ニンジャスレイヤーTRPG第2版シナリオ集『AOSニチョームキャンペイグン』第11話『ネヴァーダイズ:オペレイシヨン・ジャイアントキリング』
この記事はニンジャスレイヤーTRPG第2版においてのロングキャンペーンシナリオの第11話となります。各種データ等はDHTLS公式の定めるガイドライン内において、自由に使用・改変していただいて構いません。データには多分にプラグインデータおよびデータ実験場のβ段階のデータが含まれるため、NMおよび参加者はTRPGメンバーシップへの加入を推奨します。
なおキャンペイグンのまとめページはこちら
この記事では以下の素材集の立ち絵を使用させていただいています
◆シナリオサマリー◆
◆シナリオ本編◆
+++NINJA SLAYER NEVER DIES+++
+++OPERATION GIANT KILLING+++
ニチョームの攻防戦の後、ネオサイタマはやや混乱状態にあった。アマクダリ・セクトの上層部が一挙に討たれ、組織が混乱したと同時にセクトのクリティカルかつデッドリーな情報が暴露されたためである。
例えばハイデッカーはクローンヤクザであったことが暴露され、これに呼応して同時に、多数のハイデッカー横暴被害者が声をあげたことで(当然、ナンシーの仕込みである)イメージは低下。ムナミ・シマカタ長官の死亡も相まって、解体寸前とも言われていたNSPDが一気に盛り返しているし、ヨロシサン製薬、オナタカミ社もハイデッカーとの癒着を指摘され連日株価は底値。ニンジャとしての正体を現し爆発四散するカラカミ・ノシトやタダオ大僧正の映像はIRCで連日拡散されている。
ジグラットやNSTV周辺ではデモ隊が連日それを包囲し、イッキ・ウチコワシ残党の扇動で暴動多発。以前から体調不良が報じられていた知事のサキハシは心労で倒れ、本来なら緊急時は繰り上がりで地位を継ぐはずだったシバタ・ソウジロウもアマクダリ・セクトの関係者。ふさわしくないのではないか、という声が上がり議会はゴタゴタ。しかしながら……それ以上に話題になっているのは『01の風』そしてネオサイタマを照らす『黄金立方体』である。アマクダリ・セクトのニチョーム攻撃終了から少し経って突如ネオサイタマには不気味な01ノイズを視覚的に含んだぬるい風が吹き始めた。そして、空には第二の太陽めいて黄金の立方体が浮かび、光を放ち始めたのだ。ニンジャなどおとぎ話であって、このところIRCに流れる映像や画像もすべてフェイクや悪質デマ……そう自らに言い聞かせるようにしていた者たちも、直接自分の目でそれを見ては、否定のしようがなかった。
◆ ヤグラ337 ◆
「……端的に言えば既に『世界再定義』が始まった。アマクダリ・セクトはこの事態に焦り、計画を前倒ししたようね」
ナンシーが戦略チャブの周囲に集まったあなた達含め、多数のニチョーム住民に言う。01の風、そして空に黄金立方体が現れたのはそれが原因であるのだと。
「……世界再定義っていうのは、結局どういうことなの? ナンシー=サンたちはジグラットのUNIXサーバーに接続して、それが何かわかったんでしょう? エート、なんか世界がヤバイ……のよね?」
ネザークイーンが問う。ヤモトなども興味津々だ。
「『世界再定義』……それはすなわち、この世界を法則を書き換え『オヒガン』から切り離すこと。そうなればニンジャは力を失うけれど、アマクダリ・セクトの構成員や信奉者は『論理ニンジャソウル』を移植することで強い力を得る。わかりやすく、アマクダリに逆らえない世の中ってわけ」
「でも、やつらは計画を焦りすぎた。まだA.R.G.O.Sの性能は25%にも達していない。それでも脅威ではあるけれど、『世界再定義』の演算速度は当然遅い。本来であれば1日で世界の法則を塗り替えてしまうものだったのが、私たちの計算が正しいなら2週間かかる」
「それまでにアマクダリ・セクトのUNIXメインフレームにジグラットから奪い取ったデータで作成した対A.R.G.O.S用の電子ウイルスを流し込めば……アマクダリ・セクトの狙いは完全に瓦解する。A.R.G.O.Sは死に、『世界再定義』なんていうだいそれたことは不可能になる」
対A.R.G.O.S用ウイルス。ニチョームへのアマクダリ侵攻時にナンシー、そしてストーカー、ヴィジランスのザイバツ電算室勢が決死の電子攻撃を行い、得たデータから作成したものだ。ストーカーは……電子攻撃の際にナンシーをかばい、A.R.G.O.Sにニューロンを焼かれフラットライン死した。彼女たちも、命を懸け戦っていたのだ。
「しかし場所が問題なの。本来ジグラットにあったメインフレームは既に運び出され、よりセキュアな場所に移された」
「湾岸警備隊艦隊旗艦空母『キョウリョク・カンケイ』。その艦上にね」
「……キョウリョク・カンケイ」
ヤモトがつぶやく。
キョウリョク・カンケイは在りし日のオムラ・インダストリが建造した超巨大空母であり、湾岸警備隊の持つ最大戦力だ。海からやってくるというカイジュウ対策のために所有しているものだが、アマクダリの12人『ハーヴェスター』は世界再定義が成った暁にはキョウリョク・カンケイを旗艦として世界中を回り、終わりなき戦争……という名の一方的な蹂躙を行うつもりであるらしい。
「……アマクダリ・セクトは既にほとんどの戦力をこのキョウリョク・カンケイに移している。洋上にあるからLANケーブルは当然つながっていない。ここからのハッキング攻撃は無線LANでやらなければならないことになり、圧倒的に分が悪いわ。世界再定義を行っている最中のA.R.G.O.Sにも防がれてしまう可能性が高い」
「……これに関してはいかんともしがたい。ソウカイヤへの距離的遅延ゼロ攻撃を行うために電算室をネオサイタマに移したが、まさかまた遅延と距離に苦しめられるとは皮肉なものだ」
ホロキーボードをたたき、デスマーチをしながらヴィジランスが言う。
「つまり……直接乗り込んで、UNIXをどうにかするしかない、ということかよ。腕が鳴るな。突撃はヤクザの得意タクティクスだぜ」
インパルスが拳をぱしんと、掌に打ち付け鳴らしながら言う。しかしナンシーは首を振った。
「ニチョームのニンジャ戦力は、ソウカイヤ、ザイバツ、オムラ、ヨロシサン、フリーランス……実際かなり厚い。アマクダリは敵をつくりすぎたし、一時はそれをすべて相手して圧倒できるほどの力もあったけれど、今はその力も低下している。それでも……それは『まともにカラテができれば』の話よ」
ナンシーがUNIX画面上にワイヤーフレーム表示。オスモウフォントで湾岸警備隊艦隊戦力図の文字。
「ここまで、湾岸警備隊はほとんど戦力を温存している。先のニチョーム防衛戦では2機の湾岸警備隊のマグロツェッペリンを撃墜、1機を中破、コケシツェッペリン、メバチツェッペリン数機にも損害を与えたけれど……それでもまだ航空戦力はツェッペリン、戦闘機、ヘリと無数。海上にはキョウリョク・カンケイ以外にもオイラン級戦艦4隻、ジョロウ級巡洋艦8隻、マイコ級駆逐艦15隻、新造のUNIX制御無人戦闘艦が……」
「おいおいこりゃあ……近づけもしねえよ」
インパルスはナンシーの言葉の途中でぼりぼりと頭を掻いた。これではボートで近づこうと、ヘリで近づこうと、ニンジャスレイヤー=サンめいてミサイルで近づこうと同じことだ。すぐさまレーダー補足され砲撃やら対空砲火で一瞬で海の藻屑にされる。
「……となれば、ひそかに潜入するしかないが……現実問題、十分な戦力を送り込めるのか? 少数精鋭でなんとかもぐりこんだとしても、物理ハッキングを開始すれば気づかれるのは確実だろう」
ザイバツの実戦部隊司令官ワイルドハントは腕を組み考え込む。
「現実的に考えれば潜入しかない……のだけれど、問題はそこ。湾岸警備隊のニンジャ戦力は無傷で残っているうえ……12人最強と言われる『スパルタカス』=サンが残っている。古代ローマカラテ会総帥……そのカラテはニンジャスレイヤー=サンに勝るとも劣らない」
「………………」
少し離れた場所で目を閉じ、無言でメディテーションめいて胡坐をかくニンジャスレイヤーに全員の目が注がれる。インパルスなど大きな被害を受けたソウカイヤ勢は複雑そうな視線だ。しかし、あの防衛戦の裏で単身アマクダリの12人に戦いを挑み、そのうえでジグラット突入。流れを一気に変え、アマクダリ・セクトそのものに大打撃を与えたのも彼であるのは事実だ。
「ファック、どうすればいいんだよ……!」
ユンコがLANケーブル置換頭髪をぐしゃぐしゃと掻いた。もどかしい。やはりバンザイアタックめいた潜入しかないのか?
「たしかに現実的に考えれば潜入しかない、なら、現実を凌駕してやればいい」
「は?」
「どういうことだね?」
「???」
「どうすんだよ……?」
「????????」
「ええ……?」
ナンシーは……そう言い放ったが、この場に集まった全員が疑問符を浮かべた。ニンジャスレイヤー以外を除いて。
「一週間。一週間時間を頂戴。そうすれば、あなた達を無事にキョウリョク・カンケイに到着させて見せる」
◆ 決戦の準備 ◆
ナンシーはこうして、準備を開始した。しかし、あなた達は別に『やることがない』のだ。いや、正確に言えばまだ街のあちこちには瓦礫が転がっているし、その片付けやケガ人の手当て、自警団として火事場泥棒めいて侵入してくるヨタモノをつまみ出したり、ハイデッカー攻撃を警戒したりしなければならないのだが……ナンシーの作業は特段まかされなかった。ある意味ではこの一週間が最終決戦前の最後の時間なのである。
あなたはどう過ごしたのか?
◆ 決戦 ◆
9:00
朝のニチョーム。半年前まで、この時間帯のニチョームはネオンは消され、ノボリは片付けられ、静かに眠りについている時間だが……今朝は既にものものしく、動きがある。ニチョームのニンジャはニチョームの守備に残る者以外、全員戦闘準備を整えて次々とモーターヤブやドクロなどからはがした装甲板を張り付けたトラックの座席や荷台に乗り込んでいく。
ありがちな、全員を鼓舞する勇壮な演説はない。そんなものがなくても、これよりキョウリョク・カンケイに乗り込むものは既に皆が皆、気に入らぬアマクダリ・セクトの横っ面を強かに殴りつけてやろうという覚悟を決めているのだ。
「ヤモト=サン!」
と、ヤモトがトラックに乗り込もうとしたところに声。ザクロだ。アサリ、テガタ、オブツダンとセンコウ、キマリテのオスモウ料理人などもいる。
「頼んだわよ。皆を」
「わかってる」
ヤモトは務めて、柔和な笑みをつくった。この戦闘では……ニチョームのNo.2としてザクロがいない間も気を吐いていたヤモトが現場指揮官だ。といっても、戦術的なものではない。ニチョーム勢の支柱として、彼女がある。
ガオオオン。重苦しい音と共にトラックの第一陣が発進していく。この作戦では、あなたたち、そしてヤモト、インパルス、フューネラル、ネヴァーモア、ダストスパイダー、ガーランド、ワイルドハント、シャドウウィーヴ、イグナイト、フェイタル、ヴィジランス、フォレスト・サワタリ、ハイドラ、ファーリーマン、セントール、キュア、フィルギア、アナイアレイター、ルイナー、スーサイド、オメガ、ネブカドネザル、クラウドバスター、ブラックマンバ、ドラゴン・ニンジャ、ブラックパール、グラビティボンズ、ファイアイーター、ヘンチマン、スカラムーシュ。そしてニンジャスレイヤー。総勢35名出撃。いずれもが精鋭。
そしてナンシー、ユンコ、モーティマーをはじめとしたオムラ技師数人がこれに随伴する。
◆ 99マイルズベイ ◆
99マイルズベイ。一度はオナタカミによって排除されたが、もうすでにバラック小屋がいくつもたっている廃品漁りの村を威圧的に横切る車列。まるでヤクザの出入りだ。なんだなんだ、とローグハッカーや賞金稼ぎのアウトローたちが顔を出す。しかし目的地はここではない。
「見えてきた。総員戦闘準備」
全員に配られたウェアラブルIRCや通信デバイスでナンシーが指示。目的地は……『オムラ本社要塞』。現在はオナタカミ社の支社として、オムラの設備を転用したドラグーンやシデムシと言った兵器の製造拠点となっている。当然、重要拠点かつ元はオムラの下請けであったオナタカミ社のゲコクジョの象徴として、ケオサキのオナタカミ本社要塞から機能移転すら進んでおり、警備は厳重だ!
KABOOOOM!!!
砲撃!敵がこちらに気づいた!車列先頭を進んでいたトラックが砲弾を受け、爆裂!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
しかしながら手練れニンジャぞろいのニチョーム勢!ワイルドハントはコマ・ジツの大ゴマに飛び乗り高速移動!シャドウウィーヴ、イグナイト、フェイタルらも着弾前に車から飛び出し色付きの風となりかけている!ヴィジランスは……ナンシーと共にこの作戦の要であり、車列中心の最も防備の固い車列だ。
ギュオオオオン!空中を進むオムラの空戦隊が加速した!
KADOOOOM!!!
「グワーッ!!!」「アババーッ!!!」「アバーッ!?」「サヨナラ!!!」
旧オムラ本社要塞前に展開しはじめていた大型多脚戦車BW-13"ミボウジン"を主力とするハイデッカー守備隊が空中から放たれるオムラ・レールガンによってまとめて爆裂する!ミボウジン部隊指揮官アイアンウォッチ、そして不運なアマクダリ・アクシス構成員のカタナマンティスは
爆 発 四 散 !
さらに次々とトラックを乗り捨てるニンジャたち!
ナンシーとモータル技師たち以外のトラックはヴィジランスによりIRC遠隔操作!高速でオナタカミ防衛網に突っ込み連鎖爆発だ!!!
KABOOOOM!!!!
「アババーッ!!?」「アバーッ!!!」「ザッケ……アバーッ!!!」「グワーッ!!!」「グワーッ!!!ホノオ!!!」「アバーッ!!?」
既に防衛線をずたずたに引き裂かれたアマクダリ勢!ニンジャたちが次々と旧オムラ本社ビル内突入!この数のニンジャに攻められれば、いかな警備厳重といってもひとたまりもない!
ルイナーが危険な八極カラテでシデムシを装甲ごと押しつぶすように粉砕すると、負けじとフェイタルもドラグーンの脳天を叩き潰した!アナイアレイターは攻防一体の鏖殺鉄条網でハイデッカーをずたずたに引き裂く!スカラムーシュも鉄条網に巻き込まれ身動きできないモーターヤブ改善の装甲板の隙間にカタナを差し込みこれを破壊した!
「ドーモ、ディスメンバメントです」「ブルージュッテです」「クレイモーンです」「サンドウルフです」
「これ以上は通さんぞ!!!」
しかし、ヤナマンチ社をはじめとした企業ニンジャが立ちふさがる!
「「「「サヨナラ!」」」」
ディスメンバメント、ブルージュッテ、クレイモーン、サンドウルフは
爆 発 四 散 !
もはやあなたたちの進軍を止める者はいない。オナタカミの重役などが失禁しながら気絶しているのを無視し、あなた達は最上階……屋上ヘリポートへ。
「……よし、情報通りだ。手が付けられていない。土台もしっかりしてる……点検はじめ!」
「「「「ハイヨロコンデー!」」」」
慎重に護衛されたモーティマー、オムラエンジニアが屋上にあった大型のカタパルトめいたものを点検し始める。サビや脆弱になっている場所はないか。破損している箇所はないか。素早く。しかし正確に行わなければならない。20分をかけ、点検。問題なし。
『安い安い実際安い』
「キンジマ船長、問題なさそうだ。おろしてくれ!」
「ハイヨロコンデー! まさかMAAAが日の目を見るとは思いませんでしたよ! ワクワクしています!」
オムラ社屋上空につけた欺瞞用の宣伝文句を繰り返す鬼瓦ツェッペリンからチェーンで吊り下げられたいくつかのコンテナが降ろされる。その中から現れたのは大型のブースターがついたロケットめいたものだ。
「MAAA(モーター・アブナイ・アットー・アグリゲイト)システム。通称『モーターツヨシ』。それを流用した『ニンジャ輸送機』だ」
数機のニンジャ輸送機がコンテナから取り出され、オムラ技師の指示の元、ニンジャたちも協力して次々とカタパルトにセットされる。ナンシー、ヴィジランス、ユンコらは管制システムの現地最終調整だ。ナンシーは01風が吹き始めたニチョーム防衛戦終結直後から、オムラ技師と協力してこれを制作していた。当然、実地テストは行っていない。今回、ぶっつけ本番だ。データ上は100%問題ない。
「システムにいくつかのエラーな。※生体接続がされていません」「谷」「弾薬」「殴り薬:エラーな」「沈痛:エラーな」
狭い輸送機内に満員電車めいたすし詰めで乗り込むと、そういった警告が画面に映ったままの画面。本来はネブカドネザルなどのニンジャに生体接続して使う物をそのまま流用しているのでこれまた、問題はない、らしい。
ルルルルルル、多種多様なシステム起動音がテクノ・トラックめいて次々に重なり、カタパルト前方に設置された巨大めくりショドー台の「五」の文字をスタッフがめくった。
「四」
カウントダウン開始だ。
「三」
ナンシーが論理秒単位で最後まで調整作業。
「二」
オムラ技師が幸運を祈るサムズアップの後退避!
「一」
陽炎が前方の景色を歪める。
「炎」
ドウ!カタパルト射出!
MAAA点火!
「モ……モーターヤッター!飛んだァ!」「ツーヨーシ!ツーヨーシ!」「ツーヨーシ!ツーヨーシ!」「モーターヤッター!」「オームラ!オムラ!オームラ!」「モーターヤッター!」「バンザイ!!!」「モーターヤッター!」
次々と5機のニンジャ輸送機が射出される。それらはMAAAの力によってすぐさまおぞましいほどの勢いで加速。キョウリョク・カンケイ着弾まで……6秒。
「艦隊を、頼んだわ」
◆ キョウリョク・カンケイ ◆
「……ブッダ! ネオサイタマ市街地は暴徒の群れだ! わが社の本社周囲でも連日、貧乏人たちがシュプレヒコールを上げているぞ!」
新たに12人の座に就いたニッキキ・コープ取締役『ニシノ・アンドー』がチャブを怒りに任せて叩き、その拍子にユノミからチャがこぼれた。
「まあまあニシノ=サン。落ち着いて……実際アマクダリ・セクトのシステムは強固……ネオサイタマがケオスなのはいつもの事でしょう。問題ありません。この騒乱も少しすれば静かになる。ハイデッカーはいくらでも替えが効きます。指揮系統さえ回復すれば……」
「実際、オナタカミの生産工場でも多少のトラブルはありますが、ドラグーン、シデムシ、ハイタカ……いずれも生産は続いていますから、それらを用いて『暴徒』鎮圧の後はいくらでもNSTVからの情報で世論は操作できます」
ヤナマンチ専務『タナベ・シンジ』がアルカイックめいた笑みを浮かべて言い、オナタカミの『コエド・ハナオ』……同じくシステムめいて12人の欠員を埋めたそれらがニシノをなだめた。
「それまで皆さんにはこのキョウリョク・カンケイ艦上で安全に過ごしていただけばよいだけ……何分、軍隊なものでむさくるしいのは少々勘弁していただきたいが、全戦力を集結させたこの艦隊はもはや海上要塞と言っても過言ではありますまい。少しの辛抱です」
そして……湾岸警備隊司令官『ケイノウ・サナダ』……『ハーヴェスター』その人が余裕の笑みを浮かべて言うのだ。
KADOOOOOOOOOOOOOOM!!!
KADOOOOOOOOOOOOOOM!!!
KADOOOOOOOOOOOOOOM!!!
KADOOOOOOOOOOOOOOM!!!
「グワーッ!?」「グワーッ!!?」「アイエッ!?」「アイエエエエエ!!!」「グワーッ!!!」
「なんだ!?何が起きた!」
タイフーンの洋上にあっても、戦闘機安定発艦のために揺れが抑えられる構造のキョウリョク・カンケイが大きく揺れた。未だニンジャソウル移植を受けていない12人のモータルメンバーは全員、椅子から振り落とされるほどの衝撃。攻撃は考えられぬ。あらゆる戦闘機、ヘリ、ミサイルは艦隊からの対空砲火で撃墜できる。操作ミスや機械不備によるなんらかの事故か? ハーヴェスターはそう考えた。
しかし!
「イヤーッ!」「アバーッ!!!?サヨナラ!」
キョウリョクカンケイのデッキからあがる黒煙。そこから飛び出したフォレスト・サワタリが湾岸警備隊ニンジャスチームアンカーの首を刎ねた。ジャガンナートも既にその横でニンジャスレイヤーに心臓を摘出されている。
そう、現実的に考えれば……例えば現用の一般的な空対空ミサイルなどは速度マッハ2.5前後と言われており、有人飛行する『実用的』軍用機ではSR-71『ブラックバード』が記録したマッハ3.3が最高速度。有人実験機としてはX-15がマッハ6.7を記録しているが……その機体には重篤なダメージがあり飛行後即座に引退している事実がある。無人航空機でも極限まで無駄をそぎ落としたX-43『ハイパーX』のマッハ9.68が限界。すなわち、人類は大気圏内において今まで巡航速度マッハ10の壁を破ったことはなかった。
しかし……『MAAA搭載モーターツヨシ』の巡航速度は『マッハ20』である。当然、ニンジャにしか耐えられない速度だが……ナンシーはそれを砲弾兼ニンジャ輸送手段としてキョウリョク・カンケイに打ち込んだのだ。迎撃は当然不可能。レーダーに感知された次の瞬間には、着弾というわけだ。何たる力業……!
しかしすぐさま、クローンヤクザ湾岸警備隊兵殺到!
NMはPCにもクローンヤクザや兵器相手の戦闘RPを促す
「イヤーッ!」「俺にカトンは効かねえぜ!おまえ、サメを殺したことがあるのか!?」「アバーッ!!!?」
ヴァンブレイスがヨロイのガントレット・ブレーサーに仕込まれた火炎放射器を噴射するがカトン使いのファイアイーターがこれをものともせず接近!カタナで重サイバネ装甲ごと溶断!グラビティボンズはホーリードメインにボンジャン・カラテだ!
「サヨナラ!」「みんな!ヴィジランス=サンを守って!」
アローレインをウバステで切り倒し、同時に超自然の蝶を四方八方に乱れ飛ばしながらヤモトが叫んだ!目指すはキョウリョク・カンケイ艦橋。そこに世界再定義をつかさどるメインフレームが存在する。そこになんとしてもヴィジランスをたどり着かせねばならない!
「ドーモ、ハリカルナッソスです!」「クラリオンです!」「シャープシューターです!」「アイアンジャケットです!」「サイコダートです!」
湾岸警備隊とアマクダリのニンジャが殺到してくる!
サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!
「行け!殺しまくれ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「アババーッ!」「グワーッ!!!」「イヤーッ!」「シネッコラー!!!」「アバーッ!!!」
フューネラルのジツで動きが止まったトゥームクロウラーをブラックパールがドスダガーで刺し貫き、チャカガン射撃でカイシャク!ワイルドハントのコマ・ジツで逃げ道を断たれたシンクレアとレッドスナッズはひとまとめにドラゴン・ニンジャの振りかざしたマストダイ・ブレイドで首を刎ねられた!元タダオ大僧正の私兵であったパトリアークはタダオの祝福残る聖なる杖で恐るべきカラテミサイル弾幕!しかしクナイ・ウィップ使いの若手ソウカイニンジャガーランドがそれをとらえると、ソウカイヤの古豪ダストスパイダーがスリケンでそれを仕留めた!
「ええい、これ以上は通さぬ!ドーモ、ビショップです!」「エプスタインです!」「ベアハンターです!」「グロウダガーです!」「キルスウィッチです!」「ソルハンマーです!」
さらなる敵!クローンヤクザ兵やシデムシ、ペイガンなどの兵器も多数!
サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!
しかしながらニチョーム勢は全員が最精鋭である。向かう先にはもはや殺戮の行進めいてニンジャの爆発四散痕跡、バイオ血液、マシンオイル、ナマクビ、死がふりまかれた。カラテ、カタナ、ジツ、炎、銃弾、プラズマ、毒、呪詛。ありとあらゆる形の死現出す!
「ハァーッ、ハァーッ……全員生きてるか!」
クローンヤクザ兵をニンジャソードで斬り殺したスカラムーシュが声を張り上げる。これより先はデッキから内部へと入り、一気にブリッジへ駆けあがるだけだ!
「ア……」
その時だった。
「サヨナラ!」
スカラムーシュは爆発四散!
一瞬の出来事であった。ただ自然に歩み寄ったファイアーパターン装束のニンジャがスカラムーシュの肩に手を置くと、彼は倒れ、死んだ。
「スカラムーシュ=サン!!? テメエ、何のジツを使いやがった!」
激昂した元危険生物ハンターのファイアイーターがカタナを振りかざし飛び掛かる!
「サヨナラ!」
ファイアイーター爆発四散!
「何って、カラテだよ」
一瞬の交差。そののち一秒遅れて首を失ったファイアイーターが爆発四散する。こともなく言ってのけたのは……
「わらわらいるなァ……オイ? めんどくさそうなのも何人かいやがる」
「ドーモ、スパルタカスです」
……ニチョーム勢を緊張が支配する。スパルタカス。作戦上最も障害になるであろう『12人最強の男』。そしてその後ろには。
「ドーモ、湾岸警備隊司令官。ハーヴェスターです」「ダイアウルフです」「アルデバランです」「ファイアブランドです」「ブライカンです」「マーズです」「デメントです」「ファーストブラッドです」「クレイモアです」「コーナラーです」「アイアンクラッドです」「サイバースピネルです」「クルーシヴルです」「イスパイアルです」
湾岸警備隊。そしてアマクダリ・アクシス精鋭!ペイガン部隊までも!
「……戦力の逐次投入は悪手……しかしながら、状況に焦り安直な突撃や全戦力投入もただ我が方の被害が増えるだけ。これから世界を燃やす大戦争をするのだから、貴様らのような相手にあまり兵隊を使いすぎるのも考え物なのでね。戦場を選ばせてもらったよ。シンプルな戦場でいいだろう?」
そう言って威圧的に歯を見せ笑うのは戦争屋ハーヴェスターである。
「ここまで来るのにだいぶ疲れたろう? 疲弊した敵戦力に、最適のタイミングで、最高の戦力をぶつける……すると、狩人と獲物が。生と死がころりと入れ替わるのだ。まっこと、生きた戦場は面白い。プリミティヴな喜びすらある」
「なんでもいいけどよォ……ジジイは話が長いぜ。さっさとやろうや。カラテだろ」
スパルタカスはあくびをし、軽くカラテを構え確かめるようにセイケンヅキした。それだけで、空気そのものが切り裂かれるでもなく、まるでトーフに指を押し沈めるがごとく滑らかに押しのけられるのが分かった。あのセイケンヅキを受ければ、人体でも同じようなことが起こるだろう。
「ハッハッハ!これはこれは!むしろ折角カラテをするのだ。それを少しでも美味く食おうと思わんかね!」
「まったく。さっさとこいつら殺して、事態が落ち着いたらカネを稼ぎてえ。俺はカラテは好きだが、それは金の生る木だからだ。美味い飯、権力、女、クルマ、服。俺はカラテ・ロマンチストじゃないんでなァ」
「これは見解の相違だ! 仕方ない、スパルタカス=サンが飽きてきておる。カラテの時間としよう。湾岸警備隊諸君!」
もはやハーヴェスターの号令を待たず、スパルタカスが動いている。
「殺せ!!!敵の目ん玉からケツまでファックしてやれ!どこに向いてカラテしても敵にあたるぞ!」
「「「「「イヤーッ!!!」」」」」
遅れて、ハーヴェスターの声。決戦の火ぶたが切られる!
◆ニンジャスレイヤー:ネオサイタマの死神 (種別:ニンジャ)
カラテ 17 体力 20
ニューロン 10 精神力 12
ワザマエ 12 脚力 9/N
ジツ 0 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 17/12/10/10
回避/精密/側転/発動 19/12/12/10
回避難易度修正: 対近接攻撃(難易度−1/ジュージツ)、対スリケン射撃(難易度−1/見切り)
ダメージ修正: 『鉄拳』の効果により、『近接攻撃』はダメージ2(1+1)、『装甲貫通1』となる。
ランスキック使用時は3ダメージ(1+1+痛打1)、『装甲貫通1』、『弾き飛ばし』となる。
◇装備や特記事項
家族の写真、パーソナルメンポ、伝統的ニンジャ装束
・ドウグ社製ブレーサー(回避ダイス+1、緊急回避ダイス+3、
『部位防御(腕部)』:シナリオ中最初に与えられたサツバツ出目5の付属効果を全て無視する)
・ドウグ社製レガース(体力+1、緊急回避ダイス+3、
『部位防御(脚部)』:シナリオ中最初に与えられたサツバツ出目2の付属効果を全て無視する)
・ドウグ社製フックロープ
手番開始フェイズ、手番終了フェイズ、もしくは弾き飛ばしが発生した直後に使用可能。
任意の相手に自動成功する射撃を行う。この射撃はいかなるダメージも生じないが
回避難易度HARDであり、この射撃を回避できなかった相手は次の手番終了フェイズまで
崩れ状態となり、ニンジャスレイヤーの隣のマスに再配置される。リチャージ1
『●連続攻撃3』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、
『◉◉戦闘系ソウルの力』、『◉頑強なる肉体』、『◉◉タツジン:ジュージツ』、
『◉◉タツジン:スリケン』、『◉スリケンの見切り』、『◉鉄拳』、『◉ランスキック』、
『◉ヒサツ:ワザ・ポン・パンチ』、『◉ヒサツ・ワザ:サマーソルトキック』、
『◉チャドー呼吸』、『◉ヒサツ・ワザ:タツマキケン』、『◉ヒサツ・ワザ:アラシノケン』、
『◉ヒサツ・ワザ:サツキ・ジキツキ』、『◉◉憎悪:ニンジャソウルの闇』、
『◉憎悪:ソウカイヤ』、『◉憎悪:ザイバツ』、『◉憎悪:アマクダリ』、『◉ヘルタツマキ』、
『◉ツヨイ・スリケン』、『◉ナラクの知識』、『◉不浄の炎』、『◉即死耐性』、
『◉知識:サラリマンの流儀』、『◉交渉:煽り』
またニンジャスレイヤー専用スキルは以下を参照
◆スパルタカス(種別:ニンジャ)
カラテ 24 体力 36
ニューロン 18 精神力 25
ワザマエ 18 脚力 10/E
ジツ 0 万札 120
攻撃/射撃/機先/電脳 24/18/18/18
回避/精密/側転/発動 26/18/18/-
◇装備や特記事項
パーソナルメンポ 伝統的ニンジャ装束 ニンジャブレーサー ニンジャレガース
●連続攻撃4 ●連射3 ●時間差 ●マルチターゲット ●ニンジャ第六感
◉◉戦闘系ソウルの力 ◉頑強なる肉体 ◉常人の三倍の脚力 ◉ニンジャアドレナリン強化
◉トライアングルリープ ◉鉄拳 ◉痛覚遮断 ◉近接特殊ステップ ●不如帰 ●即死耐性×2
◉部位破壊無視
このニンジャはサツバツによる即死以外の部位破壊を受けた際、
それ以降のターン開始時に精神力を支払った数だけ、その部位の能力低下を無視する。
ただし、この効果を使用した場合、手番開始フェイズでの集中宣言
および近接特殊ステップによる集中を使用できない。
◉◉マスター・オブ・タツジン:古代ローマカラテ
体力・精神力+6
このニンジャは近接攻撃判定の出目6にが含まれる場合、痛打+1
そしてターン進行や、ダメージに応じて『構え』を変化させる。
しかし古代ローマカラテは魔技。その全貌は謎に包まれている。
『●不如帰』:このニンジャは不退転の決意を固めており、多対一の戦闘の中でも、
獅子奮迅の戦いぶりを見せる。 単独で2体以上のPCを相手に戦っている限り、このボスNPCは
1ターン中に2回の手番を得る。『一騎討ち』ルールと同様に、本来のイニシアチブ値で
1回目の手番が、イニシアチブ値の1/2で2回目の手番が回ってくるが、例外として、
直前の手番と同じ行動種別は選べず、同じターゲットも選べない。なお、ここでいう行動種別とは
「近接攻撃」「射撃」「ジツの使用」「その他の行動」である。
「同じジツ、同じスタイル、同じ轢殺攻撃は連続使用できない。
このとき、スタイル宣言なし、もスタイルの一種とみなす
(つまりスタイル宣言なしの近接攻撃を2回連続では行えない
◆カンゼンタイ(種別:ニンジャ/危険生物/惑星制圧級ヨロシ兵器/超巨大測定不能)
カラテ 測定不能 体力 1800
ニューロン 異質だが高度 精神力 完全なるヨロシ的思考
ワザマエ 5 脚力 成長すれば有翼化し飛翔する
ジツ トランスペアレントクィリンのみがヨロシ・ジツで制御可能。
攻撃/射撃/機先/電脳 30/5/?/?
回避/精密/側転/発動 -/5/-/-
◇装備や特記事項
カンゼンタイの巨大な腕
基礎ダメージダメージ3D6。ターン開始時にワザマエNORMAL判定を行い、
成功数だけマップ上の屋外箇所に3×3に近接攻撃(カウンター不可)を行う。
これは敵味方関係なくダメージを与え、回避難易度はNORMALだがアトモスフィアの影響を受ける。
◉◉◉◉◉◉◉◉カイジュウ
カンゼンタイはあらゆる回避行動が不能かつ移動できない。
すべてのサツバツ・能力値ダメージ・即死は痛打D3に変換され、さらに、精神は-であり
精神ダメージは体力ダメージに加算する。毎ターンD10を振り、その分だけ体力を回復する。
屋外のすべての場所に視線・射線を通し、またそれはすべてのニンジャからも同様である。
◆戦闘中イベント集◆
◆戦闘開始時・獅子の構え
スパルタカスはやや腰を落とし、両手指第一関節第二関節を曲げ、掌を下向けて、前に出した。古代ローマカラテ第一のイクサの構え。獅子の構えである。前に出した両手は、腰から上を狙うあらゆる打撃に対応する。中腰に下げた姿勢は頭部を狙った大技を拒絶する。足元に下段の蹴りは届かない。両手を前に出す事により、下半身の位置はかなり離れているように見えるし、スパルタカスほどのカラテ巧者の腕が届く距離はまさしく死の間合いに等しい。ヤバレカバレ突撃は無残な結果に終わることになるだろう。
「ようやく会えたなァ、ニンジャスレイヤー=サン。先日は俺から逃げることに精いっぱいだったようだが今日は逃げねえのかい」
ニンジャスレイヤーとて、先日はニチョームの苦難を見ながらその隙に火事場泥棒めいてやすやすと12人の半数を倒したわけではない。12人はそれぞれ高位ニンジャソウルをカネで買い移植した恐るべきニンジャたちであり、スパルタカスや古代ローマ三闘士、アマクダリ・アクシス精鋭の追撃を受けながらのギリギリのイクサであったのだ。
「……今は貴様が逃げ場なしと見える。社会的地位を失い、海の上の孤島めいた空母におめおめ匿われ、味方を殺し回られようやく登場とは」
「ハッ、言うねえ!」
既に周囲ではニンジャの死闘が始まっている。そして、戦う相手は決まっているとでもいうように、自然とあなたたちとニンジャスレイヤー、そしてスパルタカスの邪魔をする者はいなかった。場のアトモスフィア。キリングオーラ。双方の戦術。それらが奇妙に結合した結果だった。本来ならばスパルタカスには『ネオサイタマの死神』ことニンジャスレイヤーと『オムラ最強』オメガをぶつける予定であった。しかしながら、敵もこちらの陣容を見てそれを予想したのか、オメガにはマーズ、デメント、コーナラーらが立ちふさがり徹底的な牽制を行い近づかせないようにしているのだ。
「他のもそれなりにやる。飽きはしなさそうだ」
◆ターン1終了時・カンゼンタイ登場
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!!!!」「イヤーッ!」「ソマシャッテオラー!!!」「グワーッ!」
周囲ではニンジャの乱戦!その中でブラックパールが肩口を狙撃される!
次いで、空中を飛び回り文字通り死を降らせていたネブカドネザルの装甲にも矢!しかしこれはオムラ装甲の前に通らぬ!
「……狙撃ニンジャ。艦橋近くに2体確認な」
艦橋近くから狙撃を行うのは……ソリティアとディアハンター。湾岸警備隊が誇るナガユミの名手と、シャーテックを主席卒業したもっとも完成されたスナイパースリケンの使い手だ。ネブカドネザルのオムラ・レールガンであれば、これをイチモ・ダジーンに粉砕できるであろう。しかし、場所が問題だ。火力が高すぎるオムラ・レールガンは艦橋ごと破壊しかねない。あくまでメインフレームにはヴィジランスによるハッキングを行わなければならず、破壊ではただ、一時遅延をもたらすだけ。また別のどこかでメインフレームが再建されてしまう……ならば、近接戦を挑むのみ。ネブカドネザルは赤熱大型チェーンブレードを展開しかけた。
その時である。
SPLAAAAAAAASH!!!!!!!!
巨大な水柱が吹き上がった!どこかの別の艦が、もしやヤバレカバレに砲撃を!?
「グワーッ!!!!」
ネブカドネザルが巨大な腕に打ち据えられる!空中で回転し、かろうじて姿勢制御スラスターを噴射するもキョウリョク・カンケイの艦上にたたきつけられた!
「……YYYYYYYYYYYYYRRRRRRyyySSShhhhhh……」
それは、巨大な三つの目で甲板で戦うニンジャたちを見下ろした。
「ア……アア……バカな、完成していたというのか」
キュアはそれを見て、茫然と呟く。
「SSSSSS……YYyyyyRRhssssRRyYYRRカンゼンタイRRRyyhhh」
それには知性がある。邪悪な知性が。爪の生えた凶悪な指で、あなた達を指すようにしてカイジュウは……カンゼンタイと名乗った。
「ヨロシサンは大きな遺産を残してくれた。カンゼンタイ。ここで使うことになるとは思わなんだが、良いオモチャよ」
ハーヴェスターは掛かってきたインパルスを蹴り飛ばし、さらに横合いから襲い掛かるイグナイトの膝を撃ち抜きながら笑う。
「ヨロシ・ジツとやらはもはや通じぬぞ、キュア=サン。カンゼンタイを借り受けるにあたって、トランスペアレントクィリン=サンからは簡易の権限を拝借した。そしてヨロシサン取締役会とやらがトランスペアレントクィリン=サンもろとも全滅した以上、これは儂にしかしたがわぬ」
◆ターン2開始時・モーターオムラ登場
「さて、そろそろお前の力を見せる時だぞ!カンゼンタイ=サン!」
「YYYyyyyrRrRRrrSSSssssssyh!!!!」
「グワーッ!」
カンゼンタイがその巨大な体を震わせながら咆哮し、品定めをするように戦場を見下ろす。何とかこれを阻止しようとハチドリめいて周囲を飛び回り攻撃するクラウドバスターだが、人間と蚊以上の差!オハナシにならない!咆哮の衝撃のみで吹き飛ばされる!地上からもセントールの背にまたがり騎馬武者めいてペイガンをボーで打ち据えていたファーリーマンやブラックマンバがヤバレカバレめいてスリケン!しかし、巨大な触手の一本がおもむろに掲げられ……
SPLAAAAAAAASH!!!!!!!!
その時であった。またもう一本の巨大水柱。同時に近隣を航行していたグレーター・オイラン級戦艦とジョロウ級巡洋艦が木っ端のようにもちあがり……
CRAAAASSSSSssssssssssssshhhhhhh!!!!!!!!!
「YYYYYYYRRRRRYSH!!!?」
鈍器めいてカンゼンタイの頭に振り下ろされた。爆炎と共に真っ二つになる船体!
「これは……何だ!?」
ハーヴェスターの笑みが消えた。
「ARRRRGH!!!行くぞッ!!!」
「ウオーオオオオン……」
ユンコの言葉に答えるように、全長666mの鋼鉄の巨神がうなりをあげた。発射された5機のニンジャ輸送機のうち、キョウリョク・カンケイ着弾は4機。ならば残り1機は? そう、タイサ・ルニヨシがデータ送信したポイントから割り出したオムラ海底工廠へと向かっていたのだ。ユンコを乗せて。
「……最終V字回復決戦兵器『モーターオムラ』だッ!!!!」
◆スパルタカスが最初にダメージを受けた次の手番・鷲の構え
古代ローマカラテ第二の構え、「鷹の構え」。見よ。Xの字に交差させた腕は手の甲側ではなく手のひら側を敵に対して向けている。そして両手は人差し指と中指を曲げている。
これは実際、古代ローマカラテ開祖にして帝政以前のローマ古王国の最初の王ロムルスが、己の前へ舞い降りた鷹たちの姿に着想を得て編み出した構えであり、神秘的啓示の解釈を不服として決闘を挑んで来た弟レムスの心臓を抉り出して殺すに至った由緒ある攻撃予備動作であった。
◆スパルタカスが体力26以下になった次の手番:馬の構え
「ほう、なかなかやる。だがここまではスキピオのやつも出来た」
スパルタカスは……メビウスの輪めいた軌跡を描く足さばきで、動きはじめた!
動き続けるのは足のみにあらず。スパルタカスは高くかざした両腕を、やはりメビウスの輪めいて、内から外、外から内へ動かし続けている。前へ向けた握りこぶしが、さながら打ちかかる軍馬の蹄を思わせる……然り!これこそが古代ローマカラテ第三の構え、「馬の構え」である!
ゆらめく動きのスパルタカス。その胸の前では左拳と右拳がふたつの「∞」を描き続けている。周囲の空気がこの二つの∞の対流に吸い込まれ、吐き出される。さながらそれはカラテの銀河を思わせ、いかなるワザも無力化するかと思わせた。
◆2ターン目スパルタカス2回目の手番終了時:他のニンジャたちの戦闘描写
「イヤーッ!!!」「イヤーッ!!!」「イィイヤァーッ!!!」「キエーッ!!!!」「イヤーッ!!!!」「Yrrrsyh!!!」「オムラ!」「イヤーッ!!!」「グワーッ!」「イヤーッ!!!!」「サンシタがァ!!!」「グワーッ!!!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!!!」
サイバースピネルがドラゴン・ニンジャのケリを受け爆発四散!クレイモアはそこに大剣を振り回しながら迫るが、ヘンチマンが赤熱テッコでそれを殴りつける!現在の湾岸警備隊において随一のカラテ段位を持つダイアウルフは暴力衝動に身を任せ、オオカミ・カラテを振るうがネヴァーモアやシャドウウィーヴがこれを食い止め十全な動きができぬ!オメガはマーズ、デメントの徹底マークを掻い潜りながら、既にファーストブラッドを爆発四散させ、コーナラーにウルシ・ジツを注ぎ込んだ!
「アバーッ!!!サヨナラ!!!」
カラテ衝撃。そして流し込まれたウルシを目鼻耳口から吹き出しながらコーナラーは
爆 発 四 散 !
◆スパルタカスが体力18以下になった次の手番:一角獣の構え
「思ったより危険なやつらだ。だが、俺のカラテ探究も、やはりこうした時に役に立ってくるもんだよなァ……!」
スパルタカスは左腕の移動範囲を広げ、右腕を引いた。一角獣の構え!それはあらゆる打撃を左手の馬蹄で絡め取ってカウンター打撃を叩き込むばかりでなく、攻めあぐねる相手に対しては右手の螺旋角で先手を打ち、一気に畳みかけて倒す、逃げ場なき必殺の古代ローマカラテだ。
◆3ターン目・スパルタカス2回目の手番終了時:フィルギア
「ンッ……」
艦橋上の絶好の狙撃ポイントからニチョーム勢に矢の雨を降らせていたソリティアが呻いた。
「一方的に殺すの、タノシイだろ。でも戦場にいるかぎり絶対安全ってワケじゃない。美人なのになあ……惜しいね。ヒヒ」
ソリティアの胸から生えた抜き手を心臓ごと引き抜くのはフクロウ頭に青銅の爪、翼を生やした魔人めいた姿のフィルギアだ。ソリティアはロングボウを取り落として手すり越しに転落。空中で爆発四散した。
「……チィーッ」「グワーッ!クソ、かっこつかねえ!」
咄嗟にフィルギアにスリケンを投擲するのはおなじポイントから狙撃を行っていたディアハンター。フィルギアはこれを回避しようとしたがかなわず、腕でうけ、鮮血に染まった羽毛が飛び散った。しかし!
「俺にばっかかまってると、コワイのが来るぜ」
「アバーッ!!!!? サヨナラ!!!!」
ディアハンターの背後、既に鋭角的な飛行機雲を残し飛び去って行くのは……再起動したネブカドネザル! 大型赤熱チェーンブレードによるすれ違いざまの高速斬撃だ!ディアハンターは優秀なニンジャであったが……相手が悪すぎた。一瞬にして溶断ひき肉と化し爆発四散! そのままネブカドネザルは下のペイガン部隊に爆撃めいてオムラ製ショック爆雷を精密投下しつつ、カンゼンタイを抑え続けるモーターオムラとクラウドバスターを援護しに向かう!
「ぜってーあれと戦いたくねえな……オムラとはケンカしないようにしとこ……」
その光景を見ながら、フィルギアは座り込んで下の乱戦を観察しつつ、こっそりとタバコを吸った。
◆スパルタカス体力10以下で手番開始:龍の構え
スパルタカスの構えは、既に新たなものに変わっていた。古代ローマカラテ龍の構え。処刑必殺技の類いは使わず、細かいチョップやショートフックを繰り出し続ける。それは必然からだ。ここまでカラテを練り上げ、なおかつ龍までをも使わざるを得ないようなタツジン同士の攻防ではいきなりの大技など当たるはずもなく、ただ隙をさらすだけの行為であり、小技が破滅的なカラテの糸口となる。
◆ターン4開始時or龍の構え発動時:モーターオムラvsカンゼンタイ
「死ねーーーッ!!!!!」「Yrssssssssyh!!!!!!」
モーターオムラの肩に装着されたエイトバイエイト64連アンタイニンジャ砲『オムラ・デストラクター』がカンゼンタイに向けて火を噴いた。モーターオムラに砲撃を行っていたオイラン級戦艦とマイコ級駆逐艦、無人艦4隻がこのメガロ火力妄想者の夢めいた悪夢火力に巻き込まれ轟沈する!しかし……!
「粛々と射撃を続けろ! 湾岸警備隊に撤退の二文字無し!」
ハーヴェスターの指令によって残存戦力がモーターオムラに一斉射!カンゼンタイもろとも、爆裂!
「yyyyyyrrrrrsssyh……!!!」
「ンアーッ!!! ファック・オフ!!!!!!」
危険なほどにモーターオムラと同調したユンコに痛覚フィードバック!不用意に近づきすぎた無人艦に炸薬加速ハンマーパンチを食らわせ真っ二つにするものの……
「Ssssyyyyyrrrrrrrrry!!!!!!!」「ンアーッ!!!!!」
その隙にカンゼンタイが襲い掛かり、オムラ・デストラクターが引きちぎられた!
「ヌンヌンヌン……機体損傷率60%超過な」
「わかってる……!」
このままではジリー・プアー!(徐々に不利)、せめてカンゼンタイだけでも倒さねば。これは危険すぎる。放置すればニチョームニンジャ全滅は免れぬ。腕部炸薬ユニット残存量わずか。オムラ・デストラクター損傷。対近接専用電磁フィールドも使い切った。残りは……ケリ・キック(仮)なるシステムはある。が、完成度22%とある。ただのケリで戦局が劇的に変わるとは思えない。が……そもそもこの巨大なモーターオムラがケリ?バランスはとれるのか?そもそも、人体ではないのだから脚力の方が強いという道理もない。なぜそんなものを?
ユンコは……モーターオムラのAI制御をONにし、少しだけそのシステムを解析した。ナンシーからの教えでハッカーの真似事はできる。
「…………これ、キックなんて物じゃない。ヤバイ。この質量を攻撃に転化するんだ。だけど」
内容を解析したユンコは驚愕した。モーターオムラそのものが確実に『破損する』が、これは……逆転の目はこれだけだ。おそらく。が、予備動作が大きい。カンゼンタイが巨体かつ鈍重と言っても……あたるのか……? そもそもこれを発動できるだけの隙を見出せるか? 無理だ……砲火が猛烈すぎる!
「ファック!」
ユンコはほとんど無意識に視界から外していたノイズ。V字回復だとかネオサイタマを焦土にするだとかがなり立てるタイサ・ルニヨシの演説が流れ続けるモニタを八つ当たりめいて叩き壊した。
◆戦闘終了時:カンゼンタイ爆発四散
『安い安い実際安い』
KABOOOOOM!!!!
「YRRRRRRRRSSSS!!!?」
と、いきなりモーターオムラの目の前に迫るカンゼンタイの側頭部で爆発が起きた!これは……!
「戦闘鬼瓦ツェッペリン『ブブジマ』の火力を実戦でお目にかけることができるとは感激の至り……!」
あれは……ニンジャ輸送機を運んできたツェッペリン!?
「やるぞッ!!!わが社の名を冠するモーターオムラを援護するッ!」
「オームラ!オムラ!オームラ!」「オームラ!オムラ!オームラ!」
「来ちゃダメッ!!!ツェッペリン一機なんかで……!!!」
湾岸警備隊艦隊はそのほとんどがモーターオムラとカンゼンタイの戦闘に巻き込まれ大破ないし轟沈しているが、グレータージョロウ級重巡洋艦『グンジョウ』、マイコ級駆逐艦改『オモチヤマ』、無人戦闘艦『ウォーホース』『ロイヤルソヴリン』が戦闘を継続している。4隻の軍艦による対空砲火にさらされればいかな重ツェッペリンでも……!
KABOOOOOOOOOOM!!!!
「グワーッ!!!」
ブブジマ側面に直撃弾!機体が傾く!しかしブブジマはもはや、艦首鬼瓦キャノン砲とミサイルを乱射しながら、艦隊にバンザイ・アタックめいて突っ込んでくる!
「ユンコ=サン! オムラをッ! ネオサイタマを護ッ――」
さらに着弾。完全に炎上状態。艦長キンジマとの通信途絶。彼が何を言おうとしたのかもわからぬ。ろくに話したこともない相手だ。しかし。
「迷惑なんだよね……勝手にオムラがどうとか。託されたらさぁ……」
「やるっきゃないじゃんッ!」
ツェッペリンはさらなる集中砲火を受け……なおも飛行。
「YRRRSYH!!!!」
が、最期はカンゼンタイの触手によって払われるように、空中で四散した。しかし、既に。既に。モーターオムラは。その隙に。
「ARRRRGH!!!!!」
オムラ雷神紋めいた、三つの大型ブースターを展開。その巨大質量を……空中に浮かび上がらせていた。
「OMR!!!!」
「YRSSSSSYH!!!!?」
巨大質量による、空中からのトビゲリ!!!!重力加速度を乗せたそれは、もはや一生物に受け止められるものではなくモーターオムラ自体も衝撃で解体していく。しかしながら、破砕パーツをカンゼンタイ体内に弾丸めいて食い込ませ、動力源爆発までをも武器としたそれは。
「サ!ヨ!ナ!ラ!!!」
カンゼンタイの生命活動を止めるに充分であった。
NM向け戦闘指針・ロールプレイ情報
◆ 決着 ◆
アマクダリの12人最強の男『スパルタカス』はニンジャスレイヤーとニチョーム勢の猛攻により爆発四散した。既に大半の湾岸警備隊、およびアマクダリニンジャが爆発四散。残りはハーヴェスター。乱戦の中で弾丸や切り傷を喰らっているが健在。油断なく二丁拳銃を構えている。ダイアウルフ。満身創痍。しかしながら傷口を再生させながらなお立っている。アルデバラン。恐るべきカトン・ジツの使い手だったが、もはやその火は消え、膝立ちに荒い息をつきながらニチョーム勢をにらみつける。ブライカン。サイバネパーツのほとんどを破損し、折れたカタナを構えている。ファイアブランドも手持ちの装備を使いつくし最早カラテの構え。
「イヤーッ!!!」
あなたたちとヤモト、ニンジャスレイヤー、オメガ、グラビティボンズ、ダストスパイダー、フューネラル、スーサイド、ドラゴン・ニンジャ、ワイルドハントが動いた!
ハーヴェスターを目指せ!
「油断召されるな!イヤーッ!」
グラヴィティボンズが限界を超え、重力のジツを行使する!ファイアブランドはそれを阻止しようと駆けだすが、ワイルドハントがコマ・ジツでスリケンを十字砲火!これをブリッジ回避……いや!
「キエーッ!!!!」「グワーッ!サヨナラ!!!」
さらにそこに駆け込んだドラゴン・ニンジャがマストダイブレイドを振るい……両断!爆発四散!
「ええい、妙なジツを使うやつだ……クソ、ニチョームのオイランはアタシに良くしてくれたじゃないですかァ!!!?」
「あンた、ニチョームに来たことあんのか。わりぃな、客を減らししまう。イヤーッ!」
「グワーッ!」
ブライカンはフューネラルの奇怪なジツをサイバネアイでかろうじて解析し、対応するがスーサイドに組み付かれ、トクシュ・マニュピレーターを折り取られた!その隙にあなたたちとヤモト、ダストスパイダー、ニンジャスレイヤー、オメガがハーヴェスター、ダイアウルフ、アルデバランに迫る!
「ここさえ抜ければッ!!!」「させん!!!させるものかよ!」「GROWL!!!」
アルデバランがもはやカトンの力籠らぬカラテで時間を稼ごうとする!ダイアウルフも立ちふさがった!
しかし、一足早くダストスパイダーが抜けた!
「イヤーッ!」「グワーッ!!!」
しかし、それを読んでいたのはハーヴェスターだ!ハンドスプリングめいた姿勢からの突き上げるような迎撃蹴り!ダストスパイダーも素早くスリケンを投げつけるが、それをくらいながらも放たれたケリによって高く舞い上げられたダストスパイダーに、下から嵐のような射撃!
BLAM!BLAM!BLAM!BLAM!BLAM!
「グワーッ!グワーッ!グワーッ!サ……サヨナラ!!!」「サヨナラ!」
ソウカイヤの古豪ダストスパイダー爆発四散!
しかし同時にアルデバランも
爆 発 四 散 !
しかし未だ、ダイアウルフがあなたたちの前に立ちふさがり、死に物狂いのカラテ!
が次に抜けたのは、ニンジャスレイヤーとオメガ!ハーヴェスターに迫る!
「イヤーッ!!!!」「イヤーッ!!!!」
「アバーッ!!!!」
しかし……悲鳴を上げたのはダイアウルフ!
「し、しれ、い……?」
「よくやったぞダイアウルフ=サン。ネオサイタマの死神ニンジャスレイヤー!取ったり!」
「ARRRGH!!!……サヨナラ!!!!」
ニンジャスレイヤーのカラテを受け、ウルシ・ジツを流し込まれたダイアウルフは体の再生が間に合わず、悲惨な肉となって
爆 発 四 散 !
そう、ニンジャスレイヤーとオメガにカラテ正攻法では対抗できぬとみたハーヴェスターは戦いながらも油断なく立ち位置を耐久力があるダイアウルフの近くに移し、咄嗟に盾にしたのだ。部下を使い捨ててなお、敵を討ち取るイサオシに嬉々として笑みを浮かべる戦争狂!
ニンジャスレイヤーがアブナイ!
「グワーッ!!!」
しかし……ニンジャスレイヤーの眉間に照準を合わせたその右腕が斬り飛ばされた。ヤモト!
「グワーッ!!!」
もうひとつ!ニンジャスレイヤーの眉間に照準を合わせたその左腕が斬り飛ばされた。ヤモト!
「……イヤーッ!」
両腕を切り飛ばされながらも、悪あがきめいて蹴りを放つハーヴェスターだったが……既に、その後方にヤモトが駆け抜けていた。
「…………予想外に早い終わりだが、泣き言は言うまい。楽しい戦争だった!次はジゴクの鬼どもと……サヨナラ!」
湾岸警備隊司令官、ハーヴェスターは胴から真っ二つになり
爆 発 四 散 !
……戦闘は終結した。アマクダリ・アクシス全滅。湾岸警備隊も総司令官の爆発四散を受けて戦闘を停止。生き残ったブライカンは憮然とした表情でその場に座り込み、カイシャクを求めたがニチョーム勢はこれ以上の殺戮を不要としてこれをとりあえず縛り上げて拘束するにとどめた。ほかの生き残りニンジャも似たり寄ったりだ。
「ハァーッ……ハァーッ……! 行こう……!」
ヤモトは戦闘可能なニチョーム勢と共に、ブリッジへ。
「……皆、よく私を守ってくれた。ここは私に任せてくれ。ここまでくれば、もはやショージ戸の如しだ」
ヴィジランスも決して無傷ではなく、ニンジャスーツの背には切り傷がありメガネも完全に壊れたが、それでもザイバツ電算室の象徴としてそれのフレームを鼻の上に載せている。ヴィジランスはLAN導入者ではないが、エスイーめいて物理タイピングでメインフレームにコードを書き込んでいく。タイピング速度はテンサイ級を優に超え、ヤバイ級はあろう。
「………………」
ヴィジランスの手が止まる。
「バカな」
「エッ」「問題発生かよ!?アンタ、ザイバツのグランドマスターなんだろ!」「ヴィジランス=サン!?一体!?」
ヤモト、インパルス、ワイルドハントらがざわついた。
「……メインフレームにナンシー=サンと作り上げた対A.R.G.O.S用のプログラムを流し込んだ。これで止まるはずだ。A.R.G.O.Sを破壊し、世界再定義は止まるはずなのだ。事実、A.R.G.O.Sからの戦術支援を受けて少人数で動かしていたらしい湾岸警備隊の他の艦艇や兵器群は既に停止している。が……死んだはずのA.R.G.O.Sがまた動きだしている……何故だ?」
冷静にヴィジランスが画面を眺めながら、原因を分析する。
「まさか……衛星バックボーン? ……有線LANにレイテンシーでかなうわけがない……!」
「そんな技術が残っていたのか!?」「どういうこったよ!? アタシたちにもわかるように説明してくれ!」
技術知識があるクラウドバスターも驚愕するが、イグナイトは完全に意味不明という風だ。
「……つまり、だ。まだA.R.G.O.Sは生きている。奴らは『月』から通信している」
無慈悲に、あなたたちを月が見下ろす。ドクロめいたそれがインガオホーとつぶやいた気がした
◆ ネヴァーダイズ:ジャイアントキリング ◆
おわり
◆ 最終話:ムーンオーバー2038に続く ◆
◆余暇・セッション終了処理◆
NMはPC全員にセッション報酬を手渡す。万札・余暇等は
キャンペーンのレギュレーションに沿って各自設定してほしい。
なお、実際にこのキャンペイグンが行われた際の報酬は、
万札15、名声+1、余暇2日、知識・交渉スキルを1つ無償で獲得であった
◆シナリオ後の状況
アマクダリ・セクトの存在は白日に晒された。しかし、アマクダリはこれに焦り、不完全な状態のA.R.G.O.Sで『世界再定義』を開始した。空に輝く黄金立方体と01ノイズを視覚的に含んだ生暖かい風はそのためであったのだ。猶予は2週間。そして、A.R.G.O.Sの本体であるメインフレームはジグラットよりも強固な防備を誇る湾岸警備隊艦隊旗艦空母『キョウリョク・カンケイ』に移された。
艦隊に守られたこれに対空砲火をやりすごして乗り込んだとしてもそこにはアマクダリの12人最強の男『スパルタカス』が待ち構えている。しかしナンシーはこれに旧オムラで開発されていたモーターツヨシを改造したニンジャ輸送機をマッハ20で撃ち込むことで、強引に30名以上の強豪ニンジャを送り込む。
そして艦上で行われた極限のカラテが鎬を削る死闘の末、スパルタカスは爆発四散し、湾岸警備隊総司令官ハーヴェスターも戦死を遂げる。メインフレームへの直接ハッキングが成り、A.R.G.O.Sは死に、アマクダリ・セクトの野望も終わるはずだった。しかし、死んだはずのA.R.G.O.Sが再び動き出す。
最後の目的地。それは……ネオサイタマを見下ろし、インガオホーと呟く『月』。
◆死亡した原作ニンジャ(アマクダリ)◆
スパルタカス、ハーヴェスター、アイアンウォッチ、カタナマンティス、ディスメンバメント、ブルージュッテ、クレイモーン、サンドウルフ、スチームアンカー、ジャガンナート、ヴァンブレイス、ホーリードメイン、アローレイン、ハリカルナッソス、クラリオン、シャープシューター、アイアンジャケット、サイコダート、トゥームクロウラー、シンクレア、レッドスナッズ、パトリアーク、ビショップ、エプスタイン、ベアハンター、グロウダガー、キルスウィッチ、ソルハンマー、ダイアウルフ、アルデバラン、ファイアブランド、マーズ、デメント、ファーストブラッド、クレイモア、コーナラー、アイアンクラッド、サイバースピネル、クルーシヴル、イスパイアル、ソリティア、ディアハンター
◆死亡した原作ニンジャ・人物(ニチョーム)◆
スカラムーシュ、ファイアイーター、ダストスパイダー、キンジマ船長