絵本『だれでものいえへ』ongoing project vol.24
製版ができあがって、絵本を箱に入れたくなる
さて、ついに絵本『だれでものいえへ』の製版が印刷工場丸庄さんの手により出来上がりました。
製版データは、とてもじゃないけれどわたしのノートパソコンに入るようなデータサイズではないので、文字配列を調整するためにデータを軽くしていただいたものを貰いました。
土井さんと作った文字列を製版データにレイアウトし直し、家のプリンターで実物大にプリントしたものを実際のサイズに組み立ててみた、その時のことです。
ふと、作業台の上にあったひとつの箱に、目が留まったのです、、、。
それは、わたしが以前に作った『アルファベットめいろ』のための箱でした、、、。
アルファベットめいろ
この箱は、紙のめいろを書店の棚で扱いやすいようにと、特注で作った箱です。
作ってくれたのは草加のダンボール工場森紙器さん。
透ける紙でできためいろです
森紙器さんは、とても大きな事業をされているのですが、わたしのような小さな事業をしているもののお願いことも快く聞いてくれるのです。
森紙器さんとのお仕事、わたしがデザインでお手伝いをしている草加の都市型完全オーガニック農場ChaviPeltoさんの通販箱などを作っていただきました。
畑の寒冷紗のトンネルをモチーフにデザインしました
赤いインキがダンボールに合う
このアルファベットめいろ用の箱は、厚さ30mm、縦横200mm。
『だれでものいえへ』の制作サイズは厚さ3mm、縦横200mm、、、。
縦横を少し小さくすれば、ちょうど収まるじゃないの、、、！
もしかして『だれでものいえへ』のギフト企画など考えたくなったら、、、ちょうど良いではないの、、、！！
そういうわけで、絵本のサイズを今更変更したくなってしまったのでした。
早速箱に入るサイズ195×195mmにページサイズを直してみます。
すると、絵の縮小は見た感じはさほど変化がないように見え、文字のサイズは変えないまま、レイアウトし直すことができたのでした。
サイズを変えたデータを編集者土井さんに送ります。
すると、、、。
「そういうことは最初から考えておかないと」と、柔らかく叱る土井さん。
「組み立ててから、思いついてしまったんです、、、」
「まったく、もう、、、」
そういうわけでもういちど、こんどは195×195mmサイズにしたてたものを組み立てて、土井さんのところに行くことになりました。
余談になりますが、わたしは絵描きとして生きていきたいと思って、1998年にHBギャラリーファイルコンペで大賞を受賞したのを(昔のことすぎて、web上に記録がありません)足がかりに、主に文芸誌で小説の挿絵を描くのを生業としてきました。
2014年に文藝春秋で桐野夏生さんへの挿絵を手がけたのと同時に、3冊目の著作『まんじゅうじいさん(絵本塾出版)』を出版させていただいています。
なんだか読みたい『まんじゅうじいさん』
土井さんと作りました
そのとき(シングルマザーでもあったので)、その先を出版社さんを相手とした画業でやっていく未来が想像しにくくなって、町の絵描きとして町の本屋を立ち上げ、町で生計を立ててみようと思ってトライしたのが2016年からのペレカスブックです。
そこから先8年、町のお店、町の工場のひとたちと仕事をして、今ここ。
町のこども食堂のための絵本を町のこども食堂から依頼していただき、自分の絵で描いて町の工場で印刷・製本していただくところまできました。
生きて生活していくことって、それだけでヒイヒイ言うほど大変で、でも紆余曲折ありながら、好きなことがあったらそれを手放さないでいると、自分で想像したのとは違う道が見えてくることもあるなあというのが実感です。
全然、楽じゃないけれど、、、。今年はどうやって生きていくんだろ、、、。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2025/03/03
ペレカスブック新井由木子
記事の制作公開は、編集者土井章史さん、クライアントこども応援ネットワークPineさんのご了解をいただいています。
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リアタイではこちらもペレカスブックの自社製品『害獣という名のブックカバー』のための作業がいろいろ。
記事：ペレカスブック店主イラストレーター・デザイナー：新井由木子
ペレカスブックは埼玉県草加市の小さな書店。
実店舗は2023年5月にクローズ。新店舗を持てるように奮闘中です。