ひとり旅③
終わってしまった。
私が会場に入った頃には、満員のお客さんが今か今かとライブを待っていた。
お一人様の私は一番後ろのカウンター席に座った。
ライブが始まる前、Mooneyさんは集まったお客さんと談笑中だった。私が座っていたカウンターはお酒売り場のすぐ横。そして通路の脇だったので、お客さんだけでなく出演者もライブが始まるまであっちに行ったりこっちに行ったり。ライブ後は会えるかどうか分からないから、通りがかったMooneyさんに今がチャンス!と思い切って話しかけた。
あんなに1年間にいくつも(多分三桁に届く数かも)ライブをしているのに去年の浅草のこと、息子のことをしっかり覚えてくれた。用意していたお土産も手渡すことができた。
ライブが始まった。
1stセットはBBBB。Black Bottom Brass Bandだ。
聖者の行進で客席を練り歩いて、ステージに到着。
関西弁で漫才のようなMCをしながら、時にはファンキーに、時にはお祭りの盆踊り調に、そして最後はIko Iko。
日本の盆踊りはニューオリンズのパレードに通じていると私は思う。
そんなBBBBが終わって、次はMooney with his Lucky Rhythm。
私が好きで好きで、好きで過ぎてたまらない、毎日毎日ウォークマンで聴き続けているMooney with his Lucky Rhythmの演奏がが目の前で始まった。
その瞬間から鳥肌と笑いと嬉しさと涙と感動が一気に押し寄せた!
そう!これだ!この「おーい、みんなー、やっちまえーーー」と聞こえてきそうな、やりたい放題の盛り上がり。こんなにやりたい放題でガンガンの勢い。風がビュービュー吹いてくる感じが大好きだ。
ほとんどMCはなかった。(お客さんが「早くやれー」とか愛ある野次を飛ばすので)30秒程、曲名と簡単な歌詞の説明で次の曲に入った。そんな短いMCの中での一言、「3年ぶりにLucky Rhythmが集まりました。」とその言葉、なんだかじーんと胸に沁みました。お客さん、Mooneyさん自身が今日という日を待ちわびていたのだと思う。
もう熱狂し過ぎて、次から次へと感動し過ぎて、曲名は聞こえないし、そんなことはどうでもいいではないか!と思えた。このライブのこと、私の興奮は到底文字では伝えられない。音に感動するというのか、ゾクゾクして鳥肌が立つというのは、こういうことなのかと思った。
Wallerのこの曲
大好きなMooneyさんの歌声と日本語詞
ステージからBlack Bottom Brass Bandを呼んで、2バンドが一緒に演奏。トランペット2本、サックス2本、トロンボーン1本だけでもスゴイ音圧なのに、それにスーザホン、ベース、ピアノ、ドラム、スネアドラム、大太鼓、そしてギターと豪華編成!その中でもベストはこの曲。
しっかりコール&レスポンスで、会場は熱狂!
Minnie the moocherはMinnieの恋物語をMooney さんの日本語詞で聴かせてくれた。最後はしっかり「落ち」がついていたよ。
そしてアンコール最後は
この曲
最初から最後までMooneyさん節を貫いたライブだった。
ライブが終わり、ミュージシャンの皆さんの通り道にある私の席。もちろんMooneyさんも来られて、大興奮の私は鼻の穴大きくフガフガ言いながら話かけた。すごい形相で、さぞ怖かっただろう・・・(笑)色々な話を盛りだくさん、手短に話して再会を約束した。