ニンジャスレイヤーTRPG第2版シナリオ『ラスト・ニンジャ・スタンディング』
これは題の如くニンジャスレイヤーTRPG第2版用のシナリオであり、原作第1部のエピソード『ラスト・ガール・スタンディング』を元にしており、引用などを含みます。
◆シナリオサマリー
対象:3人の名声10~15程度のソウカイニンジャ(ソニックブームと親しければなお望ましい)
難易度:HARD
キャラロスト:あり
余暇:標準(4スロット)
備考:ニンジャスレイヤーとの交戦あり
また、シナリオ中の立ち絵にぎだ様のニンジャスレイヤーTRPG用立ち絵を使用させていただいています。
◆ダンゴウ
あなたたちは、ソウカイヤ本拠地。トコロザワ・ピラー。
そのトレーニンググラウンドに、数人のニンジャのすがたがあった。
「ドーモ、トラッフルホッグです」
◆トラッフルホッグ (種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 4
ニューロン 6 精神力 8
ワザマエ 4 脚力 3/E
ジツ 2 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 3/4/6/6
回避/精密/側転/発動 6/4/4/8
◇装備や特記事項
『◉謎めいたニンジャソウル』『◉常人の3倍の脚力』
「ドーモ、ソーンヴァインです」
◆ソーンヴァイン (種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 4 脚力 2/N
ジツ 0 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 4/4/3/3
回避/精密/側転/発動 4/4/4/0
◇装備や特記事項
ムチ
「ドーモ、サイレントシャドウです」
◆サイレントシャドウ (種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 5 脚力 3/N
ジツ 5 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 3/5/6/6
回避/精密/側転/発動 6/5/5/11
◇装備や特記事項
『☆◉滲み出す影』、『◉ニンジャアドレナリン強化』、 『◉ニューロン・ブースト/チルアウト』
『◉知識:サラリマンの流儀』、 『◉知識:カチグミエリア』
『☆ステルス・ジツLv3』、『★シャドウ・スネア』、
『★マッタキ』、『★レッサー・ブンシン・ジツ』
3人のニュービーニンジャが、あなた達にアイサツをする。
そう、あなた達はソウカイ・ニンジャとなり、様々なクエストをこなし、
ついにはニュービーの教育を任されるほどにイサオシを積んだのだ。
「センセイ!ヨロシクオネガイシマス!」
「オネガイシマス!」「オテヤワラカニ!」
まずは基本中の基本であるカラテ・トレーニングを見てやるべきだろう。
あなたたちは各々木人にカラテを打ち込むニュービーたちを指導する。
あなたたちは、ニュービーニンジャにそれぞれ思い思いに指導を施した。
「さすがのカラテですね……」「なんとか形になってきた気がします」「ご指導、ありがとうございました」
トレーニンググラウンドでの訓練を終え、片付けを始めるニュービーたち。彼らはそろそろ形になってきた。近いうちに適当な敵対ヤクザ事務所への襲撃にでも駆り出され初陣を経験するだろう。それから生き残れるかは……彼ら、そしてブッダ次第だ。
「よォ……もう立派なセンセイって感じだな」
◆インパルス (種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 8
ニューロン 7 精神力 10
ワザマエ 10 脚力 5/N
ジツ 4 万札 20
攻撃/射撃/機先/電脳 9/10/7/7
回避/精密/側転/発動 11/10/10/11
◇装備や特記事項
▶︎テッコLV1、伝統的礼装(高級ホストスーツ一式)
★強化放電攻撃(デン・ジツ)、★デン・エンハンスメント(デン・ジツ)
『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●マルチターゲット』、『●時間差』、
『◉疾駆』、『◉忠誠心:ソウカイヤ』x2、『◉グレーター・ツジギリ』、『◉挑発』、
『◉交渉:威圧』、『◉交渉:鼓舞』、『◉交渉:共感』、『◉交渉:誘惑』
『◉知識:ファッション』『◉知識:歓楽街エリア』『◉知識:高級嗜好品』
『★デン・エンハンスメント』
手番開始フェイズに【精神力】を2消費し、『難易度:HARD』で発動判定を行う。
発動に成功すると、インパルスはこの戦闘終了時まで近接攻撃時、
およびスリケン/ナガユミによる射撃時に、エンハンスによる『電磁属性ダメージボーナス+1』を得る。
『★強化放電攻撃(デン・ジツ)』
電磁パルスを帯びた腕で地面を殴りつけ、周囲の敵に強烈な電気ショックを与える。
手番攻撃フェイズに【精神力】を2消費し、『難易度:HARD』で発動判定を行う。
発動に成功すると、自分を中心とした3×3マスにいる敵全てに対し、
自動的に『電磁属性ダメージ2』を与える(回避難易度:HARD)。
声をかけてきたのは、ソウカイヤスカウト部門の中でも相当『気合が入ってる』タイプであり、あなた達と同期にソウカイヤ入りしたニンジャ『インパルス』である。
「サイレントシャドウ=サンはどうだった? ソニックブームのオニイサンとスカウトしたんだが、いいセンいってるだろ、彼女」
どうやら自身のスカウトしたサイレントシャドウの様子を見に来たついでに、あなた達に声をかけてきたようだ。
「アー、それでさ……話は変わるンだが久しぶりによ、飯でも食いに行かねえか? いやな、実は今日オニイサンを誘ってあんだよね。あんたらも、オニイサンには世話になってるだろ?」
実際、ソウカイヤに入ってからというものソニックブームには……いろいろな意味で世話になった。彼には、厳しく当たられたこともあったがなんだかんだソウカイヤクザとしてのイロハを叩き込まれたのは彼からだろう。
「あの人はいつも働きづめだからよ……ちょいと無理言って、今日の夜は時間作ってもらったんだ。ンでよ、サシ飲みってのもアレだから……呼ぶならあんたらかなァと思ってね」
照れくさそうに苦笑いしながら、義手で頭をかくインパルス。
「今日20:00にマルノウチ・スゴイタカイビルのカチグミ・エリアにあるオイランキャバレー『偉大な川の流れ』に集合な。今日はよ……久々に記憶なくなるまで飲もうぜ」
こうして、あなた達はインパルスに誘われ、ソニックブームと久々に飲みに行くことになった。
◆不穏な兆候
マルノウチ・スゴイタカイビル、オイランキャバレー『偉大な川の流れ』。
ネオサイタマ政財界でのセッタイでもよく使われる高級オイランキャバレーであるが、今夜は『ソニックブームのために』貸し切りにされていた。
これは元々カブキチョのホストであり、夜の街にコネを持つインパルスが方々に手を回し、実現したものだ。
「オニイサン遅ェなァ……こういう時にゃ、遅れるようなことはしねえ人なんだが……」
既に、集合時間の20:00から半刻ほど経った。
ソニックブームは周囲からワーカホリックではないか、と言われるほど仕事熱心な男でありそのカラテからソウカイヤ威力部門最高位であるシックスゲイツの座と、硬軟織り交ぜて野良ニンジャをスカウトするスカウト部門の筆頭の二足の草鞋を見事に履きこなしている。
故に、ブリーフィングへの多少の遅刻などはよくあるが、それは本人がルーズなためではなく、あまりの多忙さ故であり、今日のように時間に空きがあるなら遅れるようなことはしないはずだ。
「IRCで連絡してみたけど、返信ねぇな……」
なにかあったのではないか。そう考えているのがありありと伝わるほど、不安げなインパルス。
「探しに行ってみるか……」
そう言って、席を立つのに長くはかからなかった。
◆捜索フェイズ
「といっても、闇雲に探すわけにもいかねェ……どうすっか……」
もしソニックブームが遅れているだけなら、連絡してほしいとオイランキャバレーの店長にIRCアドレスを教え、インパルスは席を立つ。しかし、彼の言う通りこの広いネオサイタマを無策に探し回るわけにはいかない。
おおよそ、考えられるのは以下の手段だろう。
A.トコロザワ・ピラーに戻り他のニンジャに話を聞く
あなたたちは一度トコロザワ・ピラーに戻りソニックブームの予定や行き先を知っていそうなニンジャに片っ端から話を聞いて回った。
「エ? ソニックブーム=サンですか? 見ましたけど……」
そう言うのは、まだトレーニンググラウンドに残り、自主練習をしていたトラッフルホッグである。
「夕方ごろ、スーサイド=サンと一緒に仕事を片付けるといって出ていくのを見ました。いつものスカウトじゃないですか?」
「スーサイドのやつとスカウトか……場所は、何か言ってなかったか?」
スーサイド。彼もあなた達と同じ頃にソウカイヤ入りしたニンジャだが、
ソウカイヤに対して反抗的なため、未だ初陣すら迎えていないニンジャであり、このまま処分されるのではないかという噂も最近では立っていた。
「場所は……どこに行くと言ってたか……ア、そうだ。たしかアンミツ・ストリートじゃなかったかな。あとはカニがどうとか……」
「分かった。アンミツ・ストリートだな。恩に着るぜトラッフルホッグ=サン」
教えられるが早いが、駆けだしていくインパルス……
B.ソウカイネットでソニックブームの予定を調べる
あなたたちはソウカイネットにアクセスし、ソニックブームの予定を調べてみた。ニュービー級ニンジャではアクセスできないキミツ級情報であるシックスゲイツの予定もあなたたちであればアクセスできる。
「アンミツ・ストリートか。ここからさほど遠くない繁華街だな……
となると、やっぱりなにかあったのか……!?」
居ても立っても居られないという風で、アンミツ・ストリートに駆けだしていくインパルス……
C.ソニックブームのIRCをハッキングし、現在位置を調べる
あなたたちはソニックブームのIRCを遠隔ハッキングし、現在位置を調べてみることにした。
「……オニイサンの居場所は、アンミツ・ストリート近辺? ここからさほど遠くない繁華街だ。余計妙だぜ……本当に何かあったのか?」
居てもたってもいられず、アンミツ・ストリートに駆けだしていくインパルス。
◆アンミツ・ストリート
飴やタイヤキ、ライトゴス・ファッション・ブランド「憤怒」の路面店、バイオ金魚……パステルカラーのネオンが夜をはかない色彩でライトアップし、メカホタルの光の粒が飛び交うアンミツ・ストリートはティーン少女の欲求をいびつなまでに完璧に応える。
「近づかないで。キケンですから」
しかし、その最奥に神殿めいて建つカラオケステーション『タラバー歌カニ』の店舗前はすでにマッポが何人か集まっており、『外して保持』の警戒色テープによって封鎖され、物々しい雰囲気となっていた。
「火事? 殺し? コワイだね」
「ヤクザ抗争って話、ホント?」
「さあ? IRCではそういう話あるけどホントのとこはわかんない」
野次馬の女子高生たちが、ウェアラブルIRCデバイスを気だるげに弄りながらタイヤキを齧るそばを、あなた達はインパルスと共に走り抜ける
「チョットやめないか……アッ、ドーモ、ゴクロウサマデス」
現場を封鎖していたマッポは、『外して保持』テープを潜り抜けるあなた達を一瞬止めようとしたが、インパルスの胸に光るソウカイ紋ピンを見止めると、何も見なかったとばかりに野次馬対応に戻る。
『タラバー歌カニ』近辺はクローンヤクザの死体だらけで、緑色のバイオ血液がそこら中にぶちまけられまるでツキジであった。どうやら、ソニックブームのスカウト対象は相当派手に暴れまわったと見える。
「こいつは……まだ新しい……もしかして、こっちか?」
と、インパルスは隣接する退廃ホテル街の路地に転がっていたスモトリヤクザの死体から流れ出る血が、まだ新しい事に気づく。敵はおそらく、こちらに逃げている。ソニックブームがそれを追ったならきっとこの先だ。
急がなければ。
◆ラスト・ニンジャ・スタンディング
血と殺戮の痕跡を追い、路地を駆けるあなた達。
「ザッケンナ……ザッケンナコラーッ!!!」
ふいに、見知った声が聞こえた。
見れば、この先数十mの空き地にソニックブームの姿が見える。
しかし、その姿は無残な物でまさに満身創痍といっていいほどのダメージを受け、ブザマに地に両手両膝をつけている。
「ウ……ウオオオオオオーッ!」
ソニックブームが、恐怖とも鼓舞ともあるいは無謀なヤクザ・ウォークライともとれる叫び声を発する!
その瞬間、あなた達は空き地になだれ込み……それをみた。
巨大なカーボン・ビニールシートを折り上げて作られた荘厳なフェニックスのすがたを。薄く桃色の燐光を引くそれはまさしく今、ソニックブームにとどめを刺さんと、空を滑空した!!!
――KABOOOOOOOOM!!!
激しい閃光と爆音を伴う桃色の爆発!路地裏にあった屋台が残骸となって四方八方に吹き飛び、それからバラバラと雨めいて降り注いだ!
「オニイサン!」
「テメェら……!」
一瞬早く飛び出し、ソニックブームをかばったインパルスのおかげで、
ソニックブームは辛うじて無事だ!
「チッ、サンシタどもがわらわら湧いてきやがって……
イクサの邪魔だ……と言いたいところだがよ……ゴボッ……」
ソニックブームは、血を吐きながら自嘲気味に笑った。
「そのサンシタに助けられちゃ、俺もザマァねえやな……」
「ゴホッ……『ありがとう』よ」
ソニックブームはそう言って気を失った。
「オニイサン!オニイサン!!!クソ、ニンジャ耐久力でなんとか耐えてるが、危険な状態だぜ……」
インパルスは、気を失ったソニックブームの腕を肩に回し、
なんとか離脱を試みようとするが、路地裏からの脱出口に立ちはだかる者のすがたがあった。
脱出口をふさぐそのニンジャの赤黒の装束と禍々しい書体で「忍」「殺」のレリーフを施された、おそるべきメンポはソウカイヤのニンジャの間で、今となっては一人として知らぬものの無い意匠、悪夢の具現。
「ドーモ、ソウカイヤの皆=サン。ニンジャスレイヤーです」
◆ニンジャスレイヤー:ベイン・オブ・ソウカイヤ (種別:ニンジャ)
カラテ 16 体力 16
ニューロン 10 精神力 12
ワザマエ 12 脚力 8/N
ジツ 0 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 16/12/10/10
回避/精密/側転/発動 17/12/12/10
回避難易度修正: 対近接攻撃(難易度−1/ジュージツ)、対スリケン射撃(難易度−1/見切り)
ダメージ修正: 『鉄拳』の効果により、『近接攻撃』はダメージ2(1+1)、『装甲貫通1』となる。
ランスキック使用時は3ダメージ(1+1+痛打1)、『装甲貫通1』、『弾き飛ばし』となる。
◇装備や特記事項
家族の写真、パーソナルメンポ、伝統的ニンジャ装束
『●連続攻撃3』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、
『◉◉タツジン:ジュージツ』、『◉スリケンの見切り』、『◉鉄拳』、『◉ランスキック』、
『◉ヒサツ:ワザ・ポン・パンチ』、『◉ヒサツ・ワザ:サマーソルトキック』、
『◉チャドー呼吸』、『◉ヒサツ・ワザ:タツマキケン』、
『◉◉憎悪:ニンジャソウルの闇』、『◉憎悪:ソウカイヤ』、『◉憎悪:ザイバツ』、『◉憎悪:アマクダリ』、
『◉ヘルタツマキ』、『◉ツヨイ・スリケン』、『◉ナラク・ウィズイン』、『◉即死耐性』
「ソニックブーム=サンの言う通りだ。サンシタがわらわらとやって来るとはな。こちらから捜し、追い詰め、殺す手間が省けた」
ニンジャスレイヤーは腕を組み、あなたたちへの侮蔑、そして憎悪を隠そうともせず尊大に言い放つ。さらに。
「ドーモ、ヤモト・コキです」
◆ヤモト・コキ(種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 10
ニューロン 6 精神力 12
ワザマエ 7 脚力 4/N
ジツ 5 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 6/7/6/6
回避/精密/側転/発動 7/8/7/11
◇装備や特記事項
**ウバステ**: 【精神力】+1、『近接攻撃ダイス+1』のカタナとみなす(反映済み)
『●連射2』、『◉◉タツジン・イアイドー』、『◉◉グレーター級ソウルの力』、『◉◉アーチ級ソウルの力』、
『★◉オリガミ・ミサイル』、『★◉オリガミ・フェニックス』、
『☆カラテミサイルLV3』、『★ラピッド・カラテミサイル』、『★★カラテ・エンハンスメント』
『★◉オリガミ・ミサイル』:
ヤモトは【精神力】を消費することなく『カラテミサイルLV3』を使用できる。
『ジツ発動判定』は通常どおり必要。
『★◉オリガミ・フェニックス』:
『カラテミサイルLV3』の発動判定時に出目【6,6,6】があった場合、【精神力】を1消費することで、
エネルギー爆発を伴う大型のオリガミ・ミサイルを発射してもよい。ターゲットは新たに選び直す。
視線の通っている1地点(1マス)を中心とした3x3マスに対し、無属性のダメージを自動的に発生させる。
中心点にいる敵1体には、D6ダメージ(または3ダメージ)を与え(『回避:HARD』)、
それ以外のマスにいる敵には1ダメージを与える(『回避:NORMAL』)
「この場から、逃がすわけにはいかない。ソウカイヤがアタイを捕まえようとするのなら、アタイはどこまでも抵抗してみせる!」
そして、もう一人のニンジャがニンジャスレイヤーの反対側に立ち、
あなたたちを決して逃がさぬという決意と共に、カタナを構える。
「クソ……どうあっても逃がさねえって顔だ……オニイサン、待っててください。すぐにトコロザワ・ピラーに連れて帰ります」
インパルスは、ソニックブームを空き地の端に寝かせるとあなたたちの隣にに並び立ち、カラテを構える。
「生憎だが、ここでオニイサンを殺させるわけにも、俺たちの誰かが死ぬわけにもいかねえんだ。俺はオニイサンのいるソウカイヤでテッペン取るって決めたからよ」
バチ、バチと音を立てながらインパルスの拳がイナヅマを纏う。
その光景を見て、ニンジャスレイヤーは目を細め……
「イヤーッ!!!!」
剣呑アトモスフィアが最高潮に達したとき、カラテシャウトと共に戦端が開かれた!
◆勝利
「ヤ・ラ・レ・タ・ーッ!!!!」
あなたたちの決死の防戦により、ニンジャスレイヤーはその場に倒れ伏す!
……あなたたちは、ベイン・オブ・ソウカイヤを。赤黒の死神を撃破したのだ!しかし、爆発四散はしていない。とどめを、刺さなければ……
その時だった。
「ゲホッ……待て……そいつはほっとけ」
「オ、オニイサン!? 大丈夫なんですか!?」
壁に背で持たれ、苦し気に肩で息をするソニックブームが、
ニンジャスレイヤーにカイシャクを加えようとするあなたたちを引き留めた。
「俺のカンだ……が、そいつはまだ力を隠してやがる。狸寝入りだ。近づきゃ、襲い掛かって来るぞ……」
「そんな……あれだけのカラテをやって、まだ力を……」
実際、幾度かのニンジャスレイヤー交戦によって撃破されたかに見えたニンジャスレイヤーがジゴクめいたシャウトと共に再び息を吹き返す事例はソウカイネットで何度か共有されている。ソニックブームはそこから推測を立てたのだろう。
「……帰るぞ。ケジメは俺が引き受けてやる」
なんと、ソニックブームは無理やりに満身創痍の体を起こし、
覚束ない足取りだが自らの足で、歩き始めた。
「オ、オニイサン!」
慌てて、インパルスが肩を貸す。
こうしてあなた達はこの路地から撤退した。
◆トコロザワ・ピラー医務室
後日、あなた達とインパルスはソニックブームに呼び出された。といっても、いつものブリーフィングルームではなく、トコロザワ・ピラー内の医務室だ。
ソニックブームは一命こそとりとめたものの、重症なのは変わりなく今は病室で寝ている……はずなのだが。
「ハァーッ、書類仕事だけでも俺様がいなくちゃ回らねえと来てる。まったく、後進が育ってねえってのはつらいぜ。エ?」
「すんませんオニイサン、俺がもう少ししっかりしてれば……」
ソニックブームはさすがに実地の仕事はできないものの、既にバリバリとスカウト部門の書類仕事をベッド上で片付けている。そして、それを申し訳なさそうに手伝うのはインパルスだ。
「……そんな顔すんな。これでもテメェらには期待しはじめてるんだぜ。今回の件でそれなりに『侠気』みせやがったからな。ヒヨッコ呼ばわりはそろそろやめといてやる」
「オ、オニイサン……!」
感極まりそうになるインパルスだが、ソニックブームは腕を伸ばしその額を小突く。
「そういうとこだよ、オメー。ヒヨッコは卒業だが、
サンシタ卒業はまだ遠いな……」
「だが……」
「テメぇらがサンシタ卒業した頃にゃ、もう一度改めて行こうぜ。飯でも食いによ」
◆リザルト
A.ニンジャスレイヤーとヤモトを戦闘不能にした
万札120(プール)+名声2+余暇4日
B.ニンジャスレイヤーを戦闘不能にした
万札90(プール)+名声1+余暇4日
C.ニンジャスレイヤーとの戦闘から逃亡した
名声-1