ニンジャスレイヤーTRPG第2版シナリオ集『AOSニチョームキャンペイグン』第10話『ニチョーム・ウォー:ロンゲストデイ』ルートC:南部戦線
この記事はニンジャスレイヤーTRPG第2版においてのロングキャンペーンシナリオの第10話のルートCとなります。各種データ等はDHTLS公式の定めるガイドライン内において、自由に使用・改変していただいて構いません。データには多分にプラグインデータおよびデータ実験場のβ段階のデータが含まれるため、NMおよび参加者はTRPGメンバーシップへの加入を推奨します。
なおキャンペイグンのまとめページはこちら
この記事では以下の素材集の立ち絵を使用させていただいています
◆シナリオサマリー◆
◆ 南部戦線・概要 ◆
◆シナリオ本編◆
◆ ニチョーム・ウォー:ザ・ロンゲスト・デイ ◆
電撃的に火ぶたが切られたニチョームの戦争は、ある程度の膠着状態になりつつあった。破壊工作によって各所が爆破されると同時に、ニチョームに降下したニンジャと、普段サヴァイヴァー・ドージョーが密かに出入りするために使っていた地下通路からニチョームに侵攻しようとしてきたハイデッカー部隊は片付いた。
アマクダリ・セクトはニチョームを甘く見て、放置し過ぎていた。キュアのごまかしが作用している間に戦力を拡充できたのも大きい。ニチョームを混乱させるために降下させたニンジャは逆に分断され各個撃破の憂き目にあい、ハイデッカー部隊も結局はクローンヤクザであるため、キュアのヨロシ・ジツとニューロンハック攻撃のできるシルバーキーによって機能不全を起こしたのだ。
「イヤーッ!!!」「フーンク!!!」「イヤーッ!」「イヤーッ!!!」
「「「グワーッ!!!」」」
そしてここ南部戦線では、ほとんど一方的ながらも絶え間のない防衛線が展開されている。
「ホホホ!新型だろうといくら来ようとも無駄なこと!ホレ!ヤッテオシマイ!!!」
キュアがクローンヤクザY-200の頭を踏みつけ破砕しながらリープ。そのまま、敵部隊のさなかに降り立つ。クローンヤクザの反撃はない。みな、しびれたようにその場で痙攣し、倒れ込む個体もいる。ヨロシ・ジツはヨロシDNAの組み込まれた下位のバイオ生物に絶対的な優位を持つ。
「インペイルメント=サンの突撃でヨロシ・ジツの範囲に誘い込め!そこを十字砲火だ!!!」
そこに、ザイバツ勢……戦術指揮能力に長けたワイルドハント、魔剣ザオ・ケンを振るう猛将インペイルメントらが加わり、ゼン・トランスの上層階からは自警団のライフル部隊が高所の利を生かして狙撃を行う。皆、タギザワから狙撃の技術を教わった者たちだ。練度が高い。
「くらえクローン野郎!」「まるで鴨撃ちだぜ!!!ここは通さねえ!!!!」「いいぞ、どんどん敵が減っていく!!!」
そして、優勢なだけあって自警団の士気も高い。みるみるうちにクローンヤクザが数を減らしていく。
「チィーッ!ナンデ!?国家権力なのに!!!ドーモ!ネプチューンビートルです!!!」
「ヘルフィーンドです」
「カンニバルです」
ついには、敵の指揮官らしいハイデッカー制服に身を包んだカブトムシ頭のニンジャまで到達。
「さて、さくりと片付けてしまいましょう……」
「ええい、ヘルフィーンド=サン!カンニバル=サン!こちらには国家権力がある!!!いくぞおおお!!!!イヤーッ!!!!」
突撃してくる!!!!
◆ネプチューンビートル(種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 10
ニューロン 4 精神力 5
ワザマエ 4 脚力 4/N
ジツ 0
攻撃/射撃/機先/電脳 10/6/5/10
回避/精密/側転/発動 8/6/4/4
◇装備や特記事項
タクティカルスーツ 生体LAN端子Lv1
バイオ武器LV1+△危険生物の頭 ◉常人の三倍の脚力 ◉忠誠心:アマクダリ
●A.R.G.O.S戦術リンク
近接攻撃ダイス、射撃ダイス、ハッキングダイス+4
A.R.G.O.Sの支援により1手番内に受けるハッキングによるダメージが
最大9となる(それ以上のダメージを与えても失われる)
危険生物の頭は以下を参考のこと
◆カンニバル(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 10
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 6 脚力 3/N
ジツ 4
攻撃/射撃/機先/電脳 7/7/7/12
回避/精密/側転/発動 8/7/6/11
◇装備や特記事項
フルメンポ、タクティカルスーツ
生体LAN端子LV1
☆ポイズンブレス・ジツLV3 ★チドク・ジツ
☆◉ポイズンブレス触媒(ポイズンブレス・ジツのコストとして即応1ダイスを使用可能)
◉忠誠心:アマクダリ ◉ニンジャソウルの闇
●A.R.G.O.S戦術リンク
回避ダイス+2、ハッキングダイス+4
A.R.G.O.Sの支援により1手番内に受けるハッキングによるダメージが
最大9となる(それ以上のダメージを与えても失われる)
ポイズンブレス・ジツは以下を参照
◆ヘルフィーンド(種別:ニンジャ/重サイバネ)
カラテ 8 体力 15
ニューロン 8 精神力 13
ワザマエ 3 脚力 4/N
ジツ 5
攻撃/射撃/機先/電脳 11/4/9/13
回避/精密/側転/発動 10/4/3/15
◇装備や特記事項
テッコLV2+内蔵型チェーンブレード
クロームハートLV1
生体LAN端子LV1
◉重サイバネ化 ◉頑強なる肉体 ◉忠誠心:アマクダリ ◉狂戦士化2
◉◉グレーター級ソウルの力 ◉ニンジャソウルの闇
☆ヘンゲヨーカイ・ジツLV3 ★アクマヘンゲ・ジツ ★★グレーター・アクマヘンゲ・ジツ
★◉アクマ・ヘンゲ時武器銃器習熟
●A.R.G.O.S戦術リンク
グレーターアクマヘンゲ・ジツが自動成功となる。ハッキングダイス+3
A.R.G.O.Sの支援により1手番内に受けるハッキングによるダメージが
最大9となる(それ以上のダメージを与えても失われる)
◆戦闘中イベント集◆
◆敵1体撃破時・ザイバツ奮戦
ヨロシ・ジツの範囲から何とか外れチャカガンを構えようとするクローンヤクザY200!しかし、それでも体が動かぬ!
「俺の空はオマエの空より暗い……!」
「イヤーッ!」
「「「アバババーッ!!!」」」
シャドウウィーヴのシャドウピン・ジツだ!そしてそこをイグナイトのカトンが焼いた!ナイスクッキング!ザイバツ若手勢奮戦!
◆敵2体目撃破時・キュア奮戦
「フーンク!フーンク!」
インペイルメントが魔剣ザオケンを振り回す!
ワイルドハントも、コマ・ジツで敵の移動範囲を制限しつつ、遮蔽物の陰から追い出して、ザオ・ケンの範囲内や狙撃ポイントに誘導!もはや一方的なイクサ!
そして、ヨロシ・ジツで倒れたクローンヤクザの頭をサディスティックにキュアは踏みつけつつ言うのだ
「さて、次は誰がセプクするのか。といっても、この様子ではセプクできないようなので私が手伝ってさしあげましょう」
手術刀投擲!数人のクローンヤクザがマグロめいて死!
NM向け戦闘指針・ロールプレイ情報
◆戦闘終了◆
「ふう、この程度ですか。あらかた片付きましたね」
敵は全員爆発四散した。やはり敵部隊の大多数を占めるクローンヤクザを無効化できるヨロシ・ジツは効果大だ。他の戦線は苦戦を強いられているところもあるようだが、ここは幾分か楽観的なムードさえ漂っている。
「……一度、ヤグラまで戻りましょう。ここの監視はお任せしても?」
キュアがザイバツ勢に声をかける
「ああ、任せとけ!」「ハッ、ザイバツの力を見せてやるよ」「問題ない。キュア=サンはこの戦線の要だ。出来るだけ休んでくれ」
イグナイト、フェイタル、シャドウウィーヴらザイバツ若手ニンジャが声をあげる。実際キュアはクローンヤクザ部隊をイチモ・ダジーンにできるだけでなく、オグニ・ジツで負傷者をいやすことすらできる。そのため、定期的に休憩を兼ねてヤグラ337に戻っては負傷者の手当てもしているのだ。あなた達も戦い詰めだ。一度ザイバツ勢にここを任せ、ヤグラ337で補給なりなんなりをするとしよう。
◆ ヤグラ337 ◆
ニチョーム中心部にあるこのビルは、地下にザイバツ電算室の高性能UNIXが運び込まれたこともあって、ニチョーム全体の指令室となっていると同時に戦闘のできない者たちがここに避難しており、文字通り最後の砦だ。
「おかえりなさい。その様子じゃ……南側は調子がいいみたいね」
戦略地図が映し出されたUNIXやニチョーム全体図の置かれたチャブを数人のハッカーや自警団員と共に囲んでいたネザークイーンが声をかけてきた。
「ええ、私のヨロシ・ジツさえあればクローンヤクザは恐るるに足りません。ザイバツのニンジャも良く働いてくれています。並のヨロシサン所属ニンジャもヨロシ・ジツを恐れ攻めかかってこない。『トランスペアレントクィリン』も……何を考えているかわからない男ですが、こうした場に直接出るのは嫌うタイプ。おそらくは出てこず様子を見るつもりでしょう。なら、十全に守り切れる」
「いい調子ね。これなら南部戦線は守り切れそう。問題は東部……」
「スターゲイザー、ですか……」
アマクダリは東西南北全方位からニチョームに攻め寄せてきているが、もっとも被害が大きく苦しい状況なのは東側戦線だ。ニチョーム勢に多数の犠牲者。レッドハッグ、グラスローチ、ガゼルビート、バーンドヘル。皆スターゲイザーにやられた。今はグラビティボンズ、ガーランドら数名で何とか足止めをしているが、根本的な解決にはならない。
スターゲイザー。これはメガトリイ社のロストテックとやらで通信衛星ヘリオスとコネクション確立している限り、不死。だが、出てくるならば近くに出張ってくる衛星通信中継トレーラーを狙えばよい。
よいのだが……結論から言ってそれは失敗した。サークル・シマナガシ・サヴァイヴァー・ドージョー連合軍がこのトレーラーを襲撃したものの、それを予期していたスターゲイザー本人とアマクダリ・アクシスの精鋭ドラゴンベイン、スワッシュバックラーに阻止されたのである。この攻撃失敗でサヴァイヴァー・ドージョーのフロッグマン、K1が爆発四散した。
「……電子戦のほうの進捗はどうです? それが今回の鍵と聞いています」
地下ではナンシーとザイバツ電算機室の2人が決死の電子攻撃をジグラットに対して開始した。ナンシーには秘策があるらしく、回線に接続されておらず常時オフラインであるはずの秘匿サーバーをオンラインできるらしい。そうすれば、アマクダリのデータを奪えるだけでなく、アマクダリの指揮系統から何からをすべて乱すことが可能。
「……進捗は思わしくない。やはりA.R.G.O.Sが障害になっている」
「そう、ですか……」
その時だ。
「ゲボッ……ゲホッ……ヤバイ……南部戦線が……食い破られる……ヤバいんだ……ヤツが……」
全身から血を流した黒装束の若いニンジャ。シャドウウィーヴ!!!
「シャドウウィーヴ=サン!?」
キュアはすぐさまそれに駆け寄り、オグニ・ジツで手当てをする。
「しゃべれるか? シャドウウィーヴ=サン!しっかりせい!」
シャドウウィーヴは、意識を途切れさせる直前にこう言った
「トランスペアレント……クィリン……」
◆ 南部戦線 ◆
数人の自警団員が算を乱して逃げてくる。それに逆らうように、あなた達は南部戦線へと駆けた。
「フーン……ク……!!!」
「いかん、インペイルメント=サン!!!」
ザオ・ケンを構え光の中に突撃するインペイルメント。しかしコートやメンポの隙間からおびただしい出血。
「グ……グワーッ!!!!!」
「インペイルメント=サン!!!!」
ザオ・ケンのリーチまであと3cm。インペイルメントは悲鳴をあげながら倒れた。膝から下が原形をとどめず、溶けだしている。これは一体。
「……太陽の恵みを授けて進ぜよう」
「アバーッ!!!!」
倒れたインペイルメントに発光体が近づく。距離が詰められるごとにインペイルメント肉体崩壊。彼は……爆発四散も出来ず、トーフ・ユバ状の泥となり地面に広がった。
「ザイバツ・グランドマスターの力というものをお判りいただけたかな。といっても、元であって、今はアマクダリの12人という立場を微力ながら務めさせていただいている」
「トランスペアレントクィリン……!」
何故ここに。あなた達と共に駆け付けたキュアがそう説いたげに歯噛みして呟く。
「時には神とて現人神として地上に顕現する。私もその真似事をしたくなっただけの事。なんのことはない。すべてはヨロシが私を導き、私がそれに従った。明解な帰結なのだ」
その言を汲むように有機クリスタルボディに賢人めいたトガを身にまとった異様なニンジャが言葉を紡いで、厳かにアイサツをする。
「ドーモ、トランスペアレントクィリンです。キュア=サン。それらは君の新しいペイシェントかね? いつもながら矮小な存在と群れるのがお好きなようだ。理解しかねる。残念ながら虫に数学の授業をしたところで理解できぬように、我々のヨロシ理念は限られた高度な知能指数とヨロシ性を持つ者にのみ享受できる資格があるのだがね……」
周囲には同じくトーフ・ユバ状物体。ザイバツニンジャは……ワイルドハント、フェイタル、イグナイト生存。しかし負傷がひどく、まともにトランスペアレントクィリンに近寄れない。他はどれもあの不可解なジツを受けた自警団員のなれの果てか。
「君には期待していたのだが、やはり最後まで完全なるヨロシ性を獲得することはなかったな。それも一興。進化の袋小路に行き当たり、種の限界を迎え淘汰されていった生物は多い。君もその一つだったということだ」
「ぐ……!!!」
トランスペアレントクィリンがキュアに近づく。すると、キュアの力が抜けるように膝からその場に崩れ落ちた。
「…………さらに理解しかねるのは。私がいるとわかっていたであろう戦場にわざわざ姿を現したということ。何故? 君はそこまで愚かではないはずだ。後ろで震え、最期の時を待っていれば少なくともベッドの上で死ぬことぐらいはできた……が、人は死や苦痛を待つ時にこそ恐怖するというな。なるほど、カイシャクを求めに?」
ヨロシ・ジツだ。トランスペアレントクィリンはヨロシサン製薬の中でキュアよりも地位が高い。より高い地位を持つヨロシ存在に、ヨロシDNAを持つものは逆らえない。
「それは違うぞトランスペアレントクィリン=サン……私は……お前を滅ぼすために最善の選択をしたのじゃ。わしは理想ヨロシ社会の女王となる。そのためにはお前が邪魔で邪魔で仕方がない……そして、何よりその気取った賢人ぶった態度が気に入らん。そして最後に一つ。わしはそこそこ、このニチョームという土地が好きになりかけておる。胡乱で汚くて下品。しかし……奥ゆかしさがある。いつかは滅ぶとしても、それを少しでも先延ばしにしたい……そう思ったから『こやつらに賭けた』。私がやれぬとも、こやつらが今からお前を『ブチのめす』」
キュアは膝をつきながらも、あなた達に向けて笑みを浮かべた。
「怪我ならいくらでもなおしてやる。だから……勝ってくれ。トランスペアレントクィリン=サンに」
「不届き」
あなた達のやり取りを見て、無表情にトランスペアレントクィリンはそう言い放った。
◆ペイガン464 (種別:デミニンジャ)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 6 精神力 -
ワザマエ 4 脚力 2
ジツ –
攻撃/射撃/機先/電脳 4/4/7/8
回避/精密/側転/発動 6/4/-/-
◇装備や特記事項
生体LAN端子LV1
『●デミニンジャ』:
以下のルールを全て持つ:
・ニンジャのようにスリケンを投擲できる。
・『連続側転』を行いたい場合、自動成功する。その後の行動難易度上昇は通常どおり。
・回避難易度+1で回避行動を行える。精神力に対するダメージは体力ダメージとなる。
・連携を取って動くため、デミニンジャ複数体による近接攻撃や射撃は、
まとめて回避ができない。
・会話は成り立たず、拷問などは不可能である。
『●痛烈な一撃』:
『近接攻撃』時に出目【6,6】だった場合、『サツバツ!』の代わりに『痛打+1』となる。
同様に出目【6,6,6】だった場合、『ナムアミダブツ!』の代わりに『痛打+1』、
『回避難易度+1』となる。
トランスペアレントクィリンについては以下を参照のこと。ただし、これに●不如帰と●即死耐性×2を追加し、さらにヨロシ有機クリスタルボディに精神力+13の効果を追加する。
『●不如帰』:このニンジャは不退転の決意を固めており、多対一の戦闘の中でも、
獅子奮迅の戦いぶりを見せる。 単独で2体以上のPCを相手に戦っている限り、このボスNPCは
1ターン中に2回の手番を得る。『一騎討ち』ルールと同様に、本来のイニシアチブ値で
1回目の手番が、イニシアチブ値の1/2で2回目の手番が回ってくるが、例外として、
直前の手番と同じ行動種別は選べず、同じターゲットも選べない。なお、ここでいう行動種別とは
「近接攻撃」「射撃」「ジツの使用」「その他の行動」である。
「同じジツ、同じスタイル、同じ轢殺攻撃は連続使用できない。
このとき、スタイル宣言なし、もスタイルの一種とみなす
(つまりスタイル宣言なしの近接攻撃を2回連続では行えない
◆戦闘中イベント集◆
ターン2開始時以降、ダメージor能力値ダメージを受けた味方がいた場合
「案ずるな……ッ!」
しかし、[対象のニンジャネーム]に触れるものがあった!キュア!
「いったじゃろうがッ……いくらでも治してやる、と!」
「ゲホッ……ハァーッ!ハァーッ!オグニ・ジツじゃ。わしの……!」
「しかし、そう何度もやってやれんぞ……わしも、ヨロシ・ジツの中でいつまでも動けん……さっさと決着を付けろッ!」
◆トランスペアレントクィリン体力半減:不如帰発動
「……ヨロシの導きを拒絶するというか。愚か者どもめが。ならば、たとえ剪定者が私ではないと言えど、腐った果実を取り除く程度は問題なかろう。光は遍く蒙きを照らすのだ」
トランスペアレントクィリンのクリスタルボディの輝きが強まり、恐るべき病んだ光が最大光量で放出される!賢人めいたトガは光熱で炭となって燃え落ち、ペイガンも光にさらされ、どろどろに変異してトーフ・ユバ状となった!
NM向け戦闘指針・ロールプレイ情報
◆戦闘終了◆
「おお……バカな……」
トランスペアレントクィリンの有機クリスタルボディに巨大なヒビ!!!
もはやその体を利用したヒカリ・ジツの利用は不可能!!!
「ヨロシ取締役会の知恵の泉に浸らねば……」
「その件についてじゃがな。わしも別段、手をこまねいておったわけではない。アマクダリに切り捨てられたとわかった時から、既にほうぼうと取引をしておった。司法取引じゃな。ウェアラブルIRCデバイスをチェックしてみよ。壊れていなければ。今ごろ、ニュースにもなっているはずじゃ」
「何を……」
「アイエエエ!?」
しかし素っ頓狂な声をあげたのはキュアである。
「インフルエンサーにして新進気鋭の投資家カラカミ・ノシト氏暗殺と同時に不正なインサイダー取引、殺人の暴露。カスミガセキ教区のアークボンズタダオ大僧正暗殺と同時に膨大な賄賂・暗殺指示、汚職暴露。資産家ダイザキ・トウゴ氏暗殺か。IRC上に同氏の不可解な資金の流れと殺人・誘拐・監禁多数の犯罪への関与証拠流出……ハイデッカー長官ムナミ・シマカタ氏死亡。強引な捜査手法で多数の死者発生の証拠も暴露……なにこれ!?わしこんなんしらん……え、ええい!!!」
「こ、これじゃ! これ!!! NSPDによりヨロシサン製薬本社に多数の犯罪容疑で家宅捜索!!!」
一気に様々なニュースが起き、若干インパクトが薄まった感はあるが……あなたたちもIRCをチェックすればそんなニュースが出てくる。NSPDのノボセ・ゲンソン指揮のもと49課ニンジャやケンドー機動隊がヨロシサンに突入する映像すら!
「つまり、ヨロシサンは滅びた。あの49課の事じゃ。今頃、ヨロシサン取締役会なんぞ、そでんのスープにされておるんじゃないか? 戻ったところで逮捕じゃろうな。その体ではまともに戦えまい。トランスペアレントクィリン=サン」
「バカな……そんなことをすれば取締役会の英知が失われるぞ!!!」
「失われる、ではない。失われたんじゃよ」
「ぬ、ヌウウウーッ!!!!!」
激昂し、キュアに襲い掛かるトランスペアレントクィリン!
カラテせよ!
「グワーッ!?バカな!」
「よせ!グワーッ!!!」
「グワーッ!失われる!!!」
「私の中に残ったヨロシ知識が……サヨナラ!!!!」
元ザイバツグランドマスターにして、12人の席にすらついた恐るべきトランスペアレントクィリンは
爆 発 四 散 !
「フーッ……ヨロシサンとかヨロシ性とか、もうわしにはわからん。こっちのほうが心地よい」
勝利に沸き立つ南部戦線の様子を見て、キュアは一人そうつぶやいた。
◆ 数日後 ◆
……かくして、ニチョームの戦争は終わった。双方に甚大な被害をもたらしたイクサは、アマクダリ・セクト撤退の形で終了をみた。
包囲攻撃司令官『スターゲイザー』をはじめ『ホワイトドラゴン』、『トランスペアレントクィリン』の最上級幹部ニンジャを含む大勢のニンジャを失い、さらにはニチョーム包囲にかなりの戦力を注ぎ込み、手薄になった隙を突かれ、ニンジャスレイヤーの手によって『マジェスティ』、『ブラックロータス』、『メフィストフェレス』、『ジャスティス』、『マスターマインド』をも失ったアマクダリ・セクトは戦闘継続が不可能となったのだ。
死と沈黙が壁の内側を満たしていた。ニチョーム自治会の者達は、ニンジャが去ったのちも街区を荒らしたオナタカミ兵器を排除し、負傷者を回収し、死者を弔った。
レッドハッグ、グラスローチ、フロッグマン、ガゼルビート、バーンドヘル、インペイルメント、K1、キツネビ、アサガイ、サイコダガー、アンダーエンジェル、メリージェーン、ストーカー。皆、打算や思惑はあれど、ニチョームで戦い、散っていった。
「リンゴリンゴ、リンゴランゴ、ランゴリンゴ」
奇妙な歌を歌いながら、サヴァイヴァー・ドージョーの者達は焚火の周りを跳ねまわった。焚火を円く囲むのはバイオニンジャだけではない。風が吹くたび、訪れたばかりの夜空に火の粉が噴きあがった。ニチョームを守り切った者達は盃をかわした。
「リンゴリンゴ、リンゴランゴ、ランゴリンゴ」
シマナガシの者達が歌い踊るバイオニンジャのもとに加わり、ネザークイーンがぎこちなく手拍子を打つ。キリシマ、バシダ。キマリテのスモトリ料理人、オブツダンとセンコウ、ゲイマイコ。ヤリテ・バーバと盲目の爺。自治会のヤクザバウンサーやパンクス、ハッカーカルト信者、電子戦争退役軍人もいる。ディスカバリーとフィルギアがヤモトの手を引く。はにかみながら、彼女も加わる。ナンシーはそれをほほえましく見つめ、キュアも雰囲気を楽しみたいのか焚火の少し遠くにシートを敷いてチャを飲んでいた。テガタは『悪い金塊』を文字通り浴びるように飲み、ブラックマンバやインパルス、スカラムーシュも負けじとケモビールをこれでもかと喉に注ぎ込んだ。イグナイトはアベ一休のスシを食べ過ぎるなを歌い、クラウドバスターも負けじとオムラインダストリ社歌を歌う。その喧騒を見つつ、ワイルドハントは死んだ友を想いながらゆっくりと彼のためにサカヅキを傾ける。ヴィジランスも仕事をしながらZBRをイッキした。当然、あなた達もいるだろう。焚火は一層高く火の粉を上げる。
ニンジャスレイヤーはそれをヤグラ337の上から静かに見下ろしていた。
空には黄金立方体。01の風が吹いた。
◆ニチョーム・ウォー:ロンゲストデイ◆
おわり
◆余暇・セッション終了処理◆
NMはPC全員にセッション報酬を手渡す。万札・余暇等は
キャンペーンのレギュレーションに沿って各自設定してほしい。
なお、実際にこのキャンペイグンが行われた際の報酬は、
万札15、名声+1、余暇2日、知識・交渉スキルを1つ無償で獲得であった
◆シナリオ後の状況
南戦線はヨロシサンの企業軍による最新鋭クローンヤクザ『Y-200』を主力とする部隊が攻め寄せた。しかしながらキュアとザイバツ勢がこれを食い止め奮戦する。そこへ現人神めいた恐るべきトランスペアレントクィリンが現れるものの、ニチョームニンジャがこれを撃破。ヨロシサン製薬本社にもキュアの司法取引によりNSPDから捜査が入り、ヨロシサン取締役会は壊滅した。
◆死亡した原作ニンジャ(アマクダリ)◆
トランスペアレントクィリン、ネプチューンビートル、カンニバル、ヘルフィーンド
◆死亡した原作ニンジャ(ニチョーム)◆
インペイルメント
・その他
作戦初期にニチョームに降下したニンジャは逆に分断の憂き目にあい袋叩きにされ、なすすべなく爆発四散を遂げた他、北部戦線でヤモト、サークル・シマナガシがハイデッカー部隊相手に奮戦。地下から侵入してくる部隊に対しても、サヴァイヴァー・ドージョーのトラップ戦術とシルバーキーのマインド攻撃が機能したため、一時は優勢を確保し、シマナガシとサヴァイヴァー・ドージョーの混成部隊によってスターゲイザーの弱点である衛星をハックするため通信中継車を狙う。しかしこれはスターゲイザー本人とドラゴンベイン、スワッシュバックラーにより阻止されフロッグマンとK1がこれにより死亡する結果に終わった。その後は再び、ヤグラ337で行われるナンシーとザイバツ電算室による電子攻撃によって指揮系統が乱れるのを待つも、スターゲイザーが討たれたためそのまま防衛を最後まで続けた。
◆死亡した原作ニンジャ(アマクダリ)◆
マジェスティ、ブラックロータス、メフィストフェレス、ジャスティス、マスターマインド、ヴァルキリー、フォースカインド、モナーク、カッツバルゲル、アドミラル、エクイテス、ペイバック、ガルーダ、ターボアサシン、アルバレスト、スパイカー、スコージ、ソードモンガー、メタルベイン、ヴュー、マスモーフ、ロングカット、スキピオ、ラクエリィ、バルバロス
◆死亡した原作ニンジャ(ニチョーム)◆
フロッグマン、K1、ストーカー
◆結果◆
ニチョームはニンジャ・モータルの連携で防衛された。アマクダリ・セクトは攻撃に失敗して多くの戦力を失い、ニンジャスレイヤーの攻撃により逆に幹部級ニンジャの大半を失ったうえ、秘匿サーバーアクセスとそれまでに得たさまざまな情報をすべて暴露されその存在と悪行を白日の下にさらされる結果となった。
◆トピック◆
・ニンジャスレイヤーによってアマクダリの12人の半数近くが死亡した。
・アマクダリ・セクトの情報が暴露された