ニンジャスレイヤーTRPG第2版シナリオ集『AOSニチョームキャンペイグン』第5話『レイド・オブ・ニチョーム』
この記事はニンジャスレイヤーTRPG第2版においてのロングキャンペーンシナリオの第5話となります。各種データ等はDHTLS公式の定めるガイドライン内において、自由に使用・改変していただいて構いません。データには多分にプラグインデータおよびデータ実験場のβ段階のデータが含まれるため、NMおよび参加者はTRPGメンバーシップへの加入を推奨します。
なおキャンペイグンのまとめページはこちら
この記事では以下の素材集の立ち絵を使用させていただいています
◆シナリオサマリー◆
◆シナリオ本編◆
◆レイド・オブ・ニチョーム◆
その日、ニチョームは騒然となった。
「スッゾ!」「ザッケンナコラー!」「ソマシャッテオラー!スッゾオラー!!!」「ワドルナッケングラー!!アーッ!?」
低血圧オイランめいた、朝のけだるい雰囲気をヤクザスラングが切り裂く。早朝のニチョーム周辺にいきなり多数のヤクザビークル乗りつけ、これを包囲する行為に出たのである。動員されたクローンヤクザは数百を超え、ニチョーム住人といくらか残っていた観光客などは完全に内部に閉じ込められてしまった。
ニチョーム周辺にもヤクザクランはあり、そういった抗争やヒョットコの襲撃などは別段今までなかったことではない。しかしながら、この規模は前代未聞だ。あきらかにヤクザクランひとつやふたつといった規模ではない。本来ならばこれの対応に当たるべきNSPDやハイデッカーも見て見ぬふりだ。
しかしながら、未だ攻撃してくるそぶりはなく、全方位でニチョーム自警団とにらみ合いが続いている状況。
「クソ、やつら一体何のつもりだ? これがタダの脅しでおわるわけがない。何たくらんでやがる」
「でも、こちらから攻撃するわけには……」
ニチョーム自警団のヤクザバウンサーテガタとヤモトが応急的に設置された簡易バリケードの陰から包囲ヤクザをのぞき込みつつ言う。あなたたちはニチョーム正面のゼン・トランス周辺にヤモト・テガタと共に展開していた。
あくまでニチョーム自警団は私的なパトロール組織の扱いであり、警察ではないためこちらから攻撃することはできない。正当防衛の建前が必要であるのだ。ほかの場所でも、タギザワやニチョームニンジャ、元ソウカイヤ勢、コス・プレイ者、重サイバネ偏愛者、ローグハッカー、賞金稼ぎ、アニメボーイ、パンクス、電子戦争退役軍人などの中での志願者が武装し守備に当たっている。
既にニチョームにはいくらか備えはあり、モータルには救急キット。ニンジャにはスシが持たされた。
<<とにかくまだどこでも動きがない。ヤモト=サン、大変な状況を任せるようですまないけれどそこはテガタ=さんたちと協力して警戒して>>
<<やっと、住民や観光客の安全な建物への避難が完了した。医薬品やら何やらもかき集めてるが……>>
<<IRC上でも検閲や報道管制が敷かれているようね。ニチョーム近辺の住人以外はこのことに全く触れていない。やつら、完全にこれを黙殺するつもりだわ>>
「うん……! ザクロ=サンたちも気を付けて……」
ザクロはいまだダメージが深く、戦線には出られないものの既に車いすに乗ってニチョーム自治会詰め所のIRCその他、古い町内アナウンス設備を使い各防衛線の歩調をと合わせるべく、キリシマ、ナンシーらと後方支援を行っている。
「……まって、だれか出てくる。クローンヤクザじゃない……!」
と、ニチョーム正面のヤクザリムジンから何者かが現れる。ヤモトが指さした。
「……はい。わかりました。すぐはじめます。しかしプランBなんぞ用意しなくても、ニチョームなんぞヨルジ=サンの手を煩わすまでもありませんぜ」
携帯IRC端末で話をしながらリムジンから出てきたのは、決断的に死とショドーされた鉢巻のニンジャ。
「フゥ―ッ、ではオイランども、おとなしくまっておれ。この俺がすぐにニチョームなんぞ平にして帰ってくるからな。このソウカイ・シックスゲイツ最強の男である俺の手にかかればニンジャマジックで10分もかからん!」
そして、過激なPVC装束オイランを両手に抱え出てくる、ジュー・ウェアのニンジャ。
「ドーモ、ブレード・オブ・シックスゲイツ。デッドラインです」
「ドーモ、フィスト・オブ・シックスゲイツ。アイアンフィストです」
その二人のニンジャは、ニチョームに向けて尊大にオジギした
「ニチョームのクズ住人どもに告ぐ! この土地はヨルジ=サンの所望により、オイランパレスに転用される予定だ!今ならば寛大なヨルジ=サンは土地をビル一つにつき万札5で買い上げるそうだ! 貴様らのネズミの巣めいた小汚い雑居ビルをだぞ!そしてニチョームに暮らすニンジャどもは全員、ケジメの後、我々ソウカイヤの指示に従ってもらう。わかったか?これは最後通牒であり、無視するならニチョームは無慈悲にネコソギされるだろう!!!」
拡声器でアイアンフィストが、叫び始める。ほかの戦線でも同様の通告が行われているようで、あなた達のニンジャ聴覚にそのような声が聞こえた。
「ただし! ネザークイーンとかいうお山の大将気取りのニンジャ、ニチョーム自治会長キリシマはケジメの後セプクだ! おっと、ネザークイーン=サンはもうケジメする指どころか腕がなかったのだったな!」
「ワッハハハハハハハハハ!!!クローンヤクザども!お前らも笑え!」
「「「「「「「「ワハハハハハハハハハ」」」」」」」」
アイアンフィストとデッドラインは侮蔑的な笑みを浮かべ笑う。何たる挑発か……!
「野郎、ふざけやがって……!」
怒り心頭のテガタがショットガンを握りしめる。ヤモトも、カタナの柄に手をかけた。今にも飛び出して攻撃を加えたい衝動を抑え、待ち続ける。そして……
「……返答なし! 我々の慈悲深い申し出を無視したとみなす! ならばミナゴロシだ! クローンヤクザども! 前進せよ!」
「「「「「「「「ザッケンナコラー!!!!!」」」」」」」」
「来るぞ!!!!!」
戦端が開かれた!
◆ヤモト・コキ: ニチョームの守護者(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 14
ニューロン 7 精神力 15
ワザマエ 10 脚力 5/N
ジツ 6 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 7/10/7/7
回避/精密/側転/発動 11/11/10/13
◇装備や特記事項
ウバステ: 【精神力】+1、『近接攻撃ダイス+1』のカタナとみなす(反映済み)
ニンジャ存在感のオーラ(標準的)体力+2、精神力+1、回避ダイス+1、
緊急回避ダイス+4、脚部ダメージ-1
『●連射2』、『◉◉タツジン・イアイドー』、『◉◉グレーター級ソウルの力』、
『◉◉アーチ級ソウルの力』、『★◉オリガミ・ミサイル』、『★◉オリガミ・フェニックス』、
『☆カラテミサイルLV3』、『★ラピッド・カラテミサイル』、
『★グレーター・カラテミサイル』、『★サクラ・エンハンスメント』、
『★★カラテ・エンハンスメント』、『◉グレーター・ツジギリ』、
『◉ヒサツ・ワザ:ムーンシャドウ』、『☆◉ニンジャ存在感のオーラ』
『★サクラ・エンハンスメント』
通常のカラテバリアの効果に加えて、武器による近接攻撃の対象になった際、精神力を1消費することによって、その近接攻撃の難易度を+1する。
前回と同じデータの強化ヤモト。オリガミ・ミサイル、オリガミ・フェニックスなどは基本データのヤモトを参照のこと
クローンヤクザY-13型
以下の基本データを参照のこと。
デッドライン、アイアンフィスト
基本的には以下の通りだが
『●慢心と堕落』
このニンジャは実力に見合わぬ権力を手に入れ、完全に堕落してカラテを鈍らせてしまった。そのためワザ、サツバツ、ナムアミダブツを発生させられない。
を追加する。
NM向け戦闘指針・ロールプレイ情報
◆ヨルジ登場◆
あなた達が攻め寄せてくるクローンヤクザ軍団を撃退したのもつかの間。
ひときわ豪奢な造りのゴールデン・ヤクザリムジンがほかのヤクザリムジンを蹴散らすようにしながら走りこんでくる。威圧的にニチョーム前に停車したその中から現れたのは
「ハァーッ……結局俺がクズためまで来なきゃならねえ。アイアンフィスト=サンとデッドライン=サンは口だけだったが、ここまで使えんとは」
……ラオモト・ヨルジ!
「ドーモ、ドーモ、ニチョームのカスの皆さん。俺はもう誰か知ってンだろ? 名乗れよ。」
あなた達のアイサツを受け、ヨルジはぼりぼりとぶしつけに頭を掻き。
「ドーモ、ホワイトドラゴンです」
そう名乗るのだ。
「これがニンジャソウルの影響ってやつかよ。てめぇらなんぞにアイサツしたくねえんだが、反射的にアイサツしちまったぜ。ま、そのうちなれるだろ。練習がてら、いまからお前らをブッ殺すんだが……」
「俺は別に自分とかこの手術でチョチョイと移植できるチンケなニンジャソウルとやらを過大評価してなくてなァ。ちょいと準備に時間がかかったが。面白いモンを仕入れてきた。ディスエイブラー=サン。あれを出せ」
「ハイヨロコンデー!」
車から少し遅れて出てきたのはディスエイブラーと呼ばれた巨躯のニンジャ。その背には異様な棺桶が背負われており……
「キョムー」
そこから煙めいて現れたのはユーレイめいた灰色のローブを目深にかぶった見るからに不吉なアンデッドニンジャ!ネガティブカラテの力で空中をフラフラと漂うそれからはハカバの匂いがする……!
「ドーモ、ディスエイブラーです。そして代わりにアイサツするがこいつはスペクター=サン」
巨躯のニンジャはくちゃくちゃと何かを噛み、血のようなものを口から垂らしながらアイサツした。
「さぁて、もう準備運動は済んだろ? こちとらさっさとてめえらを殺して、適当な生き残りとビズの話をしてえ。世間様に納得をしてもらう手前、ハンコやら押すやつがいるからなァ……ま、その後殺すが」
……と、ふいに『ゼン・トランス』の中層階から声。
「ニチョームをナメやがって!ボリューム上げようじゃないか!」「ヨロコンデー」
翁がタタミのダイヤルを回すと、ストリート中のスピーカーから重テクノBGMが響いた!ズンズンズンズズズンズンズンズズ!
「イヨォー!」
翁が撥を構え、人力ミニマルテクノめいたリズムを刻みだす。
「ハッ!ハッ!ハッ!」「ヤッター!ヤッター!」
ヤリテ・バーバも合いの手を入れながら激しく弦を弾く!ベケベンベンベン!ベケベンベンベン!
「ハッ!」
ヨルジはそれをいぶかし気に睨みながら、ぶっきらぼうにあなたたちに向けて歩き出す!
◆ヤモト・コキ: ニチョームの守護者(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 14
ニューロン 7 精神力 15
ワザマエ 10 脚力 5/N
ジツ 6 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 7/10/7/7
回避/精密/側転/発動 11/11/10/13
◇装備や特記事項
ウバステ: 【精神力】+1、『近接攻撃ダイス+1』のカタナとみなす(反映済み)
ニンジャ存在感のオーラ(標準的)体力+2、精神力+1、回避ダイス+1、
緊急回避ダイス+4、脚部ダメージ-1
『●連射2』、『◉◉タツジン・イアイドー』、『◉◉グレーター級ソウルの力』、
『◉◉アーチ級ソウルの力』、『★◉オリガミ・ミサイル』、『★◉オリガミ・フェニックス』、
『☆カラテミサイルLV3』、『★ラピッド・カラテミサイル』、
『★グレーター・カラテミサイル』、『★サクラ・エンハンスメント』、
『★★カラテ・エンハンスメント』、『◉グレーター・ツジギリ』、
『◉ヒサツ・ワザ:ムーンシャドウ』、『☆◉ニンジャ存在感のオーラ』
『★サクラ・エンハンスメント』
通常のカラテバリアの効果に加えて、武器による近接攻撃の対象になった際、精神力を1消費することによって、その近接攻撃の難易度を+1する。
強化ヤモト。オリガミ・ミサイル、オリガミ・フェニックスなどは基本データのヤモトを参照のこと。より原作よりにするなら、タツジン:イアイドーをタツジン:二刀流に変更しさらにウバステの代わりにナンバンとカロウシを持たせると良い。
◆ホワイトドラゴン(ラオモト・ヨルジ)(種別:ニンジャ)
カラテ 10 体力 22
ニューロン 13 精神力 23
ワザマエ 10 脚力 5/N
ジツ 7 万札 150
攻撃/射撃/機先/電脳 13/13/13/13
回避/精密/側転/発動 13/13/10/24
◇装備や特記事項
ヨルジ専用オノミチ・カスタム
ダメージ1+痛打1 射撃難易度NORMAL 連射3 時間差・マルチ可
この銃器を使用した射撃攻撃のみダイス+2
濃縮トロ粉末(精神力を4回復)
高級ヤクザスーツ(伝統的礼装)悪趣味なアクセサリー(ブードゥー)
☆コリ・ジツLV3 ☆◉冷気の収束 ☆◉冷気の残留
★コリ・ストーム ★★トゥララ・オブ・デス ★★コリ・ブラスト
★★★冷気の化身 ★◉ヒサツ・ワザ:コリ・ブラスト注ぎ込み
◉ニンジャソウルの闇×3 ☆◉ダーク・カラテ・エンハンスメント
◉邪悪なサディスト ◉頑強なる肉体
◉◉グレーター級ソウルの力 ◉◉アーチ級ソウルの力
●実家のカネ ●ピンハネ ●レッサー・ソンケイ ●即死耐性 ●不如帰
★★★トゥララ・ニンジャのソウル
このニンジャはコリ・ニンジャクランのアーチであり開祖コリ・ニンジャからその座を奪った
トゥララ・ニンジャのソウルを宿している。そのためコリ・ジツ系統のソウルを持つニンジャは
このニンジャに対する近接・射撃・ジツ発動ダイスが7-PCのジツ値となる
(例えばジツ値4なら7-4=3でマイナス3ダイスとなる)またこのニンジャは
★★★冷気の化身を1ターン目から使用でき、回避ダイス・精神コストを無視する。
『●不如帰』:このニンジャは不退転の決意を固めており、多対一の戦闘の中でも、
獅子奮迅の戦いぶりを見せる。 単独で2体以上のPCを相手に戦っている限り、このボスNPCは
1ターン中に2回の手番を得る。『一騎討ち』ルールと同様に、本来のイニシアチブ値で
1回目の手番が、イニシアチブ値の1/2で2回目の手番が回ってくるが、例外として、
直前の手番と同じ行動種別は選べず、同じターゲットも選べない。なお、ここでいう行動種別とは
「近接攻撃」「射撃」「ジツの使用」「その他の行動」である。
「同じジツ、同じスタイル、同じ轢殺攻撃は連続使用できない。
このとき、スタイル宣言なし、もスタイルの一種とみなす
(つまりスタイル宣言なしの近接攻撃を2回連続では行えない
キャラ付けの一環として大量の万札を持っているが倒しても特にドロップしない。ピンハネやレッサー・ソンケイ、実家のカネも同様。コリ・ジツ系統は以下を参照。
ディスエイブラーのデータは以下を参照。ただしムテキLV3およびイタミ吸収の構えは以下のスキルに差し替える(あまりにも固すぎるためそのまま出すと強すぎ、ないし時間がかかりすぎるため)
◆スペクター(種別:ニンジャ/ズンビーニンジャ)
カラテ ? 体力 ?
ニューロン ? 精神力 ?
ワザマエ ? 脚力 8
ジツ ? 万札 0
攻撃/射撃/機先/電脳 ?/?/14/?
回避/精密/側転/発動 8/?/?/?
◇装備や特記事項
●ズンビーニンジャ
★半幽体
このニンジャはほとんど実体がなく、常に8マスの飛行移動を行う。
無属性含むエンハンスもしくは各種属性ダメージ以外のダメージを無効化するが、
近接攻撃/射撃攻撃/自発的なジツ発動を行えない。
★★カラテドレイン
常時発動。轢殺攻撃5を得る。この轢殺はダメージ0だが回避UHであり、
回避できなかった場合、カラテ/ニューロン/ワザマエにそれぞれ1ダメージ。
スペクターは基本的に無敵のギミック存在である。PCたちがなんとかこれを倒そうとしている場合は、それを告げてしまってよい。もしPCたちが属性ダメージをスペクターに与えた場合はボーナスとしてPCたちに対する轢殺攻撃を次のターン行わなくても良い。(ヤモトに対する轢殺イベントは発生させること)
◆戦闘中イベント集◆
ディスイブラ―にヨルジが隣接した状態で狙われた場合、ディスエイブラーを盾にする
「チッ……」
ヨルジは自身が攻撃対象となると、とっさにディスエイブラーの首に巻かれた鎖を犬のリードめいて引っ張る!
「イイーッ!!!!!」
なんということか! ヨルジはディスエイブラーを盾にしたのだ!
ヨルジへの攻撃をディスエイブラーが引き受けた!
「イタミニンジャ・クランだとかいうから弾避けに連れてきたがよォ……気色悪ィなこいつ……まぁいい、在庫処分だ」
「イイーッ!!!」
ディスエイブラー恍惚!
スペクターの手番・ネガティブカラテ
「……キョムー……」
「ンアッ……ア……アイエエエ……」
スペクターの攻撃を受けたヤモトは、恐怖ともつかない声をあげた。冷たい喪失。体の中の力が失われる。ウバステを持っていることすらできない。これはいったい。
「カラテ・ドレインだ。こいつはカラテを吸う」
ディスエイブラーはヤモトの悲鳴を聞き、満足そうに笑いながらガムめいて噛んでいた剃刀を吐き出した
「オマエのカラテ段位は永遠に失われた」
◆スペクター2回目の手番・ネガティブカラテ2
「っ……く……!」
再びのネガティブカラテ。ヤモトは再び体の力を奪われ、おもわずウバステを杖のようにして膝をつく……!
「ヤモト=サン!クソ!」
未だかろうじて戦闘継続していたテガタが『カニ鍋ないです』のネオン看板の影からヨルジに向けてヤバレカバレめいてショットガンを乱射しながら、声をかける。助けに来ようとしているようだが……その時だ!
「ヤモト=サン!」「ウォーッ!!!」
と、ふいに声!絵馴染の向かいにある真剣味のゲイマイコ!キマリテのスモトリ料理人!
「なんだァ……?」
ヨルジは半ばめんどくさそうに冷気を纏った手をそれらに向ける!
「チッ、ゴミムシめいてくっついてきやがって……!」
「スッゾ!」
あなた達の妨害によってヨルジのジツは寸でのところでゲイマイコとスモトリ殺傷を免れる! しかし、生き残りクローンヤクザが銃撃!
「グワーッ!」「ヤモト=サン、イソイデ!」
スモトリ被弾!しかしながら、タフネスを生かし何とかヤモトを担ぎ上げる!
(……あ、アタイが。アタイがみんなを。ううん、ザクロ=サンがいない今、なんとか。アタイがしないと……!)
ヤモトはニチョーム住人の手によって、一時戦線離脱!
◆3T目開始時・強化ヤモト登場・スペクター爆発四散
「イヤーッ!」
と、ふいに声。ゼン・トランス頂上。黒い太陽を背後に……いや、あれは……おお、ゴウランガ! 太陽ではない。空間がゆがみ現れた日食めいた門……超自然の力が際限なくあふれ出す! それを背に立つのはヤモト! その愛刀ウバステにはキリングオーラめいて桜色の光が宿っている!
「アタイがやるんだ……ザクロ=サンの代わりに……! カラテがなくなっても、アタイはアタイで……私のエゴがお前を殺す」
「キョムー……!」
その光景まるでゼン・トランスを幹とした巨大な桜の樹めいて……!
恐るべきスペクターは、まるで日光を恐れる吸血鬼めいて手をかざしその桜色の光を嫌がった!
「力を貸せ!シ・ニンジャ! 『おまえはアタイ』なんだろ! なら『アタイはおまえ』だッ!」
ヤモトが飛ぶ!スペクターが逃げ出した!しかし!
「……ホロウ、ナッシン、エンター、サツバツ、ホロウ、ナッシン、エンター、サツバツ、ホロウ、ナッシン、エンター、サツバツ、ホロウ、ホロウ、ホロウ、ナッシン!……」
翁はショッギョ・ムッジョの即興詩を歌い続ける!ヤリテ・バーバも絶好調だ! ニチョーム! 聞いているか!
「アバーッ!!! サヨナラ!!!!」
スペクターはサクラ・エンハンスメント・イアイを受け……
爆 発 四 散!
あなたたちの失われたカラテ・ニューロン・ワザマエが戻った!
「あとはオマエ一人だ! ラオモト・ヨルジ……もう、誰も殺させはしない……!」
ヤモトは超自然の光を目に宿しながら、ウバステを構えヨルジをにらみつけた。
「……オイ、話が違うじゃねえかよ。あのくせえオバケはカラテで殺せねえんじゃなかったのか……ア? まぁいい、別段、あれだけがオモチャじゃねえ。ヘータイはいくらでもいるんだよ……!」
しかし、ヨルジはそれに興味を示さず唾を吐き捨てる。その後ろからはクローンヤクザ!無数! ヤモトはとっさにその中に切り込んでいく!
「クローンヤクザはアタイが抑える!みんなはヨルジを!」
NM向け戦闘指針・ロールプレイ情報
◆ 戦闘終了 ◆
「オゴーッ!!! ゴボッ! ゴホッ!!! クソが……!」
あなた達の攻撃を受けたヨルジが、吹き飛びゴールデン・ヤクザリムジンに叩きつけられる。そのまま立ち上がれず、ドゲザめいてその場に頽れた。
「てめえら……おぼえていろよ……オシマイなんだ。俺を怒らせた。ニチョームは消えてなくなる。すぐに! デストロイヤー=サン。やるんだ、俺が許可する! 四の五の言わずにやれ!」
そのまま、運転席で待機していたクローンヤクザを蹴りだすと、自らハンドルを握りゴールデン・ヤクザリムジンは急発進。あっという間にヨルジはニチョームから逃げていく。
「……逃げて行った?」
ヤモトは肩で息をしながら、ウバステを鞘に戻しかけた。その時だ。
ニチョーム上空。重金属酸性雨をもたらす重苦しい雲を切り裂きながら、戦闘機が姿を現す。あなた達のニンジャ動体視力は、その翼に『天下』そしてソウカイヤの『クロスカタナ』紋が刻まれているのを確かに見て取った。
「コーッ。シュコー。ドーモ、デストロイヤーです」
あなた達が気づきアイサツを返す返さぬに関わらず、トリガーを引く。ガコン、ミサイル発射!
「いけッ……!」
ヤモトは超自然の蝶を操り迎撃!
KABOOOOOM!!!
ニチョーム上空でミサイル炸裂!しかし!
「バカめ!ミサイルなどいくらでもあるわ!」
シューッ!
その爆炎を切り裂き、さらに2本のミサイル現出!
PCは射撃判定(使用可能であれば論理トリガ・射撃系ジツ可)UH2を行え!
待て!いや!その時だ!
「イィィィィイィィヤァーーーーーーーッ!!!!!!!!」
カラテシャウトと共に、漆黒の影が飛び出した!
「ドーモ、サツバツナイトです……!」
漆黒のニンジャ装束を纏い、殺/伐のまがまがしい漢字が刻まれたメンポのニンジャは、高く跳躍し、ロデオめいてミサイルに飛び乗ったのである!
そして!
「イィィィィイィィヤァーーーーーーーッ!!!!!!!!」
カラテシャウトと共に、漆黒の影が飛び出した!
「ドーモ、イエモトドラゴンです……!」
漆黒のニンジャ装束を纏い、家/元の雅な漢字が刻まれたメンポのニンジャ。その胸は豊満であった。同じく高く跳躍し、ロデオめいてミサイルに飛び乗ったのである!
「「イヤーッ!!!」」
2人はミサイルにIRCボルト弾を直接拳で打ち込む!
ハッカーであれば、それに対して間髪入れずYCNANのハッキングが行われたことがわかっただろう。そしてサツバツナイト、イエモトドラゴンはサーフィンのように直立し、足で巧みに姿勢制御!
「コーッ!シュコーッ!コーッ!シュコーッ!アイエエエエエエエ!アイエエエエエ!」
デストロイヤーはミサイルをぶつけられニチョーム上空で
爆 発 四 散 !
「良かった……ニチョームは……守られたんだ……」
ヤモトは遥か上空を見上げながら、そう呟いた。目が霞む。限界だ。ヤモトは緊張の糸が切れたかのように、ふらりと背後に倒れる……
ヤモトは疲れ果て、すうすうと寝息を立てている。ニチョーム全体のイクサの音も聞こえない……どうやら、敵は完全撤退したようだ。我々はニチョームを守り切ったのだ
◆ 2日後 絵馴染 ◆
「夜のオイランニュースです」
TV画面では蛍光サイバーグラスをかけたオイラン・ニュースキャスターが、着物の前をさりげなく開き、左肩から胸までを露出させて淡々と原稿を読み上げる。
「先日、ネオカブキチョのニチョーム・ストリートで発生した、ヤクザクラン同士の血で血を洗う抗争……痛ましい事件です」
「ハイデッカーがすぐさま鎮圧のため出動。ニチョーム及び観光客をほとんど被害なく、ヤクザ抗争を鎮圧しました。ミサイルを発射する戦闘機を見たという噂が電脳IRC空間に広まっていますが、これは終末論教団ペケロッパ・カルトの誇大デマゴギーです」
オイランは前を閉じデスクの下で大胆に脚を組みかえる。
「ミイラ取りが呪われてミイラになる。平安時代のコトワザです」
社会派スモトリ・コメンテーターが渋い顔で言う
「被害がなかったからよかったものの、怖い物みたさでそんな所に行く奴が、悪い。それから勿論、ニチョームという低俗なグレーゾーンの存在自体が害悪なのではないかと、こう、私はね、以前から申し上げてきたわけですよ」
画面後方では、ニチョーム、非合法、薬物、癒着、などを連想させる画像が浮かび上がり、サブリミナル的にコラージュされた。
「「「コワイ!ニチョーム、コワイ!」」」
客席から声が上がる。
「ではここでヨロシサン製薬からのCMです」
オイランはあくまでも知性的な無表情を崩さぬままオジギした。 ザクロに変わりカウンターに立っていたヤモトは、ため息をつきながらTVを消す。
「……なんとかなった。なんとかなったけれど……」
結果的に見れば、ニチョームは守られたし犠牲も少なかった。しかしゼロではない。ニチョーム自警団員の中には大けがを負ったものや、命を落としたものもいる。ニチョーム西側で指揮をしていた狙撃手のタギザワも……
さらに、これを機にニチョームバッシングが一気に高まり、ニチョームにはハイデッカーの監督官が置かれることになったのだ。
「どんな人が来るんだろうね。監督官って……さっそく明日、赴任して来るって。」
碌な人物ではなかろう。ヤモトも当然わかっており、表情が暗い。既にニチョーム中心部にあるヤグラ337ビルは監督官のオフィスとして接収され、ハイデッカーがさまざまな機材を運び込んでいる。
◆ 翌日 ◆
「……ニチョームの監督官として本日より各施設・店舗の指導をおこなわせていただくことになりました。ヨロシサン製薬重役、ヨロシ・バイオサイバネティカ社代表取締役のヤイミ・コナギバです。ドーモ、ヨロシサン」
◆レイド・オブ・ニチョーム◆
おわり
◆余暇・セッション終了処理◆
NMはPC全員にセッション報酬を手渡す。万札・余暇等は
キャンペーンのレギュレーションに沿って各自設定してほしい。
なお、実際にこのキャンペイグンが行われた際の報酬は、
万札15、名声+1、余暇2日、知識・交渉スキルを1つ無償で獲得であった
◆シナリオ後の状況
ヨルジはついにニチョームを直接包囲する行動に出た。多数のクローンヤクザ部隊がニチョーム自警団およびニチョームニンジャたちと衝突。激しい攻防戦が展開されるが、ニチョーム勢の奮戦によりこれを退ける。ついには、コリ・ニンジャクランの首領であり神話級アーチニンジャ『トゥララ・ニンジャ』のソウルを移植し『ホワイトドラゴン』となったヨルジ本人がニチョームに攻め入るもニチョーム勢の前に撃退され、ヨルジのニチョーム攻撃は失敗に終わった。
◆死亡した原作ニンジャ・人物◆
アイアンフィスト、デッドライン、ディスエイブラー、スペクター、デストロイヤー、狙撃手のタギザワ
◆トピック
・ヤモトがシ・ニンジャの力に覚醒した
・ニチョームは今回の抗争でバッシングが高まり、ハイデッカーの監督官が置かれた。監督官として赴任したのはヨロシサン製薬重役・ヨロシバイオサイバネティカ社CEOの『ヤイミ・コナギバ』でありヤグラ337ビルをハイデッカーのオフィスに作り替えた