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絵本『だれでものいえへ』ongoing project vol.14

アイデアラフを『作画のラフ』にブラッシュアップする

さて、ここまで作ってきたラフは、アイデアノートのようなものです。
実際にどんな画面を作って物語を伝えていくのか、アイデアのラフを『作画のラフ』にブラッシュアップします。
同時に作画のタッチも(わたしの場合ですが)、ここで決めておきます。


作画タッチを決めました
編集者土井さんに『良し』と言っていただけた
扉絵

画面構成を考えて作画する

『作画のラフ』制作の時に気にするのが『ノド』を意識しての作画です。
『ノド』とは、本を開いたときに中央にあたるページとページの接続部分。
ここに重要な作画があると、最悪の場合見えにくくなってしまいます。
また、文章が来る位置にもスペースがあるように作画を配分します。

主人公や主人公の家という重要なパーツがノドにかからないように考えて描きます。
木をどんな風に描こうか悩みました。


海の町のシーン。波を描くのが楽しみだなあと思ってました。


後に『こども食堂』だとわかる家をノドにかからないようにしています。


「『かどっこ』を描くんだね」と土井さんが確認していました。


おばけのこどもたちの大行列。
色々なこどもがいることを描きたいと思いました。


おばけのこどもが『こども食堂』に辿り着きます。


食事のシーンごちそうを真上から見ていますが「これは漫画的表現だね」との土井さんからの指摘。
「視点は真横か、斜め45°くらいにしたほうが良い」とアドバイスをいただいて、描き直すことに。


食事が終わって、おやつを食べたり遊んだりするシーン。
『こども食堂』は、食事だけではなくて、先生でも親でもない大人と出会ったり
関係を持ったりすることがとても大切です。

10

『こども食堂』からの帰り道。
全ての町を合体させる作画に悩みます。
今まで通り過ぎてきた町にも『こども食堂』があったことがわかるシーンです。


身近な場所にも『こども食堂』があるよ、と伝えたいラストシーン。

次は、『作画の下描き』を作ります。

つづく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2024/10/15
ペレカスブック新井由木子
記事の制作公開は、編集者土井章史さん、クライアントこども応援ネットワークPineさんのご了解をいただいています。
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リアタイでは各ページブラッシュアップ中
時間がいくらあっても足りない
そして1日の作画集中時間の限界は
わたしの場合9時間だと知る

記事:ペレカスブック店主イラストレーター・デザイナー:新井由木子
ペレカスブックは埼玉県草加市の小さな書店。
実店舗は2023年5月にクローズ。新店舗を持てるように奮闘中です。

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