一方で組解かれる比水の過去。育ての親である磐舟との出会いに始まり、緑のクランが長い間潜伏していた理由や黄金の王と比水の間にある因縁がここで明かされます。
世界の変革にたったの四人で挑んだ《jungle》の始まりを綴った一冊です。2期の終わりに読むもよし、Kを視聴する前に読めば本編を違った角度から楽しめることでしょう。疑似家族という関係性にピンときた人にもオススメです。
・K THE FIRST STORY
TVアニメ第1期の放送から8年の歳月を経て発売されたKの始まりの物語。執筆を担当するのは本編の脚本以外に数々のスピンオフ作品の原作も手がけた来楽先生です。
アニメでは描かれなかった様々なエピソードを追加しつつ、小説だからこそできる情景描写や繊細な心情表現で1期の物語を彩った600ページ超えのボリューミーな一冊となっています。
藤原印刷さんとコスモテックさんの最強タッグがこだわり抜いた装丁も大変素晴らしく、柔らかな印象のあるパール調の表紙に上品な輝きを放つ金とシルバーの箔押し加工はまるで宝物のよう。Kindleにて電子書籍の販売もありますが、是非実物をご覧いただきたい傑作の一つです。
・THE IDOL K -Six Idols-
──おなじみのキャラクターたちがアイドルになった?! あの話題作の続編が堂々と登場です。
世界観や設定をザ・アイドルKから引き継ぎ、この世界で繰り広げられる個性豊かな彼らの大騒動を鈴木先生がユニークに綴ります。
中身はオムニバス形式となっており、人付き合いの苦手そうな◯◯がトーク番組に向けて特訓する様子やお宅訪問バラエティで明るく元気な▢▢がホラーな目に遭う話、さらに面倒見のいい△△の女性スキャンダルや☆☆がバーチャルアイドルに可能性を感じる話など様々な芸能活動を収録。
……アイドルKの快進撃はこの後もまだまだ続きます。
・K ALL MEMORIES
Kには公式ノベライズ・コミカライズの他に各種ドラマCDやDVD購入特典小説、イベントで行われた朗読劇の脚本など様々な媒体で物語が紡がれてきました。しかし、その殆どが今となっては読むことも聞くことも困難になっています。
そこで今までに発表されたKの思い出を一冊にまとめようというコンセプトのもと製作されたのがこの総集編。その名も『K ALL MEMORIES』。
何が載ってるの? と気になった場合には下記(原作者ツイッター)から収録作品一覧をご確認いただけます。
ツリーには各章の概要とサンプルが掲載されているため、そちらも併せてどうぞ。(全員Kとザ・アイドルKは完売につき再録という形で収録されています)
豪華な表紙からお察しの通り、今回の高級感ある装丁もあの最強タッグ・藤原印刷さんとコスモテックさんが担当して下さいました。また特装版には篠原紙工さんのオーダメイド専用ボックスが付いてくる他、フォトジュエリーと呼ばれる特殊なアクセサリーのストーン部分を覗き込んでみると…?
“あの日々を忘れない”
そんな力強いメッセージが浮かび上がります。実はこの言葉、K大全のために書き下ろされた11本の掌編小説のキーワードにもなっているんです。
Kの思い出が詰め込まれているだけあってこの本の重さは1.7キロ強、厚さはなんと6.5センチ超えというK史上ナンバーワンのヘビー級書籍。完全予約受注生産のため現在は購入することが不可能な上、量が量なだけに電子書籍化の目処が立っていない状況です。それでも「実物を見てみたい!」って人はお近くのKクラにご相談ください。
・K MISSING KINGS
『K THE FIRST STORY』に引き続き、劇場版ノベライズの執筆は来楽先生が担当します。
この『K MISSING KINGS』は1期と2期の間に起きた出来事に焦点を当てた作品です。緑のクランがいよいよ動き出したことでKのメインストーリーはここから加速していきます。尺の都合上描ききれなかったキャラクターたちの行動や幕間のシーンを追加し、映像では分からなかった彼らの心の内が丁寧に綴られています。
この小説を読みながら映画を観直せば新たな発見があるかもしれません。
・K RETURN OF KINGS
TVアニメ第1期、劇場版、第2期と紡がれてきたKの物語。長くに及んだメインストーリーの書籍化もこれでいよいよ最後となります。
今回筆を取るのは来楽先生からバトンを引き継いだ鈴木先生。本編関連の著書には緑のクランを主体としたスピンオフ小説『SIDE:GREEN』があります。
そんな《jungle》の成り立ちを描いた本人だからこそ、この作品では全容が謎に包まれた彼らの行動原理をより明確にし、比水と主人公たちが掲げる理想の食い違いを際立たせています。
執筆する際にはアニメでのシーンを省略しないよう映像で動きを確認していたそう。さらに本編では描かれることのなかった《jungle》下位ランカーの視点も盛り込み、見どころ満載となった一冊となっています。展開を知っていても新鮮な気持ちでKを楽しめますので、ぜひお読みください!
・Four seasons of K
電子書籍でのみ配信されているこちらはK FAN CLAN(以下、KFC)と呼ばれるKの公式ファンクラブで毎月更新されていた短編をまとめたものになります。
タイトルの通り季節がテーマとなっていて、キャラクター達が節分やバレンタインデーといった春夏秋冬のイベントを楽しむ様子を描いたショートストーリー(全28編)を収録。
惜しくもサービス終了となったKFCを引き継ぐ形で開設されたKの公式noteにも全編再掲されていますが、電子書籍版の発売に伴い現在は試し読み部分しか閲覧出来なくなっています。
もしかしたらあったかもしれない、そんなKの一幕をお楽しみください。
・KFCN1期 リクエストミニエピソード
こちらは、かつてキングレコードが主体で運営していたKの公式ファンクラブ『K FAN CLAN』および『K KAN CLAN NEXT』内で配信されていたコンテンツの一つ。ファンから寄せられたリクエストを元に原作者が書き下ろし掌編をまとめたものなります。
ファンクラン終了後はGoRA公式noteにて有料マガジンとして公開されていましたが、なんと1期分が新たに電子書籍化されました!(やったね!)
内容はもちろんのこと、各話の冒頭には実際にファンが送ったお題も記されているので、コアな読者のリクエストを原作者がどう受け止めたのかも併せてお楽しみください。
◇ K関連書籍まとめ 〜漫画編〜
小説が多すぎて既にお腹いっぱいになったりしていませんか?
関連書籍も残るはあと半分。ここからは公式コミカライズの紹介に入りたいと思いますので、もう少しだけお付き合いください。
・K -メモリー・オブ・レッド-
小説でも軽く触れましたが、赤と青のクランズマンは通称『◯モブ』と呼ばれており、それぞれ名前の頭文字がA〜F…とアルファベット順になっています。
このシリーズはそんな赤モブの視点から始まり、誰もが恐る赤の王・周防尊の素顔や赤のクランの中心人物だった十束多々良に焦点を当てつつ、吠舞羅の日常を描いた作品となっています。
実はTVアニメ第1期の放送前から連載が始まっており、読み進めていくと1話冒頭のシーンに繋がるという正真正銘の前日譚。なんと最終巻の特装版には十束殺害事件直後のエピソード(葬式)を綴った書き下ろし漫画と原作者によるショートストーリー収録した小冊子が付属していました。このときの短編小説はK大全へと再録されていますが、いずれも入手は困難。
「それでも特装版の内容が知りたい」と思った人はどうぞご安心ください! のちに映画化されます!!!
・K ストレイ・ドッグ・ストーリー
続いてはクロこと夜刀神狗朗が主人公のお話。
こちらも1期の前日譚となっており、亡き主人から「悪しき王を討て」と命を受けて旅立ったクロが伊佐那 社(シロ)に出会うまでの日々がメインに描かれています。
これを読めばクロの人柄だけでなく、本編開始時には既に亡くなっている無色の王・三輪一言の人物像やクロとの関係性の理解が深まり、より1期を楽しめること間違いなし!
個人的なおすすめはチャーハン対決回です。
・K -デイズ・オブ・ブルー-
今度は青のクラン《セプター4》を掘り下げたコミカライズです。舞台となるのは青のクランズマンたちが生活している宿舎・青雲寮。モブゆえに本編では取り上げられることのなかった彼らの素顔や日常の様子、さらには青の王・宗像を含むセプター4の主要キャラそれぞれに焦点を当てたエピソードも描かれています。また普段は制服に身を包んだ彼らの私服姿や寮の部屋割まで明らかとなるので青好きな人にはかなりオススメです。
メモレと同じく特装版の最終巻には冊子が付属しており、1期最終回直後の掌編と花見をするセプター4の漫画が収録されていました。(このうち短編小説はK大全に収録されています。)
・K -THE FIRST-
こちらはTVアニメシリーズの内容を再構成し、各視点が入り組んだ1期の物語を分かりやすくまとめたK本編のコミカライズ第1弾。監修として原作者の一人、古橋先生が携わっています。
1期のストーリーが忠実に再現されてある他、アニメでの説明を補完したりと非常に読みやすい作品となっているため本編の復習や劇場版前のおさらいにぴったりです!
・学園K
――もし、Kのキャラクター達が学生だったら?! これは、とある学園に存在する7人の王と彼らが支配する『特殊部活』を舞台にしたギャグ濃度100%のヤバすぎるパロディ作品。とにかく色々と振り切れているので、「本編のシリアスな話が好きだ……」という方はご注意ください。このシリーズはカウンターパンチの連続です。そのため本編とは全くの別物として読むことを推奨します。
内容としては学園モノなだけあって部活紹介や学芸会、さらに幼児化や水着回などなどエピソードは盛り沢山! 主要キャラだけでなく、赤青それぞれのモブにも出番があるので隅々まで楽しむことができます。
ちなみに同じタイトルで全くの別作品となる乙女ゲームも存在するので興味がある人は是非プレイしてみてください!
・K -Lost Small World-
小説編でも紹介した通り、『K-Lost Small World-』とは吠舞羅のメンバーである八田とセプター4に属する伏見、二人の過去と因縁を綴ったスピンオフ作品です。
そして、これはそのコミカライズ版。原作にギュッと詰め込まれた内容を丁寧にまとめつつ、漫画でしか読めないオリジナルエピソードも収録しています。(あらすじはノベライズの通りなので割愛)
八田と伏見の様子が気になる人や漫画での表現など、小説と照らし合わせるとより楽しめるシリーズです。
・K -カウントダウン-
赤のクランと青のクラン、両方のスピンオフを手掛けたあの二人組が本編の幕間を完全漫画化!
このシリーズでは劇場版(KMK)から2期開始までの2ヶ月に焦点を当てており、御柱タワーでの出来事を経て決意を新たにする吠舞羅やシロの行方を探す最中に喧嘩してしまうクロとネコの話などKMK直後の彼らが何を思い、どう過ごしていたのかが描かれています。
また、1期で起きた事件を機に宗像に表れた異変や動き出す緑のクラン《jungle》の様子が明らかとなるエピソードも収録。
2期の前に是非とも読んで、知ってほしい作品です。
・K MISSING KINGS
先にお伝えしていた通り、こちらは劇場版をコミカライズしたものになります。ストーリー構成は『K -THE FIRST-』に引き続き古橋先生が、作画は新たに汐田晴人先生が担当します。
映画の流れを丁寧に再現しつつ、美麗なタッチで大変読みやすい一冊。また、アニメとの相違がいくつかあるので映像を見たあとに漫画を読めばKを二度味わえてとてもお得です!
・K ドッグ&キャット
タイトルから分かるように今回は夜刀神狗朗(クロ)とネコがメインの作品です。先に述べたカウントダウンが劇場版から2期へ続く物語だったように、このコミックは1期から劇場版への架け橋となるお話になっています。
作画を担当する木村先生の優しい絵のタッチでクロとネコの旅を、その最中で出会った各クランの絆を描きます。本編を観るなら是非ご一読ください。
・K -ドリーム・オブ・グリーン-
過去に吠舞羅・セプター4のスピンオフを手掛け、カウントダウンではKの知られざる物語を綴ってきた二人組が満を持して緑のクランの日常を描きます。
本編では敵として立ち回る《jungle》ですが、ストーリーが進むにつれ彼らが真に悪者なのではないと誰しもが気付くはず。比水の掲げる夢に惹かれ、共に叶えようとした仲間たちが紡いだ家族のような繋がりをご堪能ください。
※ちなみに最終話『ドリーマー』は2期最終回後のエピソードとなっているため、本編未視聴の方はご注意を。
・K RETURN OF KINGS
本編のコミカライズ化もついにこれが最後。これまでに刊行された漫画版1期、劇場版と同じく2期のストーリーを再構成し、より分かりやすく話がまとめてあります。今までのシリーズと併せればいつでも手軽にKを読み返すことができてとても便利です! 忙しくてアニメを見る暇がない人もコミック版から手をつけてみては如何?
・K 赤の王国
ただの青年だった周防 尊が王権者として覚醒するまでと赤のクラン《吠舞羅》の誕生秘話を明かす赤の王国が漫画になって帰ってきました! 公式のスピンオフ小説がコミックになるのは『K-Lost Small World-』に続いて二度目。来楽先生が綴った疾走感溢れる青春アクションストーリーを都村先生がみずみずしく描きあげます。
もちろん小説を読む暇がないって人はこの漫画版から読んでもらっても大丈夫なんですが、出来れば先に小説を読んでおくと「え?! 漫画化?!?」と驚けるのでオススメです!
・K -beautiful pieces-
劇場版新シリーズ『K SEVEN STORIES』(以下、K7S)の製作が発表された2016年4月。その半年後に突然『少年マガジンエッジ』にアイドルKの読切が掲載され、アニメと見紛うほどの超美麗作画とまさかの鳥飼先生にKクラは騒然としました。
予想外のコラボに喜びつつも、もっと鳥飼先生のKが見たい……と読者が切望した結果、なんとK7Sの公開を記念してマガジンエッジに不定期連載が決定!(やったね!)
K7Sのストーリーに沿った9編の読切漫画と原作者集団・GoRAのリーダーこと宮沢先生による掌編小説が収録されています。読切の内容は過去に発表されたドラマCDを漫画として新たに描き起こしたしたものや、全員Kの中から『漫画化してほしいキャクターアンケート』にて見事1位を勝ち取ったあの人物のエピソード。さらにこの企画のために原作者が書き下ろしたオリジナルストーリーと色んなKが目白押し! どれもKを知った人なら刺さる話ばかりなので絶対に読んでほしい一冊です。1巻完結のため友人や家族へのプレゼントにも最適ですよ。
ここまでお疲れさまでした!! 以上がKの関連書籍の全てとなります。
きっと皆さんの想像以上に量が多かったのではないでしょうか?
今回は書籍紹介のため上記の一覧には含めていませんが、こちらにもアイドルKの読切が掲載されているので、もしよかったらご覧ください。
さて、最後にちょこっとだけ登場した劇場版新シリーズという言葉、気になりませんか?実はKって新作映画を7本連続公開したことがあるんですけど、その詳細なんだか気になりますよね。
めちゃくちゃ気になる! そんな方々のためにちゃんとご用意してます!
◇K SEVEN STORIES(K7S)
本編(第二期)の放送終了の翌年、2016年に横浜で開催されたイベント『K-Do you know K?-』内にて、新作アニメーション『K SEVEN STORIES』(以下、K7S)の製作が発表されました。
タイトルにもなっているように『7つの物語』がキーワードとなっており、本編の過去を描いた公式スピンオフ5作と、Kの完全新作ストーリー1作、さらに同時上映作品を含んだ計7作が2018年7月から全国の劇場で半年間に渡り連続公開されました。
先行上映時にはステージに登壇した出演声優・関係者から「頭がおかしい」「いかれてる」などと言わしめた本作品。一つのエピソードがTVアニメと同じ30分尺×2話という構成のため、なんとOPとEDが二回も見れちゃう親切設計でもおなじみでしょう。
また、映画化に伴い来場者特典として原作者書き下ろしのショートストーリー付イラストカードが上映期間中週替わりで配布されていたことでも話題を呼びました。(この全24種のSSはK大全に収録されています。)
……ところでこの記事を読んでいる新規さんの中には、友人もしくはフォロワーから本編よりK7Sを勧められたことがある、という人もいるのではないでしょうか。
それもそのはず。当シリーズのうち公式スピンオフを原作とした5作はそれぞれが独立した物語であるため、ぶっちゃけ本編を知らなくても問題なく楽しめるんです!!
具体的にどんな内容なの? と疑問に思った人のために次の章から各エピソードの紹介に移りたいと思います。
・Episode1「R:B ~BLAZE~」
記念すべき最初のエピソードとして選ばれたのはこちら。公式ノベライズ第5弾『K -R:B-』を映像化したものになります。
ドレスデン石盤から与えられた暴力の異能に蝕まれる赤の王・周防尊のもとに新たな青の王誕生の報が届きました。
第四王権者として戴冠した宗像礼司は、その手腕でもって青のクラン《セプター4》の再建に動き、クランズマンの一部に暴徒の兆しを見せていた赤のクラン《吠舞羅》の前に現れます。
王の宿命に苦しむ周防と、王の理想に燃える宗像。若き二人の王の激突をその目でご覧ください。
・Episode2「SIDE:BLUE ~天狼の如く~」
続いて選ばれたのは、公式ノベライズ第1弾『K SIDE:BLUE』を原作としたアニメーションです。
宗像礼司が王として覚醒して間もなく再編された新生・セプター4。そこへ入隊した楠原剛の成長と、先代青のクランズマンである善条剛毅が宗像に対して抱く不信感を描きます。
この映画の見どころは、なんといっても本編で幾度となく語られてきた迦具都事件の一端がはじめて明かされたことではないでしょうか。
かつて最大規模の異能災害を引き起こし、70万人以上の一般市民を巻き込んだ煉獄の化身・迦具都玄示。そして、そのダモクレスダウンを食い止めようと決死の覚悟で立ち向かう先代青の王・羽張迅。二人の壮絶な戦いをその胸に焼き付けてください。
・Episode3「SIDE:GREEN ~上書き世界~」
シリーズ第3弾となるこちらは、緑のクラン創生秘話を綴った公式ノベライズ『K SIDE:GREEN』が元になった作品です。
利用者に異能を与えるとして若者の間で広まりつつあったSNSアプリ《jungle》を活用し、あっという間にUランカーまで上り詰めた五條スクナ。支配的な両親に嫌気がさし自由を求めて家を出た彼はあるとき、アプリの創始者である緑の王・比水流と接触します。
そこで語られた比水の夢に興味を惹かれたスクナは王に直接会う権利を得るため、自分より遥かに強いJランカーの御芍神紫に戦いを挑みますが……? 気になる結果は是非ご自身でお確かめください。
・Episode4「Lost Small World ~檻の向こうに~」
第4弾の題材となったのは小説や漫画などでも人気を博したスピンオフ作品『K -Lost Small World-』です。
二人が決別するずっと前。孤独を感じていた中学時代の八田美咲は自分よりも賢く冷静な一匹狼の同級生・伏見猿比古のことが気になっていました。そして伏見もまた、自分にはない明るさと純粋さを持つ八田に少しずつ惹かれ始めます。
性格も何もかもが正反対だからこそ互いに足りない部分を補い合い、二人だったらなんでも出来る、どんなことだって立ち向かえると無敵感に包まれていた八田と伏見は、やがてドレスデン石盤の力が蠢く異能の世界へと足を踏み入れます。
圧倒的な王の力を目の当たりにして、それぞれに表れた心境の変化。『小さな世界』が壊れたとき未熟な二人は何を思うのか、是非その目で見届けてください。
・Episode5「メモリー・オブ・レッド ~BURN~」
シリーズ第5弾となるこちらの『メモリー・オブ・レッド』は公式コミカライズの内容を取り上げたものになります。関連書籍・漫画編でもご紹介しましたが、この作品は赤のクラン《吠舞羅》をメインに扱っており、物語の終盤には1期の引き金となった十束多々良殺害事件についても触れています。
そもそも十束は何故あの時間にビルの屋上へと向かったのか――。季節は12月初めのころ、吠舞羅の面々は櫛名アンナの誕生日のための準備を始めていました。どんなプレゼントがいいか話し合う中で十束は、色覚障害で赤色以外を認識できないアンナのために赤い光が灯る夜景を贈ろうと思いつきます。
一方、その裏で密かに第七王権者として目覚め、自身の異能に飲み込まれそうになっていた無色の王は比水に唆され、七王の一角を崩そうと動き出していました。
『K SIDE:RED』や『K 赤の王国』などの要素も取り入れ、赤のクランの幸福な日常を悲しくも美しく描きます。これを観たら自ずと一期を再生したくなるはず。K始まりの物語を是非ご覧ください。
・Episode6「Circle Vision ~Nameless Song~」
シリーズラストを飾るのは待ちに待ったKの完全新作、その名も『Circle Vision』です。
Kの中で生きるキャラクター達がエンドロールが流れないよう必死に戦った物語が二期だとしたら、この映画はまさにカーテンコールと呼ぶに相応しい作品でしょう。
今まで彼らは自分の大切な居場所を守るために争ってきました。相手を認めているからこそ容赦なく拳を交えたり、ときには互いの手を取り合ったり。こうして紡がれてきた絆があるわけですが、それぞれが己の正義を振りかざす以上、断ち切れてしまった繋がりも存在します。
心から慕っていた人や友人を亡くした悲しみの果てに、かつての共に過ごした平穏な日々を懐かしく思ったのかもしれません。その時の、ささやかな祈りが傷ついた彼らに哀惜の光景をもたらします。
Kが全てのファンに送る幕引きのストーリー。本編のその後を是非最後までお楽しみください。
・各エピソード同時上映 アイドルK
最初にお話しました通り、『K SEVEN STORIES』は7つの物語を全国の劇場で6ヶ月間連続公開されてきたわけですが、これを聞いて「ん?🤔」と少し引っかかった人がいるのではないでしょうか。
それもそのはず。7つの物語とは6作ある各エピソードと同時上映『アイドルK』を含めた数だったのです。
二期放映記念の盛り上げ企画としてスタートし、書籍化やショートストーリー。さらにライブ、謎解きゲームにまで派生したアイドルK初の映像作品。
弱小芸能事務所に所属するシロが自身の企画したお米のチャリティイベントに有名トップアイドルを起用しようと翻弄するストーリーとなっています。
そしてイベント開催時には、シロ選りすぐりのメンバーがここでしか聞けない幻のオリジナルソング『Kiss!Kiss!Kiss!』をお披露目。皆さんに最高の歌とダンスをお届けします!
…………さて、ここまでいかがでしたか?
「Kってこんなにあるの?!」と驚いている人がほとんどではないでしょうか。中には「やっと終わりか……」と安心した人もいるかもしれません。
ですがここで記事の冒頭を思い出してください。
ご覧の通り、Kは2022年に10周年を迎えました。これを記念して原作者集団GoRAが開設した公式noteでは書き下ろしの新規ストーリーが掲載されているんです!
次の章では公式noteに掲載・連載されている作品をご紹介します。
◇公式note
ご覧の通り、Kは2022年に10周年を迎えました。これを記念して原作者集団GoRAが開設した公式noteでは書き下ろしの公式新規ストーリーが掲載されているんです!
というわけでこの章では公式noteに掲載・連載されている作品をご紹介しようと思うのですが、エピソードによっては『K 10th ANNIVERSARY PROJECT』マガジンの停止に伴い、購読者以外は有料部分の先を読むことができないため予めご了承ください。
※公式の方でシリーズ毎にマガジンが作成されていますが、追加されていないエピソードが何話かあったので個人的にまとめてたマガジンを貼ってます!
・KFCN2期 リクエストミニエピソード
こちらは、かつてキングレコードが主体で運営していたKの公式ファンクラブ『K FAN CLAN』および『K KAN CLAN NEXT』内で配信されていたコンテンツの一つ。ファンから寄せられたリクエストを元に原作者が書き下ろし掌編をまとめたものなります。
ファンクラン終了後はGoRA公式noteにて有料マガジンとして公開されているため、残念ながらマガジン購入者以外は現在読むことが出来ない状況です。しかし、同じくnoteで公開されていた1期エピソード分が電子書籍化されたため、こちらの2期分もいずれは誰でも読めるようになるかもしれません。
・KFCN イラストミニエピソード
こちらもKFCNのコンテンツの一つ。今までに描かれてきたポスターなどの版権イラストに原作者がミニエピソードを添えたものになります。メディアミックスが膨大なだけあって版権イラストも結構な量があるのですが、ここで取り上げられているものは数ある中でも個性的なものばかりになります。
タイトルから元のイラストが気になった人はお近くのKクラに聞いてみてください。きっと教えてくれます。
・K ビフォアゼロ
上二つに引き続き、KFCN内で公開されていたコンテンツになります。こちらはKを語る上で外せない大災害・迦具都事件に繋がるエピソードを描いた中編小説であり、本編より苛烈で血生臭い赤と青のクランの闘いの様子をお楽しみいただけます。
K7S Episode2「SIDE:BLUE ~天狼の如く~」で先代青の王・羽張迅や彼が率いていた当時のセプター4が気になった人、そして先代赤のクランについて知りたい人はマガジンが再開されたら是非お読みください!
・K SIDE:PURPLE
このタイトルの形式からなにか気付いた人もいるのではないでしょうか?
過去にSIDE:◯◯とつけられたシリーズではそのクランの成り立ちや過去について描かれてきましたが、KFCNでこちらの連載されていた『K SIDE:PURPLE』は緑のクランズマン・御芍神紫の生い立ちから少年時代に焦点を当てた作品となっています。本編の美しい御芍神とは少し違う、まだ初々しさの残る姿は必見です。
・限定王権戦記
こちらはKFCNの終了に伴い、会期延長期間中の間に配信されたコンテンツになります。
今までに各クランの過去や前日譚を描いてきたKですが、未だ公開されていないエピソードがあることにお気付きでしょうか。そう、この記事でも何度か取り上げている迦具都事件についてです。
2015年の時点でタイトルが『グラウンド・ゼロ』であることは明かされていたのですが、Kの根幹ともいえる出来事なだけにその全容は謎に包まれたまま。
先にご紹介した『K ビフォア・ゼロ』まだ世に出ていないエピソードの前日譚なわけですが、『限定王権戦記』と名付けられたこのシリーズは、まだ世に出ていないエピソードの前日譚のさらにそのスピンオフ作品になります。(え?!)
迦具都と羽張が熾烈な争いを繰り広げるその渦中でクランズマン達は一体何を思うのか。途中まで読めますので是非覗いてみてください。
・HOMRA in Las Vegas
こちらは10周年を祝した書き下ろしストーリーの第一弾。小説編でもご紹介した青の事件簿の同時期に起きた赤のクラン《吠舞羅》の海外旅行の様子が描かれています。
『K SIDE:RED』でも登場した狂気の科学者・御槌が技術も性能もパワーアップして帰ってきます! さらに迦具都を妄執する先代赤のクランズマンも登場して吠舞羅の楽しい旅路は一転、ラスベガスを舞台に派手な戦闘を繰り広げます。
カジノあり、メカあり! 何でもありの大騒動をお楽しみください。
・グラウンド・ゼロ fragments
K史上最大の災害である迦具都事件の時代を様々な角度から描いた作品です。内容としてはダモクレスダウンがもたらした被害の規模(文章だけど被災のシーンがリアルだから苦手な人は気を付けてね!!!)や、血も涙もない殺し合いで両親を亡くした子供の決意。さらに迦具都事件に巻き込まれ消息不明となった第六王権者・灰色の王についてなどシリアスな話が揃っています。
・K One Year Later
こちらはK2期の最終回から1年後のキャラクター達を描いたシリーズになります。世界の改変を目指し、緑のクラン《jungle》が引き起こした事件を機に変わってしまった日常の中で生きる彼らの様子をご覧ください。
・K SIDE:GOLD
このタイトルでピンときた人は立派なKクラです!
当シリーズはドイツで発見されたドレスデン石盤を日本に持ち込んだ國常路大覚についての物語となっており、なんと初代王権者が全員登場するんです。
K公式noteの中で現在も連載中であり、投稿済みの話に関しては有料部分が設けられていますが次回更新分については全体公開されるとのことでしたので、そのときはK10周年作品となる激動と緊迫の戦後活劇を共にお楽しみいただければ幸いです。
◇最後に
ここまでお付き合いくださり本当にありがとうございました! 大人気アニメKの魅力が少しでも皆さんに伝わったでしょうか。
本編や関連書籍についてのまとめてきましたが、まだまだ紹介しきれていないコンテンツ(舞台KやK検定、Kジュエリーなど)もありますので興味があったらそちらもご覧ください!
それでは今後とも
大人気アニメKをよろしくお願いします!!!